| Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic Server Tuxedo Connector 管理ガイド 11g リリース 1 (10.3.1) B55553-01 |
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以下の節では、Oracle WebLogic Tuxedo Connector のコンフィグレーションの方法について説明します。
この節では、Oracle WebLogic Tuxedo Connector を使用する前に、Oracle Tuxedo および Oracle WebLogic Server 環境に行う必要のある変更の概要を示します。
Tuxedo ユーザは、次のような環境の変更を行う必要があります。
既存の Tuxedo アプリケーションがすでに Tuxedo /T DOMAINS を使用している場合、Oracle WebLogic Tuxedo Connector インスタンス化への接続ごとに、ドメイン コンフィグレーション ファイルへ新しいドメインを追加する必要がある。
既存の Tuxedo アプリケーションがドメインを使用していない場合、アプリケーションの TUXCONFIG にドメイン サーバを追加する必要がある。Oracle WebLogic Tuxedo Connector インスタンス化に対応する Tuxedo /T Domain エントリを使用して、新しい DMCONFIG を作成する必要があります。
Oracle WebLogic Tuxedo Connector は、Oracle Tuxedo ドメインで常にエンコーディングが有効になっていることを要求する。DMCONFIG ファイルの DM_LOCAL_DOMAINS セクションには、MTYPE を常に設定しないか、NULL に設定するか、または MTYPE とは異なる値を設定する必要があります。
Oracle Tuxedo ドメインの詳細については、『Tuxedo Domains コンポーネント』を参照してください。
以下の節では、Oracle WebLogic Tuxedo Connector を使用するために必要な WebLogic Server の変更について説明します。
WebLogic Server ユーザは、次のような環境の変更を行う必要があります。
Java クライアントまたはサーバを作成する。Oracle WebLogic Tuxedo Connector クライアントまたはサーバの作成の詳細については、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server Tuxedo Connector プログラマーズ ガイド』を参照してください。
WebLogic Server コンソール、コマンドライン インタフェース、または WLST を使って、Oracle WebLogic Tuxedo Connector をコンフィグレーションする。Oracle WebLogic Tuxedo Connector のコンフィグレーション方法の詳細については、「アプリケーション用の Oracle WebLogic Tuxedo Connector のコンフィグレーション」を参照してください。
Oracle WebLogic Tuxedo Connector の ACL ポリシーが「Local」に設定されている場合、ローカル サービスへのアクセスは、CredentialPolicy には依存しない。Tuxedo リモート ドメインの DOMAINID は、ローカルな WebLogic Server ユーザとして認証される必要があります。詳細については、「ユーザ認証」を参照してください。
ゲートウェイからサービスをディスパッチするときに使用できるクライアント スレッドの数によって、同時に実行できるサービスの数が制限されることがあります。このリリースの Oracle WebLogic Tuxedo Connector では、利用可能なスレッドの数を増やすための Oracle WebLogic Tuxedo Connector 属性はありません。サービス EJB を呼び出すときは、適切なスレッド モデルを使用します。場合によっては、利用可能な WebLogic Server スレッドの数を大きな値に増やす必要があります。
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注意 : WTC サーバでは、3 つのスレッドに加えて、定義されているローカル アクセス ポイントごとに 1 つのスレッドが使用されます。 |
この節では、WebLogic Server アプリケーションと Tuxedo アプリケーションの相互運用を可能にするために Oracle WebLogic Tuxedo Connector をコンフィグレーションする方法について説明します。
Administration Console を使用した Oracle WebLogic Tuxedo Connector のコンフィグレーション
コマンドライン インタフェースを使用した Oracle WebLogic Tuxedo Connector のコンフィグレーション
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注意 : WTC サービスをいつ割り当てるかは非常に重要です。実行時 MBean に対するサポートがあるため、デプロイメント後にコンフィグレーションを変更できますが、tBridge では例外があります。tBridge グローバルおよび tBridge リダイレクトの変更は、WTC をアンデプロイしてから再デプロイするまで有効になりません。 |
Oracle WebLogic Tuxedo Connector は、MBean を使用して、WebLogic Server と Tuxedo との間のサービス リクエストを処理するための接続情報とセキュリティ プロトコルを記述します。これらのコンフィグレーション パラメータは、Tuxedo ドメイン間の通信に必要な相互運用属性に似ています。コンフィグレーション パラメータは、WebLogic Server の config.xml ファイルに格納されます。表 2-1 に、Oracle WebLogic Tuxedo Connector のコンフィグレーションに使用される MBean のタイプを示します。
表 2-1 Oracle WebLogic Tuxedo Connector のコンフィグレーションに使用される MBean のタイプ
| MBean のタイプ | 説明 |
|---|---|
WTCServer |
WebLogic Server と Tuxedo との間の接続に必要な相互運用属性を持つ親 MBean。Administration Console を使用してコンフィグレーションする場合に、WTC サービスを定義する。 |
WTCLocalTuxDom |
使用可能なリモート Tuxedo ドメインを WTC サービスに接続するためのコンフィグレーション情報を提供する。最低 1 つのローカル Tuxedo アクセス ポイントをコンフィグレーションする必要がある。Administration Console を使用してコンフィグレーションする場合に、ローカル Tuxedo アクセス ポイントを定義する。 注意 : 動的なコンフィグレーションのため、空の WTC サービスを作成してデプロイできる。 |
WTCRemoteTuxDom |
使用可能な Tuxedo リモート ドメインに WTC サービスを接続するためのコンフィグレーション情報を提供する。複数のリモート ドメインをコンフィグレーションしてもよい。Administration Console を使用してコンフィグレーションする場合に、Tuxedo リモート アクセス ポイントを定義する。 |
WTCExport |
ローカル Tuxedo アクセス ポイントによってエクスポートされるサービス情報を提供する。Administration Console を使用してコンフィグレーションする場合に、エクスポートされるサービスを定義する。 |
WTCImport |
インポートされたサービスおよびリモート ドメインで使用可能なサービスに関する情報を提供する。Administration Console を使用してコンフィグレーションする場合に、インポートされるサービスを定義する。 |
WTCResources |
ドメインのグローバル フィールド テーブル クラス、ビュー テーブル クラスおよびアプリケーション パスワードを指定する。Administration Console を使用してコンフィグレーションする場合に、リソースを定義する。 MBSTRING のサポートは、 |
WTCPassword |
相互ドメイン認証にコンフィグレーション情報を指定する。Administration Console を使用してコンフィグレーションする場合に、パスワードを定義する。 |
WTCtBridgeGlobal |
WebLogic Server と Tuxedo の間のメッセージ転送に関するグローバル コンフィグレーション情報を指定する。Administration Console を使用してコンフィグレーションする場合に、Tuxedo キュー ブリッジを定義する。 |
WTCtBridgeRedirect |
WebLogic Server と Tuxedo の間のメッセージのソース、ターゲット、方向および転送を指定する。Administration Console を使用してコンフィグレーションする場合に、Tuxedo キュー ブリッジ リダイレクトを定義する。 |
Oracle WebLogic Server 管理と config.xml ファイルの詳細については、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server MBean Reference』を参照してください。
Administration Console により、Oracle WebLogic Tuxedo Connector 接続のコンフィグレーション、管理、モニタを行うことができます。これらのタスクに使用するタブを表示するには、次の操作を行います。
Administration Console を起動します。
左ペインで [相互運用性] ノードを選択し、[WTC サービス] を展開します。
コンフィグレーションする WTC サーバを作成または変更します。
オンライン ヘルプの指示に従います。オンライン ヘルプへのリンクについては、表 2-2 を参照してください。
表 2-2 では、接続タスクを一般的な実行順序で示します。この順序は変更してもかまいません。ただし、オブジェクトは関連付けおよび割り当ての前にコンフィグレーションする必要があります。
表 2-2 Oracle WebLogic Tuxedo Connector コンフィグレーション タスク
| タスク番号 | タスク | 説明 |
|---|---|---|
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1 |
右ペインの [全般] タブで、[名前] および [デプロイ順序] の属性を設定する。 |
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2 |
[全般]、[接続]、[セキュリティ] の各タブで、ローカル Tuxedo アクセス ポイントを記述する属性を設定する。最低 1 つのローカル Tuxedo アクセス ポイントをコンフィグレーションする必要がある。 注意 : 動的なコンフィグレーションのため、空の WTC サービスを作成してデプロイできる。 |
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3 |
[リモート AP] タブで、リモート Tuxedo ドメインを記述する属性を設定する。 |
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4 |
[エクスポート済み] タブで、エクスポートされた WebLogic Server サービスを記述する属性を設定する。 |
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5 |
[インポート済み] タブで、インポートされた Tuxedo サービスを記述する属性を設定する。 |
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6 |
[パスワード] タブで、パスワードを記述する属性を設定する。 |
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7 |
[リソース] タブで、WebLogic Tuxedo Connector のリソースを記述する属性を設定する。 |
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8 |
WebLogic Server と Tuxedo の間のメッセージ転送に関するグローバル コンフィグレーション情報を設定する。 |
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9 |
WebLogic Server と Tuxedo の間のメッセージのソース、ターゲット、方向、および転送の指定に使われる属性を設定する。 |
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10 |
WTC サービスの対象サーバを選択する。 |
コマンドライン インタフェースは、Oracle WebLogic Tuxedo Connector 接続を作成し管理する方法を提供します。コマンドライン インタフェースの使用方法については、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Scripting Tool ガイド』を参照してください。
WL_HOME\samples\domains\examples にある setExamplesEnv スクリプトを実行して、WebLogic Server アプリケーションの環境を設定する必要があります。
Windows ユーザの場合は、setExamplesEnv.cmd を実行します。
UNIX ユーザの場合は、setExamplesEnv.sh を実行します。
環境を初めて設定する場合は、スクリプトの設定をチェックする必要があります。必要に応じて、次の手順に従ってアプリケーション環境の設定を修正します。
コマンドラインで、WebLogic Server アプリケーションの場所にディレクトリを変更します。WL_HOME\samples\domains\examples にある setExamplesEnv スクリプトをアプリケーション ディレクトリにコピーします。
vi などのテキスト エディタを使用して、setExamplesEnv スクリプトを編集します。
Windows ユーザの場合は、setExamplesEnv.cmd を編集します。
UNIX ユーザの場合は、setExamplesEnv.sh を編集します。
ファイルを保存します。
PasswordKey および encoding は WebLogic Server のプロパティです。これらのプロパティの設定が必要であれば、サーバ起動スクリプトの中の JAVA_OPTIONS 変数を更新します。次に例を示します。
JAVA_OPTIONS=-Dweblogic.wtc.PasswordKey=mykey
PasswordKey を使って、weblogic.wtc.gwt.genpasswd ユーティリティがパスワードの暗号化に使用するキーを指定します。
JAVA_OPTIONS=-Dweblogic.wtc.PasswordKey=mykey
ここで、mykey はキー値です。
PasswordKey の詳細については、「パスワード コンフィグレーションのコンフィグレーション」を参照してください。
WebLogic Server アプリケーションと Tuxedo アプリケーションの間で非 ASCII (マルチバイト) 文字列を転送する場合、文字セットを変換できるよう Oracle WebLogic Tuxedo Connector をコンフィグレーションする必要があります。Oracle WebLogic Tuxedo Connector では、Oracle WebLogic Server のプロパティを使用して、Oracle WebLogic Tuxedo Connector サービスで指定したすべての Tuxedo リモート ドメインで使用されるエンコーディングを一致させます。複数のコーディング セットを同時に実行する必要がある場合、WebLogic Server インスタンスごとに Oracle WebLogic Tuxedo Connector サービスを実行する必要があります。
文字セット変換を有効にするには、サーバ起動スクリプトにある JAVA_OPTIONS 変数を更新します。次に例を示します。
JAVA_OPTIONS=-Dweblogic.wtc.encoding=codesetname
ここで、codesetname は、リモート Tuxedo ドメインでサポートされており、使用されるコードセットの名前です。サポートされている基本コーディング セットおよび拡張コーディング セットについては、『Supported Encodings』(http://java.sun.com/j2se/1.3/docs/guide/intl/encoding.doc.html) を参照してください。
リモート ドメインで使用されるエンコーディングと一致する正確なエンコーディング名を選択することができない場合があります。このような場合、リモート ドメインと同等のエンコーディング名を選択する必要があります。
例 :
サポートされているエンコーディングのリストには EUC_JP がある。
リモート ドメインでは Solaris オペレーティング システムが動作し、eucJP がサポートされている。
名前は完全には一致していませんが、EUC_JP と eucJP はエンコーディング セットとして等価なので、WebLogic Server とリモート ドメイン間で文字列変換が正しく行われます。したがって、この場合は EUC_JP のエンコーディング プロパティを次のように設定します。
JAVA_OPTIONS=-Dweblogic.wtc.encoding=EUC_JP
ユーザ データのダンプを有効化するには、java.weblogic.Server コマンドに次の行を追加します。
JAVA_OPTIONS=-Dweblogic.debug.DebugWTCUData=true
ダンプを有効化すると、接続の確立後にユーザ データがダンプされます。他のデバッグ プロパティが有効化されていない場合、通常の WTC エラー メッセージと情報メッセージ以外では、このデータが唯一のダンプされる WTC 情報になります。ダンプは WLS のサーバ ログ ファイルで使用できます。
ダンプのフォーマットは次のとおりです。
発信メッセージの場合
Outbound UDATA: buffer type (<type>, <subtype>) +++++ User Data(size) +++++ ......
着信メッセージの場合
Inbound UDATA: buffer type (<type>, <subtype>) +++++ User Data(size) +++++ ......
たとえば、WLS クライアントが STRING 型のバッファでデータ "strings" を送信し、Tuxedo TOUPPER サービスがそれを "STRINGS" に変換する場合、WLS のサーバ ログには、次のダンプが示されます。
Outbound UDATA: buffer type (STRING, null) +++++ User Data(16) +++++ 00 00 00 07 73 74 72 69 6E 67 73 00 00 00 00 00 ....strings..... +++++ END +++++ Outbound UDATA: buffer type (String, null) +++++ User Data(12) +++++ 00 00 00 07 53 54 52 49 4E 47 53 00 ....STRINGS. +++++ END +++++
TraceLevel が非推奨になったため、システム デバッグを使用してください。デフォルトではすべてのデバッグ トレースは無効になっています。デバッグ トレースを有効にするには、以下の設定を使用します。
WTC-CORBA 実行時トレースを行う場合
-Dweblogic.debug.DebugWTCCorbaEx=true
WTC-GWT 実行時トレースを行う場合
-Dweblogic.debug.DebugWTCGwtEx=true
WTC-JATMI 実行時トレースを行う場合
-Dweblogic.debug.DebugWTCJatmiEx=true
WTC-tBridge 実行時トレースを行う場合
-Dweblogic.debug.DebugWTCtBridgeEx=true
WTC コンフィグレーション実行時トレースを行う場合
-Dweblogic.debug.DebugWTCConfig=true
Oracle WebLogic Tuxedo Connector のコンフィグレーションを行う際には、以下のガイドラインに従ってください。
コンフィグレーションには複数の WTC サービスを設定できる。
2 つ以上の WTC サービスを同じサーバに割り当てることはできない。1 つのサーバは、1 つの WTC サービスの対象にしかなれません。
対象サーバが選択された後で、WTC サービスに実装されたコンフィグレーションの変更の中には、その対象サーバ インスタンス内では更新されないものもある。サーバから WTC サービスを削除した後に、更新後の WTC サービスを対象サーバに追加する必要があります。たとえば、tBridge を変更した場合は、WTC サーバをアンデプロイしてからデプロイして、コンフィグレーションの変更を有効にする必要があります。ただし、KeepAlive、KeepAliveWait、RetryInterval などの一部のコンフィグレーションの変更は、変更をアクティブ化すると有効になります。対象サーバの選択の詳細については、Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server の Administration Console オンライン ヘルプの「WTC サービスの割り当て」を参照してください。