Sun Cluster 3.0 U1 の概念

スケーラブルサービスの構造

クラスタネットワーキングの主な目的は、データサービスにスケーラビリティを提供することにあります。スケーラビリティとは、サービスに提供される負荷が増えたときに、新しいノードがクラスタに追加されて新しいサーバーインスタンスが実行されるために、データサービスがこの増加した負荷に対して一定の応答時間を維持できるということを示します。スケーラブルデータサービスの例としては、Web サービスがあります。通常、スケーラブルデータサービスはいくつかのインスタンスからなり、それぞれがクラスタの異なるノードで実行されます。これらのインスタンスはともに、そのサービスの遠隔クライアントの観点から見て 1 つのサービスとして動作し、サービスの機能を実現します。たとえば、いくつかのノードで実行されるいくつかの httpd デーモンからなるスケーラブル Web サービスがあります。どの httpd デーモンもクライアント要求に対応できます。要求に対応するデーモンは、負荷均衡ポリシーによって決められます。クライアントへの応答は、その要求にサービスを提供する特定のデーモンではなく、サービスによるもののようにみえるため、単一サービスの外観が維持されます。

スケーラブルサービスは、次のものからなります。

次の図は、スケーラブルサービスの構造を示しています。

図 3-8 スケーラブルサービスの構造

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広域インタフェースのホストではないノード (プロキシノード) には、そのループバックインタフェースでホストされる共有アドレスがあります。広域インタフェースに入るパケットは、構成可能な負荷均衡ポリシーに基づいて、他のクラスタノードに分配されます。次に、構成できる負荷均衡ポリシーについて説明します。