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Oracle Identity Manager IBM RACF Advanced Connectorガイド
リリース9.0.4
E05521-02
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1 コネクタについて

Oracle Identity Manager Connector for IBM RACFは、z/OSメインフレームにインストールされたIBM RACFとOracle Identity Manager間にネイティブ・インタフェースを提供します。このコネクタは、信頼できる仮想管理者としてターゲット・システム上で機能し、ログインIDの作成、IDの一時停止、パスワードの変更などのタスクを実行します。さらに、管理者が通常手動で行う機能の一部を自動化します。

このコネクタは、IBM RACFセキュリティ機能へのプロビジョニングおよびリコンシリエーションを可能にします。

この章では次の項目について説明します。

1.1 コネクタの概要


注意:

このガイドでは、IBM RACFのためのOracle Identity ManagerコネクタをIBM RACF Advanced Connectorと表記します。

IBM RACF Advanced Connectorには、次のコンポーネントが含まれます。


関連項目:

コネクタのアーキテクチャおよびメッセージ・トランスポート・レイヤーの構成の詳細は、付録B「コネクタのアーキテクチャ」を参照してください。

1.2 サポートされている機能

後続の項では、IBM RACF Advanced Connectorでサポートされている機能を示します。

1.2.1 Pioneer Provisioning Agentでサポートされる機能

Pioneer Provisioning Agentでは次の機能がサポートされます。

  • 標準のIBM RACFユーザー・プロファイル・コマンド:

    • [ADDUSER]: IBM RACFユーザー・プロファイルの作成

    • [ALTUSER]: 既存のIBM RACFユーザー・プロファイルの変更

    • [DELUSER]: IBM RACFユーザー・プロファイルの削除

  • 標準のIBM RACFグループ・プロファイル・コマンド:

    • [CONNECT]: IBM RACFユーザーのグループへの追加

    • [REMOVE]: IBM RACFユーザーのグループからの削除

  • 標準のIBM RACFデータセットおよびリソース・プロファイル・コマンド:

    • [PERMIT]: データセットまたはリソース・プロファイルのアクセス権のユーザーへの付与

1.2.2 プロビジョニングでサポートされる機能

Provisioning Agentによってサポートされる機能を次の表に示します。

機能 説明
Change passwords ユーザーが自らOracle Identity Managerで行ったパスワードの変更に対応して、IBM RACFでユーザー・パスワードを変更します。
Reset passwords IBM RACFでユーザーのパスワードをリセットします。パスワードは管理者によってリセットされます。
Create users IBM RACFに新しいユーザーを追加します。
Modify users IBM RACFでユーザーの情報を変更します。
Revoking user accounts IBM RACFユーザーを「失効」状態に設定します。
Resuming user accounts IBM RACFユーザーを「有効」状態に設定します。
Add user to group ユーザーをIBM RACFグループに結び付けます。
Remove user from group ユーザーをIBM RACFグループから切り離します。
Permit user to dataset ユーザーをデータセットACLに含めることを許可し、そのデータセットへのアクセス権をユーザーに与えます。
Remove user from dataset ユーザーをデータセットACLから削除します。
Permit user to general resource ユーザーをリソースACLに含めることを許可し、そのリソースへのアクセス権をユーザーに与えます。
Remove user from general resource ユーザーをリソースACLから削除します。
Grant user to TSO segment TSOのアクセス権と情報をユーザーに与えます。
Grant user to OMVS segment OMVSの情報をユーザーに与えます。

1.2.3 Voyager Reconciliation Agentでサポートされる機能

Voyager Reconciliation Agentでは、ADDUSERまたはALTUSERなどのコマンドによるユーザー・プロファイルへの変更のリコンシリエーションがサポートされます。これらのコマンドにはリコンシリエーション用のユーザーのパスワードも含まれます。

1.2.4 リコンシリエーションでサポートされる機能

Reconciliation Agentでは次の機能がサポートされます。

  • Change passwords

  • Reset passwords

  • Create user data

  • Modify user data

  • Revoke users

  • Resume users

  • Delete users

1.2.5 リコンシリエーションとプロビジョニングで使用されるターゲット・システム属性

次の属性がIBM RACFとOracle Identity Managerの間でリコンサイルされます。


関連項目:

これらのフィールドの詳細は、付録A「IBM RACFおよびOracle Identity Manager間の属性マッピング」を参照してください。

Oracle Identity Manager Gatewayの属性 IBM RACFの属性
cn NAME
defaultGroup DEFAULT-GROUP
instdata DATA
omvsHome HOME
omvsProgram PROGRAM
omvsUid UID
owner OWNER
resumeDate RESUME DATE
revokeDate REVOKE DATE
tsoAcctNum ACCTNUM
tsoCommand COMMAND
tsoDest DEST
tsoHoldclass HOLDCLASS
tsoJobclass JOBCLASS
tsoMaxSize MAXSIZE
tsoMsgclass MSGCLASS
tsoProc PROC
tsoSize SIZE
tsoSysoutclass SYSOUTCLASS
tsoUnit UNIT
tsoUserdata USERDATA
uid USER
userPassword PASSWORD
waaccnt WAACCNT
waaddr1 WAADDR1
waaddr2 WAADDR2
waaddr3 WAADDR3
waaddr4 WAADDR4
wabldg WABLDG
wadept WADEPT
waname WANAME
waroom WAROOM

1.3 多言語サポート

このコネクタでは次の言語がサポートされます。


関連項目:

サポートされる特殊文字の詳細は、『Oracle Identity Managerグローバリゼーション・ガイド』を参照してください。

1.4 コネクタを構成するファイルおよびディレクトリ

コネクタのインストール・メディアの内容を次の表に示します。

ファイルおよびディレクトリ 説明
etc/LDAP Gateway/ldapgateway.zip Oracle Identity ManagerシステムへのLDAP Gatewayのデプロイに必要なファイル。
etc/Provisioning and Reconciliation Connector/Mainframe_RACF.zip ターゲット・システムでのReconciliation AgentおよびProvisioning Agentのインストールに必要なファイル。
lib/idm.jar Oracle Identity ManagerシステムにデプロイされるコネクタのJARファイル。
lib/racf-adv-agent-recon.jar

lib/racfConnection.properties

ターゲット・システムとOracle Identity Manager間のリアルタイム・リコンシリエーションに必要なファイル。
resourcesディレクトリにあるファイル これらの各リソース・バンドルには、コネクタで使用されるロケール固有の情報が含まれます。

注意: リソース・バンドルは、Oracle Identity Managerのユーザー・インタフェースに表示されるローカライズ・バージョンのテキスト文字列を含むファイルです。これらのテキスト文字列には、管理およびユーザー・コンソールに表示されるGUI要素のラベルおよびメッセージが含まれます。

scripts/run_initial_recon_provisioning.bat

scripts/run_initial_recon_provisioning.sh

Oracle Identity Managerでの最初の(初期)リコンシリエーションを実行するために使用されるファイル。
scripts/initialRacfAdv.properties

scripts/racf-adv-initial-recon.jar

初期リコンシリエーションで使用されるファイル。
scripts/user.txt 初期リコンシリエーションで使用されるユーザー・データが含まれるファイルのサンプル。このファイルについては、「初期リコンシリエーションの実行」で詳しく説明します。
xml/oimRacfAdvConnector.xml コネクタのコンポーネントの定義が含まれるXMLファイル。
xml/racfTrustedXellerateUser.xml 信頼できるソースのリコンシリエーションで使用されるコネクタ・コンポーネントの定義が含まれるXMLファイル。

1.5 このガイドの使用方法

IBM RACF Advanced Connectorのデプロイでは、LDAP Gateway、Reconciliation AgentおよびProvisioning Agentがデプロイされます。LDAP Gatewayは、Oracle Identity Managerと同じシステムにデプロイされます。Reconciliation AgentおよびProvisioning Agentはメインフレームにデプロイされます。

これらの手順は次の章で説明します。