Sun Cluster 3.0 12/01 の概念

ディスクデバイスグループ

SunPlex システムでは、すべての多重ホストディスクが、Sun Cluster ソフトウェアフレームワークの制御のもとになければなりません。まず、ボリューム管理ソフトウェアのディスクグループ (Solstice DiskSuite ディスクセットか VERITAS Volume Manager ディスクグループ) を多重ホストディスクに作成します。次に、ボリューム管理ソフトウェアのディスクグループをディスクデバイスグループとして登録します。ディスクデバイスグループは、広域デバイスの一種です。さらに、Sun Cluster ソフトウェアは、個々のディスクデバイスやテープデバイスごとに raw ディスクデバイスグループを自動的に作成します。ただし、これらのクラスタデバイスグループは、広域デバイスとしてアクセスされるまではオフラインの状態になっています。

この登録によって、SunPlex システムは、どのノードがどのボリュームマネージャディスクグループへのパスをもっているかを知ることができます。この時点でそのボリュームマネージャデバイスグループは、クラスタ内で広域アクセスが可能になります。あるディスクデバイスグループが複数のノードから書き込みができる (制御できる) 場合は、そのディスクデバイスグループに格納されるデータは、高度な可用性を有することになります。高度な可用性を備えたディスクデバイスグループには、クラスタファイルシステムを格納できます。


注 -

ディスクデバイスグループは、リソースグループとは別のものです。あるノードが 1 つのリソースグループ (データサービスプロセスのグループを表す) をマスターする一方で、別のノードが、データサービスによってアクセスされるディスクグループをマスターできます。ただし、最も良い方法は、特定のアプリケーションのデータを保存するディスクデバイスグループと、アプリケーションのリソース (アプリケーションデーモン) を同じノードに含むリソースグループを維持することです。ディスクデバイスグループとリソースグループの関連付けの詳細については、『Sun Cluster 3.0 12/01 データサービスのインストールと構成』の概要を示す章を参照してください。


ディスクデバイスグループでは、ボリューム管理ソフトウェアのディスクグループは実際に使用するディスクに対してマルチパスサポートを提供するため、広域になります。多重ホストディスクに物理的に接続された各クラスタノードは、ディスクデバイスグループへのパスを提供します。

ディスクデバイスグループのフェイルオーバー

ディスク格納装置は複数のノードに接続されるため、現在デバイスグループをマスターしているノードに障害が生じた場合、その格納装置にあるすべてのディスクデバイスグループには、代替パスによってアクセスできます。デバイスグループをマスターするノードの障害は、回復と一貫性の検査を実行するために要する時間を除けば、デバイスグループへのアクセスに影響しません。この時間中、デバイスグループが使用可能になるまで、すべての要求は (アプリケーションには透過的に) 阻止されます。

図 3-2 ディスクデバイスグループのフェイルオーバー

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