Oracle TimesTen In-Memory Databaseでは、PL/SQL(Procedural Language Extension to SQL)がサポートされています。このプログラミング言語を使用すると、ご使用のTimesTenデータベースでSQLにプロシージャ構造を統合できます。 PL/SQLは、Oracle Databaseに不可欠な要素です。 そのため、Oracle 11g(11.1.0.7)のPL/SQL機能の多くは、TimesTenにも存在します。 また、PL/SQLは、基本的にTimesTenでもOracleの場合と同じように動作します。
この章では、TimesTen PL/SQLについて簡単に説明します。内容は次のとおりです。
PL/SQLドキュメントのソース(このドキュメントおよびその他のソース)
TimesTenにおけるPL/SQLサポートにより、次のことを行うことができます。
PL/SQLプログラミング言語を最大限に活用します。
次のAPIを使用するクライアント・アプリケーションからPL/SQLを実行します。
JDBC
OCI
ODBC
Pro*C/C++
TTClasses
PL/SQLからTimesTen SQLを実行します。
スタンドアロンのプロシージャ、ファンクション、パッケージおよびパッケージ本体を作成、変更および削除します。
PL/SQLパッケージを使用して、データベース機能を拡張したり、PL/SQLからSQL機能にアクセスできるようにします。
PL/SQLアプリケーションで例外とエラーを処理します。
TimesTenデータベースで接続属性を設定して、PL/SQL環境をカスタマイズします。
セッション・パラメータを変更し、PL/SQL環境を管理できます。
PL/SQLシステム・ビューを使用して、TimesTenデータベース内のPL/SQLメタデータを表示します。
注意: 現時点では、TimesTen PL/SQLはWindows環境でサポートされていません。 |
Oracle DatabaseとTimesTen In-Memory Databaseのドキュメント・ライブラリには、TimesTenにおけるPL/SQLの機能や拡張機能に関する複数の情報ソースがあります。
この『Oracle TimesTen In-Memory Database PL/SQL開発者ガイド』は、TimesTenにおける多くのPL/SQL機能の主要な情報ソースです。 このガイドの例、およびTimesTenデータベースにおけるPL/SQLとOracle DatabaseにおけるPL/SQLの相違点に関する説明を参照してください。
表1-1に、このガイド内のドキュメント・ソース、および他のOracle DatabaseドキュメントやTimesTenドキュメントに記載されている関連情報を示します。 Oracleドキュメントは、次のURLで入手できます。
http://www.oracle.com/technology/documentation/database.html
表1-1 ドキュメントのソース
機能/拡張機能 | 参照先 |
---|---|
ALTER SESSION文(PL/SQLセッション・パラメータ用) |
『Oracle TimesTen In-Memory Database SQLリファレンス・ガイド』も参照 |
接続属性 |
『Oracle TimesTen In-Memory Databaseリファレンス』も参照 |
プロシージャ、ファンクション、パッケージおよびパッケージ本体に対するCREATE、ALTERおよびDROP文 |
『Oracle TimesTen In-Memory Database SQLリファレンス・ガイド』および『Oracle Database SQL言語リファレンス』も参照 |
例外処理とエラー・レポート |
『Oracle Database PL/SQL言語リファレンス』も参照 |
TimesTenでサポートされるクライアント・アプリケーションからのPL/SQL機能の使用 |
『Oracle TimesTen In-Memory Database C開発者ガイド』 『Oracle TimesTen In-Memory Database Java開発者ガイド』 『Oracle TimesTen In-Memory Database TTClassesガイド』 |
PL/SQLからのTimesTen SQLの実行 |
『Oracle Database PL/SQL言語リファレンス』も参照 |
PL/SQLプログラミング言語 |
このドキュメント全体 『Oracle Database PL/SQL言語リファレンス』も参照 |
システム表およびシステム・ビュー |
『Oracle TimesTen In-Memory Database SQLリファレンス・ガイド』 『Oracle Databaseリファレンス』 |
TimesTen提供パッケージ |
『Oracle Database PL/SQLパッケージ・プロシージャおよびタイプ・リファレンス』も参照 |
TimesTenユーティリティ |
『Oracle TimesTen In-Memory Databaseリファレンス』 |
このドキュメントは、主に次の開発者を対象としています。
Oracle DatabaseおよびOracle PL/SQLでの経験があり、TimesTenでPL/SQLを使用する方法について学習する必要がある開発者。 特に、OracleにおけるPL/SQLとTimesTenにおけるPL/SQLの相違点について学習する必要がある開発者を対象としています。
TimesTenでの経験があり、PL/SQLに関する詳しい知識がない開発者。 このような読者には、PL/SQLに関する一般情報が必要です。
それぞれの対象読者にとって特に重要なこのドキュメントの参照先は、次のとおりです。
Oracle PL/SQLでの経験がある開発者は、このドキュメントの大部分(PL/SQLに関する多くの一般概念の説明)は読む必要がありません。 重要な部分、特にOracleとTimesTenにおけるPL/SQL機能の相違点は、次に含まれています。 TimesTen固有の考慮事項については、第2、3、4章の最後および第10章全体で説明します。
「PL/SQLのプロシージャおよびファンクションを実行する方法」 : TimesTenとOracleでの実行方法を比較しています。
「TimesTenにおける相違点: トランザクション動作」 : TimesTenでトランザクションが終了するときのカーソルの動作について説明しています。
「TimesTenにおける相違点: データ型に関する考慮事項」 : TimesTen固有の変換とTimesTenでサポートされていないデータ型について説明しています。
第7章「PL/SQLのインストールおよび環境」: TimesTenの接続属性について説明しています。
第9章「TimesTenが提供するPL/SQLパッケージ」: TimesTenでサポートされているOracle PL/SQLパッケージのサブセットについて説明しています。
第10章「TimesTen PL/SQLサポート: リファレンスの概要」: TimesTen PL/SQLとOracle PL/SQLの相違点をまとめ、簡単に説明しています。
このドキュメントの大部分は、これまでにPL/SQLを使用した経験がない読者、特にPL/SQLに関する詳しい知識がないTimesTenユーザーを対象としています。ドキュメントのほぼ全体に役立つ情報が記載されています。 特に、第2章「TimesTenにおけるPL/SQLのプログラミング機能」にはPL/SQLの初心者にとって役立つ情報が記載されており、第5章「PL/SQLでのTimesTen SQLの使用例」には補足的な例がいくつか含まれています。
第10章「TimesTen PL/SQLサポート: リファレンスの概要」は、TimesTen PL/SQLとOracle PL/SQLの相違点について説明しているため、関係がない可能性があります。
環境を構成した後、TimesTenクイック・スタート・デモ・アプリケーションをコンパイルして実行することで、すべて正しく設定されていることを確認できます。 クイック・スタートのようこそページ(install_dir
/quickstart.html
)のサンプル・プログラムの下にあるリンクで、次の事項の説明を参照してください。
デモ・スキーマおよび設定
build_sampledb
スクリプトは、サンプル・データベースおよびデモ・スキーマを作成します。 デモの使用を開始する前に、これを実行する必要があります。
デモ環境および設定
ttquickstartenv
スクリプト(通常、TimesTenの設定に使用するttenv
スクリプトのスーパーセット)によって、デモ環境を設定します。 いずれかのデモをコンパイルおよび実行するセッションに入るたびに、これを実行する必要があります。
デモおよび設定
TimesTenにはPL/SQLのデモが用意されています。このデモは、quickstart/sample_code
ディレクトリの下のサブディレクトリにあります。 デモの実行手順については、サブディレクトリ内のREADMEファイルを参照してください。
デモの機能
各デモの概要が用意されています。