簡単に言えば、Portalを使用することで、多くの異なるソースからの情報を単一のインタフェースを通じて操作できます。Oracle Portalの用語では、このインタフェースはページと呼ばれます。Portal自体は、複数のページが集まったものです。
図1-1に、作業を行うために必要なすべてのデータおよびアプリケーションが、単一のOracle Portalページにどのように集約されるかを示します。これにより、ユーザーは、デスクトップやネットワーク内の情報を何度も検索することなく、簡単に業務を遂行できます。
ページを閲覧するだけで、ページに何も追加しないユーザーは、通常、ページの構成方法について多くを知る必要はありません。ただし、ページにコンテンツを追加するユーザーや、既存のコンテンツを変更するユーザーは、ページがどのように作成されているかについて多少の知識を持つことが重要です。次に、詳細な検討用として3つの異なるページの概念的な図を示します。
この図で、点線で囲まれた長方形は、ページ内の独立した領域であり、リージョンと呼ばれます。ここに示されているページの最上部には、多くのページと同様に、企業の名前やロゴを表示するためのバナー用のリージョンがあります。実際のコンテンツは、ページの本体に表示されます。これらのページの場合、3つのリージョンがそれぞれ異なる構成で本体に含まれています。各リージョンは、ページ内で完全に独立した領域であり、様々なソースからのデータを表示できます。たとえば、ユーザーが人事管理担当者である場合、1番目のリージョンにはOracle Human Resourcesアプリケーションを、2番目のリージョンには電子メール・アプリケーションを、そして3番目のリージョンには各従業員の名前、部門名、部門番号、および現在の給与を示すチャートをそれぞれ表示できます。通常、各リージョンに表示されるコンテンツは、ページ設計者によって決定されます。
このようなページは、人事管理担当者にとって非常に有益であると考えられますが、1つのページで特定の役職に関連するすべての情報を表示することはおそらく不可能です。たとえば、状況によっては、企業のニュースおよびイベントに関するページや、部門全体で情報を共有および交換するためのコラボレーション・ページなどにアクセスする必要があります。Oracle Portalでは、使用頻度の高いすべてのページに対してリンクまたはタブを作成し、最重要の情報のみを常に手元に配置しておくことが可能です。
典型的なエンド・ユーザーが最もよくアクセスするページは、エンド・ユーザー以外のサイトの開発者によって作成されます。ただし、権限レベルによっては、ユーザーが1つ以上のページにコンテンツを追加できる場合もあります。