この章では、ソフトウェアをインストールしてから後で構成決定を再検討する場合のEnterprise Managerの再構成方法について説明します。
次の項では、Enterprise Managerのインストール後に管理エージェントに加えることができる再構成とチューニングの変更について説明します。詳細は、次の項を参照してください。
管理対象ホストに管理エージェントをインストールする場合、その管理エージェントと特定の管理サービスを関連付けます。管理エージェントは、管理サービスのURLアドレスとポートを使用して、管理サービスを特定し、そのサービスと通信します。
管理エージェントをインストールしてから、管理エージェントを別の管理サービスと関連付けるように後から再構成できます。管理エージェントを再構成する場合、管理サービスの変更は必要ありません。再構成された管理エージェントは、管理エージェントの再起動後に新しい管理サービスとの通信を開始します。
管理エージェントと、セキュア・モードでロックされている新しい管理サービスを関連付ける場合、最初に管理エージェントと新しい管理サービスを関連付けてから管理エージェントを保護します。
管理エージェントのインストール後に管理エージェントと新しい管理サービスを関連付けるには、次の手順を実行します。
管理エージェントを停止します。
管理エージェントのホーム・ディレクトリでemd.properties
ファイルを見つけます。
AGENT_HOME/sysman/config/emd.properties
新しい管理サービスを参照するようにREPOSITORY_URL
プロパティの値を変更します。次に例を示します。
REPOSITORY_URL=http://mgmthost2.acme.com:4889/em/upload
新しい管理サービスを参照するようにemdWalletSrcUrl
プロパティの値を変更します。たとえば、新しい管理サービスがmgmthost2.acme.com
というホスト上にある場合、プロパティを次のように変更します。
emdWalletSrcUrl=http://mgmthost2.acme.com:4889/em/wallets/emd
変更を保存してemd.properties
ファイルを閉じます。
管理エージェントで以前の管理サービスの特定のデータや設定を保持しないようにするには、次のディレクトリのすべてのファイルを削除します。
AGENT_HOME/sysman/emd/upload/ AGENT_HOME/sysman/emd/state/ AGENT_HOME/sysman/emd/collection/* AGENT_HOME/sysman/emd/lastupld.xml AGENT_HOME/sysman/emd/agntstmp.txt AGENT_HOME/sysman/emd/blackouts.xml AGENT_HOME/sysman/emd/protocol.ini
この処理により、すべてのユーザー定義メトリック(UDM)とメトリックのカスタム変更、およびポリシー・コレクションが削除されることに注意してください。
注意: emctl clearstate agent コマンドを使用して、状態ディレクトリのファイルを削除できます。 |
管理エージェントを再起動します。
新しい管理サービスの管理エージェントを保護するには、次のコマンドを使用します。
emctl secure agent [registration password] [-emdWalletSrcUrl <url>]
管理エージェントは事前定義済のポート番号を使用して、管理サービスからのリクエストを受け付けます。このポート番号は、管理対象ホストに管理エージェントをインストールする際にデフォルトで定義されます。このポートを後から変更する必要がある場合は、次の手順を使用できます。既存のソフトウェアでデフォルトの管理エージェント・ポートを使用している場合、このポート番号を変更する必要があります。
管理エージェント・ポートを変更するには、次の手順を実行します。
管理エージェントを停止します。
管理エージェントのホーム・ディレクトリでemd.properties
ファイルを見つけます。
AGENT_HOME/sysman/config/emd.properties
テキスト・エディタを使用してファイルを開き、EMD_URLプロパティを見つけます。
次に例を示します。
EMD_URL=http://managed_host1.acme.com:1813/emd/main
管理エージェントが管理対象ホストで未使用の新しいポートを使用するようにEMD_URLプロパティでポート番号を変更します。
次に例を示します。
EMD_URL=http://managed_host1.acme.com:1913/emd/main
netstat
コマンドを使用して、未使用のポートがあるかどうかを確認することもできます。
Windowsの場合:
netstat -an | findstr <new port number>
UNIXの場合:
netstat -an | grep <new port number>
管理エージェントを起動します。
注意: 変更されたURLを処理した後、古い管理エージェントにターゲットは必要ありません。Oracleでは、Grid Controlコンソールに不要なターゲットが表示されないように古い管理エージェントを管理サービスから削除することをお薦めします。 |
Oracleは、一連のディスク領域の制限内で稼働するように管理エージェントを設計しました。このような制限があるため、管理エージェントがディスク領域を使用しすぎたり、エンタープライズ・システムでパフォーマンスやリソースの問題が発生したりすることはありません。ただし、ディスク領域が問題になる場合、管理エージェントで使用されるディスク領域の量を制御するために使用されるデフォルト設定を調整できます。
特定のホスト上の管理エージェントがそのホスト上のターゲットに関する管理データを収集すると、管理エージェントは、データが管理リポジトリにアップロードされるまで、その収集データをローカル・ディスクに保存します。管理エージェントは、この収集データとメタデータを次のディレクトリに保存します。
AGENT_HOME/sysman/emd/upload
管理エージェントは、デフォルトで最大50MBの収集データをアップロード・ディレクトリに保存します。収集データの量が50MBを超えると、データがリポジトリにアップロードされてディスク領域がさらに使用できるようになるまでデータ収集は一時的に停止します。
使用可能な領域の量を確認するには、次の手順を実行します。
emctl status agent
コマンドを使用します。次に例を示します。
Available disk space on upload filesystem : 1.18% Collection Status : Disabled by Upload Manager Last successful heartbeat to OMS : 2007-07-31 11:22:07
<AGENT_HOME>/sysman/log/emagent.trcファイルを調べます。このファイルには次のようなエラーがあります。
24.995519 MB Data. 34.06% of disk used. Disabling collections. 2006-10-19 10:41:23 Thread-19 WARN collector: Disable collector
さらに、管理エージェントは、ローカル・ディスクで現在使用中のディスク領域の割合が98%を超えていないかどうかを確認します。この値を超えると、管理エージェントはデータの収集を停止し、管理エージェントのログ・ファイルやトレース・ファイルへの情報の保存を停止します。
これらのデフォルト設定は次のように変更できます。
管理エージェントを停止します。
管理エージェントのホーム・ディレクトリでemd.properties
ファイルを見つけます。
AGENT_HOME/sysman/config/emd.properties
テキスト・エディタでファイルを開き、表19-1に示すエントリを変更します。
変更を保存してファイルを終了します。
管理エージェントを再起動します。
表19-1 管理エージェントで使用されるディスク領域を制御するプロパティ
プロパティ | 説明 |
---|---|
emd.propertiesファイルのこのプロパティを使用して、管理エージェントのアップロード・ディレクトリで収集データによって使用される最大メガバイト(MB)数を指定します。この制限を超えると、管理リポジトリへの次のアップロードによってアップロード・ディレクトリ内の収集データの量が軽減されるまで、管理エージェントは以降の管理データの収集を停止します。 |
|
管理エージェントは、使用中のディスク領域のパーセンテージが、 |
|
UploadMaxDiskUsedPctFloor |
|
UploadMaxNumberXML |
|
管理エージェントは、エンタープライズの効率的な管理に必要なデータを収集するEnterprise Managerコンポーネントです。そのため、Enterprise Managerには、管理エージェント・プロセスを追跡し、管理エージェントの実行を保つためのソフトウェアがあります。
たとえば、管理エージェントが予想外に停止した場合、ウォッチドッグ・プロセスと呼ばれるこの自己監視プロセスにより、管理エージェントは自動的に再起動します。
ウォッチドッグ・プロセスはほとんどの状況でバックグラウンドで動作するため、構成やメンテナンスは必要ありません。ウォッチドッグ・プロセスは、管理エージェントのホーム・ディレクトリの次のディレクトリにあるemwd.pl
スクリプトで制御されます。
AGENT_HOME/bin
次のコマンドを使用して、ウォッチドッグ・プロセスを特定できます。
$PROMPT> ps -ef | grep emwd
今日のグローバル経済では、管理するシステムが世界中の複数の場所に存在することは稀ではありません。たとえば、本社が米国のニューハンプシャー州にある場合、カリフォルニア、カナダ、欧州にあるシステムを管理する必要があるとします。
Enterprise Managerは、これらのリモート・システムで実行する管理エージェントから監視データを収集するため、データを正確に関連付けることが重要です。カナダのオンタリオ州のマシン上でソフトウェア障害が発生した場合、ニュージャージー州ホーボーケンのマシン上で発生したパフォーマンスの問題が原因である可能性はあります。
このデータを関連付けるには、Enterprise Managerで、インストールする管理エージェントごとに正しいタイムゾーンを取得することが重要です。次の項では、管理エージェントでタイムゾーンを取得し、管理エージェントのタイムゾーンが正しくない場合の問題の修正方法について説明します。
管理エージェントをインストールすると、ソフトウェアはホスト・コンピュータの現在のタイムゾーンを取得しようとします。これが成功すると、インストール手順により、次の構成ファイルのagentTZRegion
プロパティの設定が更新されます。
AGENT_HOME/sysman/config/emd.properties
agentTZRegion
プロパティは、管理エージェントのホーム・ディレクトリにインストールされる次のファイルにリストされる値に設定できます。
AGENT_HOME/sysman/admin/supportedtzs.lst
別のタイムゾーンを再構成するには、次の手順を実行します。これらの手順では、使用された元のタイムゾーンがESTで、ターゲットのタイムゾーンがCSTであると仮定します。
環境を正しく設定します。
Windows XPの場合
- 「スタート」メニューで「コントロール パネル」にアクセスします。「日付と時刻」→「タイム ゾーン」タブをクリックします。
- リストから「(GMT-06:00) 中部標準時 (米国およびカナダ)」を選択します。
- 「OK」をクリックします。
- コマンドライン画面を開きます(cmd.exe)。
- 次の環境変数を設定します。
SET TZ=CST SET ORACLE_HOME=< your oracle home directory > SET PATH=%ORACLE_HOME%\bin;%PATH%
UNIXの場合
- OracleユーザーとしてUNIXサーバーにログインします。
- 次の環境変数を設定します。
$ export TZ=CST $ export ORACLE_HOME=< your oracle home directory > $ export PATH=%ORACLE_HOME%\bin;%PATH%
次のコマンドを実行します。
Windowsの場合
%ORACLE_HOME%\bin\emctl config agent getTZ %ORACLE_HOME%\bin\emctl stop iasconsole %ORACLE_HOME%\bin\emctl resetTZ agent
UNIXの場合
$ORACLE_HOME/bin/emctl config agent getTZ $ORACLE_HOME/bin/emctl stop iasconsole $ORACLE_HOME/bin/emctl resetTZ agent
次のディレクトリのファイルをすべて削除します。
Windowsの場合
%ORACLE_HOME%\sysman\logs
UNIXの場合
$ORACLE_HOME$/sysman/logs
コンソールを再度起動します。
Windowsの場合
%ORACLE_HOME%\bin\emctl start iasconsole %ORACLE_HOME%\bin\emctl status iasconsole %ORACLE_HOME%\bin\emctl status agent %ORACLE_HOME%\bin\emctl config agent getTZ
UNIXの場合
$ORACLE_HOME\bin\emctl start iasconsole $ORACLE_HOME\bin\emctl status iasconsole $ORACLE_HOME\bin\emctl status agent $ORACLE_HOME\bin\emctl config agent getTZ
ログ・ファイルでタイムスタンプを確認します。
em.propertiesファイルを確認します。agentTZRegionパラメータは次のようになります。
Windowsの場合
%ORACLE_HOME%\sysman\config\em.properties agentTZRegion=America/Chicago
UNIXの場合
$ORACLE_HOME/sysman/config/em.properties agentTZRegion=America/Chicago
次の状況のどちらも当てはまる場合は、管理エージェントのタイムゾーンをリセットする必要があります。
管理エージェントが特定のタイムゾーンで実行している
その後、管理エージェントが実行しているホストのタイムゾーンが変更されている
タイムゾーンの変更をemd.properties
ファイルに伝播するには、次の手順を実行します。
次のスクリプトを実行します。
ORACLE_HOME/bin/emctl resetTZ agent
このスクリプトはORACLE_HOME/sysman/config/emd.properties
を更新するため、agentTZRegion
の値は、マシンの現在のタイムゾーン設定の値と一致します。
注意: emd.properties ファイルの場所は、使用するControlコンソールによって異なります。
|
さらに、このコマンドにより、Enterprise Managerリポジトリに対するスクリプトの実行が求められます。Enterprise Managerリポジトリのユーザーとしてデータベースにログインし、スクリプトmgmt_target.set_agent_tzrgn
を実行する必要があります。次に例を示します。
SQL> exec mgmt_target.set_agent_tzrgn('em.oracle.com:1830','PST8PDT'); SQL> commit; SQL> exit
em.oracle.com:1830
は、emdターゲットの名前を表します。
管理エージェントのインストール時に、管理エージェントの構成ツールで検出されたタイムゾーンが管理エージェントで認識されない場合があります。つまり、構成ツールで取得されたタイムゾーンが、管理エージェントのサポート対象タイムゾーンのリストに表示されません。
この問題が原因で管理エージェントは起動されず、次のようなエラーが発生します。
Could not determine agent time zone. Please refer to the file:
ORACLE_HOME/sysman/admin/supportedtzs.lst and pick a timezone region with a
standard offset of +5:0 from GMT and update the property 'agentTZRegion' in the
file: ORACLE_HOME/sysman/config/emd.properties
このエラーは、使用しているEnterprise Manage製品に応じて、表19-2に示すいずれかのログ・ファイルに表示されます。
表19-2 Enterprise Managerログ・ファイルのタイムゾーン・エラーの場所
使用しているコンソール | タイムゾーン・エラーを検索するファイル |
---|---|
Grid Controlコンソール |
|
Application Server Controlコンソール |
|
Database Controlコンソール |
|
有効なタイムゾーンを使用するように管理エージェントを構成するには、次の手順を実行します。
管理エージェントのホーム・ディレクトリに次のコマンドを入力して、ホスト・コンピュータで現在使用されているタイムゾーンを特定します。
AGENT_HOME/bin/emctl config agent getTZ
emctl config agent getTZ
コマンドで返されるタイムゾーンに注意してください。
これがホスト・コンピュータのタイムゾーンになります。
テキスト・エディタを使用して、管理エージェントのホーム・ディレクトリの次のファイルを開きます。
AGENT_HOME/sysman/admin/supportedtzs.lst
このファイルには、管理エージェントでサポートされるタイムゾーンの一覧があります。
supportedtzs.lst
ファイルの内容を閲覧し、ホスト・コンピュータのタイムゾーンに最も近いサポート対象のタイムゾーンを書き留めます。
テキスト・エディタで管理エージェントの次の構成ファイルを開きます。
AGENT_HOME/sysman/config/emd.properties
emd.properties
ファイルの終わり付近にある次のプロパティを見つけます。
agentTZRegion=
supportedtzs.lst
ファイルで、このプロパティの値を、ホストのタイムゾーンに最も近いと判断されたタイムゾーンに設定します。
次に例を示します。
agentTZRegion=Europe/Warsaw
変更を保存してemd.properties
ファイルを閉じます。
これで管理エージェントを起動できます。ログ・ファイルにエラーは生成されません。
関連するセキュリティ証明書を追加するには、次の手順を実行します。
b64SiteCertificate.txt
ファイルでBase64encoded X.509(.CER)形式の証明書を取得します(ファイル名は使用する構成で異なります。)ファイルの内容は次の例のようになります。
------BEGIN CERTIFICATE-------------- MIIDBzCCAnCgAw... ...... base 64 certificate content ..... ------END CERTIFICATE-----------------
ウォレットを監視する管理エージェントのOracleホームで、次のコマンドを実行して管理エージェントに証明書を追加します。
${ORACLE_HOME}/bin/mkwallet -i welcome ${ORACLE_HOME}/sysman/config/monwallet ${ORACLE_HOME}/sysman/config/b64SiteCertificate.txt NZDST_CLEAR_PTP
次の項では、Enterprise Managerのインストール後に管理エージェントに加えることができる構成の変更について説明します。
管理サービスをインストールしてデプロイする場合、その管理サービスと管理リポジトリを関連付けます。管理サービスは、データベース・ホスト、データベース・システムID(SID)、データベース・ポート、管理ユーザー、管理パスワードを使用して、リポジトリを特定し、そのリポジトリと通信します。
次の項では、リポジトリ情報の変更方法について説明し、Enterprise Managerで管理リポジトリのパスワードをセキュアに保つ方法について詳しく説明します。
管理サービスと新しいリポジトリを関連付けるには、リポジトリ・プロパティを変更する必要があります。
管理サービスを停止します。
次のコマンドを使用します。
emctl config oms -list_repos_details emctl config oms -store_repos_details (-repos_host <host> -repos_port <port> -repos_sid <sid> | -repos_conndesc <connect descriptor>) -repos_user <username> [-repos_pwd <pwd>] [-no_check_db]
エントリ例を示します。
管理サービスを再起動します。
表19-3 リポジトリ・プロパティ
プロパティ | 説明 |
---|---|
管理リポジトリのユーザー名。デフォルト値はSYSMANです。 |
|
管理リポジトリのパスワード。パスワードの値を変更する方法については、「リポジトリ・パスワードの変更について」を参照してください。 |
|
-repos_conndesc <connect description> |
リポジトリ・データベースに対する管理リポジトリのOracle Net接続文字列。プロパティ-repos_sid、-repos_host、-repos_portに指定される値は、接続文字列のHOST、PORT、SERVICE_NAMEの値と同じにする必要があります。このプロパティを指定しない場合、プロパティ-repos_sid、-repos_host、-repos_portを使用して接続記述子を構築します。リポジトリをホストするデータベースがRACデータベースの場合、「管理サービスの構成」の説明に従って値を構成する必要があります。 注意: 接続記述子は引用府で囲みます。たとえば、'"<conn_descr>"や"'<conn_descr>'"のようになります。 |
管理リポジトリのスキーマが存在するデータベースのシステムID(SID)。 |
|
リポジトリ・データベースが存在するサーバーまたはホスト・コンピュータの名前。 |
|
リポジトリ・データベースのポート番号。 |
例19-1 リポジトリ・プロパティの例
oracle.sysman.eml.mntr.emdRepUser=SYSMAN oracle.sysman.eml.mntr.emdRepPwd=sysman oracle.sysman.eml.mntr.emdRepConnectDescriptor=(DESCRIPTION\=(ADDRESS_ LIST\=(ADDRESS\=(PROTOCOL\=TCP)(HOST\=system12.mycompany.com)(PORT\=1521))) (CONNECT_DATA\=(SERVICE_NAME\=oemrep1))) oracle.sysman.eml.mntr.emdRepSID=oemrep1 oracle.sysman.eml.mntr.emdRepServer=system12.mycompany.com oracle.sysman.eml.mntr.emdRepPort=1521
セキュリティの理由で、パスワードは管理サービスを起動するとすぐに暗号化されます。リポジトリ・パスワードを変更するには、emctl config oms change_repos_pwd
コマンドライン・ユーティリティを使用します。このユーティリティにより、リポジトリの新しいパスワードが求められます。パスワードを指定して[Enter]を押すと、ユーティリティはパスワードを自動的に更新します。
リポジトリ・パスワードを変更するには、次の手順を実行します。
次のコマンドを使用して管理サービスを停止します。
ORACLE_HOME/bin/emctl stop oms
次のコマンドを使用してリポジトリ・パスワードを変更します。
emctl config oms -change_repos_pwd [-change_in_db] [-old_pwd <old_pwd>] [-new_pwd <new_pwd>] [-use_sys_pwd [-sys_pwd <sys_pwd>]] -change_in_db This option will change in repository too. If not specified, only Credential Store will be updated. emctl config oms -change_view_user_pwd [-sysman_pwd <sysman_pwd>] [-user_pwd <user_pwd>] [-auto_generate] -auto_generate This option will generate a random password.
次のコマンドを使用して管理サービスを再起動します。
ORACLE_HOME/bin/emctl start oms
「ホスト・コマンドの実行」アプリケーションと「SQLの実行」アプリケーションを使用する場合、複数のホストと複数のデータベースに対してコマンドをそれぞれ実行できます。
デフォルトでは、これらのアプリケーションの「実行」ボタンをクリックすると、指定したターゲットでコマンドの実行がすぐに開始されます。「実行」ボタンをクリックすると確認ページが表示されるように、必要に応じて管理サービスを設定できます。
各アプリケーションの確認ページを有効にするには、次の手順を実行します。
次のコマンドを使用して管理サービスを停止します。
ORACLE_HOME/bin/emctl stop oms
プロパティを次のように変更します。
「ホスト・コマンドの実行」の場合:
emctl set property oracle.sysman.cmd.tgt.multiTarget.confirmExecuteHostCommand=true
「SQLの実行」の場合:
emctl set property oracle.sysman.cmd.tgt.multiTarget.confirmExecuteSQL=true
注意: コマンドのテキストでは大文字/小文字が区別されます。 |
次のコマンドを使用して管理サービスを再起動します。
ORACLE_HOME/bin/emctl start oms
「管理エージェントのタイムゾーン問題のトラブルシューティング」で、管理エージェントが適切なタイムゾーンを判断できない場合に生じる可能性のある問題の修正方法について説明しています。管理エージェントが正しいタイムゾーンを判断する場合も同様の問題が発生することがありますが、管理サービスや、管理リポジトリが存在するデータベースではタイムゾーンは認識されません。
管理エージェントで設定されたタイムゾーンが管理サービスで認識されない場合、Enterprise Managerで次のエラーが生成されます。
OMS does not understand the timezone region of the agent. Either start the OMS using the extended list of time zones supported by the database or pick a value of time zone from ORACLE_HOME/emdw/sysman/admin/nsupportedtzs.lst, update the property 'agentTZRegion' in the file ORACLE_HOME/sysman/config/emd.properties and restart the agent. A value which is around an offset of -05:00 from GMT should be picked.
このエラーは、使用しているEnterprise Manager製品に応じて、表19-2 「Enterprise Managerログ・ファイルのタイムゾーン・エラーの場所」に示すいずれかのログ・ファイルに表示されます。
この問題を修正するには次の2つの方法があります。
timezlrg.dat
データベース構成ファイルのタイムゾーンの広範なリストを使用して、管理リポジトリ・データベースを再起動し、管理エージェントを起動します。
関連項目: 『Oracle Database管理者ガイド』のデータベース・タイムゾーンのファイルの指定に関する項 |
管理リポジトリ・データベースが認識する管理エージェントの新しいタイムゾーンを指定します。