Sun Cluster 3.0 のシステム管理

定足数デバイスを保守状態にする

サービスから定足数デバイスを長時間はずす場合は、その定足数デバイスを保守状態にします。保守状態のデバイスの定足数投票数 (quorum vote count) はゼロに設定されるため、そのデバイスが稼働中でも定足数確立の投票には参加しません。

定足数デバイスを保守状態にするには、scconf(1M) コマンドを使用する必要があります。scsetup ユーティリティでは、定足数デバイスを保守状態にできません。


注 -

2 ノードクラスタでは、定足数デバイスが少なくとも 1 つは構成されている必要があります。構成されているデバイスが 2 ノードクラスタの最後の定足数デバイスの場合は、scconf は失敗してデバイスは保守状態になりません。


  1. クラスタの任意のノードでスーパーユーザーになります。

  2. 定足数デバイスを保守状態にします。


     # scconf -c -q globaldev=device,maintstate 
    
    -c

    scconf コマンドの変更フォームを指定します。

    -q

    定足数オプションを管理します。

    globaldev=device

    変更するディスクデバイスの DID 名 (d4 など) を指定します。

    maintstate

    ノードを保守状態にします。

  3. 定足数デバイスが保守状態にあることを確認します。

    保守状態にしたデバイスの出力は、定足数デバイスの投票数 (以下の例の Quorum device votes) がゼロになっていなければなりません。


     # scconf -p | grep -i quorum 
    

例 - 定足数デバイスを保守状態にする

次に、定足数デバイスを保守状態にし、結果を検証する例を示します。


# scconf -c -q globaldev=d20,maintstate
# scconf -p | grep -i quorum
  Node quorum vote count:                          1
  Node quorum vote count:                          1
Quorum devices:                                    d20
Quorum device name:                                d20
  Quorum device votes:                             0
  Quorum device enabled:                           no
  Quorum device path:                              /dev/did/rdsk/d20s2
  Quorum device hosts (enabled):                   phys-schost-2 phys-schost-3
  Quorum device hosts (disabled): 

次の作業

定足数デバイスの保守手順を終了し、その定足数デバイスを再び使用できるようにするには、「ノードを保守状態から戻して定足数をリセットする」を参照し、定足数デバイスの投票数をリセットしてデフォルト設定に戻します。