Sun Cluster 3.0 12/01 データサービス開発ガイド

VALIDATE の概要

VALIDATE メソッドを呼び出すとき、RGM は追加の引数 (更新されるプロパティとその値など) を他のメソッドに渡します。したがって、サンプルのデータサービスの VALIDATE メソッドは、追加の引数を処理する別の parse_args 関数を実装する必要があります。

サンプルのデータサービスの VALIDATE メソッドは、単一のプロパティである Confdir 拡張プロパティを確認します。このプロパティは、DNS が正常に動作するために重要な DNS 構成ディレクトリを指します。


注 -

DNS が動作している間、構成ディレクトリは変更できないため、Confdir プロパティは RTR ファイルで TUNABLE = AT CREATION と宣言します。したがって、VALIDATE メソッドが呼び出されるのは、更新の結果として Confdir プロパティを確認するためではなく、データサービスリソースが作成されているときだけです。


RGM が VALIDATE メソッドに渡すプロパティの中に Confdir が存在する場合、parse_args 関数はその値を取得および保存します。次に、VALIDATE メソッドは、Confdir の新しい値が指すディレクトリがアクセス可能であるかどうか、および、named.conf ファイルがそのディレクトリ内に存在し、データを持っているかどうかを確認します。

parse_args 関数が、RGM から渡されたコマンド行引数から Confdir の値を取得できない場合でも、VALIDATE メソッドは Confdir プロパティの妥当性を検査しようとします。まず、VALIDATE メソッドは scha_resource_get 関数を使用し、静的な構成から Confdir の値を取得します。次に、同じ検査を実行し、構成ディレクトリがアクセス可能であるかどうか、および、空でない named.conf ファイルがそのディレクトリ内に存在するかどうかを確認します。

VALIDATE メソッドが失敗で終了した場合、Confdir だけでなく、すべてのプロパティの更新または作成が失敗します。