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Oracle Web Services Managerデプロイメント・ガイド
10g(10.1.3.1.0)
B31905-01
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1 Oracle Web Services Managerデプロイメントの計画

この章は、次の項で構成されています。

Oracle Web Services Managerデプロイメント

この項では、Oracle Web Services Manager(Oracle WSM)の基本デプロイメントについて簡単に説明します。図1-1は、Oracle WSMデプロイメントにおけるコンポーネントと、これらのコンポーネント間の接続を示しています。

図1-1 Oracle WSMデプロイメント

図1-1の説明が続きます
「図1-1 Oracle WSMデプロイメント」の説明

ポリシー実行ポイント

Oracle WSMでは、ポリシー実行ポイント(PEP)と呼ばれるランタイム・コンポーネントを介して、Webサービスのセキュリティを実行および管理します。PEPには次の2つのタイプがあります。

  • Oracle WSM Gateway: Oracle WSM Gatewayは、J2EEコンテナにデプロイされます。Gatewayは、保護対象のWebサービスとは関係なく機能し、Webサービス・クライアントに対するプロキシの役割を果します。

  • Oracle WSM Agent: Oracle WSM Agentには、次の2つのタイプがあります。

    • クライアント・エージェント

    • サーバー・エージェント

    どちらのタイプのエージェントも、J2EEコンテナがホストである、保護対象のアプリケーションと同じ領域で稼働します。クライアント・エージェントは、Webサービス・クライアントからのWebサービス・リクエストを捕捉し、暗号化や署名などのポリシー・ステップを実行します。サーバー・エージェントは、Webサービス・リクエストが保護対象のWebサービスに到達する前に捕捉し、認証や認可などのアクセス制御セキュリティ・ステップを実行します。

Oracle WSM管理コンポーネント

Oracle WSM管理コンポーネントは、J2EEコンテナにインストールされ、Oracle WSM環境の管理に使用されます。

  • Oracle WSM Policy Manager: Oracle WSM Policy Managerは、Webサービスの登録、ポリシーの構成およびポリシーの通信を管理します。Oracle WSM Policy Managerでは、ポリシーをOracle WSMデータベースに格納し、PEPにアップロードします。

  • Oracle WSM Monitor: Oracle WSM Monitorは、Webサービスの通信量を監視するためのデータの収集、集計および永続性を管理します。Oracle WSM Monitorは、コレクタとアグリゲータの2つのコンポーネントで構成されています。コレクタは実行時にPEPから送られてくるすべての情報を収集し、アグリゲータは集計ルールを適用して、グラフィカル・チャートに表示する情報を定義します。

  • Web Services Manager Control: Web Services Manager Controlは、Oracle WSMシステムを管理するWebベースのアプリケーションです。これはOracle WSM管理コンポーネント(Oracle WSM Policy ManagerとOracle WSM Monitor)のユーザー・インタフェースです。

Oracle WSMデータベース

Oracle WSMデータベースには、次の情報が格納されます。

  • セキュリティ・ポリシー

  • サービス・レベル合意(SLA)

  • 監視データ

  • システム構成

Oracle WSM環境の高可用性とスケーラビリティを実現するには、Oracle Real Application Clusters(RAC)の使用をお薦めします。

クラスタ環境におけるOracle WSM

Oracle WSMは、クラスタ環境をサポートしています。Oracle WSMクラスタの詳細は、「クラスタ環境でのOracle WSMの構成」と『Oracle Application Serverエンタープライズ・デプロイメント・ガイド』を参照してください。

Oracle WSMインストールの拡張

Oracle WSMは、Webサービス環境の規模、多様性、複雑さが拡大するにつれて発展するように設計されています。管理コンポーネントは、すべてを1台のコンピュータにインストールすることも、複数のコンピュータに分散し、パフォーマンス、セキュリティ、監視および分散管理を最適化することもできます。

ポリシー実行ポイント(PEP)は、負荷を分散して、スループットを向上させ、停止時間を短縮するために、複数設定できます。

Oracle WSM Policy Managerの複数インスタンスをインストールして、可用性およびスループットを向上させることができます。単一サーバーまたはホスト・マシンに障害が発生した場合にも、Oracle WSM Policy Managerを確実に使用できるように、ロード・バランサをデプロイできます。

Oracle Policy Managerを拡張するには、次のガイドラインに従います。

企業内の特定地域専用に複数のインスタンスを設定しても、パフォーマンスを高められます。たとえば、Webサービス環境が複数の地域に点在する場合、異なるインスタンスを使用して、各地域を個別に監視できます。