ヘッダーをスキップ
Oracle Identity Manager PeopleSoft User Management Connectorガイド
リリース9.0.4
E05508-02
  目次
目次
索引
索引

戻る
戻る
 
次へ
次へ
 

1 コネクタについて

Oracle Identity Managerでは、アクセス権の管理、セキュリティおよびITリソースのプロビジョニングが自動化されています。Oracle Identity Managerコネクタは、Oracle Identity Managerとサード・パーティ製アプリケーションの統合に使用されます。このガイドでは、Oracle Identity ManagerとPeopleSoft Enterprise Applicationsの統合に使用されるPeopleSoft User Managementコネクタをデプロイする手順を説明します。


注意:

このガイドでは、Oracle Identity Managerサーバーという用語は、Oracle Identity Managerがインストールされているコンピュータを意味します。

このガイドの一部では、PeopleSoft Enterprise Applicationsをターゲット・システムと呼んでいます。


PeopleSoft User Managementコネクタでは、ターゲット・リソース・リコンシリエーション、信頼できるソース・リコンシリエーションおよびプロビジョニングを使用して、ロールおよび権限リストの割当てを含め、PSOPRDEFN PeopleToolsベースのPeopleSoftアプリケーション・アカウント・レコードを管理できます。コネクタでは、ユーザー・データ・リコンシリエーションを2つの方法でサポートしています。

この章では、次の項目について説明します。

リコンシリエーション


関連項目:

リコンシリエーションの構成の概念については、『Oracle Identity Manager Connectorフレームワーク・ガイド』のOracle Identity Managerのデプロイ構成に関する項を参照してください。

ターゲット・システムからリコンサイルされるデータのタイプによって、リコンシリエーションは次のタイプに分類できます。

参照フィールド・リコンシリエーション

ユーザー・アカウントの作成時または変更時に、参照フィールドを使用して値セットから1つの値を指定します。選択した値は、ユーザー・アカウントの属性の1つを移入します。参照フィールド・リコンシリエーションでは、次の参照フィールドの値をターゲット・システムからOracle Identity Managerにリコンサイルします。

  • LanguageCode

  • EmployeeId

  • CurrencyCode

  • PermissionList

  • EmailTypes

    PeopleTools 8.22では複数の電子メール・タイプはサポートされないため、EmailTypes参照フィールドはPeopleTools 8.45〜8.48でのみリコンサイルされます。

  • Roles

ユーザー・リコンシリエーション

ユーザー・リコンシリエーションでは、ユーザー・アカウント情報をターゲット・システムからOracle Identity Managerにリコンサイルします。ターゲット・リソースと信頼できるソースのリコンシリエーションでは、リコンサイルされる情報が異なります。

ターゲット・リソースのリコンシリエーションでリコンサイルされるユーザー・フィールド

ターゲット・リソースのリコンシリエーションでは、次の単一値のターゲット・システム・フィールドがリコンサイルされます。

  • UserId

  • UserDescription

  • EmployeeId

  • MultiLanguageCode

  • LanguageCD

  • CurrencyCode

  • UserIdAlias(PeopleTools 8.45〜8.48のみ)

  • RowSecurity

  • ProcessProfile

  • NavigatorHomePage

  • Primary

  • Role

ターゲット・リソースのリコンシリエーションでは、次の複数値のターゲット・システム・フィールドがリコンサイルされます。

  • PrimaryEmailAddress(PeopleTools 8.45〜8.48のみ)

  • PrimaryEmailType(PeopleTools 8.45〜8.48のみ)

  • Email Address(PeopleTools 8.22のみ)

  • Secondary EmailAddresses(PeopleTools 8.45〜8.48のみ)

  • Secondary EmailTypes(PeopleTools 8.45〜8.48のみ)

信頼できるソースのリコンシリエーションでリコンサイルされるユーザー・フィールド

信頼できるソースのリコンシリエーションでは、次のターゲット・システム・フィールドがリコンサイルされます。

  • ユーザーID

  • 組織

  • ユーザー・タイプ

  • 従業員タイプ

プロビジョニング

プロビジョニングとは、Oracle Identity Managerを介して、ターゲット・システム上でユーザー・アカウント情報を作成または変更することです。プロビジョニング操作は、Oracle Identity Manager管理およびユーザー・コンソールを使用して実行します。


関連項目:

プロビジョニングの概念については、『Oracle Identity Manager Connectorフレームワーク・ガイド』のOracle Identity Managerのデプロイ構成に関する項を参照してください。

プロビジョニング操作では、次のターゲット・システム・フィールドの値を指定できます。

サポートされている機能

次の表に、このコネクタで使用可能な機能を示します。


注意:

この表の「PeopleToolsリリース」という列は、対応する機能を使用できるPeopleToolsのリリースを示しています。

表1-1 サポートされている機能

機能 PeopleToolsリリース タイプ 説明

Add User

8.22、8.45〜8.48

プロビジョニング

ユーザー・アカウントを作成します。

Password Updated

8.22、8.45〜8.48

プロビジョニング

ユーザーのパスワードを更新します。

User Description Updated

8.22、8.45〜8.48

プロビジョニング

ユーザーの説明を更新します。

Multilanguage Code Updated

8.22、8.45〜8.48

プロビジョニング

ユーザーの多言語コードを更新します。

Primary Email Address Updated

8.22のみ

プロビジョニング

ユーザーの第1電子メール・アドレスを更新します。

Email Address Updated

8.22のみ

プロビジョニング

ユーザーの電子メール・アドレスを更新します。

Primary Email Type Updated

8.45〜8.48のみ

プロビジョニング

ユーザーの第1電子メール・アドレス・タイプを更新します。

Language Code Updated

8.22、8.45〜8.48

プロビジョニング

ユーザーの言語コードを更新します。

Currency Code Updated

8.22、8.45〜8.48

プロビジョニング

ユーザーの通貨コードを更新します。

Employee Id Updated

8.22、8.45〜8.48

プロビジョニング

ユーザーの従業員IDを更新します。

Primary Permission List Updated

8.22、8.45〜8.48

プロビジョニング

ユーザーのプライマリ権限リストを更新します。

Process Profile Permission List Updated

8.22、8.45〜8.48

プロビジョニング

ユーザーのプロセス・プロファイル権限リストを更新します。

Navigator Home Permission List Updated

8.22、8.45〜8.48

プロビジョニング

ユーザーのナビゲータ・ホーム権限リストを更新します。

Row Security Permission List Updated

8.22、8.45〜8.48

プロビジョニング

ユーザーの行セキュリティ権限リストを更新します。

User Id Alias Updated

8.45〜8.48のみ

プロビジョニング

ユーザーのユーザーIDの別名を更新します。

Add RoleName

8.22、8.45〜8.48

プロビジョニング

ユーザーをロールに追加します。

Delete RoleName

8.22、8.45〜8.48

プロビジョニング

ユーザーからロールを削除します。

Add EmailAddress

8.45〜8.48のみ

プロビジョニング

ユーザーに電子メール・アドレスを追加します。

Delete EmailAddress

8.45〜8.48のみ

プロビジョニング

ユーザーの電子メール・アドレスを削除します。

Enables a User

8.22、8.45〜8.48

プロビジョニング

ユーザーを有効化します。

Disables a User

8.22、8.45〜8.48

プロビジョニング

ユーザーを無効にします。

Reconcile Lookup Field

8.22、8.45〜8.48

リコンシリエーション

参照フィールドをリコンサイルします。

Reconcile User Data

8.22、8.45〜8.48

リコンシリエーション

ターゲット・リソース・リコンシリエーション: このコネクタの主要なリコンシリエーション・モードです。このモードでは、Oracle Identity Managerにすでに存在するターゲット・システム・ユーザーに対する更新がリコンサイルされます。

このコネクタは、信頼できるソース・モードでも構成できます。



関連項目:

Oracle Identity ManagerとPeopleSoft Enterprise Applicationsの間の属性マッピングの詳細は、付録Aを参照してください。

多言語サポート

コネクタでは、次の言語がサポートされています。


関連項目:

サポートされる特殊文字の詳細は、『Oracle Identity Managerグローバリゼーション・ガイド』を参照してください。

コネクタを構成するファイルおよびディレクトリ

このコネクタを構成するファイルとディレクトリは、インストール・メディアにある次のディレクトリに圧縮されています。

Enterprise Applications/PeopleSoft Enterprise Applications/PeopleSoft User Management

これらのファイルとディレクトリを次の表に示します。

インストール・メディア・ディレクトリのファイル 説明
config/attributemapping_prov.properties
このファイルは、ターゲット・システムの属性と、プロビジョニングにおけるOracle Identity Managerの対応するフィールドへのマッピングを示します。
config/attributemapping_recon.properties
このファイルは、ターゲット・システムの属性と、リコンシリエーションにおけるOracle Identity Managerの対応するフィールドへのマッピングを示します。
ext/csv.jar
このファイルは、カンマ区切りファイルを読み取るために使用されるサード・パーティのライブラリです。
lib/PSFTBaseProvisioning.jar
このJARファイルには、プロビジョニングに必要なクラス・ファイルが含まれます。
lib/PSFTBaseReconciliation.jar
このJARファイルには、完全リコンシリエーションの実装に使用されるクラス・ファイルが含まれます。
lib/peopleSoftUserMgmt.war
このWebアーカイブ(WAR)ファイルには、増分リコンシリエーションの実装に必要なクラスおよび構成ファイルが含まれます。
PeopleTools 8.22の場合、PeopleCode/PT822ディレクトリ内の次のファイル:
AddEmp.txt
CurrencyCode.txt
EmployeeId.txt
LanguageCode.txt
PermissionList.txt
UserRoles.txt

PeopleTools 8.45〜8.48の場合、PeopleCodeディレクトリ内の次のファイル:

AddEmp.txt
CurrencyCode.txt
EmployeeId.txt
EmailType.txt
LanguageCode.txt
PermissionList.txt
これらのファイルには、Application Engineプログラムに定義したステップに対応するPeopleCodeが含まれます。詳細は、「Application Engineプログラムの作成」を参照してください。
PeopleTools 8.22の場合:
PeopleCode/PT822/UserMgmtCBRecon.txt

PeopleTools 8.45〜8.47の場合:

PeopleCode/UserMgmtCBRecon_8.45-8.47.txt

PeopleTools 8.48の場合:

PeopleCode/UserMgmtCBRecon_8.48.txt
このファイルには、「メッセージの公開」に記載された手順を実行する際にSavePostChangeイベントのPeopleCodeに追加する必要のあるコードが含まれます。
PeopleTools 8.22の場合、lib/ディレクトリ内の次のファイル:
xliMsgPublisher.jar
このJARファイルには、PeopleTools 8.22ファイル・ハンドラによって生成されるXMLメッセージをコネクタに転送するクラス・ファイルが含まれます。
PeopleTools 8.22の場合、scriptsディレクトリ内の次のファイル:
publish.bat
このBATファイルは、定期的にXMLメッセージ転送をトリガーするMicrosoft Windowsバッチ・ファイルです。詳細は、「PeopleSoft Integration Brokerの構成」を参照してください。
PeopleTools 8.22の場合:
test/cbrecon/PT822/psft-xel-test.vbs

PeopleTools 8.45〜8.48の場合:

test/cbrecon/psft-xel-test.vbs
このVBScriptファイルを使用して、PeopleSoft Enterprise Applicationsで作成されるXMLメッセージと同様のダミーXMLメッセージを作成することによって、コネクタの増分リコンシリエーション機能をテストできます。
PeopleTools 8.22の場合、test/cbrecon/PT822ディレクトリ内の次のファイル:
pingRequest.xml
pingResponse.xml
publishRequest.xml
publishResponse.xml

PeopleTools 8.45〜8.48の場合、test/cbreconディレクトリ内の次のファイル:

pingRequest.xml
pingResponse.xml
publishRequest.xml
publishResponse.xml
これらのXMLファイルは、XML over HTTPを使用してコネクタと通信するためにpsft-xel-test.vbsファイルで必要になります。
PeopleTools 8.22の場合:
test/cbrecon/PT822/USR_MGMT_MSG.xml

PeopleTools 8.45〜8.48の場合:

test/cbrecon/USR_MGMT_MSG.xml
このXMLファイルは、psft-xel-test.vbsファイルによって、ターゲット・システムから受け取ったXMLメッセージのテンプレートを定義するために使用されます。
test/config/config.properties
このファイルは、テスト・ユーティリティを使用してターゲット・システムに接続するために必要なパラメータおよび設定を指定するために使用されます。
test/config/log.properties
このファイルは、テスト・ユーティリティの実行時に、ログ・レベルおよびログ・ファイルの作成先ディレクトリを指定するために使用されます。
test/scripts/psftBase.bat
test/scripts/psftBase.sh
このBATファイルまたはUNIXシェル・スクリプトは、Oracle Identity ManagerサーバーでMicrosoft WindowsまたはUNIXが実行されている場合に、それぞれテスト・ユーティリティを呼び出します。
PeopleTools 8.22の場合、resources/PT822ディレクトリ内のファイル

PeopleTools 8.45〜8.48の場合、resourcesディレクトリ内のファイル

これらの各ファイルには、コネクタで使用されるロケール固有の情報が含まれます。
PeopleTools 8.22の場合:
xml/PT822/PSFTBaseConnector.xml

PeopleTools 8.45〜8.48の場合:

xml/PSFTBaseConnector.xml
このXMLファイルには、コネクタの次のコンポーネントの定義が含まれます。
  • ITリソース・タイプ

  • スケジュール済タスク

  • ITリソース

  • リソース・オブジェクト

  • プロセス定義

  • プロセス・タスク

  • アダプタ

  • プロセス・フォーム

PeopleTools 8.22の場合:
xml/PT822/PSFTBaseXellerateUser.xml

PeopleTools 8.45〜8.48の場合:

xml/PSFTBaseXellerateUser.xml
このXMLファイルには、Xellerate Userリソース・オブジェクトの構成情報が含まれます。このファイルをインポートする必要があるのは、コネクタを、信頼できるソースのリコンシリエーションに使用する場合のみです。

「手順2: コネクタ・ファイルおよび外部コード・ファイルのコピー」で、これらのファイルを必要なディレクトリにコピーする方法を説明します。

コネクタのリリース番号の確認

次の方法を使用して、PeopleSoft User Managementコネクタのリリース番号を確認できます。

  1. PSFTBaseReconciliation.jarファイルの内容を抽出します。このファイルは、インストール・メディアの次のディレクトリにあります。

    Enterprise Applications/PeopleSoft Enterprise Applications/PeopleSoft User Management/lib/ScheduleTask
    
  2. テキスト・エディタでmanifest.mfファイルを開きます。manifest.mfファイルは、PSFTBaseReconciliation.jarファイル内にバンドルされているファイルの1つです。

    manifest.mfファイルで、コネクタのリリース番号がVersionプロパティの値として表示されます。