DNS が動作するためには、構成ディレクトリ内の named.conf ファイルからの情報が必要です。したがって、START メソッドは、DNS を起動しようとする前にいくつかの妥当性検査を実行し、ディレクトリやファイルがアクセス可能であるかどうかを確認します。
Confdir 拡張プロパティは、構成ディレクトリへのパスを提供します。プロパティ自身は RTR ファイルに定義されています。しかし、実際の位置は、クラスタ管理者がデータサービスを構成するときに指定します。
サンプルのデータサービスでは、START メソッドは scha_resource_get(1HA) コマンドを使用して構成ディレクトリの位置を取得します。
Confdir は拡張プロパティであるため、scha_resource_get はタイプと値の両方を戻します。したがって、awk(1) コマンドで値だけを取得し、シェル変数 CONFIG_DIR に格納します。
# リソースを追加するときにクラスタ管理者が設定した Confdir の値を見つけ # る。 config_info=`scha_resource_get -O Extension -R $RESOURCE_NAME ¥ -G $RESOURCEGROUP_NAME Confdir` # scha_resource_get は拡張プロパティの「タイプ」と「値」を戻す。拡 # 張プロパティの値だけを取得する。 CONFIG_DIR=`echo $config_info | awk '{print $2}'` |
次に、START メソッドは CONFIG_DIR の値を使用し、ディレクトリがアクセス可能であるかどうかを確認します。アクセス可能ではない場合、START メソッドはエラーメッセージを記録し、エラー状態で終了します。「START の終了状態」 を参照してください。
# $CONFIG_DIR がアクセス可能であるかどうかを検査する。 if [ ! -d $CONFIG_DIR ]; then logger -p ${SYSLOG_FACILITY}.err ¥ -t [$RESOURCETYPE_NAME,$RESOURCEGROUP_NAME,$RESOURCE_NAME] ¥ "${ARGV0}: Directory $CONFIG_DIR is missing or not mounted" exit 1 fi |
アプリケーションデーモンを起動する前に、このメソッドは最終検査を実行し、named.conf ファイルが存在するかどうかを確認します。存在しない場合、START メソッドはエラーメッセージを記録し、エラー状態で終了します。
# データファイルへの相対パス名が存在する場合、$CONFIG_DIR ディレク # トリに移動する。 cd $CONFIG_DIR # named.conf ファイルが $CONFIG_DIR ディレクトリ内に存在するかどうか # を検査する。 if [ ! -s named.conf ]; then logger -p ${SYSLOG_FACILITY}.err ¥ -t [$RESOURCETYPE_NAME,$RESOURCEGROUP_NAME,$RESOURCE_NAME] ¥ "${ARGV0}: File $CONFIG_DIR/named.conf is missing or empty" exit 1 fi |