Sun社のJava暗号化拡張機能(JCE)は、Java 2プラットフォームのオプション・パッケージです。これは、暗号化、鍵生成と鍵合意の実装、およびメッセージ認証コード(MAC)アルゴリズムのためのフレームワークです。
Oracle JCE Providerパッケージでは、JCE 1.2.1で定義された暗号化サービスのサブセットの具体実装が提供されます。
この章に含まれる内容は次のとおりです。
Oracle JCE Providerでは、次に示す適用方法に応じて複数の暗号化アルゴリズムがサポートされます。
暗号:
AES
Blowfish
DES
Triple DES
DSA
RC2
RSA
RC4
MD2/MD5/SHA1およびDES/RC2/Triple DES/RC4によるPBE
KeyAgreement: 複数の関係者に対するDiffie-Hellman
PKCS5PaddingおよびNoPaddingのサポート:
RSA
AES
DES
Triple DES
RC2
Blowfish
RSAでのPKCS1PaddingおよびOAEPPadding
標準鍵範囲のサポート
KeyFactory:
RSA
DSA
Diffie-Hellman
SecretKeyFactory:
X.509EncodedKeySpecおよびPKCS8EncodedKeySpecのサポート
KeyPairGeneration:
RSA
DSA
Diffie-Hellman
注意: 許容可能な最小強度は512ですが、Oracle JCE Providerのデフォルトの強度は1024です。 |
KeyGeneration:
AES
Blowfish
DES
Triple DES
RC2
RC4
HMAC-MD5
HMAC-SHA1
DSAの標準デフォルト・パラメータ(Sun JCEで提供されるパラメータと同じ)
メッセージ・ダイジェスト:
MD2
MD5
SHA-1
SHA-256
SHA-284
SHA-512
署名:
SHA1withDSA
MD5withRSA
SHA1withRSA
MD2withRSA
MAC:
HMAC-MD5
HMAC-SHA1
標準ASN1エンコーディングのサポート
SecureRandom:
MD5PRNG
SHA1PRNG
疑似乱数ジェネレータ(Bruce Schneier著『Applied Cryptography』の設計パターンに基づく固有アルゴリズムを使用)
キーストア:
PKCS#8
PKCS#12
Oracleセキュリティ開発ツールは、Oracle Application ServerとともにORACLE_HOME
にインストールされます。この項では、Oracle JCE Providerを使用するための環境設定について説明します。この項に含まれる内容は次のとおりです。
Oracle JCE Providerは、Java暗号化拡張機能(JCE)バージョン1.2.1と互換性があります。Oracle JCE Providerを使用するには、JCE 1.2.1をシステムにインストールする必要があります。
Java暗号化拡張機能は、Sun社の次のURLで入手できます。
次の行をjava.security
ファイルに追加します。このファイルは、通常$JAVA_HOME/jre/lib/security
にあります。
security.provider.1=com.phaos.jce.provider.Phaos
ディストリビューション・ファイルをインストールする際、Oracle JCE Providerのjar
ファイルの場所はJCE 1.2.1フレームワークをインストールした場所に応じて異なります。
JCE 1.2.1フレームワークがインストール済拡張機能である場合
JCE 1.2.1フレームワークがインストール済拡張機能である場合は、次のようになります。
jce1_2_1.jar
jce_provider_jdk1x.jar
US_export_policy.jar
local_policy.jar
これらのファイルを、次に示す、インストール済拡張機能のjar
ファイルの標準的な場所に置く必要があります。
ファイル | プラットフォーム |
---|---|
$JAVA_HOME\lib\ext
|
Win32 |
$JAVA_HOME/lib/ext
|
Solaris |
$$JAVA_HOME
は、Javaソフトウェアがインストールされているディレクトリです。
JCE 1.2.1フレームワークがクラスパスにある場合
JCE 1.2.1フレームワークが拡張機能としてインストールされず、クラスパスにあり、セキュリティ・マネージャがインストールされている場合は、JCEを使用するアプレットまたはアプリケーションを実行する際に、JCE 1.2.1フレームワークとJCEプロバイダに権限を付与する必要があります。
CLASSPATH
環境変数には、必要なjarファイルおよびclassファイルのフルパスとファイル名を指定してください。次のファイルをCLASSPATH
に指定します。
osdt_core3.jar
osdt_jce.jar
WindowsでCLASSPATH
を設定する手順を次に示します。
Windowsの「コントロール パネル」で「システム」を選択します。
「システムのプロパティ」ダイアログで「詳細設定」タブを選択します。
「環境変数」をクリックします。
ユーザー環境変数のセクションで「新規」をクリックし、CLASSPATH
環境変数をユーザー・プロファイルに追加します。CLASSPATH
環境変数がすでに存在している場合は、選択して「編集」をクリックします。
必要なjarファイルおよびclassファイルすべてのフルパスとファイル名をCLASSPATH
に追加します。
たとえば、CLASSPATH
は次のようになります。
C:\ORACLE_HOME\jlib\osdt_core3.jar; C:\ORACLE_HOME\jlib\osdt_jce.jar
「OK」をクリックします。