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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic Server Tuxedo Connector プログラマーズ ガイド
11g リリース 1 (10.3.1)
B55532-01
 

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8 Oracle WebLogic Tuxedo Connector JATMI VIEW

以下の節では、Oracle WebLogic Tuxedo Connector VIEW バッファの使い方について説明します。

Oracle WebLogic Tuxedo Connector VIEW バッファの概要


注意 :

Oracle Tuxedo VIEW バッファの詳細については、http://download.oracle.com/docs/cd/E13203_01/tuxedo/tux100/pgc/pgbuf.html で『C 言語を使用した Tuxedo ATMI アプリケーションのプログラミング』の「VIEW 型バッファ」を参照してください。

Oracle WebLogic Tuxedo Connector を使用すると、非依存型 C 構造体から派生した Oracle Tuxedo VIEW バッファ タイプと同様の Java VIEW バッファを作成することができます。これにより、Oracle WebLogic Server アプリケーションおよび Oracle Tuxedo アプリケーションが共通の構造体を用いて情報を受け渡しできます。Oracle WebLogic Tuxedo Connector VIEW バッファは、FML VIEW も FML VIEW/Java 会話もサポートしていません。

VIEW 記述ファイルの作成方法


注意 :

fbname フィールドと null フィールドは、非依存型 Java 構造体や C 構造体とは関係がなく、Java や C の VIEW コンパイラには無視されます。これらのフィールドにはプレースホルダとして値 (たとえば、ダッシュ) を入れる必要があります。

Oracle WebLogic Server アプリケーションと Oracle Tuxedo アプリケーションは、VIEW 記述で定義された同一の情報構造を共有する必要があります。VIEW 記述ファイルの各構造体には下記の形式を使用します。

$ /* VIEW 構造体 */
VIEW viewname 
type cname fbname count flag size null 

各値の説明は次のとおりです。

表 8-1 VIEW 記述ファイルのフィールド

フィールド 説明
type 

フィールドのデータ型。設定できる型は、shortlongfloatdoublecharstringcarray または dec_t (パック 10 進数)。

cname 

情報構造内でのフィールド名。

fbname 

無視される。

count

フィールドの反復回数。

flag

次のいずれかのオプション フラグを指定する。

  • N - ゼロ方向マッピング

  • C - 連想カウント メンバー (ACM) に追加フィールドを生成

  • L - STRING および CARRAY に転送されるバイト数を保持

size

STRING および CARRAY バッファ タイプの場合、バッファの値の最大長を指定する。その他のバッファ タイプの場合には、このフィールドは無視される。

null

ユーザ指定の NULL 値、または、マイナス記号 (-) の場合にはフィールドのデフォルト値を示す。VIEW 型バッファで使用される NULL 値は空の C 構造体メンバーを示す。

デフォルトの NULL 値は、数値型の場合はすべて 0 (dec_t では 0.0)。文字型の場合は、`\0'。STRING および CARRAY 型では、" "。

規約により、エスケープ文字として使用される定数にも、NULL 値を指定できる。VIEW コンパイラが認識するエスケープ定数は右のとおり。\ddd (d は 8 進数)、\0、\n、\t、\v、\r、\f、\\、\'、および \"。

STRING、CARRAY、および char 型の NULL 値を、二重引用符または単一引用符で囲んでもかまわない。ユーザ指定の NULL 値内のエスケープされていない引用符は、VIEW コンパイラでは受け付けられない。

VIEW メンバー記述の NULL フィールドでキーワード「NONE」を指定することもできる。この指定は、そのメンバーには NULL 値がないことを意味する。文字列および文字配列メンバーの最大サイズのデフォルト値は 2660 文字である。


サンプル VIEW 記述ファイル

次に、Oracle Tuxedo アプリケーションと情報を送受信するために VIEW バッファを使用するサンプル VIEW 記述を示します。この VIEW のファイル名は infoenc です。

コード リスト 8-1 サンプル VIEW 記述

VIEW infoenc
#type    cname    fbname  count flag size null
float    amount   AMOUNT  2     -    -    0.0
short    status   STATUS  2     -    -    0
int      term     TERM    2     -    -    0
char     mychar   MYCHAR  2     -    -    -
string   name     NAME    1     -    16   -
carray   carray1  CARRAY1 1     -    10   -
dec_t    decimal  DECIMAL 1     -    9    - #size ignored by viewj/viewj32
END

viewj コンパイラの使用方法

VIEW 型バッファをコンパイルするには、引数としてパッケージ名と VIEW 記述ファイルの名前を指定して、viewj コマンドを実行します。出力ファイルはカレント ディレクトリに作成されます。

viewj コンパイラを使用するには、次のコマンドを入力します。

java weblogic.wtc.jatmi.viewj [options] [package] viewfile

viewj32 コンパイラを使用するには、次のコマンドを入力します。

java weblogic.wtc.jatmi.viewj32 [options] [package] viewfile

このコマンドの引数の定義は次のとおりです。

引数 説明
options
  • -associated_fields :

    AssociatedFieldHandling を true に設定する。これにより、VIEW 記述ファイルで関連する長さと数のフィールドが指定されている場合は、その値を set および get アクセサ メソッドで使用できる。指定しない場合、AssociatedFieldHandling のデフォルト値は false。

  • -bean_names :

    JavaBeans の命名規則に従って、set および get アクセサ名を作成する。フィールド名の最初の文字は、set または get プレフィックスを付加する前に大文字に変更される。配列フィールドに対するインデックスの付いた set アクセサのシグネチャは、デフォルト シグネチャの void setAfield(T value, int index) から void setAfield(int index, T value) に変更される。

  • -compat_names :

    VIEW 記述ファイルからフィールド名を取得して set または get プレフィックスを追加する方法で、set および get アクセサ名を作成する。WebLogic Server 8.1 SP2 より前のリリースとの互換性がある。-bean_names または -compat_names を指定しない場合、デフォルト値は -compat_names になる。

  • -modify_strings :

    Oracle Tuxedo に送信する文字列のエンコードと Oracle Tuxedo から受信する文字列のデコードに対して異なる Java コードを生成する。エンコードのコードでは、各文字列の最後に null 文字を追加する。デコードのコードでは、最初の null 文字を受け取った箇所で各文字列を切り詰める。

  • -xcommon :

    TypedView の代わりに、TypedView を拡張した TypedXCommon として出力クラスを生成するために使用する。

  • -xtype :

    TypedView の代わりに、TypedView を拡張した TypedXCType として出力クラスを生成するために使用する。

注意 : -compat_names-bean_names は相互に排他的なオプション。

package
.java ソース ファイルに含まれるパッケージ名。

例 : examples.wtc.atmi.simpview

viewfile
VIEW 記述ファイルの名前。

例 : Infoenc


たとえば、

VIEW バッファとの情報の受け渡し方法

viewj および viewj32 コマンドの出力は、VIEW 記述ファイルの各フィールドに対する set および get アクセサ メソッドが含まれた .java ソース ファイルになります。VIEW バッファとの間で情報を受け渡すには、Java アプリケーションでこれらの set および get アクセサ メソッドを使用します。

VIEW 記述ファイルで関連する長さと数のフィールドが指定されている場合、その値を set および get アクセサ メソッドで使用するかどうかを指定するには、AssociatedFieldHandling フラグを使用します。

AssociatedFieldHandling フラグの状態を設定または取得するには、次のいずれかの方法を使用します。

JATMI アプリケーションでの VIEW バッファの使用方法

JATMI アプリケーションに VIEW バッファを取り込む際には、下記の手順に従います。

  1. VIEW 記述ファイルの作成方法」で説明されているとおりに、アプリケーション用の VIEW 記述ファイルを作成します。

  2. viewj コンパイラの使用方法」で説明されているとおりに、VIEW 記述ファイルをコンパイルします。

  3. VIEW バッファとの情報の受け渡し方法」で説明されているとおりに、set および get アクセサ メソッドを使用して、VIEW バッファに情報を渡したり、VIEW バッファから情報を受け取ったりします。

    クライアントでアクセサを使用して VIEW バッファと情報を受け渡す方法の例については、Oracle WebLogic Server 配布キットの examples/wtc/atmi/simpview/ViewClient.java ファイルを参照してください。

  4. VIEW コンパイラの出力ファイルをソース コードにインポートします。

  5. 必要な場合は、http://download.oracle.com/docs/cd/E13203_01/tuxedo/tux100/pgc/pgbuf.html にある『C 言語を使用した Tuxedo ATMI アプリケーションのプログラミング』の「VIEW 型バッファ」で説明されているとおりに、Oracle Tuxedo アプリケーション用の VIEW 記述ファイルをコンパイルし、その出力を C ソースファイルにインクルードします。

  6. コンパイル済み Java VIEW 記述ファイルの完全修飾クラス名と VIEW バッファ タイプ (VIEW または VIEW32) を指定した Resources MBean で WTCServer MBean をコンフィグレーションします。コンパイル済み Java VIEW 記述ファイルのクラスを CLASSPATH に指定する必要があります。

  7. Oracle Tuxedo アプリケーションをビルドし、起動します。

  8. Oracle WebLogic Server アプリケーションをビルドし、起動します。

FML32 バッファに対して VIEW32 データを追加および取得する方法

FML32 バッファに対して VIEW32 データを追加および取得する場合、wtc.jatmi.FViewFld ヘルパー クラスを使用できます。このクラスを使用することで、プログラマは FML32 バッファに対して VIEW32 フィールド タイプを使用する JATMI ベースのアプリケーションを簡単に開発できます。

コンフィグレーションの変更は不要です。引き続き、WLS コンフィグレーション ファイルの WTCResources セクションにある ViewTbl32Classes 属性を使用して、VIEW32 クラス パスをコンフィグレーションします。

このヘルパー クラスでは、以下のアクセス メソッドを使用できます。

  • FViewFld(String vname, TypedView32 vdata);

  • FviewFld(FviewFld to_b_clone);

  • void setViewName(String vname)

  • String getViewName();

  • void setViewData(TypedView32 vdata)

  • void TypedView32 getViewData();

コード リスト 8-2 TypedFML32 バッファに対して埋め込み TypedView32 バッファを追加および取得する方法

String toConvert = new String("hello world");
TypedFML32 MyData = new TypedFML32(new MyFieldTable());
Long d1 = new Long(1234);
Float d2 = new Float(12.32);
MyView data = new myView();
FviewFld vfld;
data.setamount((float)100.96);
data.setstatus((short)3);
vfld = new FviewFld("myView", data);

try {
  myData.Fchg(MyFieldTable.FLD0, 0, toConvert);
  myData.Fchg(MyFieldTable.FLD1, 0, 1234);
  myData.Fchg(MyFieldTable.FLD2, 0, d2);
  myData.Fchg(MyFieldTable.myview, 0, vfld);
} catch (Ferror fe) {
  log("An error occurred putting data into the FML32 buffer.  The error is " + fe);
}

try {
  myRtn = myTux.tpcall("FMLVIEW", myData, 0);
} catch(TPReplyException tre) {
….
}
TypedFML32  myDataBack = (TypedFML32)myRtn.getReplyBuffer();
 Integer myNewLong;
 Float myNewFloat;
 myView View;
 String myNewString;

try {
  myNewString = (String)myDataBack.Fget(MyFieldTable.FLD0, 0);
  myNewLong = (Integer)myDataBack.Fget(MyFieldTable.FLD1, 0);
  myNewFloat = (Float)myDataBack.Fget(MyFieldTable.FLD2, 0);
  vfld = (FviewFld)myDataBack.Fget(MyFieldTable.myview, 0);
  view = (myView)vfld.getViewData();
} catch (Ferror fe) {
  ….
}

次のコード リストは、コード リスト 8-2 のサンプルに関連する FML 記述 (MyFieldTable) の例です。

*base 20000 
#name    number  type   flags   comments
FLD0     10      string -       -
FLD1     20      long   -       -
FLD2     30      float  -       -
myview   50      view32 -       defined in View description file

XmlViewCnv クラスを使用した XML と View/View(32) 間の変換

XmlViewCnv クラスを使用すると、XML から View/View(32) への変換、および View/View(32) から XML への変換を実行できます。次のコードは、XML バッファ フォーマットとの間での変換に XmlViewCnv クラスを使用する例です。

import examples.wtc.atmi.simpview.infoenc; // クラスの表示 import
weblogic.wtc.gwt.XmlViewCnv; 
import weblogic.wtc.jatmi.TypedBuffer;

public class xml2view
{
   public static void main(String[] args) {
      String xmlDoc = 
      "<VIEW32><infoenc><amount>1000.0</amount><infoenc></VIEW32>";

      infoenc convertMe = new infoenc();
      convertMe = (infoenc) XmlViewCnv.XMLToView(
         xmlDoc,
         convertMe.getClass(),
         convertMe.getSubtype());

      convertMe = (infoenc) echo.Echo(convertMe);

      result = XmlViewCnv.ViewToXML(
         (TypedBuffer) convertMe, 
         convertMe.getClass(), 
         true);

      System.out.println(result);
   }
}