このチュートリアルでは、次のOracle Web Services Managerの監視機能を見ていきます。
Oracle Web Services Manager環境の全体統計
セキュリティ統計
待機時間分散
トラフィック分析
サービス・レベル合意(SLA)
実行の詳細
メッセージ・ログ
ある期間にわたるOracle WSMのメトリックを表示できます。たとえば、過去2時間または過去30日間にわたるゲートウェイの全体統計を取得できます。デフォルトでは、Oracle WSMデータベースにはデータが過去100分間しか保存されません。そのため、「時間範囲」リストから「過去10分」または「過去1時間」を時間範囲として選択すると、選択した期間のメトリックが表示されます。より長い期間にわたるメトリックを保存する場合は、Oracle WSMデータベースを構成してデータを必要な期間保存する必要があります。
メトリック・データを保存する期間の構成方法
次のファイルを編集します。
ORACLE_HOME/owsm/config/coreman/monitor-config-installer.properties
monitor.aggregator.measurementStore.WindowSizeパラメータの値を変更します。
指定する数値は、Oracle WSMデータベースでメトリック・データを保存する、分単位の時間の長さです。
次のコマンドを実行して、アプリケーションを再デプロイします。
Linuxの場合
ORACLE_HOME
/owsm/bin/wsmadmin.sh deploy
password
monitor
Windowsの場合
ORACLE_HOME
\owsm\bin/wsmadmin.bat deploy
password
monitor
OC4J管理者のパスワードを使用します。
「テスト・ページ」を使用して、Webサービスの成功した起動と失敗した起動の両方をシミュレートします。何回も起動を実行した後、Web Services Manager Controlを使用して生成された統計を表示します。
Oracle Web Services Manager Controlから、「ツール」、「テスト・ページ」の順にクリックします。
以前にコピーしたURLを入力または貼り付けます。URLを再度コピーする必要がある場合は、チュートリアルの「WSDLの表示」の手順に従ってください。
「問合せの発行」をクリックします。
「WSセキュリティ」パラメータの横のプラス記号(+)クリックします。「ユーザー名」パラメータと「パスワード」パラメータが表示されます。
ユーザー名とパスワードを入力します。
「ヘッダーに含める」チェック・ボックスを選択して、WS-Security機能をテストに含めます。
「テストの保存」の横の「有効化」ボックスを選択し、この機能を有効にします。
「テストの保存」の横のプラス記号(+)をクリックし、テストの名前と、必要に応じて簡単な説明を入力します。
テストの保存と保存済テストの使用方法の詳細は、「テストの再利用」を参照してください。
「起動」をクリックします。
「同じWSDLの再テスト」をクリックして「Webサービスのテスト」ページに戻ります。
「テスト・ページ」の「テストの保存」セクションを使用すると、テストの詳細を再入力しなくても戻ることができるようにそのテストを保存できます。これは、Oracle Web Services Managerの監視機能を使用して表示できる結果を複数生成する際に使用すると便利です。
保存済テストの作成方法
Web Services Manager Controlから、「ツール」、「保存済テスト」の順にクリックします。
「新規テストの作成」をクリックします。
WSDLのURLを「WSDL URLを入力してください」フィールドに入力し、「問合せの発行」をクリックします。
「テスト・ページ」に必要な値を入力します。
「テストの保存」の横の「有効化」ボックスを選択し、この機能を有効にします。
「テストの保存」の横のプラス記号(+)をクリックし、テストの名前と、必要に応じて簡単な説明を入力します(図3-2)。
「起動」をクリックします。
保存済テストの実行方法
Web Services Manager Controlから、「ツール」、「保存済テスト」の順にクリックします。
「テストのリスト」で、実行するテストの「テストの実行」アイコンをクリックします。
保存済テストを使用した認証および認可のテスト
「テスト・ページ」で有効な資格証明を入力してテストを保存すると、認証が成功する保存済テストを作成できます。同様に、「テスト・ページ」で無効な資格証明を指定すると、認証が失敗する保存済テストを作成できます。テストを保存したら、保存済テストを実行して必要な結果を得ることができます。
認可のテストの場合、状況はもう少し複雑です。成功した認可を生成するには、認可ファイルに正しいユーザー名とロールが含まれている必要があります。この例では、ロールはユーザーmarccに対してguestです。そのため、成功した認可を生成する場合は、ファイルに有効なユーザー名とロールを含める必要があります。また、失敗した認可を生成する場合は、ファイルに無効なロールまたはユーザー名(あるいはその両方)を含める必要があります。つまり、特定の認可の結果(成功または失敗)を生成する保存済テストを実行する前に、必要な結果を得ることができるように認可ファイルを変更する必要があります。
全体統計の表示方法
Web Services Manager Controlから、「操作管理」、「スナップショット」の順にクリックします。
「スナップショット表示基準」の「コンポーネント」リストには、ゲートウェイが表示されます。「サービス」リストから「TimeService」を選択します。最後の手順でサービスの起動を実行した時間範囲を「時間範囲」リストから選択します。
「表示」をクリックします。Oracle Web Services Managerの統計がグラフィックで表示されます(図3-4)。
「全体統計」の「全体の失敗」には、セキュリティの失敗とサービス失敗を含め、正常なサービスの起動の失敗がすべて表示されます。この統計は、「セキュリティ統計」グラフと「サービス統計」グラフに分けられます。「セキュリティ統計」の失敗は、認証失敗と認可失敗に分けて表示されます。
セキュリティ統計の表示方法
Web Services Manager Controlから、「操作管理」、「セキュリティ統計」、「アクセス制御」の順にクリックします。図3-5のようなページが表示されます。
注意: デフォルトでは、すべてのサービスに対する統計が表示されます。複数のサービスがゲートウェイに登録されている場合は、「サービス」リストから目的のサービスを選択すると、サービスごとの統計を表示できます。 |
「アクセス制御」ページで、Webサービスの認証と認可のアクティビティを表示および監視できます。「アクセス制御表示基準」でコンポーネント(この例ではMyGateway)、サービス(TimeService)および時間範囲を指定し、「表示」をクリックします。
円グラフは、ユーザーが認証されてTime Serviceへのアクセス権限を付与された場合(緑色で表示)、認証に失敗した場合(赤色で表示)、認証されたが認可に失敗したためにTime Serviceへのアクセスを拒否された場合(オレンジ色で表示)の起動の割合をグラフィカルに示します。
カーソルを円グラフの各セクションの上に移動すると、認証失敗の数などの追加詳細を参照できます。認証失敗の数は、「時間範囲」フィールドで指定した期間における数です。
注意: Internet Explorerを使用している場合、詳細情報を参照するのに左クリックを指示されることがあります。 |
棒グラフは、アクセスを拒否された起動のパーセンテージをサービスごとに示します。この例では、Webサービスが1つ(TimeService)しかないため、棒は1つしかありません。
Webサービスの待機時間分散の表示方法
ナビゲーション・ペインから、「操作管理」、「サービス統計」、「待機時間分散」の順にクリックします。図3-6のようなページが表示されます。
カーソルを棒の上に移動すると、Webサービスの最小、最大および平均の待機時間(ミリ秒)の詳細を参照できます。
トラフィック分析の表示方法
ナビゲーション・ペインから、「操作管理」、「サービス統計」、「トラフィック分析」の順にクリックします。図3-7のようなページが表示されます。
「トラフィック分析」ページには、サービスまたは操作ごとのメッセージ数とバイト数が表示されます。
カーソルをグラフの上に移動すると、詳細なトラフィック分析情報を参照できます。
WebサービスのSLA準拠の表示方法
ナビゲーション・ペインから、「全体統計」、「SLA準拠」の順にクリックします。図3-8のようなページが表示されます。
「SLA準拠」ページには、SLAを下回る場合(緑色で表示)とSLAを上回る場合(黄色で表示)の成功したWebの起動のパーセンテージと、失敗した起動のパーセンテージが表示されます。デフォルトでは、すべてのWebサービスに対するSLA準拠が表示されます。
特定のWebサービスに対する棒のいずれか(緑または赤)をクリックすると、そのサービスだけのSLA準拠を参照できます。
サービス・レベル合意の定義方法
「SLA値」リンク(右上隅)をクリックしてSLAを定義します。
「サービス」リストから「TimeService」を選択し、「次へ」をクリックします(図3-9)。
サービス・レベル合意の値を1つ以上変更し、「保存」をクリックします。
「SLA準拠」ページが再度表示されます。ページの表示は、値の変更程度によって異なります。