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Oracle Identity Manager SAP Enterprise Portal Connectorガイド
リリース9.0.4
E05513-02
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1 コネクタについて

Oracle Identity Managerでは、アクセス権の管理、セキュリティおよびITリソースのプロビジョニングが自動化されています。Oracle Identity Managerコネクタは、Oracle Identity Managerと外部のアイデンティティ認識アプリケーションの統合に使用されます。このマニュアルでは、アイデンティティ・データの管理された(ターゲット)リソースまたは認証された(信頼できる)ソースのいずれかとしてOracle Identity Managerで使用するためのコネクタについて説明します。

コネクタのアカウント管理(ターゲット・リソース)モードでは、ターゲット・システム上で直接作成または変更されたユーザーに関する情報をOracle Identity Managerにリコンサイルできます。また、Oracle Identity Managerを使用して、ターゲット・システムでプロビジョニング操作を実行できます。

コネクタのアイデンティティ・リコンシリエーション(信頼できるソース)モードでは、ユーザーはターゲット・システム上でのみ作成または変更され、これらのユーザーに関する情報がOracle Identity Managerにリコンサイルされます。


注意:

認証された(信頼できる)ソースおよび管理された(ターゲット)リソースの両方でターゲット・システムを構成しないことをお薦めします。

この章では、次の項目について説明します。


注意:

このガイドでは、Oracle Identity Managerサーバーという用語は、Oracle Identity Managerがインストールされているコンピュータを意味します。

このガイドの一部では、SAP Enterprise Portalをターゲット・システムと呼んでいます。


1.1 リコンシリエーション・モジュール

リコンシリエーションとは、ターゲット・システム上でのユーザー・アカウントの作成および変更を、Oracle Identity Manager内で複製することです。これは、構成したスケジュール済タスクによって開始される自動化プロセスです。


関連資料:

リコンシリエーションの構成の概念については、『Oracle Identity Manager Connectorフレームワーク・ガイド』のOracle Identity Managerのデプロイ構成に関する項を参照してください。

この項では、リコンシリエーション・モジュールがリコンシリエーション・イベント・レコードを構成するためにターゲット・システムから抽出する要素について説明します。これらのレコードには次の特徴があります。

ターゲット・システムからリコンサイルされるデータのタイプによって、リコンシリエーションは次のタイプに分類できます。

1.1.1 参照フィールド・リコンシリエーション

ユーザー・リコンシリエーションが機能するには、次の参照定義が使用可能であり、参照値をリコンサイルする必要があります。

  • Lookup.SAP.EP.Country

  • Lookup.SAP.EP.Groups

  • Lookup.SAP.EP.Language

  • Lookup.SAP.EP.Roles

  • Lookup.SAP.EP.TimeZone

1.1.2 ユーザー・リコンシリエーション

ユーザー・リコンシリエーションは、次の2つに分類されます。

1.1.2.1 リコンサイルされるSAP Enterprise Portalリソース・オブジェクト・フィールド

次のフィールドがリコンサイルされます。

  • 番地

  • 市区町村

  • 都道府県

  • 郵便番号

  • タイムゾーン

  • 部門

  • 有効期限開始

  • 有効期限終了

  • ロック

  • ユーザーID

  • パスワード

  • 電子メールID

  • 言語

  • 電話

  • FAX

  • 携帯電話

  • グループ

  • ロール

1.1.2.2 リコンサイル対象のXellerateユーザー・フィールド

信頼できるソース・リコンシリエーションが実行されると、次の追加フィールドがリコンサイルされます。

  • ユーザーID

  • 電子メールID

  • 組織

1.2 プロビジョニング・モジュール

プロビジョニングとは、Oracle Identity Managerを介して、ターゲット・システム上でユーザー・アカウントを作成または変更することです。プロビジョニング操作は、Oracle Identity Manager管理およびユーザー・コンソールを使用して実行します。


関連資料:

プロビジョニングの概念については、『Oracle Identity Manager Connectorフレームワーク・ガイド』のOracle Identity Managerのデプロイ構成に関する項を参照してください。

このターゲット・システムでは、次のフィールドがプロビジョニングされます。


注意:

Oracle Identity Managerでユーザーを作成してロールを割り当てない場合、そのユーザーはSAP Enterprise Portalにログインした後に、Portalのコンテンツをまったく参照できません。

1.3 サポートされている機能

次の表に、このコネクタで使用可能な機能を示します。

機能 タイプ 説明
Create User プロビジョニング SAP Enterprise Portalシステムにユーザーを作成します。
Update User プロビジョニング SAP Enterprise Portalシステムのユーザーを更新します。
Delete User プロビジョニング SAP Enterprise Portalシステムからユーザーを削除します。
Reset Password プロビジョニング SAP Enterprise Portalシステムのユーザー・パスワードを更新します。
Lock User プロビジョニング SAP Enterprise Portalシステムのユーザーをロックします。
UnLock User プロビジョニング SAP Enterprise Portalシステムのロックされたユーザーをロック解除します。
Add Role プロビジョニング SAP Enterprise Portalシステムのユーザーにロールを追加します。
Add Group プロビジョニング SAP Enterprise Portalシステムのユーザーにグループを追加します。
Remove Role プロビジョニング SAP Enterprise Portalシステムのユーザーのロールを削除します。
Remove Group プロビジョニング SAP Enterprise Portalシステムのユーザーからグループを削除します。
List Roles of User プロビジョニング SAP Enterprise Portalシステムのユーザーのロールをリストします。
List Groups of User プロビジョニング SAP Enterprise Portalシステムのユーザーのグループをリストします。
List All Roles プロビジョニング SAP Enterprise Portalシステムに定義されているすべてのロールをリストします。
List All Groups プロビジョニング SAP Enterprise Portalシステムに定義されているすべてのグループをリストします。
Reconciliation Insert Received リコンシリエーション SAP Enterprise Portalシステムに作成されたユーザーをOracle Identity Managerに挿入します。
Reconciliation Update Received リコンシリエーション SAP Enterprise Portalシステムで更新されたユーザーをOracle Identity Managerで更新します。
Reconciliation Delete Received リコンシリエーション SAP Enterprise Portalシステムから削除されたユーザーをOracle Identity Managerから削除します。

1.4 多言語サポート

このリリースのコネクタでは、次の言語をサポートしています。


関連資料:

サポートされる特殊文字の詳細は、『Oracle Identity Managerグローバリゼーション・ガイド』を参照してください。

1.5 コネクタを構成するファイルおよびディレクトリ

このコネクタを構成するファイルとディレクトリは、インストール・メディアの次のディレクトリにあります。

Enterprise Applications/SAP Enterprise Portal

これらのファイルとディレクトリを次の表に示します。

インストール・メディア・ディレクトリのファイル 説明
lib/SAPEPConnector.jar
このJARファイルには、プロビジョニングに必要なクラス・ファイルが含まれます。
lib/SAPEPRecon.jar
このJARファイルには、リコンシリエーションに必要なクラス・ファイルが含まれます。
par/ConnectorService.par
このファイルは、SAP Enterprise PortalシステムでのWebサービスのコールに使用されます。
resourcesディレクトリにあるファイル これらの各リソース・バンドルには、コネクタで使用される言語固有の情報が含まれます。

注意: リソース・バンドルは、Oracle Identity Managerのユーザー・インタフェースに表示されるローカライズ・バージョンのテキスト文字列を含むファイルです。これらのテキスト文字列には、管理およびユーザー・コンソールに表示されるGUI要素のラベルおよびメッセージが含まれます。

test/Troubleshoot/TroubleShootUtility.class
このユーティリティは、コネクタ機能をテストするために使用されます。
test/Troubleshoot/global.properties
このファイルは、テスト・ユーティリティを使用してターゲット・システムに接続するために必要なパラメータおよび設定を指定するために使用されます。
test/Troubleshoot/log.properties
このファイルは、テスト・ユーティリティの実行時に、ログ・レベルおよびログ・ファイルの作成先ディレクトリを指定するために使用されます。
xml/SAPEPResourceObject.xml
このXMLファイルには、コネクタの次のコンポーネントの定義が含まれます。
  • ITリソース定義

  • SAPユーザーのフォーム

  • 参照定義

  • アダプタ

  • リソース・オブジェクト

  • プロセス定義

  • リコンシリエーション・スケジュール済タスク

xml/SAPEPXLResourceObject.xml
このXMLファイルには、Xellerateユーザーの構成が含まれます。このファイルをインポートする必要があるのは、信頼できるソースのリコンシリエーション・モードでコネクタを使用する場合のみです。


注意:

testディレクトリのファイルは、コネクタでテストを実行するためにのみ使用します。

「手順2: コネクタ・ファイルおよび外部コード・ファイルのコピー」で、これらのファイルを必要なディレクトリにコピーする方法を説明します。

1.6 コネクタのリリース番号の確認

次の方法を使用して、コネクタのリリース番号を確認できます。

  1. SAPEPConnector.jarまたはSAPEPRecon.jarファイルの内容を抽出します。このファイルは、インストール・メディアの次のディレクトリにあります。

    Enterprise Applications/PeopleSoft Enterprise Applications/PeopleSoft User Management/lib/ScheduleTask
    
  2. テキスト・エディタでmanifest.mfファイルを開きます。manifest.mfファイルは、SAPEPConnector.jarまたはSAPEPRecon.jarファイル内にバンドルされているファイルの1つです。

    manifest.mfファイルで、コネクタのリリース番号がVersionプロパティの値として表示されます。