Oracle アプリケーションソフトウェアのインストール用にクラスタノードを準備する方法について説明します。
ここで説明する手順は、すべての Sun Cluster ノードで実行してください。すべてのノードですべての手順を実行しないと、Oracle のインストールが不完全なため、Sun Cluster HA for Oracle データサービスは起動に失敗します。
この手順を実行する前に、Oracle のマニュアルを参照してください。
Sun Cluster ノードを準備し、Oracle ソフトウェアをインストールする手順は、次のとおりです。
すべてのクラスタメンバーでスーパーユーザーになります。
/etc/nsswitch.conf ファイルを次のように構成します。これによって、スイッチオーバーやフェイルオーバーが起こったときに、データサービスの起動と停止が正しく行われます。
SSun Cluster HA for Oracle データサービスが動作する論理ホストをマスターできる各ノードで、次の group エントリのどれかを /etc/nsswitch.conf ファイルに指定します。
group: group: files group: files [NOTFOUND=return] nis group: files [NOTFOUND=return] nisplus |
Sun Cluster HA for Oracle データサービスは、su user コマンドを使ってデータベースノードの開始や停止を行います。一方、クラスタノードのパブリックネットワークに異常が起こると、ネットワーク情報ネームサービスが使用不能になることがあります。group に上のどれかのエントリが指定されていると、su(1M) コマンドは、ネットワーク情報ネームサービスが使用不能なら NIS/NIS+ ネームサービスを参照しません。
Sun Cluster HA for Oracle データサービス用のクラスタファイルシステムを構成します。
データベースを raw デバイスに格納する場合は、広域デバイスを raw デバイスアクセス用に構成します。広域デバイスの構成方法については、『Sun Cluster 3.0 U1 ソフトウェアのインストール』を参照してください。
Solstice DiskSuite ボリューム管理ソフトウェアを使用する場合は、UNIX ファイルシステム (UFS) ロギングか raw ミラー化メタデバイスを使用するように Oracle ソフトウェアを構成します。raw ミラー化メタデバイスの構成方法については、Solstice DiskSuite のマニュアルを参照してください。
ローカルディスクまたは多重ホストディスクに $ORACLE_HOME ディレクトリを作成します。
Oracle バイナリをローカルディスクにインストールする場合は、できるだけ別のディスクを使用してください。Oracle バイナリを別のディスクにインストールすると、オペレーティング環境の再インストール時にバイナリが上書きされるのを防止できます。
各ノードの /etc/group ファイルにデータベース管理者 (DBA) グループのエントリを作成し、予定するユーザーをこのグループに追加します。
DBA グループには、通常 dba という名前を付けます。root と oracle_id ユーザーが dba グループのメンバーになっているか確認し、必要に応じて他の DBA ユーザーのエントリを追加します。このグループ ID は、Sun Cluster HA for Oracle データサービスが動作するどのノードでも同じでなければなりません。次にその例を示します。
dba:*:520:root,oracle |
グループエントリをネットワークネームサービス (NIS や NIS+ など) に作成することができます。その場合には、ネットワークネームサービスに依存するのを避けるために、これらのエントリをローカルの /etc/inet/hostsファイルにも追加します。
各ノードで、Oracle ユーザー ID (oracle_id) のエントリを作成します。
Oracle ユーザー ID には、通常 oracle という名前を付けます。次のコマンドでは、/etc/passwd と /etc/shadow ファイルに Oracle ユーザー ID のエントリを作成します。
# useradd -u 120 -g dba -d /Oracle-home oracle |
oracle_id ユーザーエントリは、Sun Cluster HA for Oracle データサービスが動作するどのノードでも同じでなければなりません。