Sun Cluster 3.1 の概念

リソース、リソースグループ、リソースタイプ

データサービスは、複数のリソースタイプを利用します。たとえば、Apache Web Server や Sun ONE Web Server などのアプリケーションは、それらのアプリケーションが依存するネットワークアドレス (論理ホスト名と共有アドレス) を使用します。アプリケーションとネットワークリソースは、RGM が管理する基本ユニットを形成します。

データサービスはリソースタイプです。たとえば、Sun Cluster HA for Oracle はリソースタイプ SUNW.oracle-server で、Sun Cluster HA for Apache はリソースタイプ SUNW.apache です。

リソースはリソースタイプをインスタンス化したもので、クラスタ規模で定義されます。いくつかのリソースタイプがすでに定義されています。

ネットワークリソースは、SUNW.LogicalHostname または SUNW.SharedAddress リソースタイプです。これら 2 つのリソースタイプは、Sun Cluster ソフトウェア製品によって事前に登録されています。

SUNW.HAStorage および HAStoragePlus リソースタイプは、リソースと、そのリソースが依存しているディスクデバイスグループの起動を同期させるために使用します。この同期をとることで、データサービスの起動前にクラスタファイルシステムのマウントポイント、広域デバイス、およびデバイスグループ名のパスが利用可能になります。詳細は、『Sun Cluster 3.1 データサービスのインストールと構成』の「リソースグループとディスクデバイスグループ間の起動の同期」を参照してください。HAStoragePlus は Sun Cluster 3.0 5/02 で追加されたリソースタイプであり、ローカルファイルシステムを高可用対応にする新たな機能を備えています。この機能の詳細については、HAStoragePlus リソースタイプを参照してください。

RGM が管理するリソースは、1 つのユニットとして管理できるようリソースグループと呼ばれるグループに配置されます。リソースグループ上でフェイルオーバーまたはスイッチオーバーが開始されると、リソースグループは 1 つのユニットとして移行されます。


注 –

アプリケーションリソースが含まれるリソースグループをオンラインにすると、そのアプリケーションが起動します。データサービスの起動メソッドは、アプリケーションが起動され、実行されるのを待ってから、正常に終了します。アプリケーションの起動と実行のタイミングの確認は、データサービスがクライアントにサービスを提供しているかどうかをデータサービスの障害モニターが確認する方法と同じです。このプロセスの詳細については、『SunCluster 3.1 データサービスのインストールと構成』を参照してください。


リソースグループマネージャ (RGM)

RGM は、データサービス (アプリケーション) を、リソースタイプの実装によって管理されるリソースとして制御します。これらの実装は、汎用データサービステンプレート、データサービス開発ライブラリ API (DSDL API)、リソース管理 API (RMAPI) と共に Sun によって提供されるか、開発者によって作成されます。クラスタ管理者は、リソースグループと呼ばれるコンテナにリソースを作成して管理します。RGM は、クラスタメンバーシップの変更に応じて、指定ノードのリソースグループを停止および開始します。

RGM は「リソース」と「リソースグループ」に作用します。リソースやリソースグループは、 RGM のアクションに従ってオンラインになったり、オフラインになります。リソースやリソースグループに適用される状態や設定値の詳細は、リソースおよびリソースグループの状態と設定値を参照してください。RGM 制御の下でリソース管理プロジェクトを起動する方法については、リソース、リソースグループ、リソースタイプを参照してください。

リソースおよびリソースグループの状態と設定値

リソースやリソースグループの値は管理者によって静的に設定されるため、これらの設定値を変更するには管理上の作業が必要です。RGM では、リソースグループの「状態」が動的に変更されます。次に、このような設定値と状態について説明します。

リソースとリソースグループプロパティ

SunPlex データサービスのリソースやリソースグループのプロパティ値は構成できます。標準的なプロパティはすべてのデータサービスに共通です。拡張プロパティは各データサービスに特定のものです。標準プロパティおよび拡張プロパティのいくつかは、デフォルト設定によって構成されているため、これらを修正する必要はありません。それ以外のプロパティは、リソースを作成して構成するプロセスの一部として設定する必要があります。各データサービスのマニュアルでは、設定できるリソースプロパティの種類とその設定方法を指定しています。

標準プロパティは、通常特定のデータサービスに依存しないリソースおよびリソースグループプロパティを構成するために使用されます。これらの標準プロパティについては、『Sun Cluster 3.1 データサービスのインストールと構成』の付録を参照してください。

RGM 拡張プロパティは、アプリケーションバイナリの場所や構成ファイルなどの情報を提供するものです。拡張プロパティは、データサービスの構成に従って 修正する必要があります。拡張プロパティについては、『Sun Cluster 3.0 U1 データサービスのインストールと構成』のデータサービスに関する各章を参照してください。