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Oracle Web Services Manager管理者ガイド
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B31906-02
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6 Oracle Web Services Managerの監視

Oracle Web Services Manager(Oracle WSM)の操作管理のメニュー・オプションから、Webサービスのパフォーマンスを表示および管理できます。

この章では次の項について説明します。

Oracle WSM Monitor

Oracle WSM Monitorは、Oracle WSMが管理するWebサービスに関するメトリック(統計の測定、操作ステータス、サービスの実行に関するその他の情報)をいくつかのソースから収集します。Oracle WSM Gatewayは、ゲートウェイを介して管理する各WebサービスのメトリックをOracle WSM Monitorに送信します。エージェントもまた、メトリックがクライアント側またはサービス側のどちらに埋め込まれているかを問わず、Oracle WSM Monitorにメトリックを送信します。Oracle WSM Monitorで収集するメトリックは、Web Services Manager Controlの「操作管理」セクションから表示できます。

Oracle WSM Monitorは、次の操作を実行します。

Oracle WSM Monitorの利点は次のとおりです。

操作管理の概要

Web Services Manager Controlの操作管理オプションには、Oracle WSMシステムおよびWebサービスのパフォーマンスのスナップショットが表示されます。これらのオプションでは、Oracle WSMメトリックおよびパフォーマンス・データのカスタム・ビューを作成し、アラーム・ルールを作成して、サービス・アラームを表示します。

Web Services Manager Controlの左ペインの「操作管理」メニューに3つの異なるセクションがあります。これらは、パフォーマンス・レポートの作成、カスタマイズ・ビューの作成と表示、およびアラームの作成と表示を行います。「スナップショット」「マイ・ビュー」および「アラーム」の各オプションを選択するには、対応するリンクをクリックします。アイコンを表示するメニュー・オプション、「全体統計」「セキュリティ統計」「サービス統計」および「アラーム・ルール」には、サブメニュー・オプションがあります。メイン・メニューの選択項目をクリックして展開すると、使用可能なサブメニュー・オプションが表示されます。

表6-1では、Web Services Manager Controlに表示される操作管理の各メニュー・オプションについて簡単に説明します。

表6-1 ナビゲーション・ペインの操作管理オプション

メニュー・オプション 説明

スナップショット

Oracle WSMが管理するサービスの全体のビューを提供します。ビジュアルなダッシュボード要素が、選択したOracle WSMコンポーネントとサービスに関する全体統計、セキュリティ統計およびサービス統計を表示します。

全体統計:

展開できるメニューには、Oracle WSM全体のパフォーマンス測定を表示する選択項目があります。

SLA準拠

構成可能なSLA準拠の制限に対する実際のパフォーマンス・メトリックを比較します。

実行の詳細

サービス実行のグラフを示します。成功または失敗、待機時間、フェイルオーバーなどに関する情報も提供します。

メッセージ・ログ

サービス・リクエストおよびレスポンスのメッセージ・ログ・エントリを一覧表示します。失敗の場合、ドリルダウンしてエラー・メッセージを表示できます。

フロー

監視するフローの検索可能なリストを提供します。フローとは、あるコンテキスト内でグループ化されるWebサービス起動の集合(発注処理でクライアント・リクエストを実行するために必要なアプリケーション・サービスの集合など)です。

セキュリティ統計:

展開できるメニューには、認証および認可に関するOracle WSMのパフォーマンス測定を表示する選択項目があります。

アクセス制御

すべてのサービス実行におけるアクセス失敗の分布を示します。グラフは、すべてのアクセス試行における、許可されたすべてのリクエスト、認可の失敗および認証の失敗の分布も示します。

サービス統計:

展開できるメニューには、サービスの待機時間およびメッセージ・トラフィックに関するOracle WSMのパフォーマンス測定を表示する選択項目があります。

待機時間分散

サービス別またはすべてのサービスの、最大待機時間メトリックおよび最小待機時間メトリックを示すグラフを提供します。

トラフィック分析

サービス別またはすべてのサービスの、サービス当たりのバイト数およびメッセージ数を表示します。

マイ・ビュー

アトミック(フィールド値)または集約した測定に基づく、サービスおよびメッセージ・ログ情報のカスタマイズ・ビューへのアクセスを提供します。カスタム・ビューの作成も可能です。

アラーム

コンポーネントID、時間範囲、アラーム・タイプまたはアラームの重大度に基づいて、アラームを検索および表示します。

アラーム・ルール

アラーム・ルールを作成し、Oracle WSMのアラーム情報を処理するメニュー選択項目を提供します。

アラーム作成

Oracle WSMルールを作成および編集して、サービス実行またはポリシー・ステップ処理、待機時間およびSLA準拠トリガーなどの特定の条件に基づくアラームを生成します。

アラーム処理

ルールがアラームをトリガーする場合に実行するアクションなどのアラーム処理を指定します。


次の項では、操作管理の各メニュー・グループで実行する操作について説明します。

システム・パフォーマンスの表示

Web Services Manager Controlには、システム管理者が次のパフォーマンス監視タスクを実行できる集中管理の場所があります。

Oracle WSM Monitorは、Oracle WSMゲートウェイまたはエージェントで処理する各サービス・リクエストまたはレスポンスから、サービスの詳細情報、ステータスおよびパフォーマンス・メトリックを取得します。この情報はOracle WSMデータベースに格納されます。Oracle WSMデータベースでは、ステータス、統計、スナップショットおよびビューなどを表示するためにリクエストによってこの情報を取得できます。データベースに格納される情報を処理するルールを作成して、アラームや、潜在的な問題をユーザーに通知するその他のメッセージを生成することもできます。

Oracle WSMシステムのスナップショット

操作のスナップショット・ビューによって、管理者は、すべての管理対象Webサービスに関するパフォーマンスおよび可用性の概要を把握できます。1つ以上のWebサービスのパフォーマンスに影響を与える問題が発生した場合、これらの問題が「スナップショット」ビューに反映されます。このビューのグラフには、次の3つのカテゴリの情報が表示されます。

全体統計

  • 全体の失敗: Webサービス・ポリシー・パイプラインの任意のステップで、または選択したサービスの実行中に発生した失敗の平均を示します。

  • 全体待機時間: 選択したサービスおよび対応するポリシー・パイプラインの実行の平均待機時間を示します。

セキュリティ統計

  • 認証失敗: 選択したサービスのポリシー・パイプラインの認証ステップにおける失敗の平均を示します。

  • 認可失敗: 選択したサービスのポリシー・パイプラインの認可ステップにおける失敗の平均を示します。

サービス統計

  • サービス失敗: 選択したサービスの実行中に発生した失敗の平均を示します。ポリシー・ステップで発生した失敗は含まれません。

  • サービス待機時間: 選択したサービスの実行の平均待機時間を示します。サービス実行前のいずれかのポリシー・ステップで失敗した場合、そのサービスに関するデータは含まれません。

システム・スナップショットの表示

この項では、Oracle WSMシステムのスナップショット・ビューの確認方法について説明します。

システム・スナップショットを表示するには

  1. Web Services Manager Controlのナビゲーション・ペインから、「操作管理」を選択して、「スナップショット」を選択します。

  2. 「スナップショット」ページが表示されます。

Oracle WSMは、すべてのWebサービス(「コンポーネント」リストに示されるように、ゲートウェイまたはエージェントの1つの強制コンポーネントを介して関連付けられているすべてのサービス)の値を処理することによってすべてのサービスに関する概要値を生成します。デフォルト・ビューは、関連付けられているすべてのサービスのデータの概要を示します。


注意:

Oracle WSMのみをインストールしている場合、図6-1のように、一部のダイヤルには表示するデータが存在しない場合があります。その場合、データが存在しないことが淡色で示されます。

サービス・パフォーマンスの表示

1つのコンポーネントが管理するすべてのサービスを表示して、いずれかの管理対象サービスを選択し、特定の時間範囲を指定できます。これらを実行するには、「コンポーネント」「サービス」および「時間範囲」を組み合せてメニューから選択します。

サービス・パフォーマンスを表示するには

  1. Web Services Manager Controlのナビゲーション・ペインから、「操作管理」を選択して、「スナップショット」を選択します。

  2. 「コンポーネント」リストからコンポーネントを選択します。

    Web Services Manager Controlに、選択したコンポーネントに固有の統計とパフォーマンスの測定が表示されます。

  3. 「サービス」リストから、測定を表示する特定のWebサービスを選択します。リスト内のサービスは、選択したコンポーネントが管理するサービスです。

  4. 「時間範囲」リストから、結果を表示する期間を選択します。

  5. 「表示」をクリックします。

Web Services Manager Controlには、選択したコンポーネント、サービスおよび時間範囲のデータのみに基づくスナップショットが表示されます。

図6-1 Oracle WSMシステムのスナップショット

図6-1の説明が続きます。
「図6-1 Oracle WSMシステムのスナップショット」の説明

Oracle WSMの全体統計オプション

Web Services Manager Controlのナビゲーション・ペインから、「操作管理」をクリックして、Oracle WSMパフォーマンスに関するリアルタイム・レポートを生成する「全体統計」を選択します。これらのレポートは、ポリシー実行およびWebサービス実行の両方の測定を組み合せた統計に基づいています。たとえば、待機時間の統計は、1つのサービスに関するポリシー・パイプラインの全ステップ(ロギング、認証、認可および復号化など)の実行に要した時間と、Webサービスの実行に要した時間を組み合せたものです。

Web Services Manager Controlで報告される全体統計のオプションは次のとおりです。

  • すべてのサービスまたは選択したサービスに関する、サービス・レベル合意の準拠の表示

  • サービス・レベル合意の編集

  • Webサービス実行に関する詳細情報の表示

  • メッセージ・ログの表示

  • 複数のサービスにまたがる実行フローの表示

サービス・レベル合意の準拠

ゲートウェイまたはエージェントで管理するすべてのWebサービスについて、Oracle WSMでは、デフォルトのサービス・レベル合意(SLA)設定を作成します。このデフォルト設定は、各自のサービス・パフォーマンス要件を定義するために編集するまで有効です。Oracle WSMコンポーネントに登録されているサービスのSLA構成を編集できます。

Oracle WSMは、実際のトラフィック・メトリックから取得される値とSLAをWebサービスごとに比較します。値の分布は、表6-2に示すカテゴリに従って、棒グラフまたは円グラフに赤、黄および緑のゾーンで表示されます。

表6-2 グラフ表示の色分け

意味

SLAの範囲内で実行しているWebサービス

SLAの制限に近い値で実行しているWebサービス

SLAの制限を超えて実行しているWebサービス


SLA準拠の監視

この項では、Oracle WSMを使用してすべてのサービスに関するサービス・レベル合意の準拠を監視する方法について説明します。

すべてのサービスに関するサービス・レベル合意(SLA)の準拠を監視するには

  • Web Services Manager Controlのナビゲーション・ペインから、「操作管理」を選択して、「全体統計」「SLA準拠」を選択します。

    Web Services Manager Controlに、Oracle WSMで管理するすべてのサービスに関するSLA準拠の概要が表示されます。

SLA準拠の表示

この項では、Oracle WSMを使用して、選択したコンポーネント、サービスおよび時間範囲に関するサービス・レベル合意の準拠を監視する方法について説明します。

選択したコンポーネント、サービスおよび時間範囲に関するSLA準拠を表示するには

  1. Web Services Manager Controlのナビゲーション・ペインから、「操作管理」を選択して、「全体統計」「SLA準拠」を選択します。

    デフォルトでは、Oracle WSMに、すべてのサービスに関する過去1時間のSLA準拠が表示されます。

    図6-2 すべてのサービスに関するサービス・レベル合意(SLA)の準拠

    図6-2の説明が続きます。
    「図6-2 すべてのサービスに関するサービス・レベル合意(SLA)の準拠」の説明

  2. 表示基準のリストから、SLA準拠を表示するコンポーネント、サービスおよび時間範囲を選択します。

  3. 「表示」をクリックします。

    Web Services Manager Controlに、選択したコンポーネント、サービスおよび時間範囲のSLA準拠が表示されます。

    図6-3 選択したサービスに関するサービス・レベル合意(SLA)の準拠

    図6-3の説明が続きます。
    「図6-3 選択したサービスに関するサービス・レベル合意(SLA)の準拠」の説明

    この表示画面で、円グラフの特定のセクションにカーソルを移動して、サービス実行の全体に関する詳細情報を表示できます。

サービス・レベル合意の編集

この項では、待機時間、ダウンタイムおよび失敗の割合に関する特定の適合レベルの指定方法について説明します。

待機時間、ダウンタイムおよび失敗の割合に関する特定の適合レベルを編集するには

  1. Web Services Manager Controlのナビゲーション・ペインから、「操作管理」を選択して、「全体統計」「SLA準拠」を選択します。

  2. 「コンポーネント」リストからコンポーネントを選択します。

  3. 「表示」をクリックします。

    Web Services Manager Controlに、選択したコンポーネントの全体統計とSLA準拠が表示されます。

  4. 「SLA値」をクリックします。

    Web Services Manager Controlでは、特定のSLAパラメータを表示および更新できます。

  5. SLA適合レベルを編集するコンポーネントとWebサービスを選択します。

  6. 「次へ」をクリックします。

    Web Services Manager Controlに、指定したコンポーネントとWebサービスに定義されている、現在のSLA制限が表示されます。

  7. 強制する新しいSLA制限を指定します。

  8. 「保存」をクリックします。


    注意:

    Oracle WSMでは、値を指定しないSLA制限に対してデフォルトのSLA値が使用されます。

サービス実行の詳細

Oracle WSMが提供する実行の詳細のビューを使用すると、管理者は、サービス起動の詳細を監視できます。実行の詳細のビューには、実際のメッセージのインスタンス(ドットで表される)が、全体の待機時間に対する座標として時間の経過とともに表示されます。ドットの色は、サービス実行の全体のステータスを示します。

すべてのサービスに関する実行の詳細の表示

この項では、すべてのサービスに関する実行の詳細を表示する方法について説明します。

すべてのサービスに関する実行の詳細を表示するには

  1. Web Services Manager Controlのナビゲーション・ペインから、「操作管理」を選択して、「全体統計」「実行の詳細」を選択します。

    デフォルトでは、Web Services Manager Controlに、関連付けられたすべてのサービスに関する実行の詳細が表示されます。

  2. 特定のサービス実行インスタンスに関する詳細を表示するには、カーソルをグラフの各ドット上に置きます。

    カーソルをドット上に置くと、Web Services Manager Controlには、実行インスタンスのサービス名、サービスID番号、時間および待機時間の測定を示す簡単なメッセージが表示されます。

特定のサービスに関する実行の詳細の表示

この項では、特定のWebサービスに関する実行の詳細を表示する方法について説明します。

特定のサービスに関する実行の詳細を表示するには

  1. Web Services Manager Controlのナビゲーション・ペインから、「操作管理」を選択して、「全体統計」「実行の詳細」を選択します。

  2. リストから、コンポーネント、サービスおよび時間範囲を選択します。

  3. 「表示」をクリックします。

    Web Services Manager Controlに、選択したWebサービスのみに関する実行の詳細が表示されます。

    図6-4 特定のサービスに関する実行の詳細

    図6-4の説明が続きます。
    「図6-4 特定のサービスに関する実行の詳細」の説明

    カーソルをグラフの各ドット上に置いて、特定のサービス実行インスタンスに関する詳細を表示できます。Web Services Manager Controlには、特定の実行インスタンスのサービス名、サービスID番号、時間および待機時間の測定を示す簡単なメッセージが表示されます。

Oracle WSMのメッセージ・ログ

デフォルトでは、Oracle WSMポリシーは、ゲートウェイまたはエージェントを経由して処理されたすべてのリクエスト・メッセージおよびレスポンス・メッセージのログを作成します。Webサービスのメッセージ・ロギングをカスタマイズするには、サービスのポリシー・パイプラインでロギング・ステップのプロパティを変更します。

ゲートウェイまたはエージェントのログ・ステップのプロパティを構成する方法の詳細は、「Oracle WSM Gateway Webサービスへのポリシー・ステップの追加」および「Oracle WSMエージェントのポリシーの作成」を参照してください。

メッセージ・ログを表示するには

  1. Web Services Manager Controlのナビゲーション・ペインから、「操作管理」を選択して、「全体統計」「メッセージ・ログ」を選択します。

    図6-5 ゲートウェイのメッセージ・ログ

    図6-5の説明が続きます。
    「図6-5 ゲートウェイのメッセージ・ログ」の説明

  2. リストから、コンポーネントおよび時間範囲を選択します。

  3. 「検索」をクリックします。

    「メッセージ・ログ」ページに、指定したコンポーネントおよび時間範囲に一致するサービス・リクエストとレスポンスのリストが表示されます。Web Services Manager Controlには、サービスID、ログ・エントリのタイムスタンプおよびタイプ(リクエストまたはレスポンス)がログ・エントリごとに表示されます。

    この表示画面で「索引」列の番号エントリのハイパーリンクをクリックすると、ログ・エントリに対応する特定のレスポンスまたはリクエストの詳細が表示されます。

    図6-6 メッセージ・ログ

    図6-6の説明が続きます。
    「図6-6 メッセージ・ログ」の説明


    注意:

    次の項では、Web Services Manager Controlからフローの実行の詳細を表示する方法について説明します。図6-6と同じログ・リクエストまたはレスポンスの詳細を表示するには、フローの実行の詳細を示すグラフで各サービス起動ポイントを選択します。

フロー実行の詳細の表示

フローとは、特定のコンテキスト内でグループ化されるWebサービスの起動データの集合です。たとえば、ある発注を実行するには、複数のバックエンドWebサービスにアクセスして、操作全体を完了する必要があります。発注実行フローのコンテキストを定義するために、1つのトランザクションのすべての起動がグループ化されます。


注意:

Oracle WSMが同じフローまたはトランザクションでのメッセージの関連付けを効率的に解釈できるように、メッセージ構造を設計するための詳細は、「Oracle WSMフロー・トラッキングに対応するメッセージ構造の設計」を参照してください。

Web Services Manager Controlから使用可能なオプションにより、複数のWebサービスにまたがるサービス実行フローを表示できます。Web Services Manager Controlからフロー実行を表示するには、次の操作を実行します。

  1. Web Services Manager Controlのナビゲーション・ペインから、「操作管理」を選択して、「全体統計」「フロー」オプションを選択します。

  2. リストから、フロー・タイプおよび時間範囲を選択します。

  3. 「検索」をクリックします。

    Web Services Manager Controlに、検索基準で選択したすべてのサービス・フローのリストが表示されます。

  4. 特定のフローの詳細を表示するには、「コンテキストID」をクリックします。

    Web Services Manager Controlに、そのフローに含まれる様々なサービス起動の概要が表示されます。

  5. チャート・ビューをクリックします。

    Web Services Manager Controlに、そのフローのサービス起動の詳細を示すグラフが表示されます。グラフの水平軸は、(フロー実行に関連する)時間を表し、垂直方向は、各フロー・インスタンスで起動したサービスを示します。

    • 青の水平線は、フロー・タイムラインを表します。

    • 各サービス起動(またはサブフロー)は、青の垂直線で示されます。

    • 各Webサービス(サブフロー・タイプ)には、水平線で表すそれぞれのタイムラインがあります。

    • 水平線の各セクションは色分けされています。は実行の成功を表し、はサービスの失敗を示し、はフェイルオーバー後にサービスが成功したことを表します。

Oracle WSMフロー・トラッキングに対応するメッセージ構造の設計

フローは、アプリケーションが決定する方法で相互に関連付けられるメッセージです。メッセージがトランザクション全体の一部であるか、または相互にトリガーする場合、関連付けられます。Webサービス・アプリケーションは、相互に関連付けられるメッセージを決定し、同じフローを構成するすべてのメッセージに同じ相関IDを挿入することでその関連付けを示します。この相関IDをフローIDと考えることができます。

アプリケーションによる、メッセージへのフローIDの挿入方法

Webサービスを起動するアプリケーションを作成する開発者は、メッセージ・ヘッダーにフローIDを挿入する必要があります。関連付けられるメッセージのヘッダーに同じフローIDを挿入してください。WS-Addressing仕様で定義する<RelatesTo>タグを使用して、SOAPヘッダーにフローIDを挿入します。たとえば、次のようになります。

<soap:Envelope
        xmlns:soap="http://schemas.xmlsoap.org/soap/envelope/"
        xmlns:wsa="http://schemas.xmlsoap.org/ws/2003/03/addressing"
        xmlns:cswm="http://schemas.confluentsw.com/ws/2003/08/Message">
   <soap:Header>
       <wsa:RelatesTo RelationshipType="cswm:ParentContext">
             uuid:8EB9-C6A3-75AA-7EBA
       </wsa:RelatesTo>
   <soap:Header>
   <soap:Body>  ......   </soap:Body>
  </soap:Envelop>

Oracle WSM Monitorによるフローの追跡方法

Oracle WSMエージェントおよびゲートウェイは、自らを経由して渡される各メッセージを自動的に調べ、SOAPヘッダーに<RelatesTo>タグが含まれているかどうかを確認します。<RelatesTo>タグが検出されると、フローIDが抽出され、メッセージに関するその他のメトリック(待機時間、送信者、送信先など)とともにOracle WSM Monitorに送信されます。

Oracle WSM Monitorは、受信するすべてのメッセージのフローIDを格納し、同じIDを含むメッセージを関連付けてフローを推測します。

Oracle WSM Monitorによる、フローの開始および終了時間の認識方法

監視されるアプリケーションのみがフロー・トランザクションの完了時間を把握できます。Oracle WSM Monitorは、アプリケーションがフローの開始時間と終了時間をOracle WSM Monitorに伝えることができるSOAP APIを備えています。実際に、これらのSOAP APIは、次に示すOracle WSM Monitorのコールです。

monitor.beginFlow (flowId);
....
monitor.endFlow (flowId);

Web Services Manager Controlの「操作管理」セクションでフローを表示するために、Oracle WSM Monitorにbeginおよびend SOAPメッセージを送信する必要はありません。Oracle WSM Monitorがbeginおよびendメッセージを受信しないフローは、「フロー」ビューに保留中として表示されます。beginおよびendメッセージを送信するように選択する場合、SOAPメッセージを作成して、このメッセージをOracle WSM Monitorに送信するJava APIを使用する必要があります。


注意:

Oracle WSMでメッセージ・フローをトラッキングするための特別な要件があり、変更の実装方法に関するさらに技術的な詳細情報が必要な場合は、Oracleサポート担当者またはOracleサポート・サービスに連絡してください。

Oracle WSMのセキュリティ統計オプション

セキュリティ統計オプションを使用すると、Oracle WSMで管理するサービスに関する認証と認可のアクティビティを表示および監視できます。認証に関するOracle WSMポリシー・ステップの実行時に適切な資格証明が提示されない場合、つまり、ユーザーが適切な権限を最初に取得せずにWebサービスを起動しようとする場合、認証は失敗します。

Oracle WSMのセキュリティ統計オプションには、表6-3で説明するように、アクセスの失敗を表示する2つの異なるグラフ・タイプのオプションがあります。

表6-3 セキュリティ統計のグラフ・タイプ

グラフ・タイプ 説明

棒グラフ

Webサービスおよび選択したコンポーネントごとに、アクセス失敗の分布を示します。

円グラフ

コンポーネント(そのコンポーネントに登録されているすべてのWebサービス)ごとに表します。すべてのアクセス試行の分布(成功の総数、認可の失敗および認証の失敗)を示します。


アクセス制御違反の概要の表示

デフォルトでは、Web Services Manager Controlに、セキュリティ統計のアクセス制御の失敗に関する概要が表示されます。

アクセス制御違反の概要を表示するには

  • Web Services Manager Controlのナビゲーション・ペインから、「操作管理」を選択して、「セキュリティ統計」「アクセス制御」を選択します。

選択したアクセス制御違反の表示

Web Services Manager Controlから、選択したコンポーネント、サービスおよび時間範囲に関するアクセス制御違反も表示できます。

選択したアクセス制御違反を表示するには

  1. Web Services Manager Controlのナビゲーション・ペインから、「操作管理」をクリックして、「セキュリティ統計」「アクセス制御」を選択します。

  2. アクセス制御の情報を表示する、特定のコンポーネント、サービスおよび時間範囲を選択します。

  3. 「表示」をクリックします。

    Web Services Manager Controlに、指定したコンポーネント、サービスおよび時間範囲のみに関するアクセス制御違反が表示されます。

    図6-7 選択したサービスのアクセス制御

    図6-7の説明が続きます。
    「図6-7 選択したサービスのアクセス制御」の説明

    この表示画面で円グラフの特定のセクションにカーソルを移動して、アクセス制御の試行と失敗に関する詳細情報を表示できます。Web Services Manager Controlに、アクセスの試行、成功および失敗の実際の割合を示すウィンドウが表示されます。

Oracle WSMのサービス統計オプション

Web Services Manager Controlのサービス統計オプション(「待機時間分散」および「トラフィック分析」)には、サービス実行のみに基づく統計が表示されます。ポリシー・ステップの待機時間は含まれません。サービス実行前にポリシー実行でサービスが失敗した場合、統計は表示されません。

サービスの待機時間分散の表示

Web Services Manager Controlには、サービスの待機時間分散を表示するオプションがあります。このオプションを使用すると、管理者は選択した期間のWebサービス・パフォーマンスの変動を監視できます。

待機時間分散のサービス統計を表示するには

  1. Web Services Manager Controlのナビゲーション・ペインから、「操作管理」を選択して、「サービス統計」「待機時間分散」を選択します。

  2. すべてのサービスの待機時間分散が表示されます。

選択した表示基準の待機時間分散の表示

  1. Web Services Manager Controlのナビゲーション・ペインから、「操作管理」を選択して、「サービス統計」「待機時間分散」を選択します。

  2. 待機時間分散の情報を表示する、目的のコンポーネント、サービスおよび時間範囲を選択します。

  3. 「表示」をクリックします。

    Web Services Manager Controlに、選択したコンポーネント、サービスおよび時間範囲の待機時間分散が表示されます。

    図6-8 選択したサービスの待機時間分散

    図6-8の説明が続きます。
    「図6-8 選択したサービスの待機時間分散」の説明

トラフィック分析

「トラフィック分析」オプションは、選択したサービスのメッセージ・アクティビティのボリューム(メッセージ・サイズなど)を分析します。

トラフィック分析の統計を表示するには

  1. Web Services Manager Controlのナビゲーション・ペインから、「操作管理」を選択して、「サービス統計」「待機時間分散」を選択します。

    Web Services Manager Controlに、すべての選択したサービスのメッセージ・トラフィックを反映するグラフが表示されます。

    この表示画面で円グラフの特定のセクションにカーソルを移動して、各サービスに関する詳細情報を表示できます。簡単なメッセージに、操作ごとのメッセージ数に関する情報が表示されます。

選択した表示基準のトラフィック分析を表示するには

  1. Web Services Manager Controlのナビゲーション・ペインから、「操作管理」を選択して、「サービス統計」「トラフィック分析」を選択します。

  2. リストから、目的のコンポーネント、サービスおよび時間範囲を選択します。

  3. 「表示」をクリックします。

    Web Services Manager Controlに、選択したコンポーネント、サービスおよび時間範囲のメッセージ・トラフィック情報が表示されます。

    図6-9 選択したサービスのトラフィック分析

    図6-9の説明が続きます。
    「図6-9 選択したサービスのトラフィック分析」の説明

    同様に、円グラフの特定のセクションにカーソルを移動して、各サービスに関する詳細情報を表示できます。この場合、簡単なメッセージに、操作ごとのメッセージ数に関する情報が表示されます。

Oracle WSMメトリック表示のカスタム・ビューの作成

「操作管理」メニューの「スナップショット」、「全体統計」、「セキュリティ統計」および「サービス統計」の各オプションは、Oracle WSMがシステム操作やサービス操作について監視および取得するメトリックの標準化されたビューを提供します。「操作管理」の「マイ・ビュー」オプションを使用すると、メトリックおよびその他のOracle WSMデータのカスタマイズ・ビューを作成できます。カスタマイズ・ビューを作成する際に、一連のデータ(オプションで時間間隔)を定義するテンプレートを定義および保存して、メトリック情報を取得および表示します。後から、いずれかのビューを実行して、メトリックや、パラメータおよび条件に一致するその他の情報を表示できます。

Oracle WSMでは、任意の数のカスタマイズ・ビューを定義できます。たとえば、特定のゲートウェイ、エージェントおよびサービスに関して、Oracle WSM Monitorが取得したメトリックとその他のサービス詳細情報にデータの焦点を絞った個々のビューを作成できます。データ・フィールド値を集約する(複数のメトリックの平均)ビュー、または選択したゲートウェイ、エージェントおよびサービスからWSM Monitorに送信されたすべてのアトミック(1つのイベント・メトリック)データを返すビューなど、様々なビューを指定することもできます。

メトリックを表示するカスタマイズ・ビューの選択


注意:

ビューは、グループごとに作成および維持されます。

カスタマイズ・ビューのリストから表示および選択するには

  1. Web Services Manager Controlのナビゲーション・ペインから、「操作管理」を選択して、「マイ・ビュー」を選択します。

    Web Services Manager Controlには、作成および保存した既存のカスタマイズ・ビューのリストを示す「マイ・ビュー」ページが表示されます。

    このページから、既存のビューの実行、ビューの削除または編集、新しいカスタマイズ・ビューの作成を選択できます。

  2. 「実行」アイコンをクリックします。

    ビューを実行すると、Web Services Manager Controlに、選択したビューの結果が表示されます。

    集約ビューには、リクエストの総数、成功および失敗の数、全体の平均、サービス実行の待機時間、その他の関連メトリックなどのパフォーマンス統計が表示されます。特定の列のデータ値に基づいて行をソートするには、表の見出しのハイパーリンクをクリックします。さらに、計算に含まれたサービス・メトリックの詳細をドリルダウンして表示するには、平均または合計(件数)値を示す列のデータ値のハイパーリンクをクリックします。

    非集約ビューには、特定のサービス・リクエスト(およびレスポンス)のメトリックが、各行の具体的なアトミック・データ値で表示されます。また、索引列の値のハイパーリンクをクリックすると、特定の操作に関するリクエストまたはレスポンスのログ・エントリの詳細が表示されます。

    Oracle WSMには、1ページ当たり最大25行のサービス・リクエスト・データが表示されます。「前へ」「次へ」または特定のページ番号のハイパーリンクをクリックすると、そのビューに含まれるページに移動します。

新規カスタム・ビューの作成

Oracle WSMメトリックのカスタマイズ・ビューを必要な数だけ作成できます。ビューは、グループごとに維持および表示されます。

新規ビューを作成するには

  1. Web Services Manager Controlのナビゲーション・ペインから、「操作管理」を選択して、「マイ・ビュー」を選択します。

  2. 「マイ・ビュー」ページから、「新規ビューの作成」をクリックします。

    Web Services Manager Controlに新規ビューのフォームが表示されます。このフォームでは、ビューの名前を指定して、そのビューに含めるメトリックを決定するオプションを選択できます。

    Oracle WSMには、「アトミック」(1つのイベント・メトリック)を選択したか、または「集計」(複数のメトリックの合計または平均)を選択したかによって異なる表示フィールドのリストが示されます。表6-4および表6-5では、2つのビューで使用できる様々な列について説明します。

    新規ビュー・フォームでエントリが必要なフィールドは、アスタリスク(*)で示されます。はじめに、ビューの名前を指定して、そのビューに含めるメトリックのコンポーネントおよび関連サービスも指定します。「コンポーネント」および「サービス」の両方のリストで、1つ以上のコンポーネントまたはサービスを選択できます(リスト内の複数の項目を選択するには[Shift]キーまたは[Ctrl]キーを使用します)。

    「時間」フィールドで、ビューに含まれるメトリックを限定する時間を定義するために、開始時間と終了時間、またはその両方をオプションで指定できます。開始時間または終了時間のみを指定した場合、開始時間の後または終了時間の前の期間として、ビューに含まれるメトリックを指定する期間もオプションで指定できます。開始時間および終了時間を指定する際、現在の時間(問合せの実行時間に対して)の2時間前または2日前などのキーワード・オプションを選択できます。または、MM-dd-yyyy HH:mm形式を使用して、開始と終了の日付と時間を別々に入力できます。「タイムゾーン」フィールドでは、開始時間と終了時間を計算するタイムゾーンを指定できるため、ビューには指定した期間で生成されたメトリックのみが含まれます。

    表6-4 アトミック(1つのイベント)ビューの表示フィールド・オプション

    フィールド 説明

    コンポーネント

    メッセージを処理したゲートウェイまたはエージェントの名前。

    サービス

    起動するサービスとしての名前(URLの最後の部分)。

    操作

    起動したサービス操作。

    全体ステータス

    ポリシー実行とサービス実行を含む、起動の全体ステータス。

    認証ステータス

    ポリシーの認証ステップを試行する場合の成功または失敗のインジケータ。

    認可ステータス

    ポリシーの認可ステップの実行を試行する場合の成功または失敗のインジケータ。

    サービス・ステータス

    サービス実行を試行する場合の成功、失敗、フェイルオーバーまたは保留中のインジケータ。

    サイズ

    情報が入手可能な場合のリクエスト・メッセージおよびレスポンス・メッセージの合計サイズ。(「サイズ」は、現在、ゲートウェイで処理するメッセージにのみ使用できます。)

    全体待機時間

    ポリシー実行とサービス実行を含む、サービス起動の全体の遅延時間。

    サービス待機時間

    サービス実行の全体の遅延時間。

    ユーザーID

    可能な場合、サービスを起動するユーザーのユーザーID。

    タイムスタンプ

    起動時間(リクエスト・メッセージがゲートウェイまたはエージェントに到達した時間)。


    表6-4に示す表示フィールドは、アトミック(非集約)ビューを作成するためにアトミック表示フィールド・オプションを選択した場合に使用できます。表6-5に示す表示フィールドは、集約ビューを作成するために集約表示フィールド・オプションを選択した場合に使用できます。

    表6-5 集約ビューの表示フィールド・オプション

    フィールド 説明

    コンポーネント

    メッセージを処理したゲートウェイまたはエージェントのID。

    サービス

    起動するサービス(サービス・リクエストまたはレスポンスURLの最後の部分を表示します)。

    操作

    起動したサービス操作。

    リクエスト数

    リクエスト・メッセージおよびレスポンス・メッセージの処理総数。

    成功数

    正常に実行したメッセージの総数。

    失敗数

    実行に失敗したメッセージの総数。

    認証失敗の数

    認証失敗の総数(認証ステップがポリシーに含まれるメッセージの場合)。

    認可失敗の数

    認可失敗の総数(認可ステップがポリシーに含まれるメッセージの場合)。

    サービス失敗の数

    サービス実行の失敗の総数。

    全体待機時間の平均

    ポリシー実行とサービス実行を含む、すべてのサービス起動の平均待機時間。

    サービス待機時間の平均

    すべてのサービス実行の平均待機時間。

    バイト数

    すべてのリクエスト・メッセージおよびレスポンス・メッセージの合計(集約)サイズ。(「サイズ」は、現在、ゲートウェイで処理するメッセージにのみ使用できます。)


    どちらのビューの場合も、表示するフィールドの横のチェック・ボックスを選択したり、ビューに含めないフィールドのチェック・ボックスの選択を解除したりすることができます。

Oracle WSMアラームの表示およびアラーム・ルールの定義

Oracle WSM Monitorは、Oracle WSMゲートウェイまたはエージェントで処理する各サービス・リクエストまたはレスポンスから、サービスの詳細、ステータスおよびパフォーマンス・メトリックを取得して、格納します。Web Services Manager Controlでルールを作成することにより、確実な情報を選択および処理して、Oracle WSMが管理するサービスに関する既存の問題または潜在的な問題を通知するアラームやその他のメッセージを生成できます。Web Services Manager Controlの「操作管理」メニューには次のすべての操作を実行するオプションがあります。

次の項では、生成したアラームの表示に使用可能なオプションと、Oracle WSMシステムの操作の新規アラームとアラーム処理ルールを定義する方法について説明します。

Oracle WSMアラーム

いずれかのWebサービスに問題が発生した場合、管理者にできるかぎり早く通知するように設定できます。Oracle WSMには、Webサービスが予定どおりに機能しない場合に通知するアラームの作成システムがあります。

この項では次の項目について説明します。

  • 生成したアラーム・データの表示

  • 新規アラーム・ルールの作成

  • アラーム処理ルールの作成

Oracle WSMには、待機時間用にデフォルトのアラームが1つ付属しています。アラームを生成するには、デフォルトのアラームを有効にするか、新しいアラームを作成する必要があります。一度有効にすると、生成したアラームはログとして記録され、コンポーネント、時間範囲、アラーム・タイプおよび重大度レベルによって検索できます。

生成したアラーム・データの表示

アラーム・メニューには、生成したすべてのアラームが一覧表示されます。Oracle WSMには、デフォルトのアラーム・ルールが1つ付属しています。このルールは、設定を変更するまで無効です。表示されるアラーム・データを生成するには、デフォルトのアラームを有効にするか、新しいアラームを作成する必要があります。各アラーム・タイプには、特定の条件によってトリガーされるルールがあります。ルールをトリガーする条件を確認するには、各ルールのアラーム・タイプの詳細を参照します。詳細は、「Oracle WSMでのアラーム・ルールの作成」を参照してください。

生成したアラーム・データを表示するには

  1. Web Services Manager Controlのナビゲーション・ペインから、「操作管理」を選択して、「アラーム」を選択します。

    アラーム・ブラウザには、アラームが最新のものから最大25個まで表示されます。最新の25個を超える結果を表示するには、目的の期間の結果が表示されるまで、「次を取得」をクリックします。

    このページで、リストから「コンポーネント」「時間範囲」「アラーム・タイプ」および「重大度」の各オプションを選択して、「検索」をクリックすることにより、特定のアラーム・タイプの検索および表示も可能です。

  2. 各アラームの詳細を表示するには、関連するサービスID番号をクリックします。

    Web Services Manager Controlに、選択したアラーム・メッセージの詳細が表示されます。

Oracle WSMでのアラーム・ルールの作成

アラーム・ルールは、アラームをトリガーするためにOracle WSMでメトリックを処理する方法を指定します。作成すると、アラーム・ルールとルール・アクション(通常は主要ユーザーに送信されるアラート)が結合されます。

アラームを作成するには

  1. Web Services Manager Controlのナビゲーション・ペインから、「操作管理」を選択して、「アラーム」「アラーム・ルール」「アラーム作成」を選択します。

    Web Services Manager Controlに、定義されたアラーム作成ルールが表示されます。

  2. 「新規ルールの追加」をクリックします。

    Web Services Manager Controlに、新規アラーム・ルールを定義できるページが表示されます。

  3. アラーム・タイプを入力して、簡単な説明を入力します。

  4. リストから、「測定タイプ」を選択します。

    アラーム・ルールは、次に説明する測定タイプに基づきます。

    表6-6 起動測定タイプ

    測定タイプ 説明

    agginvocation

    指定した時間で(デフォルトは2分)、特定のサービスに関して受信した起動統計のセットを集約する統計。たとえば、このタイプを使用すると、平均待機時間が一定のレベルを下回る場合のアラームを作成できます。

    aggping

    集約したping統計。たとえば、このタイプを使用すると、あるサービスに5分間アクセスできない場合のアラームを作成できます。

    correlated-flow

    同じコンテキスト内で発生するフロー・イベント。たとえば、このタイプを使用すると、フロー実行が失敗するか、完了までに1日を超える日数がかかる場合のアラームを作成できます。

    flow-event

    フロー実行の開始および終了。たとえば、このタイプを使用すると、トランザクションが開始または終了する場合のアラームを作成できます。

    invocation

    各Webサービス実行の統計。たとえば、このタイプを使用すると、サービス待機時間が指定のしきい値を超える場合のアラームを作成できます。

    ping

    総合的なリクエストに基づく統計。たとえば、このタイプを使用すると、あるサービスにアクセスできないときに毎回通知するアラームを作成できます。


    アラーム・ルール・アクションは自動的に有効になります。

  5. 「次へ」をクリックします。

    Web Services Manager Controlは、アラーム・ルールがトリガーされるためのアラームの重大度レベルや条件を指定するページを更新します。

  6. リストから、「アラームの重大度レベル」を選択します。

  7. タイムゾーンを指定して、アラーム・ルールがトリガーされる特定の日時を限定するために曜日と時間間隔をオプションで指定します。

    「時間間隔」フィールドでは、hh:mm:ssの時間形式を使用して時間間隔を指定できます。

  8. 新しいアラーム・ルールがトリガーされる時間を定義するために1つ以上の個々のルール条件を「新しい式の追加」フィールドで指定します。

    たとえば、待機時間 > 300という条件を定義するには、左の列のリストから待機時間のオプションを選択して、中間の列から条件演算子として右山カッコ(>)を選択し、右の列に値300を指定します。


    注意:

    ルール条件は、ブール演算子のANDで結合した1つ以上の論理式から構成されます。任意のフィールド、または測定タイプに定義された変数に基づいて論理式を定義できます。カンマを使用して、ルール条件を満たす複数の有効な値を指定できます。たとえば、status=0,1のようになります。

    ルールの作成の詳細は、「操作ルールの基本」を参照してください。

  9. 「保存」をクリックします。

    Web Services Manager Controlでは、アラーム作成ルールのリストが更新され、リストには作成したアラーム・ルールが含まれています。

    新しいアラーム・ルールが有効になり、このルールは指定したルール条件と一致する条件によってトリガーされます。Web Services Manager Controlで「操作管理」「アラーム」を選択すると、生成したアラームが表示されます。

操作ルールの基本

ルールは条件とアクションで構成されます。条件はブール式で、アクションはルールがトリガーされるときに実行する操作です。ルールは条件付きの処理操作と考えることができます。条件が真として評価されると、アクションが実行されます。

Oracle WSMには、メトリック処理ルールのデフォルト・セットと、そのルールに基づくアクションが付属しています。ルールは特定のWebサービスに割り当てられるか、1つのコンポーネントのすべてのサービスに対して機能します。ルールを定義して、すぐにWebサービスに割り当てられます。または、ルールを保存して、後からアクティブ化できます。ルールは有効化およびコミットして初めて機能します。

Oracle WSMルールには2つの基本タイプがあります。表6-7にその概要を示します。

表6-7 操作ルールのタイプ

ルール・タイプ 説明 利点 制限

一般

すべてのメトリックを調査し、1つのイベントに基づくアクションを実行します。

特定のイベントに関する情報を保存します。

Webサービスが失敗した場合、アクションのバランスが崩れ、システム・パフォーマンスに悪影響を与える可能性があります。

集約

集約したメトリックのみを調査し、イベントを集約したビューに基づくアクションを実行します。

アラームがシステム・パフォーマンスに与えるリスクを軽減します。

特定のイベントに関する情報が、集約プロセスで失われる可能性があります。


Webサービスが失敗したら必ずシステム管理者に通知することが重要である場合、一般の操作ルールを定義できます。Webサービスの失敗がほとんど発生しない場合でも、このルールは、すべての受信Webサービス起動メトリックに対して機能します。操作ルールを一般ルールに定義すると、システム・パフォーマンスに悪影響を与える可能性があります。

効率的な実行時パフォーマンスの優先度が高い場合は、集約メトリックに基づくルールを定義したり、ルールの基準を、指定した時間に失敗した起動数に置いたりすることができます。Oracle WSMはその時間内のデータを収集し、指定した時間が経過した直後に集約データを評価します。

ルールの構築に使用可能な統計

表6-7で説明したように、集約ルールは、整数値統計の要素を含む計算を実行します。整数値統計の要素は、集約ルールで提供される特定の集約におけるアトミック変数の値に関する統計を保持できます。

整数値統計は、次の要素で記録されます。

  • min:集約時に記録される最小値。

  • max:集約時に記録される最大値。

  • last:集約時に記録される最終値。

  • count:集約時に考慮される値の数。

  • total: すべての値の合計。

  • average: すべての値またはイベントの合計または件数。

    たとえば、調査対象の変数が旅行中の車の速度で、旅行全体の集約が行われる場合、次の統計を収集して旅行を表すことができます。

    • min: 記録される最低速度

    • max: 記録される最高速度

    • last: 現在の速度

    • count: サンプルの数

    • total: すべてのサンプル速度の合計(関連性はほとんどありません)

    • average: 旅行の平均速度

      ルールを定義する場合、Oracle WSMは、次の規則を使用して、集約した統計から要素を参照します。

      variable_name@stat.min
      variable_name@stat.max
      variable_name@stat.last
      variable_name@stat.count
      variable_name@stat.total
      variable_name@stat.average
      
      

      同様に、Oracle WSMは、次の規則を使用して、条件付きカウンタであるバケットを含む集約した統計を参照します。

      variable_name@bucket.bucketname
      
      

      次の表では、各種のルール集約で使用する統計について説明します。

      表6-8 Agginvocationのルール条件

      名前 タイプ 説明

      latency-stats

      整数値統計

      ポリシー実行とサービス起動の両方を含む、記録した全体待機時間に関する統計。

      service-latency-stats

      整数値統計

      記録したエンドポイント・サービス待機時間に関する統計。

      message-stats

      整数値統計

      起動で交換されたバイト数に関する統計。

      service-latency-buckets

      整数値バケット

      次の3つのバケット(カテゴリ)の起動情報。

      • 待機時間が予定の値を上回って成功した起動の数

      • 待機時間が予定の値を下回って成功した起動の数

      • 失敗した起動の数

      access-control-buckets

      整数値バケット

      次の3つのバケット(カテゴリ)のアクセス制御情報。

      • 許可された起動の数

      • 認証の失敗が原因で拒否された起動の数

      • 権限がないために拒否された起動の数

      component-id

      文字列値統計

      この測定を発行したコンポーネントのIDに関する統計。(表示および格納の索引付け目的で使用されます。)

      service-id

      文字列値統計

      起動したサービスのIDに関する統計。(UI、格納、索引付けを目的として使用します。)

      service-name

      文字列値統計

      起動したサービスのIDに関する統計。(表示および格納の索引付け目的で使用されます。)

      operation

      文字列値統計

      サービスで起動した操作(メソッド)の名前に関する統計。(表示および格納の索引付け目的で使用されます。)


      表6-9 集約したpingルール条件

      名前 タイプ 説明

      latency-stats

      整数値統計

      記録した待機時間に関する統計。

      service-latency-stats

      整数値統計

      記録したエンドポイント・サービス待機時間に関する統計。

      service-id

      文字列値統計

      pingしたサービスのサービスIDに関する統計。(表示および格納の索引付け目的で使用されます。)

      service-name

      文字列値統計

      pingしたサービスのサービスIDに関する統計。(表示および格納の索引付け目的で使用されます。)

      url

      文字列値統計

      pingしたURLに関する統計。(表示および格納の索引付け目的で使用されます。)

      component-id

      文字列値統計

      この測定を発行したコンポーネントのサービスIDに関する統計。(表示および格納の索引付け目的で使用されます。)

      latency-buckets

      整数値バケット

      次の3つのバケット(カテゴリ)の起動情報。1: 待機時間が予定の値を上回って成功したpingの数。2: 待機時間が予定の値を下回って成功したpingの数。3: 失敗したpingの数。


      表6-10 Flow-eventルール条件

      名前 タイプ 説明

      type

      文字列

      ビジネス・プロセスのタイプ。

      event-id

      整数

      イベント・フローには2つのタイプがあります。

      1: フロー・レベル・イベント

      2: タスク・レベル・イベント

      status

      整数

      現在のイベントのステータス:

      0: 成功

      1: 失敗

      2: 保留中


      表6-11 pingルール条件

      名前 タイプ 説明

      service-id

      文字列

      起動したサービスのID。

      component-id

      文字列

      測定を生成するコンポーネントのID。

      pinged-url

      文字列

      WSDLドキュメントの取得に使用するURL。

      status

      整数

      起動の成功は、WSDLドキュメントが返されたことを示します。

      0: 起動の成功

      1: 起動の失敗

      status-change

      整数

      複数のping操作の動態。この要素は、サービスが稼働および停止したか、または以前のping操作からステータスが変更していないかどうかを示します。アラーム・ルールの定義に使用します。

      0: 変更なし

      1: 稼働

      2: 停止

      latency

      整数

      WSDLドキュメントの取得の待機時間(ミリ秒)。

      http-status

      整数

      HTTP接続のステータス。(現在の実装ではHTTPプロトコルを使用して、WSDLドキュメントを取得します。)


      表6-12 起動ルール条件

      名前 タイプ 説明

      flow-id

      文字列

      サービス・フローのID。

      error message

      文字列

      サービス起動の失敗理由に関する説明。

      service-id

      整数

      サービスの登録時に、Oracle WSMによってサービスに割り当てられる一意のID。

      authentication- status

      整数

      ユーザー認証のステータス:

      0: 認証の成功

      1: 認証の失敗

      service-latency

      整数

      エンドポイントのサービスの待機時間(ミリ秒)。

      service-status

      整数

      エンドポイントのサービスのステータス:

      0: 起動の成功。

      1: 起動の失敗。

      2: 起動のフェイルオーバー。プライマリ・サービス・エンドポイントは失敗したが、フェイルオーバーのエンドポイントは成功。

      3: 起動は保留中。サービスに接続し、データは送信されたが、応答が返ってこない。

      size

      整数

      問合せとレスポンスの両方に関して交換されるバイト数。

      user-id

      文字列

      サービスにアクセスしたユーザーのID。

      component-id

      文字列

      この測定を発行したコンポーネントのID。

      operation

      文字列

      サービスに対して起動した操作(メソッド)の名前。

      latency

      整数

      ポリシー実行とサービス起動の両方を含む、全体待機時間(ミリ秒)。

      authorization- status

      整数

      認可のステータス:

      0: 認証の成功

      1: 認証の失敗

      status

      整数

      0: 起動の成功。

      1: 起動の失敗。

      2: 起動のフェイルオーバー。プライマリ・サービス・エンドポイントは失敗したが、フェイルオーバーのエンドポイントは成功。

      3: 起動は保留中。サービスと接続し、データは送信されたが、応答が返ってこない。


アラームの処理ルールの作成

アラーム処理ルールを使用すると、管理者として自動アラーム通知を受信するか、修正アクションをトリガーすることができます。一度定義すると、アラームの処理ルールはアクションのトリガー(通常は主要ユーザーに送信される各種の通知)に使用されます。目的のアクションは、アラーム処理ルールで示されます。

Oracle WSMにはデフォルトのアラーム処理ルールが4つ付属しています。これらは、アラーム・アクションに必要な情報がすべて揃うまで無効です。ユーザーは、各自のアラーム処理ルールを作成することもできます。

トリガーされるとアラームが行うアクションを作成するには

  1. Web Services Manager Controlのナビゲーション・ペインから、「操作管理」を選択して、「アラーム」「アラーム処理」を選択します。

    Web Services Manager Controlに、Oracle WSMに付属するアラーム処理ルールのデフォルトのリストが表示されます。

    このリストにアラーム処理ルールを追加できます。たとえば、別のアラームやアクションをトリガーする処理ルールを作成できます。

  2. 「新規ルールの追加」をクリックします。

    Web Services Manager Controlに、新規アラーム処理ルールのアクションを定義および指定できる新しいページが表示されます。

  3. 新規アラーム処理ルールの特定に使用できる名前と、ルールの簡単な説明を入力します。

  4. リストから、「アラーム・タイプ」を選択します。

  5. リストから「ルール・アクション」(「電子メール通知」、「SNMP v1イベント」、「SNMP v2イベント」、「サービス起動」または「カスタム」)を指定します。

  6. 「次へ」をクリックします。

    Web Services Manager Controlは、実行する処理ルール・アクションに関する条件を指定できるページを更新します。

  7. アラーム処理ルールを有効にするには、「有効」チェック・ボックスを選択します。

  8. タイムゾーンを指定して、アラーム処理ルールがトリガーされる特定の日時を限定するために曜日と時間間隔をオプションで指定します。

    「時間間隔」フィールドでは、hh:mm:ssの時間形式を使用して時間間隔を指定できます。

  9. アラーム処理ルールのアクションをトリガーする条件を指定します。

    一般に、アラーム作成ルールの条件の指定と同じ方法で条件を入力できます。この条件を使用して、生成したアラームを、様々なサービスまたはコンポーネントに対して別々に処理できます。たとえば、各種サービスについて待機時間アラームがトリガーされると、サービスの所有者に応じて、それぞれの管理者に通知するようにできます。


    注意:

    ルール条件は、ブール演算子のANDで結合した1つ以上の論理式から構成されます。任意のフィールド、または測定タイプに定義された変数に基づいて論理式を定義できます。カンマを使用して、ルール条件を満たす複数の有効な値を指定できます。たとえば、status=0,1のようになります。

  10. 「次へ」をクリックします。

    Web Services Manager Controlに、電子メール・アドレスおよびメール・メッセージ情報を入力するページが表示されます。

  11. 通知用の電子メール・アドレスを入力して、電子メール・メッセージの本文に含める必要なメッセージを選択またはコピーします。メッセージ本文は、待機時間の値などのアラーム測定変数で構成されます。ルール・アクションSNMP V1を選択した場合、使用可能な測定変数からIDおよび値フィールドの構成方法を定義する必要があります。

  12. 「保存」をクリックします。

    新しいアラーム処理ルール・アクションが追加されたアラーム処理ルールのリストが表示されます。

メトリック・データ永続性の構成

一定期間のOracle WSMメトリックを表示できます。たとえば、過去2時間、または過去30日間にわたるゲートウェイの全体統計を取得できます。「時間範囲」リストから、期間を選択できます。Oracle WSMデータベースは、デフォルトで過去100分のみのデータを保持します。したがって、「時間範囲」リストから、「過去10分」または「過去1時間」を選択すると、選択した期間のメトリックが表示されます。ただし、長期間のメトリックを表示する場合は、目的の期間のデータを格納するようにOracle WSMデータベースを構成する必要があります。

メトリック・データを保持する期間を構成するには

  1. 次のファイルを編集します。

    ORACLE_HOME/owsm/config/coreman/monitor-config-installer.properties

  2. monitor.aggregator.measurementStore.WindowSizeパラメータの値を変更します。

    指定した数値が、Oracle WSMデータベースがメトリック・データを保持する期間です(分単位)。

  3. wsmadmin deploy application_server_password monitorコマンドを使用して、アプリケーションを再デプロイします。変数application_server_passwordは、Oracle Application Serverの起動に使用するパスワードです。