Sun Cluster 3.0 U1 のシステム管理

広域デバイスと広域名前空間の管理の概要

Sun Cluster ディスクデバイスグループの管理方法は、クラスタにインストールされているボリューム管理ソフトウェアによって決まります。Solstice DiskSuite はクラスタ対応なので、Solstice DiskSuite の metaset(1M) コマンドを使用して、ディスクデバイスグループの追加、登録、削除を行うことができます。VERITAS Volume Manager (VxVM) の場合は、VxVM のコマンドを使用してディスクグループを作成します。続いて scsetup(1M) ユーティリティを使用して、ディスクグループを Sun Cluster ディスクデバイスグループとして登録します。VxVM ディスクデバイスグループを削除するときは、scsetup ユーティリティと VxVM コマンドの両方を使用します。

ディスクデバイスグループやボリューム管理ソフトウェアのディスクグループを管理する際は、グループの主ノードであるクラスタから実行する必要があります。

広域名前空間はインストール時に自動設定され、Solaris オペレーティング環境の再構成再起動の間に自動的に更新されるため、通常は広域デバイス名前空間を管理する必要はありません。ただし、広域名前空間を生成し直したり、更新した場合は、任意のクラスタノードから scgdevs(1M) コマンドを実行できます。これにより、その他のすべてのクラスタノードだけでなく、今後クラスタに結合する可能性があるノードでも広域名前空間を更新できます。

Solstice DiskSuite の広域デバイスのアクセス権

広域デバイスのアクセス権に加えた変更は、Solstice DiskSuite およびディスクデバイスのクラスタのすべてのノードには自動的に伝達されません。広域デバイスのアクセス権を変更する場合は、クラスタ内のすべてのノードで手作業でアクセス権を変更する必要があります。たとえば、広域デバイス /dev/global/dsk/d3s0 のアクセス権を 644 に変更する場合は、次のコマンドを実行する必要があります。

# chmod 644 /dev/global/dsk/d3s0

このコマンドは、クラスタ内のすべてのノードで実行してください。

VxVM では、chmod コマンドはサポートされていません。VxVM で広域デバイスのアクセス権を変更するには、VxVM の管理者ガイドを参照してください。

VERITAS Volume Manager による管理に関する注意事項

Sun Cluster で VxVM 名前空間を保持できるように、VxVMディスクグループやボリュームの構成情報を変更したときは、Sun Cluster ディスクデバイスグループの構成変更を登録してください。変更を登録することによって、すべてのクラスタノードを確実に更新できます。名前空間に影響を与える構成変更の例としては、ボリュームの追加、削除、名前変更や、ボリュームのアクセス権、所有者、グループ ID の変更などが挙げられます。


注 -

ディスクグループを Sun Cluster ディスクデバイスグループとしてクラスタに登録した後で、VxVM コマンドを使用して VxVM ディスクグループをインポートまたはデポートしないでください。ディスクグループのインポートやデポートが必要な場合は、すべて Sun Cluster ソフトウェアによって処理します。


各 VxVM ディスクグループには、クラスタ全体で一意のマイナー番号が与えられています。デフォルトでは、ディスクグループを作成したときに、VxVM によって 1000 の倍数がディスクグループのベースマイナー番号として選択されます。少数のディスクグループしかないほとんどの構成では、これで十分一意性を保証できます。ただし、新たに作成したディスクグループのマイナー番号が、別のクラスタノードにインポートした以前のディスクグループのマイナー番号と衝突することがあります。この場合は、Sun Cluster ディスクデバイスグループを登録できません。この問題を解消するには、新しいディスクグループに一意の値である新しいマイナー番号を付けたうえで、Sun Cluster ディスクデバイスグループとして登録してください。

ミラー化したボリュームを設定する場合は、ダーティーリージョンログ (DRL) を使用すると、システムクラッシュ発生時のボリューム回復時間を短縮できます。入出力のスループットを下げますが、DRL の使用を強くお勧めします。