この章では、キャッシュ・グリッドを破棄してキャッシュ・グループを削除するために、TimesTenデータベースおよびOracle Databaseで実行する必要がある様々なタスクについて説明します。内容は次のとおりです。
アタッチされているキャッシュ・グリッドからグリッド・メンバーをデタッチするには、ttGridDetach
組込みプロシージャをコールします。 グリッド・メンバーがアクティブ・スタンバイ・ペアである場合は、アクティブ・マスター・データベースとスタンバイ・マスター・データベースの両方を個別にデタッチする必要があります。 グリッド・メンバーをデタッチすると、そのグローバル・キャッシュ・グループにもキャッシュ表にも処理を実行できなくなります。 また、グリッド・メンバーは、所有していたすべてのキャッシュ・インスタンスの所有権を放棄します。 キャッシュ・エージェント・プロセスおよびレプリケーション・エージェント・プロセスは、データベースがキャッシュ・グリッドからデタッチされるまで停止できません。
ttGrid
キャッシュ・グリッドからメンバーをデタッチするには、cachealone1
、cachealone2
、cacheactive
、cachestandby
の各データベースから、キャッシュ・マネージャ・ユーザーとしてttGridDetach
組込みプロシージャをコールします。 次の例は、cachealone1データベースからの組込みプロシージャのコールを示しています。
% ttIsql "DSN=cachealone1;UID=cacheuser;PWD=timesten;OraclePWD=oracle" Command> call ttGridDetach;
TimesTenデータベースをキャッシュ・グリッドからデタッチする前に、ttRepSubscriberWait
組込みプロシージャを使用して、グローバル・キャッシュ・グループのキャッシュ表にコミットされたすべての更新をキャッシュされたOracle表に伝播します。
% ttIsql "DSN=cachealone1;UID=cacheuser;PWD=timesten;OraclePWD=oracle" Command> call ttRepSubscriberWait('_AWTREPSCHEME','TTREP','_ORACLE','sys1',-1);
グリッドからデータベースがデタッチされた後、そのデータベースで動作するレプリケーション・エージェントを停止できます。
使用不可能になったにも関わらず引き続きグリッドにアタッチされているグリッド・メンバーに対し、デタッチを強制できます。 グリッド・メンバーの基本となるTimesTenデータベースは、たとえば、TimesTenシステムがオフラインになったり、データベースが破棄されると使用不可能になります。 読取り専用サブスクライバ・データベースを除く、使用可能ないずれかのTimesTenデータベースから、キャッシュ・マネージャ・ユーザーとしてttGridDetach
組込みプロシージャをコールし、その際に値1をforce
パラメータに渡します。
Command> call ttGridDetach('TTGRID_alone2_2',1);
アタッチしたすべてのグリッド・メンバーの名前を確認するには、ttGridNodeStatus
組込みプロシージャをコールします。
使用不可能になったにも関わらず引き続きグリッドにアタッチされているグリッド・メンバーをまとめて強制的にデタッチするには、読取り専用サブスクライバ・データベースを除く使用可能ないずれかのTimesTenデータベースから、キャッシュ・マネージャ・ユーザーとしてttGridDetachList
組込みプロシージャをコールします。 その際、値1をforce
パラメータに渡します。
Command> call ttGridDetachList('TTGRID_cacheact_3A TTGRID_cachestand_3B',1);
レプリケーション・エージェントを停止するには、ttRepStop
組込みプロシージャをコールします。 この処理は、読取り専用サブスクライバ・データベース、およびAWTキャッシュ・グループのあるスタンドアロンTimesTenデータベースを含め、アクティブ・スタンバイ・ペアの各TimesTenデータベースで実行する必要があります。
cachealone1
、cachealone2
、cacheactive
、cachestandby
、rosubscriber
の各データベースから、キャッシュ・マネージャ・ユーザーとしてttRepStop
組込みプロシージャをコールして、データベースのレプリケーション・エージェントを停止します。
Command> call ttRepStop;
キャッシュ・グループおよびそのキャッシュ表を削除するには、DROP CACHE GROUP文を使用します。 DROP CACHE GROUP文を使用してキャッシュ・グループを削除したり、ALTER CACHE GROUP文を使用して自動リフレッシュ・キャッシュ・グループの自動リフレッシュ状態をOFFに設定すると、Oracleデータのキャッシュ管理に使用されているOracleオブジェクトが自動的に削除されます。
自動リフレッシュ処理を実行中のキャッシュ・グループに対してDROP CACHE GROUP文を発行すると、次のようになります。
LockWait
DSN属性設定が0(ゼロ)より大きな値である場合、自動リフレッシュ処理は停止します。DROP CACHE GROUP文が自動リフレッシュ処理より優先して使用されます。
LockWait
属性設定が0(ゼロ)である場合、自動リフレッシュ処理は続行します。DROP CACHE GROUP文は、自動リフレッシュ処理が完了するか、またはこの文自体がロック・タイムアウト・エラーで失敗するまでブロックされます。
キャッシュ表がアクティブ・スタンバイ・ペアにレプリケート中であり、そのキャッシュ表がレプリケートされている唯一の要素である場合は、キャッシュ・グループを削除する前に、DROP ACTIVE STANDBY PAIR文を使用してアクティブ・スタンバイ・ペアを削除する必要があります。
TimesTenデータベースがまだキャッシュ・グリッドにアタッチされている場合、アクティブ・スタンバイ・ペアのレプリケーション・スキームは、そのTimesTenデータベースから削除できません。
アクティブ・スタンバイ・ペアのレプリケーション・スキームを削除するには、キャッシュ・マネージャ・ユーザーとしてcacheactive
、cachestandby
およびrosubscriber
の各データベースで次の文を実行します。
Command> DROP ACTIVE STANDBY PAIR; Command> exit
キャッシュ・グループを削除するには、DROP ANY TABLE権限をキャッシュ・マネージャ・ユーザーに付与する必要があります。
DROP ANY TABLE権限をキャッシュ・マネージャ・ユーザーに付与するには、インスタンス管理者としてcachealone1
、cachealone2
、cacheactive
およびcachestandby
の各データベースで次の文を実行します。cachealone1
データベースから発行されるSQL文の例は、次のとおりです。
% ttIsql cachealone1 Command> GRANT DROP ANY TABLE TO cacheuser; Command> exit
スタンドアロンTimesTenデータベース、アクティブ・マスター・データベースおよびスタンバイ・マスター・データベースからキャッシュ・グループを削除するには、DROP CACHE GROUP文を使用します。
subscriber_accounts
グローバル・キャッシュ・グループを削除するには、キャッシュ・マネージャ・ユーザーとしてcachealone1
、cachealone2
、cacheactive
およびcachestandby
の各データベースで次の文を実行します。cachealone1
データベースから発行されたSQL文の例は、次のとおりです。
% ttIsql "DSN=cachealone1;UID=cacheuser;PWD=timesten;OraclePWD=oracle" Command> DROP CACHE GROUP subscriber_accounts;
AWTキャッシュ・グループを削除する場合は、そのキャッシュ・グループを削除する前に、ttRepSubscriberWait
組込みプロシージャを使用して、そのグループのキャッシュ表にコミットされたすべての更新をキャッシュされたOracle表に伝播します。
% ttIsql "DSN=cachealone1;UID=cacheuser;PWD=timesten;OraclePWD=oracle" Command> call ttRepSubscriberWait('_AWTREPSCHEME','TTREP','_ORACLE','sys1',-1);
AWTキャッシュ・グループを削除すると、キャッシュ表にコミットされた更新をキャッシュされたOracle表に非同期に伝播するためにAWTキャッシュ・グループに作成したレプリケーション・スキームが自動的に削除されます。
キャッシュ・インスタンスを含むグローバル・キャッシュ・グループがグリッドのメンバーである場合、そのキャッシュ・グループは、すべてのキャッシュ表が空になるか、またはメンバーがキャッシュ・グリッドからデタッチされるまで削除できません。
注意: キャッシュ・グループを削除したり、キャッシュ・グループの自動リフレッシュ状態をOFFに変更した直後にキャッシュ・エージェントが停止する場合は、Oracleデータのキャッシュ管理に使用されるOracleオブジェクトがまだ削除されていない可能性があります。 キャッシュ・エージェントを再起動すると、削除または変更したキャッシュ・グループ用に作成されたOracleオブジェクトが削除されます。 |
キャッシュ・グリッドを破棄するには、ttGridDestroy
組込みプロシージャをコールします。 デフォルトでは、既存のグローバル・キャッシュ・グループまたはアタッチ済グリッド・メンバーが存在する場合、キャッシュ・グリッドを破棄できません。
ttGrid
キャッシュ・グリッドを破棄するには、読取り専用サブスクライバ・データベースを除くいずれかのTimesTenデータベースから、キャッシュ・マネージャ・ユーザーとしてttGridDestroy
組込みプロシージャをコールします。
Command> call ttGridDestroy('ttGrid');
TimesTenデータベースが使用不可能になったにも関わらずグローバル・キャッシュ・グループを含むグリッド・メンバーやグリッドにアタッチされているグリッド・メンバーについても、キャッシュ・グリッドを強制的に破棄できます。 TimesTenデータベースは、たとえば、TimesTenシステムがオフラインになったり、データベースが破棄されると使用不可能になります。 読取り専用サブスクライバ・データベースを除くいずれかのTimesTenデータベースから、キャッシュ・マネージャ・ユーザーとしてttGridDestroy
組込みプロシージャをコールし、その際に値1をforce
パラメータに渡します。
Command> call ttGridDestroy('ttGrid',1);
キャッシュ・グリッドは、不要になった場合または再びそのグリッドにアタッチすることがない場合にのみ破棄してください。
キャッシュ・エージェントを停止するには、ttCacheStop
組込みプロシージャをコールします。 この処理は、アクティブ・スタンバイ・ペアのアクティブ・マスター・データベースおよびスタンバイ・マスター・データベースに加えて、すべてのスタンドアロンTimesTenデータベースで実行する必要があります。
cachealone1
、cachealone2
、cacheactive
およびcachestandby
の各データベースから、次の組込みプロシージャ・コールを発行してデータベースのキャッシュ・エージェントを停止します。
Command> call ttCacheStop; Command> exit
TimesTenデータベースがまだキャッシュ・グリッドにアタッチされている場合は、キャッシュ・エージェントを停止できません。
TimesTenデータベースが不要になった場合は、ttDestroy
ユーティリティを使用してそのデータベースを破棄できます。
次の例では、cachealone1
データベースに接続してから破棄するttDestroy
ユーティリティを示しています。
% ttDestroy cachealone1
timesten
ユーザー、スキーマ・ユーザーoratt
およびキャッシュ管理ユーザーcacheuser
に加えて、これらのユーザーが所有するすべてのオブジェクト(表やトリガーなど)を削除するには、sysユーザーとしてSQL*Plusを使用します。 次に、TT_CACHE_ADMIN_ROLEロールを削除し、さらにtimestenユーザーおよびキャッシュ管理ユーザーによって使用され、表領域やそのデータ・ファイルの内容などが含まれているデフォルトの表領域cachetblsp
を削除します。
% sqlplus sys as sysdba Enter password: password SQL> DROP USER timesten CASCADE; SQL> DROP USER oratt CASCADE; SQL> DROP USER cacheuser CASCADE; SQL> DROP ROLE tt_cache_admin_role; SQL> DROP TABLESPACE cachetblsp INCLUDING CONTENTS AND DATAFILES; SQL> exit