サンプルのデータサービスはクラスタのイベント (管理アクション、アプリケーションの異常終了、ノードの異常終了など) に応じて、DNS アプリケーションを起動、停止、再起動、ラスタノード間の切り替えを行います。
アプリケーションの再起動は、SC 3.0 プロセス監視機能 (PMF) によって管理されます。アプリケーションの障害が再試行最大期間または再試行最大回数を超えると、アプリケーションリソースを含むリソースグループは自動的に別のノードにフェイルオーバーします。
サンプルのデータサービスは、PROBE メソッドという形で障害監視機能を提供します。PROBE メソッドは、nslookup コマンドを使用し、データサービスが正常な状態であることを保証します。DNS データサービスのハングを検出すると、PROBE メソッドは、DNS アプリケーションをローカルで再起動することによって、この状況を修正しようとします。この方法で状況が改善されず、データサービスの問題が繰り返し検出される場合、PROBE メソッドは、データサービスをクラスタ内の別のノードにフェイルオーバーしようとします。
サンプルのアプリケーションには、具体的に、次のような機能が含まれています。
リソースタイプ登録ファイル - データサービスの静的なプロパティを定義します。
START コールバックメソッド - HA-DNS データサービスを含むリソースグループがオンラインになるとき、あるいは、HA-DNS リソースが有効になるときに RGM によって呼び出され、in.named デーモンを起動します。
STOP コールバックメソッド - HA-DNS データサービスを含むリソースグループがオフラインになるとき、あるいは、HA-DNS リソースが無効になるときに RGM によって呼び出され、in.named デーモンを停止します。
障害モニター - DNS サーバーが動作しているかどうかを確認することによって、データサービスの信頼性を検査します。障害モニターはユーザー定義の PROBE メソッドによって実装され、MONITOR_START と MONITOR_STOP コールバックメソッドによって起動および停止されます。
VALIDATE コールバックメソッド - RGM によって呼び出され、データサービスの構成ディレクトリがアクセス可能であるかどうかを検査します。
UPDATE コールバックメソッド - システム管理者がリソースプロパティの値を変更したときに RGM によって呼び出され、障害モニターを再起動します。