この章では、EISプロジェクトとそのコンポーネントの概要について説明します。
この章の内容は次のとおりです。
複数のタイプのTopLinkプロジェクトに共通のプロジェクトの概念と機能の詳細は、第15章「プロジェクトの概要」を参照してください。
EISプロジェクトを使用すると、Java EE Connector Architecture(JCA)アダプタおよびEISレコードを使用してアクセスされる非リレーショナル・データ・ソースへの、Javaオブジェクトのトランザクション永続性が実現します。
JCAにより、非リレーショナルEISにアクセスするためのCommon Client Interface(CCI)APIが提供されます。このAPIにより、JDBCによってリレーショナル・データ・ソースへのアクセスに提供されるインタフェースに類似した、非リレーショナル・データ・ソースへのインタフェースが実現されます。このAPIは、マップ済レコードおよび索引レコードを含む、複数の非リレーショナル・レコード・タイプを定義します。XMLはデータ交換の標準形式として登場し、主要なJCAアダプタ・プロバイダの大部分はXMLデータ・レコードを定義するためにCCI APIを拡張してきました。
TopLink EISとともにJCAアダプタを使用するには、JCAアダプタがJCA CCIインタフェースをサポートしている必要があります。実行時に、JCAアダプタおよびJava connector.jar
ファイル(このファイルにTopLink EISが使用するjavax.resource.cci
およびjavax.resource.spi
インタフェースが含まれる)は、アプリケーションまたはアプリケーション・サーバーのクラスパス上に存在している必要があります。
TopLink Workbenchを使用している場合、TopLink WorkbenchクラスパスにJCAアダプタを追加する必要があります。デフォルトでは、TopLink Workbenchにより、そのクラスパスは、<
ORACLE_HOME
>/lib/java/api
にあるJava 1.5.n connector.jar
ファイルを含むように更新されます。このバージョンのconnector.jar
ファイルが環境と互換性を持たない場合、<
TOPLINK_HOME
>/bin
のworkbench.cmd
またはworkbench.sh
ファイルを編集して、このファイルへのパスを変更します。詳細は、5.2項「TopLink Workbench環境の構成」を参照してください。
EISには、レガシー・データ・ソース、エンタープライズ・アプリケーション、レガシー・アプリケーションおよびその他の情報システムが含まれます。これらのシステムにはCustomer Information Control System(CICS)、Virtual Storage Access Method(VSAM)、Information Management System(IMS)、ADABASEデータベースおよびフラット・ファイルなどのソースが含まれます。
EISプロジェクトを使用して、レガシーまたは非リレーショナルのデータ・ソースとTopLinkを統合することをお薦めします。EISデータ・ソースにアクセスするその他の方法には、次のものがあります。
EISシステムがリレーショナル・データベースであるかのようにEISシステムに接続できる特別なJDBCドライバを使用します。これらのドライバを使用して、TopLinkリレーショナル・プロジェクトを使用できます(第18章「リレーショナル・プロジェクトの概要」を参照)。
Oracleデータベースなどのリレーショナル・データベースにあるEISデータとリンクまたは統合します。
プロプラエタリのAPIを使用してEISシステムにアクセスします。この場合、JCA CCIインタフェースでAPIをラップして、TopLink EISプロジェクトとともに使用できるようにすることもできます。
TopLinkにより、第XIX部「EISマッピング」で説明されるTopLinkマッピングを使用して、JCAを介して、EISのマップ済レコード、索引レコードおよびXMLレコードへのJavaオブジェクトのマッピングがサポートされます。
特定のEISレコード形式を使用するようにTopLink EISディスクリプタを構成します(76.4項「レコード形式の構成」を参照)。TopLink EISマッピングは、EISディスクリプタでのレコード形式の構成を使用して、EISレコードへのJavaオブジェクトのマップ方法を決定します。
XMLレコードを使用する場合、TopLinkランタイムは1つ以上のXMLスキーマに基づいてXMLデータ変換を行います。XMLレコードを使用するEISプロジェクトでは、TopLink WorkbenchがデプロイXMLのスキーマを直接参照し、指定したスキーマに関して構成されたマッピングをエクスポートします。XMLスキーマによるTopLink Workbenchの使用方法の詳細は、5.6項「XMLスキーマの使用」を参照してください。TopLinkでのXMLネームスペースのサポートの詳細は、15.4項「XMLネームスペースの概要」を参照してください。
表71-1は、EISプロジェクトのコンポーネントを示します。
表71-1 EISプロジェクトのコンポーネント
コンポーネント | サポートされているタイプ |
---|---|
データ・ソース |
詳細は、次を参照してください。 |
ディスクリプタ |
詳細は、74.1項「EISディスクリプタの概念」を参照してください。 |
マッピング |
詳細は、次を参照してください。 |
TopLink Workbenchにより、EIS XMLレコードを使用できるようにするためのEISプロジェクトを作成できます(72.2項「XMLレコードを使用するEISプロジェクトの作成」を参照)。または、サポートされている任意のEISレコード・タイプを使用できるようにするための、JavaでのEISプロジェクトを作成できます(72.3項「索引レコードまたはマップ済レコードを使用するEISプロジェクトの作成」を参照)。
EISプロジェクトでは、EISインタラクション(108.9.3項「企業情報システム(EIS)インタラクション」を参照)で、TopLinkの問合せを完全活用できます(第108章「TopLink問合せの概要」を参照)。ただし、TopLink式はEISとともに使用できません。EISプロジェクトでは、インタラクションが式に取ってかわるためです。