この節では、クラスタ管理の準備を整える上で必要な作業について説明します。
Sun Cluster の構成は拡張や変更が行われるので、サイトに固有なハードウェアの特徴を記録しておくと、クラスタを変更またはアップグレードするための管理時間を節約できます。また、さまざまなクラスタ構成要素間のケーブルや接続部にラベルを付けておくと、管理作業を簡単にすることができます。
また、元のクラスタ構成とその後の変更の記録を控えておくと、サン以外のサービスプロバイダがクラスタをサービスするための作業時間を節約できます。
管理コンソールと呼ぶ専用の SPARC ワークステーションを使用して動作中のクラスタを管理できます。通常は、Cluster Control Panel (CCP) と、グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)のツール管理コンソールにインストールして実行します。CCP の詳細は、「Sun Cluster に遠隔ログインする」を参照してください。Sun Management Center および SunPlex Manager のインストール方法については、『Sun Cluster 3.0 U1 ソフトウェアのインストール』を参照してください。
管理コンソールはクラスタノードではありません。管理コンソールは、パブリックネットワークまたはネットワークベースの端末集配信装置 (コンセントレータ) を通じてクラスタノードに遠隔アクセスするために使用します。
クラスタが Sun EnterpriseTM 10000 サーバーで構成されている場合は、管理コンソールから システムサービスプロセッサ (SSP) にログインし、netcon コマンドを使用して接続する機能が必要です。netcon が Sun Enterprise 10000 ドメインと接続するデフォルトの方法は、ネットワークインタフェースを経由する方法です。ネットワークにアクセスできなくなると、ネットワーク接続経由でのクラスタコンソール (cconsole) へのアクセスはハングします。この問題を防ぐには、-f オプションを指定するか、通常の netcon セッション中に ‾* を送信することで、netcon を「排他」モードで使用します。こうすることによって、ネットワークがアクセスできなくなっても、シリアルインタフェースに切り替えることができます。詳細については、netcon(1M) のマニュアルページを参照してください。
Sun Cluster では専用の管理コンソールは必要ありませんが、専用の管理コンソールを使用すると、次のような利点があります。
コンソールと管理ツールを同じマシンにまとめることで、クラスタ管理を一元化できる。
システム管理者や保守担当者がすみやかに問題を解決できるようになる可能性がある。
クラスタを定期的にバックアップすることは重要です。Sun Cluster は HA 環境を備えており、データのミラー化されたコピーを記憶装置に保存していますが、これが定期的なバックアップの代わりになるとは考えないでください。Sun Cluster は複数の障害に耐えることができますが、ユーザーやプログラムのエラー、あるいは、致命的な障害には対処できません。したがって、データ損失に対する保護のために、バックアップ手順を用意しておいてください。
バックアップの一部として、次の情報を含めてください。
すべてのファイルシステムのパーティション
DBMS データサービスを実行している場合は、すべてのデータベースのデータ
すべてのクラスタディスクのディスクパーティション情報
ボリューム管理ソフトウェアとして Solstice DiskSuite を使用している場合は、md.tab ファイル