Sun Cluster フレームワークは、コールバックメソッドを使用して、データサービスと RGM 間の通信を実現します。また、コールバックメソッド (引数と戻り値を含む) のセットと、RGM が個々のメソッドを呼び出す環境を定義します。
データサービスを作成するには、個々のコールバックメソッドのセットをコーディングし、個々のメソッドを RGM から呼び出し可能な制御プログラムとして実装します。つまり、データサービスは単一の実行可能コードではなく、多数の実行可能なスクリプト (ksh) またはバイナリ (C 言語) から構成されており、それぞれを RGM から直接呼び出すことができます。
コールバックメソッドを RGM に登録するには、リソースタイプ登録 (RTR) ファイルを使用します。RTR ファイルには、データサービスとして実装した各メソッドのプログラムを指定します。システム管理者がデータサービスをクラスタに登録すると、RGM は RTR ファイルにあるさまざまな情報の中からコールバックプログラムの識別情報を読み取ります。
リソースタイプの必須コールバックメソッドは、起動メソッド (Start または Prenet_start) と停止メソッド (Stop または Postnet_stop) だけです。
制御および初期化メソッド
Start と Stop は、オンラインまたはオフラインにするグループ内のリソースを起動または停止します。
Init、Fini、Boot は、リソース上で初期化と終了コードを実行します。
管理サポートメソッド
Validate は、管理アクションによって設定されるプロパティを確認します。
Update は、オンラインリソースのプロパティ設定を更新します。
ネットワーク関連メソッド
Prenet_start と Postnet_stop は、同じリソースグループ内のネットワークアドレスが「起動」に構成される前、または「停止」に構成された後に、特別な起動アクションまたは停止アクションを実行します。
モニター制御メソッド
Monitor_start と Monitor_stop は、リソースのモニターを起動または停止します。
Monitor_check は、リソースグループがノードに移動される前に、ノードの信頼性を査定します。
コールバックメソッドの詳細については、第 4 章「Resource Management API リファレンス」と rt_callbacks (1HA) のマニュアルページを参照してください。コールバックメソッドの使用例については、第 5 章「サンプルデータサービス」および第 8 章「サンプル DSDL リソースタイプの実装」を参照してください。