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Oracle Coherence統合ガイド
リリース3.5
B56042-01
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5 WebLogic PortalとOracle Coherenceの統合

Oracle WebLogic Portalは、Coherenceに緊密に統合されています。具体的には、Coherenceには次の統合ポイントがあります。

5.1 P13N CacheProvider SPIの実装

WebLogic Portalでは、内部的に独自のキャッシュ・サービスを使用して、ポータル、パーソナライズ、およびコマースの各データをキャッシュ処理します。その説明は以下を参照してください。

http://download.oracle.com/docs/cd/E13155_01/wlp/docs103/javadoc/com/bea/p13n/cache/package-summary.html

WebLogic Portal 8.1.6以降には、サード・パーティ・キャッシュ・ベンダーで実装できるP13Nキャッシュ・サービス用のSPIが付属しています。Coherenceは、P13N CacheProvider SPIの実装を備えています。この実装をWebLogic Portalアプリケーションにインストールすることによって、キャッシュしたP13Nデータの透過的な管理がコードを変更せずに実現します。さらに、CoherenceとWebLogic Portalを組み合せることによって、キャッシュ・トポロジを柔軟に選択できるようになります。

たとえば、ポータル・サーバーが4GBのヒープ制限(32ビットJVMの場合)に到達していることやポータル・サーバーのGC時間が長くなっていることが判明した場合は、クライアントとサーバーで構成するキャッシュ・トポロジを利用して、シリアライズ可能なP13N状態をポータルJVMから1台以上の専用Coherenceキャッシュ・サーバーに移動できます。これによって、ポータルJVMのヒープ・サイズとGC時間を低減できます。また、Coherence管理フレームワークを使用して統計を詳しく監視することで、P13Nキャッシュ設定をより適切な状態に調整できます。さらに、Coherence CacheProviderによって、標準のP13NキャッシュAPIを使用して、ポートレットでCoherenceキャッシュ・サービスを利用できるようになります。

Coherence P13N CacheProviderをインストールする手順は次のとおりです。

  1. Coherenceのインストール環境にあるlibディレクトリから、付属のcoherence-wlp.jarライブラリとcoherence.jarライブラリをWebLogic PortalアプリケーションのAPP-INF/libディレクトリにコピーします。

  2. WebLogic Portalアプリケーションごとに、そのMETA-INFディレクトリにあるp13n-cache-config.xmlファイルでCoherence P13N CacheProviderをデフォルトのプロバイダとして構成します。具体的には、最初の<cache>要素の直前に次の行を追加します。

    <default-provider-id>com.tangosol.coherence.weblogic</default-provider-id>
    

プロバイダで使用するCoherence CacheProviderとCoherenceキャッシュの構成方法は、PortalCacheProviderクラスのJavadocを参照してください。

WebLogic Portalで使用するキャッシュについては、次のドキュメントを参照してください。

http://download.oracle.com/docs/cd/E13155_01/wlp/docs103/caches/caches.html

5.2 CoherenceによるWSRPフェデレーテッド・ポータル間でのデータ共有

Web Services for Remote Portlets(WSRP)プロトコルは、任意のポータル・サーバーとサーバー・クラスタでホストされたポータルのフェデレーションをサポートすることを目的としています。WSRPを使用して、他のリモート・ポータルでホストされている様々なポートレットにあるコンテンツとユーザー・インタフェース(UI)を集約できます。ただし、スケーラブルで高信頼性、高性能なフェデレーテッド・ポータルを実装して、分散ポートレットで共有するデータのライフサイクルを作成、アクセス、および管理するという課題に、WSRPだけで対処することはできません。このような課題を解決するために、WebLogic PortalにはWSRP仕様の拡張機能が用意されています。この拡張機能をOracle Coherenceと組み合せることによって、WSRPのコンシューマとプロデューサでは、スケーラブルで高い信頼性と高性能を備えた方法で、スコープを設定した共有データの作成、表示および変更のほか、これらのデータへの同時アクセスの制御が可能になります。

詳細は、次のドキュメントを参照してください。

http://www.oracle.com/technology/pub/articles/dev2arch/2005/11/federated-portal-cache.html