この項は、特定のコンテンツ・オブジェクトを翻訳する準備ができたときに必ずお読みください。この項の内容は、次のとおりです。
Portalを複数の言語で表示するように構成すると、使用している各言語でコンテンツを追加する必要があります。Portalの翻訳の大部分は自動的に処理されます。ラベルやヒント・テキストを含む標準ユーザー・インタフェース要素はすべて自動的に翻訳され、内部メッセージも自動的に翻訳されます。ただし、アイテムのコンテンツや手動で入力する属性値など、ユーザーが提供するコンテンツは自分で翻訳する必要があります。コンテンツを翻訳した後の処理は簡単です。
コンテンツの翻訳バージョンを提供するには、次のようにします。
Oracle Portalにログインします。
「言語の設定」ポートレットに移動し、アイテムの翻訳を追加する言語を選択します。
ページ・グループ管理者に、このポートレットを使用できるように依頼する必要があります。ポートレットは、ポートレット・リポジトリの「Portalコンテンツ・ツール」にあります。
アイテムの翻訳を提供するページに移動します。
「ページ・グループ」ポートレットからページを検索する方法は、8.1項「Oracle Portalでのページの検索」を参照してください。
ページ上部の(翻訳された)「編集」リンクをクリックします。
ページが編集モードで開きます。
対象のアイテムの横にある「アイテムの編集」アイコンをクリックします(図19-1)。
翻訳されたコンテンツをアップロードして、翻訳されたテキストを入力します。あるいは、アイテムにコンテンツの翻訳を提供し、翻訳可能なアイテム属性に翻訳された値を入力します。
この時点で、翻訳されたコンテンツを提供する作業は、未翻訳のページで特定タイプのアイテムを編集する作業と同じです。アイテムの追加方法の詳細は、14.2項「ページへのアイテムの追加」を参照してください。
アイテムのバージョニングが有効に設定されていて、アイテムの複数言語バージョンと最新のデフォルト言語バージョンを使用できる場合は、別の手順が必要になります。この場合、属性値をコピーするアイテムのバージョンを選択できます。詳細は、19.3.3項「翻訳可能属性のコピー」を参照してください。
元のアイテムは、Portalのデフォルト言語で通常どおり表示されます。翻訳されたバージョンは、「言語の設定」ポートレットから翻訳言語を選択すると表示されます。
ページの翻訳ビューでは、選択された言語に翻訳されていないコンテンツはデフォルト言語で表示されます。(詳細は、19.1.2項「翻訳の表示」を参照してください。)
翻訳の作成は、アイテムのバージョニングにも暗黙的な影響を与えます。アイテムの新規バージョンを作成すると、Oracle Metadata RepositoryのPortalスキーマに新規レコードが追加されます。アイテムのすべてのバージョンにはグローバル一意識別子(GUID)が与えられますが、各バージョンには新しいID属性値が割り当てられます。「現行のバージョン」属性はアクティブなバージョンを示します。たとえば、次のようになります。
GUID | ID | バージョン | 言語 | 表示名* | 現行のバージョン |
---|---|---|---|---|---|
44429 | 44430 | 1 | us(デフォルト) | Airline Information | N |
44429 | 44431 | 2 | us(デフォルト) | Airline Information 2 | Y |
フランス語に切り替えて現行のバージョンを編集すると、バージョン2にフランス語のレコードが暗黙的に作成されます。バージョン1には翻訳がなく、バージョン2の英語とフランス語のレコードのIDは同じです。
GUID | ID | バージョン | 言語 | 表示名* | 現行のバージョン |
---|---|---|---|---|---|
44429 | 44430 | 1 | us(デフォルト) | Airline Information | N |
44429 | 44431 | 2 | us(デフォルト) | Airline Information 2 | Y |
44429 | 44431 | 2 | fr | Voyage Aériens: Informations 2 | Y |
言語をフランス語に設定したまま、新規バージョン(3)を作成します。バージョン3に英語(デフォルト言語)のレコードが暗黙的に作成され、バージョン2の英語レコードから属性値がコピーされます。
GUID | ID | バージョン | 言語 | 表示名* | 現行のバージョン |
---|---|---|---|---|---|
44429 | 44430 | 1 | us(デフォルト) | Airline Information | N |
44429 | 44431 | 2 | us(デフォルト) | Airline Information 2 | N |
44429 | 44431 | 2 | fr | Voyage Aériens: Informations 2 | N |
44429 | 44432 | 3 | us(デフォルト) | Airline Information 2 | Y |
44429 | 44432 | 3 | fr | Voyage Aériens: Informations 3 | Y |
英語に戻し、新規バージョン(4)を作成します。
GUID | ID | バージョン | 言語 | 表示名* | 現行のバージョン |
---|---|---|---|---|---|
44429 | 44430 | 1 | us(デフォルト) | Airline Information | N |
44429 | 44431 | 2 | us(デフォルト) | Airline Information 2 | N |
44429 | 44431 | 2 | fr | Voyage Aériens: Informations 2 | N |
44429 | 44432 | 3 | us(デフォルト) | Airline Information 2 | N |
44429 | 44432 | 3 | fr | Voyage Aériens: Informations 3 | N |
44429 | 44432 | 4 | us(デフォルト) | Airline Information 4 | Y |
バージョン4には翻訳が作成されません。したがって、バージョン4が現行のバージョンの場合、翻訳は表示されません。翻訳が消えてしまったとユーザーが考える場合があります。デフォルト以外の言語でバージョン4を編集して、バージョン4の翻訳を手動で作成する必要があります。
詳細は、19.3.3項「翻訳可能属性のコピー」を参照してください。
アイテムのバージョニングが有効になっているページ・グループでアイテムを翻訳する場合、古い翻訳または最新のデフォルト言語バージョンの属性をコピーし、アイテムの新規翻訳に適用することができます。アイテムの編集ウィザードの「使用可能な翻訳」セクションを使用して、属性をコピーするアイテムのバージョンを選択します。
翻訳されたアイテムの場合、翻訳可能なアイテム属性のみ表示および編集できます。翻訳不能属性は「アイテム属性」画面に表示されません(19.1.3項「翻訳と属性」を参照)。ただし、「アイテムの編集」画面上部のバナーにある「プロパティ」アイコン(図19-2)をクリックすると、翻訳不能属性を表示できます。
翻訳不能属性を変更するには、Portalをデフォルト言語のビューに設定し、そこでアイテムを編集する必要があります。翻訳不能属性に加えた変更はすべて、アイテムのすべての翻訳にわたって自動的に加えられます。
「使用可能な翻訳」セクションは、次の条件が満たされたときに「アイテム属性」ページに表示されます。
ページ・グループに、少なくとも1つ使用可能な翻訳がある。
アイテムのバージョニングが、ページ・グループまたは現行のページに対して「シンプル」または「監査」に設定されている。
アイテムのステータスが「保留中」でも「下書き」でもない。
デフォルト言語以外の言語で操作している。
アイテムのデフォルト言語バージョンが翻訳されたバージョンより新しい。
たとえば、バージョニングが有効に設定され、英語がデフォルト言語で、次のバージョンがあるとします。
バージョン1: 英語
バージョン2: 英語、フランス語
バージョン3: 英語、フランス語、ドイツ語
バージョン4: 英語、フランス語、ドイツ語
バージョン5: 英語
バージョン6: 英語、フランス語
バージョン7: 英語(最新のデフォルト言語バージョン)
新しいフランス語バージョンを追加すると、「アイテム属性」画面のデフォルトの「アイテムのバージョン制御」セクションの場所に「使用可能な翻訳」オプションが表示されます。「使用可能な翻訳」セクションには、使用可能なバージョンのドロップダウン・リストが表示されます。ドロップダウン・リストには、バージョン7の英語が最新のデフォルト言語バージョンとして表示され、さらにアイテムのフランス語バージョン(バージョン2、3、4、6)が表示されます。
新しいドイツ語バージョンを追加すると、「使用可能な翻訳」オプションには、最新のデフォルト言語バージョンとしてバージョン7の英語とアイテムのドイツ語バージョン(バージョン3と4)を含む選択リストが表示されます。
更新している最新のフランス語またはドイツ語バージョンが7の場合、このダイアログ・ボックスは表示されません。
デフォルトでは、常にアイテムの最新バージョンが表示されます。アイテムのデフォルト言語バージョンを更新し、翻訳バージョンは更新しない場合、Portalの翻訳バージョンにはデフォルト言語バージョンが表示されます。オプションは次のとおりです。
これを「そのまま」残す。
最新のデフォルト言語バージョンと同じレベルで翻訳バージョンを追加する。
アイテムの操作画面から表示する古い翻訳バージョンを選択する。14.12項「アイテムのバージョン制御の使用」を参照してください。
翻訳のバージョンを選択するには、次のようにします。
Oracle Portalにログインします。
新しい翻訳を提供するアイテムを含むページに移動します。
「ページ・グループ」ポートレットからページを検索する方法は、8.1項「Oracle Portalでのページの検索」を参照してください。
ページ上部の「編集」リンクをクリックします。
ページが編集モードで開きます。
対象のアイテムの横にある「アイテムの編集」アイコンをクリックします(図19-3)。
「使用可能な翻訳」セクションの「コピー元」ドロップダウン・リストから、属性値をコピーするアイテムのバージョンを選択します。
注意: アイテム属性を変更し、「コピー元」ドロップダウン・リストから異なるバージョンを選択すると、「アイテムの編集」画面でアイテム属性に加えた変更は失われます。一度「実行」をクリックすると、「アイテム属性」画面には新しく選択したバージョンの属性値が再移入されます。アイテムの属性値を変更する前に「使用可能な翻訳」からバージョンを選択し、「実行」をクリックしてください。 |
「実行」をクリックします。
「OK」をクリックして選択を確定し、選択したバージョンの属性をコピーし、「アイテム属性」画面に戻ります。
アイテムの翻訳の作成または編集後、承認プロセスに送ることができます。保留中の翻訳のコンテンツを見なおして承認するには、承認者は必ずセッション言語を翻訳と同じ言語に設定する必要があります。
たとえば、「承認付きアイテムの管理」ページ(または)タブ権限を持つユーザーがアイテムのフランス語訳を作成し、承認のために送信したとします。承認者のセッション言語が英語に設定されている場合でも、アイテムのフランス語の表示名が承認者の「通知」ポートレットに表示されます。承認者は、自分のセッション言語の設定に関係なくアイテムを承認または拒否できます。ただし、変更のプレビューや翻訳属性の編集を行う場合は、まずセッション言語をフランス語に切り替える必要があります。
注意: 承認者は、セッション言語が送信された翻訳の言語ではない場合も、変更をプレビューせずにアイテムを承認できます。承認の前にアイテムをプレビューする場合は、必ずセッション言語を送信された翻訳の言語に切り替えてください。 |
保留中の翻訳のコンテンツをプレビューして承認するには、承認者は必ずセッション言語を翻訳と同じ言語に設定する必要があります。
承認者が保留中のアイテムを編集する場合も同じルールが適用されます。承認者が保留中のアイテムに対して必要な編集権限を持っている場合、承認プロセスを中断せずにアイテムを編集できます。しかし、アイテムの言語がデフォルト言語と異なる場合は、その言語でのみ編集できます。たとえば、ページ・グループのデフォルト言語が英語で、承認者のキューにフランス語の翻訳が表示されている場合、セッション言語が英語に設定されている間は翻訳されたアイテムを編集できません。承認者が翻訳されたアイテムを編集するには、まずセッション言語をフランス語に設定する必要があります(承認者にアイテムを編集する権限がある場合)。
アイテムを表示できるユーザー権限とアイテムのステータスの詳細は、17.9.3項「アイテムURLのセキュリティ」を参照してください。