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Oracle Application Server Adapter for VSAMユーザーズ・ガイド
10g (10.1.3.1.0)
B31897-01
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A メタデータの高度なチューニング

Oracle Studioを使用すると、アウトバウンド・アダプタ相互作用を定義できます。さらに、Oracle Studioでは、これらの相互作用で使用する入力構造および出力構造を定義します。相互作用および入力構造と出力構造は、Oracle Studioの「Metadata」タブでメタデータとして保守されます。

この付録の構成は、次のとおりです。

VSAMデータソースのメタデータ

Oracle Studioを使用してVSAMデータソースのメタデータを保守する手順は、次のとおりです。

  1. 「スタート」メニューから、「プログラム」「Oracle」「Studio」を選択します。

  2. 「Oracle StudioでのIBM OS/390またはz/OSプラットフォームの設定」で定義したコンピュータを選択します。

  3. 「Bindings」ノードを開きます。

  4. 「NAV」バインディング・ノードを開きます。

  5. 「Data sources」ノードを開いて、データソースを表示します。

  6. VSAMデータソースを右クリックし、「Edit Metadata」を選択して「Metadata」タブを表示します。

  7. Metadata Explorerで必要な表を右クリックし、「Edit」を選択します。

メタデータ・エディタが開き、「General」タブに表の一般詳細が表示されます。次のタブを使用して、メタデータを表示および編集します。

「General」タブ

「General」タブを使用して、表名や表の編成方法など、表全体に関する情報を保守します。

次の図に「General」タブを示します。

図A-1 「General」タブ

アダプタ・メタデータの「General」タブ
「図A-1 「General」タブ」の説明

「General」タブは、次の表に示すフィールドで構成されています。

表A-1 「General」タブのコンポーネント

フィールド 説明

Table name

表の名前を指定します。

Comment

表の説明(オプション)。

Data File

表が含まれるファイルの位置を指定します。

Organization

表で表されるレコードの編成方法を指定します。表示されるオプションはレコードによって異なります。次のオプションから選択できます。

  • index

  • Sequential

  • Relative: RRDSファイルで使用します。相対ファイルの特定のレコード番号へのアクセスは、疑似列を使用し、レコード位置を指定して実行されます。 疑似列はシャープ記号(#)を使用して指定されます。次に例を示します。

    SELECT * FROM colleges WHERE # = 6
    

Record format

表で表されるレコードの書式設定を指定します。表示されるオプションはレコードによって異なります。VSAMレコードでは固定書式を使用します。

Maximum record length

レコード長を指定します。

Filter Expression

A WHERE句。このメタデータを使用してアクセスされるすべての問合せにこの句が追加されます。 フィルタは、WHEREキーワードを除いて指定されます。複数の論理表が同じ物理ファイルに格納されている場合は、フィルタを指定します。


VSAM固有のコマンドは「DB Command」画面に表示されます。この画面は「DB Command」をクリックして開きます。

次の図に「DB Command」画面を示します。

図A-2 「DB Command」画面

「DB Command」画面
「図A-2 「DB Command」画面」の説明

表示される情報はメタデータの生成時に自動的に生成され、変更できません。

「Columns」タブ

「Columns」タブを使用して、表の列を表すメタデータを指定します。 次の図に「Columns」タブを示します。

図A-3 「Columns」タブ

データソース・メタデータの「Columns」タブ
「図A-3 「Columns」タブ」の説明

「Columns」タブは、次の表に示すフィールドで構成されています。

表A-2 「Columns」タブのコンポーネント

フィールド 説明

Column Name

列の名前。

Data Type

列に含まれるデータのデータ型。このフィールドを選択すると、選択可能なデータ型のリストが表示されます。

関連項目: 選択可能なデータ型の詳細は、付録B「バックエンド・アダプタ・データ型のサポート」を参照してください。

Size

列に割り当てられたサイズ。

Scale

定義はデータ型によって異なります。10進数のデータ型の場合、この値は小数点以下の桁数になります。この値は、桁数より小さい数値であることが必要です。 デフォルト値は0です。

位取りがあるデータ型の場合、この値は合計桁数になります。この数値は負の数であることが必要です。

Offset

レコード内のフィールドの絶対オフセット。

「Column Properties」領域では、選択した列に関するプロパティを指定します。

Alias

配列のデフォルト仮想表名を置換するのに使用する名前。仮想表名は、配列名をレコード名に追加して生成されます。したがって、配列に別の配列が含まれる場合、ネストした配列の名前は、レコード名に親配列とネストした配列の名前を追加した名前になります。 デフォルトで生成された仮想表名が長すぎて使用できない場合は、別名を指定して長い名前と置換します。

Array dimension

配列を構成する列のグループが出現する最大数。

Comment

特定の列に関するコメント。

OnBit

「BIT」フィールドのビットの位置、および「BITS」フィールドの開始ビット。

Empty value

挿入操作時に値が指定されていない場合のフィールドの値。

Null value

挿入操作時に値が指定されていない場合のフィールドのNULL値。

DBcommand

列に対するVSAM固有のコマンド。表示される情報はメタデータの生成時に自動的に生成され、変更できません。

Nullable

現行フィールドにNULL値を含められることを示します。

Updateable

現行フィールドが更新可能であることを示します。

Explicit select

SELECT * FROM...文を実行したときに現行フィールドは戻されません。 このフィールドを戻すには、SELECT NATION_ID, SYSKEY FROM NATIONなどの問合せで明示的に要求する必要があります(SYSKEYは「Explicit Select」で定義されたフィールド)。

注意: 「Explicit Select」で定義されたフィールドを取り出す問合せには、アスタリスク(*)を含めることができません。次のような文を考えてみます。

SELECT *, SYSKEY FROM NATIONSYSKEYを戻しません。

この属性を無効にするには、データソースのプロパティで、Oracle StudioのdisableExplicitSelect属性を指定します。

Auto increment

現行フィールドはINSERT文の実行中にデータソースによって自動的に更新され、INSERT文で明示的に指定できません。 INSERT文には、値の明示的なリストが含まれる必要があります。この属性は、たとえば、新規発注がデータソースに入力されるたびに値が増分される発注番号フィールドなどのフィールドに使用されます。

Hidden

現行フィールドはユーザーに表示されません。


「Indexes」タブ

「Indexes」タブを使用して、表の索引を表すメタデータを指定します。


注意:

「Indexes」タブに情報が表示されるのは、「General」タブの「Organization」フィールドが「Index」に設定されている場合のみです。

次の図に、「Indexes」タブを示します。

図A-4 「Indexes」タブ

データソース・メタデータの「Indexes」タブ
「図A-4 「Indexes」タブ」の説明

「Indexes」タブは、次の表に示すフィールドで構成されています。

表A-3 「Indexes」タブのコンポーネント

フィールド 説明

Name

現行表の既存の索引の名前。

Order

索引によって取得された行の並び順。

DB Command

索引に対するVSAM固有のコマンド。表示される情報はメタデータの生成時に自動的に生成され、変更できません。

Comment

選択した索引に関するコメント(オプション)。

Type

索引のタイプを指定します。次のタイプから選択できます。

  • Unique: 現行の索引が一意であることを示します。

  • Clustered: 現行の索引がクラスタ化されていることを示します。

  • Hierarchical: 現行の索引が階層構造であることを示します。

  • Hashed: 現行の索引がハッシュされていることを示します。


「Statistics」タブ

「Statistics」タブを使用して、表の統計を更新します。 次の図に「Statistics」タブを示します。

図A-5 「Statistics」タブ

データソース・メタデータの「Statistics」タブ
「図A-5 「Statistics」タブ」の説明

「Statistics」タブは、次の各表に示すフィールドで構成されています。

表A-4 「Statistics」タブのコンポーネント

フィールド 説明

No. of rows

表内の行の概数。値が-1の場合、表内の行数は不明です(値が入力されておらず、統計更新ユーティリティを実行して値を更新していません)。値0(ゼロ)は、この表が空であることを示します。

No. of blocks

表内のブロックの概数。

警告: 表の行数もブロック数も指定されていない場合は、表に対する問合せが最適ではない方法で実行される可能性があります。


「Columns」グループを使用して、表内の各列のカーディナリティを指定します。

表A-5 「Columns」グループのコンポーネント

フィールド 説明

Column name

表内の列名。

Cardinality

列内の異なる値の数。値が-1の場合、列内の異なる値の数は不明です(値が入力されておらず、統計更新ユーティリティを実行して値を更新していません)。値0(ゼロ)は、列内に異なる値がないことを示します。


「Indexes」グループを使用して、表内の各索引の列に対してカーディナリティを指定します。

表A-6 「Indexes」グループのコンポーネント

フィールド 説明

Indexes and segments

表内の索引とセグメント。

Cardinality

索引内の異なるキー値の数。値が-1の場合、索引内の異なるキー値の数は不明です(値が入力されておらず、統計更新ユーティリティを実行して値を更新していません)。値0(ゼロ)は、索引内に異なるキー値がないことを示します。


統計の生成

「Statistics」タブの「Update」をクリックして、表に関する更新済の統計を生成します。 次の図に示すように、「Update Statistics」画面が表示されます。

図A-6 「Update Statistics」画面

「Update Statistics」画面
「図A-6 「Update Statistics」画面」の説明

次の表に、統計を更新するために使用するフィールドを示します。

「Type」グループを使用して、次のフィールドを指定します。

表A-7 「Type」グループのコンポーネント

フィールド 説明

Estimated

戻される統計情報量の見積り。

Estimated with rows

戻される統計情報量の見積り。見積りには、表内の行数の見積りが含まれます。テキスト・ボックスに数値を指定します。ここで指定する値が正しい値か、または正しい値に近いことを前提にして、この数値を使用して統計の生成時間を短縮します。


「Resolution」グループを使用して、次のフィールドを指定します。

表A-8 「Resolution」グループのコンポーネント

フィールド 説明

Exact

正確な統計情報が戻されます。このタスクは時間がかかる可能性があり、大きい表ではディスク領域の問題が発生する場合があることに注意してください。

Default

表および索引に関する情報のみが収集されます。部分索引および列に関する情報は収集されません。

All columns and indexes

表、索引、部分索引および列に関する情報が収集されます。

Select columns and indexes

統計を収集する列および索引を選択できるようにします。 列または索引の有効リストで、統計を収集する列をクリックします(複数の列または索引を選択する場合は、[Shift]または[Ctrl]を押しながらクリックします)。


「Source」タブ

「Source」タブには、メタデータのXML表現が表示されます。

バックエンド・アダプタのメタデータ

Oracle Studioを使用して、VSAMアダプタのメタデータを保守します。

次の手順を実行します。

  1. 「スタート」メニューから、「プログラム」「Oracle」「Studio」を選択します。

  2. 「Oracle StudioでのIBM OS/390またはz/OSプラットフォームの設定」で定義したコンピュータを選択します。

  3. 「Bindings」ノードを開きます。

  4. 「NAV」バインディング・ノードを開きます。

  5. 「Adapters」ノードを開き、アダプタ・リストを表示します。

  6. VSAMアダプタを右クリックし、「Edit Metadata」を選択して「Metadata」タブを開きます。

  7. Metadata Explorerで必要な相互作用を右クリックし、「Edit」を選択します。

メタデータ・エディタが開き、「General」タブに表の一般詳細が表示されます。次のタブを使用して、メタデータを編集します。

「General」タブ

「General」タブを使用して、アダプタおよびアダプタへの接続に関する一般情報を保守します。 次の図に「General」タブを示します。

図A-7 「General」タブ

アダプタ・メタデータの「General」タブ
「図A-7 「General」タブ」の説明

「General」タブは、次の表に示すフィールドで構成されています。

表A-9 「General」タブのコンポーネント

フィールド 説明

Adapter definition name

アダプタ定義の名前を指定します。

Description

アダプタを識別する説明を入力します。

Authentication mechanism

アダプタにアクセスするための認証を指定します。選択可能なメカニズムは次のとおりです。

kerbv5

none

basic password

Max request size

XMLリクエストまたはリプライの最大サイズをバイト単位で指定します。この値より長いメッセージは拒否され、エラーが発生します。

Max active connections

1つのアダプタ(プロセスごと)での同時接続の最大数を指定します。

Max idle timeout

アクティブな接続のアイドル期間の最大時間を秒単位で指定します。この時間を経過すると、接続はクローズされます。

Adapter Specifications

相互作用に関するアダプタ固有のプロパティを指定します。VSAMバックエンド・アダプタにアダプタ固有のプロパティはありません。


「Interaction General」タブ

「Interaction General」タブを使用して、相互作用の入力定義と出力定義の他に、相互作用の一般詳細を定義します。

次の図に「Interaction General」タブを示します。

図A-8 「Interaction General」タブ

Oracle Studioの「Interaction General」タブ
「図A-8 「Interaction General」タブ」の説明

「Interaction General」タブは、次の表に示すフィールドで構成されています。

表A-10 「Interaction General」タブのコンポーネント

フィールド 説明

Interaction name

相互作用の名前を指定します。

Description

相互作用に関するわかりやすい識別子を入力します。

Mode

相互作用のモードを決定します。選択可能な相互作用のモードは次のとおりです。

sync-send-receive: 相互作用では、リクエストを送信し、レスポンスの受信を待機します。

sync-send: 相互作用では、リクエストを送信しますが、レスポンスの受信は待機しません。

sync-receive: 相互作用ではレスポンスの受信を待機します。

Input record

入力レコードを識別します。

Output record

相互作用の結果の出力レコードを識別します。


「Interaction Advanced」タブ

「Interaction Advanced」タブを使用して、SQL文のタイプとプロパティ、手動問合せ調整、表のプロパティなど、相互作用に関する詳細なパラメータを定義します。

次の図に「Interaction Advanced」タブを示します。

図A-9 「Interaction Advanced」タブ

Oracle Studioの「Interaction Advanced」タブ
図A-9 「Interaction Advanced」タブ」の説明

次の表に、「Interaction Advanced」タブを構成するフィールドと使用方法を示します。

表A-11 「Interaction Advanced」タブのコンポーネント

フィールド 説明

Query Type

SQL文の問合せタイプ。

Table/Column Definition

SQL文の表と列を選択する領域。

Manual Query Editing

SQL文を手動で編集する領域。

Interaction Properties

相互作用のプロパティ。

Parameters

選択した表のフィールドとフィールド・パラメータ。


「Schema General」タブ

「Schema General」 タブを使用して、相互作用の入力および出力レコード構造の一般詳細を定義します。

次の図に「Schema General」タブを示します。

図A-10 「Schema General」タブ

アダプタ・メタデータの「Schema General」タブ
「図A-10 「Schema General」タブ」の説明

「Schema General」タブは、次の表に示すフィールドで構成されています。

表A-12 「Schema General」タブのコンポーネント

フィールド 説明

Schema name

アダプタの名前。

Version

スキーマのバージョン。

Header

データ構造とアダプタをマップするためのCヘッダー・ファイル。


「Schema Record」タブ

「Schema Record」タブを使用して、相互作用の入力および出力レコード構造を定義します。

次の図に「Schema Record」タブを示します。

図A-11 「Schema Record」タブ

アダプタ・メタデータの「Schema Record」タブ
「図A-11 「Schema Record」タブ」の説明

「Schema Record」タブは、次の表に示すフィールドで構成されています。

「Fields List」領域を使用して、レコード内の単一データ項目を定義します。 「Fields List」領域は、次の表に示すフィールドで構成されています。

表A-13 「Schema Record」タブのコンポーネント

フィールド 説明

Name

フィールドの名前を指定します。

Type

フィールドのデータ型。有効なデータ型は次のとおりです。

  • Binary

  • Boolean

  • Date

  • Double

  • Float

  • Int

  • Long

  • Numeric

  • Short

  • String

  • Time

  • Timestamp

  • XML

Length

NULL終端文字を含むフィールドのサイズ(データ型がNULL文字終了をサポートしている場合)。



関連項目:

COBOLデータ型からVSAMバックエンド・アダプタ・データ型へのマッピングの詳細は、付録B「バックエンド・アダプタ・データ型のサポート」を参照してください。


注意:

フィールド・プロパティを指定するには、「Specifications」領域を使用します。

「Source」タブ

「Source」タブには、アダプタ・メタデータのXML表現が表示されます。