Sun Cluster 3.0 ご使用にあたって

Sun Cluster 3.0 の制限事項

Sun Cluster 3.0 のリリースには次の制限が適用されます。

Remote Shared Memory (RSM) のトランスポートタイプ - このトランスポートタイプは、現在サポートされていません (マニュアル内に参照記述がある場合でも適用されません)。
Scalable Coherent Interface (SCI) はクラスタインターコネクトとしてはサポートされません。
VERITAS Volume Manager (VxVM) とOracle Parallel Server (OPS) の組み合わせは現在サポートされていません - OPSをサポートするには、Sun StorEdge A3500 とハードウェア RAID ボリュームマネージャを使用してください。
自動ディスクパス監視はサポートされません - 定足数デバイスに二重エラーやパスの損失が起こっていないことを確認するには、手作業でディスクパスを監視してください。ソフトウェアはアクティブなディスクパスの損失を検知しますが、アクティブでないディスクのパスを検知するモニターはありません。
記憶装置に 2 つ以上の物理パスがある記憶装置はサポートされません - Sun StorEdge A3500 では 2 つあるノードのそれぞれに 2 つのパスがサポートされますが、これは例外です。
SunVTS^TM はサポートされません。
scinstall -u コマンドを使用したアップグレードは、Sun Cluster HA for NFS データサービスだけでサポートされます − Sun Cluster 2.2 から Sun Cluster 3.0 へのフレームワークのアップグレードは、完全にサポートされています。
Sun Cluster 2.2 から Sun Cluster 3.0 ソフトウェアへのアップグレードは、2 ノードのクラスタでのみサポートされます。
多重ホストのテープと CD-ROM はサポートされていません。
Sun Cluster 3.0 のソフトウェアは、クラスタノードでのループバックファイルシステム (LOFS) の使用はサポートしていません。
クラスタノードでクライアントのアプリケーションを実行しないでください − リソースグループのスイッチオーバーやフェイルオーバーを行うと、TCP 接続 (telnet/rlogin) が切断されることがあります。このスイッチオーバーやフェイルオーバーには、クラスタノードを初期化する接続やクラスタ外のクライアントホストを初期化する接続が含まれます。
いかなるクラスタノード上でも、タイムシェアリングスケジューリングクラスで動作する通常以上の優先度のプロセスや、リアルタイムスケジューリングクラスで動作するプロセスは実行しないでください − Sun Cluster 3.0 ソフトウェアは、リアルタイムスケジューリングクラスで動作しないカーネルスレッドに依存しています。タイムシェアリングスケジューリングクラスで動作する通常以上の優先度のプロセスや、リアルタイムスケジューリングクラスで動作するプロセスが他に存在すると、Sun Cluster のカーネルスレッドが必要な CPU サイクルを得られなくなる可能性があり、さまざまな問題の原因になります。
ファイルシステムの割り当ては Sun Cluster 3.0 ソフトウェアではサポートされません。
論理ネットワークインタフェースは Sun Cluster 3.0 ソフトウェアが利用するために予約されています。
Sun Cluster 3.0 のクラスタファイルシステムは、強制マウント解除をサポートしません − umount -f コマンドは、-f オプションなしの umount コマンドと同じ結果になります。
NAFO (ネットワークアダプタフェイルオーバー) の制限
- すべてのパブリックネットワークアダプタは NAFO グループに属している必要があります。Sun Cluster 3.0 では、NAFO グループにないパブリックネットワークアダプタはサポートされません。
- 各ノードでは、IP サブネットごとに 1 つの NAFO グループしか存在できません。Sun Cluster 3.0 では、同一サブネットに複数の IP アドレスが存在するような弱い形式でも IP ストライピングをサポートしません。
- 同一の NAFO グループ内で一時にアクティブになれるのは 1 つのアダプタだけです。
- Sun Cluster 3.0 では、OpenBoot PROM の local-mac-address?=true 設定はサポートされません。
サービスとアプリケーションの制限
- Sun Cluster 3.0 製品を利用して提供できるサービスは、Sun Cluster 製品と共に提供されているデータサービスか、Sun Cluster データサービス API を使用して設定されたデータサービスだけです。
- Sun Cluster 環境は sendmail(1M) サブシステムをサポートしないため、クラスタノードをメールサーバーに使用しないでください。Sun Cluster ノードにメールディレクトリを置いてはいけません。
- クラスタノードをルーター (ゲートウェイ) に構成しないでください。システムがダウンした際にクライアントが代替ルーターを探すことができず、回復できません。
- クラスタノードを NIS や NIS+ のサーバーに構成しないでください。ただしクラスタノードを NIS や NIS+ のクライアントにすることは可能です。
- Sun Cluster を高可用性起動の提供やクライアントシステムへのサービスのインストールを行うように構成しないでください。
- Sun Cluster 3.0 を rarpd サービスを提供するように構成しないでください。
- Sun Cluster 3.0 データサービス API がサポートするのは 32 ビットのデータサービスだけです。Sun Cluster データサービスに依存するアプリケーションは 64 ビットアプリケーションであっても構いませんが、そのアプリケーションをサポートするクラスタ側のデータサービスのメソッドやモニターは 32 ビットプログラムでなければなりません。
Sun Cluster 3.0 HA for NFS の制限
- どのクラスタノードでも、別のノードから Sun Cluster HA for NFS のファイルシステムにアクセスするアプリケーションを実行しないでください。このような Sun Cluster HA for NFS のクラスタ内での使用はサポートされません。この種のファイルシステムのアクセスはクラスタファイルシステム経由でのみ行ってください。NFS にエクスポートされたファイルシステムをクラスタノードから利用すると、予測できないロックが発生する可能性があります。
- Sun Cluster HA for NFS ではすべての NFS クライアントがハードマウントされている必要があります。
- Sun Cluster HA for NFS にはネットワークリソースのホスト名別名は使用しないでください。クラスタファイルシステムをマウントする NFS クライアントがホスト名別名を使用すると、statd のロック復旧問題が発生する可能性があります。
- Sun Cluster 3.0 は Secure NFS や NFS での Kerberos の使用をサポートしません。具体的には、share_nfs(1M) サブシステムの secure と kerberos のオプションはサポートされません。
ボリューム管理ソフトウェアの制限
- メディエータを使用した Solstice DiskSuite の構成では、1 つのディスクセットに構成するメディエータホストの数は、必ず 2 つでなければなりません。
- Sun Cluster 3.0 ソフトウェアでは VxVM Dynamic Multipathing (DMP) はサポートされません。
- ソフトウェア RAID 5 はサポートされません。
ハードウェアの制限
- クラスタノードのペアには、少なくとも 2 つの多重ホストディスク記憶装置がなければなりません (Sun StorEdge A3x00 を使用するクラスタは例外)。
- RAID 5 がサポートされるのは Sun StorEdge A3x00 のハードウェアだけです。
- Alternate Pathing (AP) はSun Cluster 3.0 の構成ではサポートされません。
- Gigabit Ethernet はクラスタインターコネクトではサポートされますが、パブリックネットワークのインタフェースではサポートされません。