Sun Cluster 3.0 5/02 補足情報

SunPlex Agent Builder を使って GDS ベースのサービスを作成

SunPlex Agent Builder を使って GDS ベースのサービスを作成できます。SunPlex Agent Builder とそのフィールドの定義については、『Sun Cluster 3.0 12/01 データサービスのインストールと構成』を参照してください。

Agent Builder を使って GDS ベースのサービスを作成する方法

  1. SunPlex Agent Builder を起動します。


    # /usr/cluster/bin/scdsbuilder
    

  2. 「SunPlex Agent Builder」パネルが表示されます。

    Graphic
  3. 「Vendor Name」にベンダー名を入力します。

  4. 「Application Name」にアプリケーション名を入力します。


    注 -

    「Vendor」と「Application Name」の合計は 9 文字以内でなければなりません。この組み合わせは、起動スクリプトのパッケージ名として使用されます。


  5. 「Working Directory」に作業ディレクトリを入力します。 「Browse」のプルダウンを使用すれば、パスを入力する代わりにディレクトリを選択することができます。

  6. データサービスがスケーラブルなのかフェイルオーバーなのかを選択します。

  7. GDS を作成するときには「Network Aware」がデフォルトですので、これを選択する必要はありません。

  8. 「GDS」を選択します。

  9. 「Create」ボタンをクリックして起動スクリプトを作成します。

  10. サービスの作成結果が「SunPlex Agent Builder」パネルに表示されます。「Create」ボタンがグレイになり、「Next」ボタンが使用可能になります。

    Graphic

起動スクリプトを構成する方法

起動スクリプトを作成したなら、SunPlex Agent Builder を使って新しいサービスを構成する必要があります。

  1. 「Next」ボタンをクリックすると、構成パネルが表示されます。

  2. Start コマンドの場所を入力するか、「browse」ボタンを使って Start コマンドの場所を選択します。

  3. (省略可能) Stop コマンドを入力するか、「browse」ボタンを使って Stop コマンドの場所を選択します。

  4. (省略可能) Probe コマンドを入力するか、「browse」ボタンを使って Probe コマンドの場所を選択します。

  5. (省略可能) Start、Stop、Probe コマンドのタイムアウト値を指定します。

  6. 「Configure」をクリックして起動スクリプトの構成を開始します。

    起動スクリプトのパッケージが作成され、次の場所に格納されます。


    working-dir/<vendor_name><application>/pkg

    たとえば、/export/wdir/NETapp/pkg のようになります。


    注 -

    このパッケージ名は、Vendor Name と Application Name が結合したものです。


  7. 完成したパッケージをクラスタのすべてのノードにインストールします。


    # cd /export/wdir/NETapp/pkg
    # pkgadd -d . NETapp
    

  8. pkgadd の実行で次のファイルがインストールされます。


    /opt/NETapp 
    /opt/NETapp/README.app 
    /opt/NETapp/man 
    /opt/NETapp/man/man1m 
    /opt/NETapp/man/man1m/removeapp.1m 
    /opt/NETapp/man/man1m/startapp.1m 
    /opt/NETapp/man/man1m/stopapp.1m 
    /opt/NETapp/man/man1m/app_config.1m 
    /opt/NETapp/util 
    /opt/NETapp/util/removeapp 
    /opt/NETapp/util/startapp 
    /opt/NETapp/util/stopapp 
    /opt/NETapp/util/app_config


    注 -

    マニュアルページとスクリプト名は、上で入力した Application Name の前にスクリプト名を付けたものです (たとえば、startapp)。


    マニュアルページを表示するには、マニュアルページへのパスを指定する必要があります。たとえば、startapp のマニュアルページを表示する場合は、次のように入力します。


    # man -M /opt/NETapp/man startapp
    

  9. クラスタのいずれかのノードでリソースを構成し、アプリケーションを起動します。


    # /opt/NETapp/util/startapp -h <logichostname> -p <port and protocol list>
    

    起動スクリプトの引数は、リソースのタイプ がフェイルオーバーかスケーラブルかで異なります。カスタマイズしたマニュアルページをチェックするか、起動スクリプトを引数なしで実行して引数リストを入手してください。


    # /opt/NETapp/util/startapp 
     The resource name of LogicalHostname or SharedAddress must be specified. 
     For failover services: 
     Usage: startapp -h <logical host name> 
               -p <port and protocol list> 
              [ -n <nafogroup/adapter list>] 
     For scalable services: 
     Usage: startapp 
              -h <shared address name> 
              -p <port and protocol list> 
              [ -l <load balancing policy>] 
              [-n <nafogroup/adapter list>] 
               [-w <load balancing weights>]

SunPlex Agent Builder の出力

SunPlex Agent Builder は、ユーザーの入力に基づいて 3 つの起動スクリプトと 1 つの構成ファイルを生成します。構成ファイルには、リソースグループとリソースタイプの名前が指定されます。

生成される起動スクリプトは次のとおりです。

これらの起動スクリプトのインタフェースや動作は、SunPlex Agent Builder によって非 GDS ベースのエージェント用に作成されるユーティリティスクリプトのものと同じです。これらのスクリプトは、複数のクラスタで再利用できる Solaris にインストール可能なパッケージとしてパッケージ化されます。

構成ファイルをカスタマイズすれば、リソースグループの名前など、一般には scrgadm コマンドへの入力として指定されるパラメータを独自に設定できます。スクリプトをカスタマイズしないと、SunPlex Agent Builder が scrgadm のパラメータに対し妥当なデフォルトを 設定します。