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Oracle Application Server Adapters for CICSユーザーズ・ガイド
11g リリース1(11.1.1)
B61397-01
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6 JDeveloperでのプロジェクトの作成例

この章の構成は、次のとおりです。

はじめに

この項では、サンプルを使用するために必要なコンポーネントとシステムの準備方法について説明します。項の構成は、次のとおりです。

前提条件

この例を使用するために必要なインストールと構成の要件は次のとおりです。

  • Microsoft Windows XP、Windows Vista、Windows Server 2003、またはWindows Server 2008が動作し、1GBのRAMを搭載したパーソナル・コンピュータであること。

  • 使用するCICSアダプタをOracle Application Serverにデプロイしてあること。

  • OracleAS CICS Adapterをアウトバウンド処理用に構成してあること。「アウトバウンド相互作用のOracleAS Adapter for CICSの構成」を参照してください。

  • Oracle JDeveloperをインストールしてあること。

  • レガシー・アダプタをデプロイしてあること。

  • 必要なマシンがロードされたOracle Studioがあること。「Oracle StudioでのIBM z/OSプラットフォームの設定」を参照してください。

この章では、BPELを使用してOracle CICSアダプタを使用する場合の構成手順の例を示します。これらの例を使用する前に、次のことをよく理解していることが必要です。

OracleAS Adapters for CICSとBPELを統合するには、次のプロセスを実行します。

最初のタスク

アウトバウンド・プロセスの設計をはじめる前に、次のことを実行する必要があります。

  • 「アウトバウンド相互作用のOracleAS Adapter for CICSの構成」のタスクを実行して、CICSアダプタを作成し、メタデータをインポートし、相互作用を作成します。

  • J2CA CICSリソース・アダプタに対する接続を構成します。この作業は、コネクション・ファクトリを作成して行います。

    詳細は、「アウトバウンド用のCICSアダプタの構成」を参照してください。

  • 相互作用のためのWSDLおよびバインディング・ファイルを作成します。この作業は、JDeveloperでエンドポイントの作成を始める前に、Oracle Studioで行います。作成した相互作用に基づいて、Oracle StudioによりWSDLおよびバインディング・ファイル(jca)が自動的に作成されます。詳細は、「JCA構成ファイルの作成」を参照してください。

BPELアウトバウンド・プロセスのデプロイ

このセクションでは、OracleAS Adapter for CICSに接続するBPELアウトバウンド・プロセスの作成方法について説明します。

BPEL Process Managerでプロセスを構成するには、JDeveloperを使用します。このセクションでは、JDeveloperを使用してCICSリソース・アダプタ用のBPELアウトバウンド・プロセスを作成する方法について説明します。次のセクションでは、BPELアウトバウンド・プロセスのデプロイ方法について説明します。

アウトバウンド・プロセスを設計する前に、OracleAS Adapter for CICSとBPEL Process Managerの統合と接続を行います。

デザインタイムのタスク

この項では、BPELアウトバウンド・プロセスをデプロイするために必要なデザインタイムの手順について説明します。これらのプロセスでは、FINDDOCTORというWebサービスが使用されています。このサービスでは、医師のリストがデータから検索されます。アウトバウンド・プロセスを作成するために必要な手順は、次のとおりです。

BPELアウトバウンド・プロセス用のBPELプロジェクトの作成

アウトバウンド用のBPELプロジェクトを作成するには、次の作業を実行します。

  1. JDeveloperで、新規のSOAプロジェクトを作成します。

  2. SOAプロジェクトを右クリックして「新規」を選択します。図6-1に示すように、「新規ギャラリ」が表示されます。

    図6-1 新規ギャラリ

    新規BPELプロセスの選択
    「図6-1 新規ギャラリ」の説明

  3. 「カテゴリ」リストで、「SOA層」を開き、「サービス・コンポーネント」を選択します。

  4. 「項目」リストで、「BPELプロセス」を選択して、「OK」をクリックします。図6-2に示すように、「BPELプロセス」画面が表示されます。

    図6-2 BPEL プロセス

    BPELプロセス
    「図6-2 BPELプロセス」の説明

  5. 「BPELプロセス」画面に、次の情報を入力します。

    • BPELOUTBOUND1などの名前を入力します。

    • プロジェクトを保存するディレクトリを入力します。

    • 同期BPELプロセスのテンプレートを選択します。

  6. 「OK」をクリックします。BPELプロセスがビジュアル・エディタに表示されます。

    次に、医師データを読み取るためのサードパーティ・アダプタの使用を行います。

医師データを読み取るためのサードパーティ・アダプタの使用

医師データを読み取るためには、サードパーティ・アダプタを使用する必要があります。相互作用に定義されているSQL文がSOAで実行されて、リソース・アダプタに渡されます。次に、リソース・アダプタで情報が処理されて、データが返されます。次の作業を実行して、サードパーティ・アダプタを作成します。

  1. 左側の「プロジェクト」エリアから、composite.xmlをダブルクリックします。ビジュアル・エディタの最下部で、必要に応じて「設計」タブをクリックします。図6-3 はビジュアル・エディタのコンポジット・ビューを示しています。

    図6-3 コンポジット・ビュー

    BPELプロセスのコンポジット・ビュー
    「図6-3 コンポジット・ビュー」の説明

  2. 図6-4 に示すように、サードパーティ・アダプタをビジュアル・エディタの「外部参照」レーンにドラッグします。

    図6-4 サードパーティ・アダプタ

    サードパーティ・アダプタ
    「図6-4 サードパーティ・アダプタ」の説明

    図6-5 に示すように、サードパーティ・アダプタをJDeveloperにドラッグすると、「サード・パーティ・アダプタ・サービスの作成」画面が表示されます。

    図6-5 サード・パーティ・アダプタ・サービスの作成

    サード・パーティ・アダプタ・サービスの作成
    「図6-5 サード・パーティ・アダプタ・サービスの作成」の説明

  3. 「WSDL URL」フィールドの隣のボタンをクリックして参照し、「JCA構成ファイルの作成」で作成したfindDoctor.wsdlファイルを見つけます。

  4. 「タイプ」リストで、「参照」を選択します。

  5. 「JCAファイル」フィールドの隣のボタンをクリックして参照し、「JCA構成ファイルの作成」で作成したfindDoctor.jcaファイルを見つけます。

  6. 「OK」をクリックし、ダイアログ・ボックスを閉じます。これで、図6-6に示すようにコンポジットの設計ができます。

    図6-6 BPELプロセスの作成準備完了(コンポジット・ビュー)

    処理前のコンポジット・ビュー
    「図6-6 BPELプロセスの作成準備完了(コンポジット・ビュー)」の説明

BPELアウトバウンド・プロセスの設計手順をに進みます。

BPELアウトバウンド・プロセスの設計

このステップでは、BPELプロセスを設計します。BPELアウトバウンド・プロセスを設計するには、次の作業をします。

  1. 図6-7に示すように、コンポジット内でBPELプロセスをサードパーティ・アダプタに接続します。

    図6-7 サードパーティ・アダプタへの接続

    サードパーティ・アダプタへの接続
    「図6-7 サードパーティ・アダプタへの接続」の説明

  2. BPELプロセスをダブルクリックします。

  3. 図6-8に示すように、コンポーネント・パレットのBPELプロセス・アクティビティのセクションから、「Assign」、「Invoke」、およびもう1つの「Invoke」アクティビティをプロセスのエディタにドラッグします。

    図6-8 アウトバウンド・プロセス

    このイメージはプロセスを作成する場所を示しています
    「図6-8 アウトバウンド・プロセス」の説明

  4. Invoke_1アクティビティの編集に進みます。

Invoke_1アクティビティの編集

ここでは、findDoctor相互作用が起動されるように、「Invoke」アクティビティを編集する必要があります。

  1. ビジュアル・エディタで、Invoke_1アクティビティをサードパーティ・アダプタに接続します。図6-9に示すように、「Invokeの編集」画面が表示されます。

  2. 「Invoke」ダイアログ・ボックスで、「パートナ・ロールWebサービス・インタフェース」セクションに次の値が設定されていることを確認します。

    • 操作: FINDDOCTOR

  3. 「入力」フィールドの隣のプラス印をクリックし、Invoke_1_findDoctor_InputVariableを選択します。

  4. 「出力」フィールドの隣のプラス印をクリックし、Invooke_1_findDoctor_OutputVariableを選択します。

  5. 「OK」をクリックして保存し、プロジェクトのデプロイを実行します。

プロジェクトのデプロイ

Oracle Application Serverにプロジェクトをデプロイする手順は、次のとおりです。

  1. アプリケーション・ナビゲータで、プロジェクトを右クリックして、「デプロイ」を選択し、デプロイするプロジェクトを選択します。

  2. デプロイ・ウィザードから、「アプリケーション・サーバーにデプロイ」を選択します。

  3. ウィザードの最後まで「次へ」をクリックし、「終了」をクリックしてデプロイを終了します。

ランタイムの構成

このセクションでは、プロジェクトをテストして、アウトバウンド・プロセスが正しく実行されることを確認するための方法について説明します。アウトバウンド・プロセスをテストするには、次の作業をします。

  1. 次の例に示すように、ファイルを作成してFindDoctor.xmlという名前にします。

    <?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?><CU:FindDoctorData  xmlns:CU="http://xmlns.oracle.com/Esb/FindDoctorData"  xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance"> <Record1>CICS</Record1></CU:FindDoctorData>
    
  2. 最初のアダプタ用に定義したC:\tempフォルダにファイルを保存します。SOAサーバーがファイルを読み取って処理を完了すると、ファイルは削除されます。

  3. 2番目のアダプタで定義したC:\tempOutフォルダを開きます。次の内容のファイルがこのフォルダにコピーされます。

    <?xml version="1.0"?>
    <findDoctorData xmlns="http://xmlns.oracle.com/Esb/findDoctorData">
      <Record1 xmlns>="">CICS</Record1>
    

メディエータ・プロセスのデプロイ

この項では、OracleAS Adapter for CICSに接続するメディエータ・アウトバウンド・プロセスの作成方法について説明します。

メディエータでプロセスを構成するには、JDeveloperを使用します。このセクションでは、JDeveloperを使用してCICSリソース・アダプタ用のメディエータ・アウトバウンド・プロセスを作成する方法について説明します。次のセクションでは、BPELアウトバウンド・プロセスのデプロイ方法について説明します。

デザインタイムのタスク

このセクションでは、メディエータ・アウトバウンド・プロセスをデプロイするために必要なデザインタイムの手順について説明します。これらのプロセスでは、FINDDOCTORというWebサービスが使用されています。このサービスでは、医師のリストがデータから検索されます。アウトバウンド・プロセスを作成するために必要な手順は、次のとおりです。

メディエータ・アウトバウンド・プロセス用のメディエータ・プロジェクトの作成

アウトバウンド用のメディエータ・プロジェクトを作成するには、次の作業をします。

  1. JDeveloperで、新規のSOAプロジェクトを作成します。

  2. SOAプロジェクトを右クリックして「新規」を選択します。図6-10に示すように、「新規ギャラリ」が表示されます。

  3. 「カテゴリ」リストで、「SOA層」を開き、「サービス・コンポーネント」を選択します。

  4. 「項目」リストで、「メディエータ」を選択して、「OK」をクリックします。図6-11に示すように、「メディエータの作成」画面が表示されます。

    図6-11 メディエータ

    メディエータ・プロセス
    「図6-11 メディエータ」の説明

  5. 「メディエータの作成」画面に、次の情報を入力します。

    • 名前を入力します。たとえば、MEDOUTBOUND1と入力します。

    • 同期メディエータのテンプレートを選択します。

  6. 「OK」をクリックします。メディエータがビジュアル・エディタに表示されます。

    医師データを読み取るためのサードパーティ・アダプタの使用に進みます。

医師データを読み取るためのサードパーティ・アダプタの使用

医師データを読み取るためには、サードパーティ・アダプタを使用する必要があります。相互作用に定義されているSQL文がSOAで実行されて、リソース・アダプタに渡されます。次に、リソース・アダプタで情報が処理されて、データが返されます。次の作業をして、サードパーティ・アダプタを作成します。

  1. 左側の「プロジェクト」エリアから、composite.xmlをダブルクリックします。ビジュアル・エディタの最下部で、必要に応じて「設計」タブをクリックします。図6-12 はビジュアル・エディタのコンポジット・ビューを示しています。

    図6-12 コンポジット・ビュー

    メディエータのコンポジット・ビュー
    「図6-12 コンポジット・ビュー」の説明

  2. 図6-4 に示すように、サードパーティ・アダプタをビジュアル・エディタの「外部参照」レーンにドラッグします。

    図6-13 サードパーティ・アダプタ

    サードパーティ・アダプタ
    「図6-13 サードパーティ・アダプタ」の説明

    図6-14 に示すように、サードパーティ・アダプタをJDeveloperにドラッグすると、「サード・パーティ・アダプタ・サービスの作成」画面が表示されます。

    図6-14 サード・パーティ・アダプタ・サービスの作成

    サード・パーティ・アダプタ・サービスの作成
    「図6-14 サード・パーティ・アダプタ・サービスの作成」の説明

  3. 「WSDL URL」フィールドの隣のボタンをクリックして参照し、「JCA構成ファイルの作成」で作成したfindDoctor.wsdlファイルを見つけます。

  4. 「タイプ」リストで、「参照」を選択します。

  5. 「JCAファイル」フィールドの隣のボタンをクリックして参照し、「JCA構成ファイルの作成」で作成したfindDoctor.jcaファイルを見つけます。

  6. 「OK」をクリックし、ダイアログ・ボックスを閉じます。これで、図6-15に示すようにコンポジットの設計ができます。

    図6-15 メディエータ・プロセスの作成準備完了(コンポジット・ビュー)

    処理前のコンポジット・ビュー
    「図6-15 メディエータ・プロセスの作成準備完了(コンポジット・ビュー)」の説明

アウトバウンド・メディエータの設計手順に進みます。

アウトバウンド・メディエータの設計

このステップでは、アウトバウンドのメディエータを設計します。メディエータ・アウトバウンド・プロセスを設計するには、次の作業を実行します。

  1. 図6-16に示すように、コンポジットで、メディエータをサードパーティ・アダプタに接続します。

    図6-16 サードパーティ・アダプタへの接続

    サードパーティ・アダプタへの接続
    「図6-16 サードパーティ・アダプタへの接続」の説明

  2. メディエータのプロセスをダブルクリックします。

  3. 図6-17に示すように、フィルタ式を表示します。

    図6-17 フィルタ式

    フィルタ式
    「図6-17 フィルタ式」の説明

  4. マッピング・ルールの作成とファイルのマッピングに進みます。

マッピング・ルールの作成とファイルのマッピング

マッピング・ファイルを作成し、ファイルをマッピングするには、次の作業を実行する必要があります。

  1. 図6-17に示すように、「フィルタ式」画面の最上部で、「次を使用して変換」フィールドの隣のアイコンをクリックします。図6-18に示すように、「リクエスト・トランスフォーメーション・マップ」画面が表示されます。

    図6-18 リクエスト・トランスフォーメーション・マップ

    リクエスト・トランスフォーメーション・マップ
    「図6-18 リクエスト・トランスフォーメーション・マップ」の説明

  2. 「リクエスト・トランスフォーメーション・マップ」で、「新規マッパー・ファイルの作成」を選択します。デフォルト値、singleString_To_Doctor.xslを使用します。

  3. 「OK」をクリックします。

  4. ビジュアル・エディタで、mediator.mplanタブをクリックしてこのタブに戻ります。

  5. 図6-17に示すように、「フィルタ式」画面の最下部で、「次を使用して変換」フィールドの隣のアイコンをクリックします。「リクエスト・トランスフォーメーション・マップ」画面が表示されます。

  6. リクエスト・トランスフォーメーション・マップで、「新規マッパー・ファイルの作成」を選択します。デフォルト値、Doctor_To_singleString.xslを使用します。

  7. singleString_To_Doctorタブをクリックします。図 6-19に示すように、source:findDoctor.wsdlDoctor要素をMediatorx.wsdlinp1:input要素に接続します。

    図6-19 単一文字列へのDoctorのマッピング

    単一文字列へのDoctorのマッピング
    「図6-19 単一文字列へのDoctorのマッピング」の説明

  8. Doctor_To_singleStringタブをクリックします。図 6-20に示すように、source:Mediatorx.wsdlinp1:input要素をfindDoctor.wsdlDOCTOR属性に接続します。

    図6-20 Doctorへの単一文字列のマッピング

    Doctorへの単一文字列のマッピング
    「図6-20 Doctorへの単一文字列のマッピング」の説明

  9. 保存して、プロジェクトのデプロイを行います。

プロジェクトのデプロイ

Oracle Application Serverにプロジェクトをデプロイする手順は、次のとおりです。

  1. アプリケーション・ナビゲータで、プロジェクトを右クリックして「デプロイ」を選択し、デプロイするプロジェクトを選択します。

  2. デプロイ・ウィザードから、「アプリケーション・サーバーにデプロイ」を選択します。

  3. ウィザードの最後まで「次へ」をクリックし、「終了」をクリックしてデプロイを終了します。