Sun Cluster 3.0 のシステム管理

クラスタ管理の準備

この節では、クラスタ管理の準備を整える上で必要な作業について説明します。

Sun Cluster ハードウェア構成の記録

Sun Cluster の構成は拡張や変更が行われるので、サイトに固有のハードウェアの特徴を記録しておく必要があります。また、さまざまなクラスタコンポーネント間の接続とケーブルにラベルを貼付しておくと、クラスタの変更やアップグレードが必要になったときに管理時間を節約できます。

このようにクラスタ構成の記録を控えておくと、クラスタの保守の際にも便利です。このような記録を取っておくことで、保守担当者が作業を行いやすくなります。

管理コンソールの使用

必要であれば、管理コンソールと呼ぶ専用の SPARC ワークステーションを使用して動作中のクラスタを管理できます。通常は、Cluster Control Panel (CCP) と、Sun Management Center サーバーおよびコンソールソフトウェアを管理コンソールにインストールして実行します。CCP の詳細は、「Sun Cluster に遠隔ログインする」を参照してください。Sun Management Center ソフトウェアのインストール方法については、『Sun Cluster 3.0 ソフトウェアのインストール』を参照してください。

管理コンソールはクラスタノードではありません。管理コンソールは、パブリックネットワークまたはネットワークベースの端末集配信装置 (コンセントレータ) を通じてクラスタノードに遠隔アクセスするために使用します。クラスタが Sun EnterpriseTM 10000 サーバーで構成されている場合は、管理コンソールから システムサービスプロセッサ (SSP) にログインし、netcon コマンドを使用して接続する機能が必要です。

Sun Cluster では専用の管理コンソールは必要ありませんが、専用の管理コンソールを使用すると、次のような利点があります。

クラスタのバックアップ

このマニュアルでは具体的に説明していませんが、クラスタを定期的にバックアップすることは重要です。Sun Cluster は HA 環境を備えており、データのミラー化されたコピーを記憶装置に保存していますが、これが定期的なバックアップの代わりになるとは考えないでください。Sun Cluster は複数の障害を回避できますが、すべてのデータが利用できなくなるような深刻な障害は回避できません。したがって、深刻なデータ損失に対する保護のために、バックアップ手順を用意しておいてください。またバックアップは、ユーザーやプログラムによるエラーを元に戻すときにも重要です。

バックアップの一部として、次の情報を含めてください。