この項ではOracle Data Provider for .NETの新機能について説明し、追加情報への参照を提供します。現在のリリースへ移行するユーザーのため、前のリリースの新機能の説明も残されています。
次の項では、Oracle Data Provider for .NETの新機能を説明します。
Oracle Data Provider for .NETリリース11.1.0.6.20には次が含まれています。
Oracle XCopy
Oracle XCopyは、通常のODP.NETクライアントよりもディスク・サイズが小さく構成の簡単なODP.NETクライアントをシステム管理者に提供します。Oracle XCopyは、カスタマイズされたデプロイ・パッケージへのODP.NETの埋込みを簡素化します。
Oracleユーザー定義タイプのサポート
ODP.NETには、.NETアプリケーションのカスタム・タイプとしてデータベースに定義されているOracle UDTを表示する機能があります。
一括コピー操作
ODP.NETでは、大量のデータを効率的にロードする一括コピー操作がサポートされています。
Real Application Clusters(RAC)およびOracle Data Guardに対する追加の接続プールの最適化
ODP.NETは、Oracle RACまたはOracle Data Guardからデータベース・ダウン・イベントを受信すると、接続プールをクリーン・アップします。ODP.NETはすでにノード・ダウン、サービス・メンバー・ダウンおよびサービス・ダウン・イベントに対して接続プールをクリーン・アップしていますが、これはその追加機能です。
Windows認証ユーザー接続プーリング
ODP.NET接続プールの一部として、オペレーティング・システム認証接続を管理できます
接続プール・パフォーマンス・カウンタ
ODP.NETは、Windowsパフォーマンス・モニターを使用して表示できる接続プーリングのパフォーマンス・カウンタを公開します。
Oracle Data Provider for .NETリリース11.1には次が含まれています。
ODP.NET構成
開発者は、アプリケーション構成ファイル、web.config
ファイルまたはmachine.config
ファイルなどの構成ファイルを使用してODP.NETを構成できるようになりました。
machine.config
の設定は、レジストリの設定より優先されます。アプリケーション構成ファイルまたはweb.config
の設定は、machine.config
の値より優先されます。
パフォーマンスの拡張機能
パフォーマンスの拡張機能は次のとおりです。
このリリースでは、ODP.NETパラメータ・コンテキストをキャッシュする既存のキャッシング・インフラストラクチャが拡張されました。この拡張機能は、データベース・バージョンから独立しており、サポートされているすべてのデータベース・バージョンで使用できます。この機能により、アプリケーションが同じ文を繰り戻し実行する際のパフォーマンスが大きく改善されます。
この拡張機能は開発者に対して透過的です。この機能の使用を使用する際にはコード変更は必要ありません。
このリリースでは、データベースへのラウンドトリップの回数を減らすことで、SecureFilesを使用する際の少量のLOB検索のパフォーマンスが向上しました。この拡張機能はOracle 11gリリース1.0以降のデータベース・バージョンでのみ使用可能です。
この拡張機能は開発者に対して透過的です。この機能の使用を使用する際にはコード変更は必要ありません。
Oracle Data Provider for .NETリリース10.2.0.3には次が含まれています。
Windows x64およびWindows Itaniumに対応する64ビットODP.NET
ODP.NETは、次の64ビットのWindowsプラットフォームに対する64ビット.NET Frameworkをネイティブにサポートしています。
AMD64およびIntel EM64Tプロセッサに対応するWindows x64
Intel Itaniumに対応する64ビットWindows
64ビット・システムにより、ODP.NETアプリケーションはさらに拡張的になり、そのパフォーマンスが向上しました。
Windowsレジストリを介するFetchSize
の構成
この機能により、アプリケーションはレジストリを介するデフォルトの結果セットのフェッチ・サイズを指定できます。
System.Transactions
のローカル・トランザクション・サポート
この機能により、System.Transactions
は、分散トランザクションではなくローカル・トランザクションを使用できます。これは、レジストリまたは接続文字列属性のいずれかから指定できます。
Oracle Data Provider for .NETリリース10.2.0.2には次が含まれています。
Microsoft ADO.NET 2.0のサポートには次が含まれます。
プロバイダ・ファクトリ・クラスおよびベース・クラス
データ・アクセス・コードを単純化して、プロバイダの汎用APIで複数のデータ・ソースにアクセスします。
接続文字列ビルダー
エラーを起こしにくく、管理しやすい接続文字列を作成します。
データ・ソース列挙子
アプリケーションによって、そのアプリケーションが接続できるOracleデータ・ソースのコレクションを一般的に取得できます。
スキーマ検出のサポート
アプリケーション開発者は、表、列およびストアド・プロシージャなどのデータベース・スキーマ情報を検出し、戻すことができます。
System.Transactionsのサポート
ODP.NETでは、System.Transactions
ネームスペース・モデルを使用する暗黙的および明示的トランザクションをサポートします。
バッチ処理のサポート
OracleDataAdapter.Update
メソッドがコールされると、バッチ処理が有効になります。
Oracle Data Provider for .NETリリース10.2には次が含まれています。
サーバー側の機能
Oracle Data Provider for .NETのサーバー側の機能は、.NETストアド・プロシージャからのデータ・アクセスを提供します。このようなプロシージャは、Windows上のOracleデータベースに含まれる新機能のOracle Database Extensions for .NETにより有効になります。
クライアント識別子のサポート
Oracle Data Provider for .NETは、OracleConnection.ClientId
プロパティを公開するため、Oracle Virtual Private Database(VPD)およびアプリケーション・コンテキストをサポートしています。クライアント識別子により開発者はより簡単にVPDを構成できるようになります。
Real Application Clusters(RAC)に対する接続プールの最適化
Oracle Data Provider for .NETは、ロード・バランシング・アドバイザリおよびサービスの目的に基づいてOracle RACインスタンス間の作業要求のバランスを調整することにより、Oracle RACデータベースの接続プーリングを最適化します。さらに、ODP.NET接続プールを有効にして、Oracle RACサービス、インスタンスまたはノードの停止により動作継続中の接続に関連付けられているリソースを事前に解放できます。
Database Change Notificationサポート
Oracle Data Provider for .NETでは、Continuous Query Notificationをサポートする通知フレームワークが提供されます。これにより、問合せ結果セットまたはデータベースの状態に変更があったときにアプリケーションが通知を受け取れます。
接続プーリングの管理
Oracle Data Provider for .NET接続プール管理は、ODP.NETアプリケーションに関する明示的な接続プール管理を提供します。アプリケーションはすべての接続プール内の接続を明示的にクリアできます。
Oracle Database 10gリリース2(10.2)以降でのLOBパフォーマンスおよび機能の向上
IN
およびIN
/OUT
、REF
CURSOR
オブジェクトのサポート
この機能により、アプリケーションはPL/SQLプロシージャまたはファンクションからREF
Cursor
を取得して、別のストアド・プロシージャまたはファンクションへ渡すことができます。
Oracle Data Provider for .NETリリース10.1.0.3には次が含まれています。
この機能では、各セッションの文のキャッシュを提供および管理します。開発者はキャッシュされる文とその数を制御できます。これによりパフォーマンスとスケーラビリティが向上します。
.NET Framework 1.1の拡張機能
これらの拡張機能により、Microsoft .NET Framework 1.1で導入された新しいADO.NET機能が公開されます。
コマンドのキャンセルおよびタイムアウトのサポート
これら2つの新機能はコマンドの取消しに関連しています。CommandTimeout
機能は実行後に指定した時間が経過するとコマンドの実行を取り消し、Cancel
メソッドはコマンドの実行を終了するようアプリケーションによって明示的にコールできます。
DeriveParameters
メソッド
このメソッドは、パラメータ情報のデータベースを問い合せてストアド・プロシージャまたはファンクションを表すOracleCommand
のパラメータ・コレクションを作成します。
LOB検索の拡張機能
選択リストに主キー、ROWID
または一意キーが含まれない場合でも、LOB列データ全体を取得できます。この拡張機能は、InitialLOBFetchSize
プロパティ値をCLOB
およびBLOB
オブジェクトに対して-1
に設定することで使用可能になります。
LONG
検索の拡張機能
選択リストに主キー、ROWID
または一意キーが含まれない場合でも、LONG
列データ全体を取得できます。この拡張機能は、InitialLONGFetchSize
プロパティ値を-1
に設定することで使用可能になります。
Oracle Data Provider for .NETリリース10.1には次が含まれています。
ODP.NETはグリッド対応であり、開発者は使用しているアプリケーション・コードを変更せずにOracle Database Gridサポートの利点を受けられます。
データベース内でのBINARY_FLOAT
およびBINARY_DOUBLE
データ型のサポート
ODP.NETは、新規のネイティブなデータベース型であるBINARY_FLOAT
およびBINARY_DOUBLE
をサポートしています
ODP.NETは、複数のOracleホームにインストールできます。
複数のホームを使用可能にするには、いくつかのODP.NETファイルにバージョン番号を含めること、およびHOME
ID
の使用が必須です。
データベース内のスキーマ・ベースXMLType
のサポート
ODP.NETは、ネイティブ・スキーマ・ベースのXMLType
をサポートしています。
Oracle Technology Network(OTN)上でリリースされたOracle Data Provider for .NETリリース9.2.0.4には次が含まれています。
ODP.NETでのXMLサポート
XMLサポートにより、現在ODP.NETでは次の機能が実行できます。
XMLデータをそのままの形で、ネイティブなOracleデータベース型であるXMLType
として、データベースに格納します。
Oracle DatabaseインスタンスからMicrosoft .NET環境へ、XMLデータとしてリレーショナル・データおよびオブジェクト・リレーショナル・データにアクセスし、Microsoft .NET Frameworkを使用してXMLを処理します。
XMLデータを使用してデータベースに変更を保存します。
PL/SQL連想配列バインドのサポート
ODP.NETは、PL/SQL連想配列(従来のPL/SQL索引付き表)バインドをサポートしています。
アプリケーションは、OracleParameter
プロパティを使用し、OracleParameter
をPL/SQL連想配列としてPL/SQLストアド・プロシージャにバインドできます。
OracleCommand
およびOracleDataReader
オブジェクトでのInitialLOBFetchSize
プロパティのサポート