Sun Cluster 3.0 12/01 データサービスのインストールと構成

Sun Cluster HA for NetBackup の登録と構成

この節の作業は、Sun Cluster HA for NetBackup をフェイルオーバーデータサービスとして登録、構成するために行なってください。

データサービスを構成するには、アプリケーションのためにリソースグループとリソースを作成する必要があります。リソースとリソースグループについては、このマニュアルの第 1 章と『Sun Cluster 3.0 12/01 の概念』を参照してください。

Sun Cluster HA for NetBackup の登録と構成を行う

この手順では、scrgadm(1M) コマンドを使って Sun Cluster HA for NetBackup の登録と構成を行う方法を説明します。


注 -

このデータサービスの登録と構成は、他のいくつかの方法でも行うことができます。これらのオプションの詳細は、「データサービスリソースを管理するためのツール」を参照してください。


この手順を実行するには、次の情報が必要になります。


注 -

この手順は、1 つのクラスタメンバーで実行してください。


  1. クラスタメンバーでスーパーユーザーになります。

  2. scrgadm コマンドを実行し、データサービスのリソースタイプを登録します。

    リソースタイプとして SUNW.netbackup_master を登録してください。


    # scrgadm -a -t SUNW.netbackup_master
    
    -a

    新しい構成を追加することを指定します。

    -t SUNW.netbackup_master

    データサービス用に事前に定義したリソースタイプ名を指定します。

  3. ネットワークリソースおよびアプリケーションリソースを保持するフェイルオーバーリソースグループを作成します。

    必要に応じて、-h オプションを指定し、データサービスを実行できる一群のノードを選択することもできます。


    # scrgadm -a -g resource-group [-h nodelist]
    -g resource-group

    リソースグループの名前を指定します。この名前は一意のものでなければなりません。

    [-h nodelist]

    潜在的マスターを識別する物理ノード名または ID をコンマで区切って指定します (任意)。フェイルオーバー時は、この順序で主ノードが決まります。クラスタのすべてのノードがマスターになり得るのであれば、-h オプションを指定する必要はありません。

  4. ネームサービスデータベースにすべてのネットワークリソースが追加されたか確認します。

    Sun Cluster のインストール時に、この確認を行なっておく必要があります。


    注 -

    ネームサービスの検索が原因で障害が発生するのを防ぐために、サーバーおよびクライアントの /etc/hosts ファイルにすべてのネットワークリソースが登録されていることを確認してください。


  5. リソースグループにネットワークリソースを追加します。


    # scrgadm -a {-L|-S} -g resource-group -l hostname-list¥
    [-j resource] [-n netiflist] 
    {-L|-S}

    リソースグループが使用するネットワークリソースの種類を指定します。論理ホスト名リソースの場合は -L、共有アドレスリソースの場合は -S を選択してください。

    -l hostname_list

    共有される一連のアドレスを指定します。

    [-j resource]

    論理ホスト名リソースに名前を指定します (任意)。名前を指定しない場合、デフォルトでリソース名は -l オプションで最初に指定した名前になります。

    [-n netiflist]

    各ノード上の NAFO グループをコンマで区切って指定します (省略可能)。リソースグループのノードリストに含まれるノードをすべて netiflist に指定する必要があります。このオプションを指定しないと、scrgadm コマンドは nodelist 内の各ノードの hostname-list によって指定されるサブネット上からネットアダプタを見つけようとします。例: -n nafo0@nodename, nafo0@nodename2

  6. リソースグループ内に NetBackup リソースを作成します。


    # scrgadm -a -j resource -g resource-group -t SUNW.netbackup_master 
    
    -j resource

    追加するリソースの名前を指定します。

    -g resource-group

    リソースを配置するリソースグループの名前を指定します。

    -t SUNW.netbackup_master

    追加するリソースの種類を指定します。

  7. scswitch(1M) コマンドを実行して次の作業を行います。

    • リソースと障害モニターを有効にします。

    • リソースグループを管理状態にします。

    • リソースグループをオンラインにします。


    # scswitch -Z -g resource-group
    
    -Z

    リソースとモニターを有効に設定し、リソースグループを管理状態にし、オンラインにします。

    -g resource-group

    リソースグループの名前を指定します。

例 - Sun Cluster HA for NetBackup の登録

次に、2 ノード構成のクラスタで Sun Cluster HA for NetBackup を構成する例を示します。


Cluster Information
Node names: phys-schost-1, phys-schost-2
Resource Type: SUNW.netbackup_master
Logical hostname resource: nb-master
Resource group: NB-RG (フェイルオーバーリソースグループ)
Netbackup Resources: test-scnb
(NetBackup リソースタイプを登録する)
# scrgadm -a -t SUNW.netbackup_master 
(すべてのリソースを含むようにフェイルオーバーリソースグループを追加する)
# scrgadm -a -g NB-RG -h phys-schost-1,phys-schost-2
 
(リソースグループにネットワークリソースを追加する)
# scrgadm -a -L -g NB-RG -l nb-master 
 
(リソースグループに NetBackup リソースを追加する)
# scrgadm -a -j test-scnb -g NB-RG -t SUNW.netbackup_master
 
(リソースグループをオンラインにする)
# scswitch -Z -g NB-RG