『Sun Cluster 3.1 ご使用にあたって』の「ミラー化ルートワークシートのローカルファイルシステム」、または『Sun Cluster 3.1 ご使用にあたって』の「非ミラー化ルートワークシートローカルファイルシステム」に次の情報を追加してください。
Solaris オペレーティング環境をインストールするときは、必要な Sun Cluster パーティションを作成し、すべてのパーティションが各領域の最小必要条件を満たすようにします。
スワップ – Solaris と Sun Cluster ソフトウェアを合わせて少なくとも750M バイトを割り当てます。 最適な結果を得るには、Solaris オペレーティング環境に必要とされる容量に、少なくとも 512M バイトを Sun Cluster ソフトウェア用として追加します。さらに、クラスタノード上で実行されるアプリケーションが必要とする追加のスワップを割り当てます。
/globaldevices – scinstall(1M) ユーティリティが広域デバイスのために使用する 100M バイトのファイルシステムを作成します。
ボリューム管理 – ボリューム管理が使用できるように、ディスクの終端のスライス (スライス 7) に 20M バイトのパーティションを作成します。クラスタで VERITAS Volume Manager (VxVM) を使用しており、ルートディスクをカプセル化する予定の場合は、VxVM で使用できるように、2 つの未使用スライスを用意します。
Solaris オペレーティング環境を対話的にインストールする場合は、上記の必要条件を満たすためにパーティションをカスタマイズする必要があります。
追加のパーティションを計画する際の情報については、次のガイドラインを参照してください。
Solaris オペレーティング環境を実行する他のシステムと同様に、ルート (/)、/var、/usr、/opt の各ディレクトリを別個のファイルシステムとして構成したり、ルート (/) ファイルシステムにすべてのディレクトリを含めることができます。次に、Sun Cluster 構成でのルート (/), /var, /usr、/opt の各ディレクトリのソフトウェアの内容を示します。パーティション分割案を計画するときは、次の情報を検討してください。
ルート (/) – Sun Cluster ソフトウェア自体は、ルート (/) ファイルシステムの領域を 40M バイト未満しか占有しません。Solstice DiskSuite/Solaris Volume Manager ソフトウェアが必要とする領域は 5M バイト未満、VxVM ソフトウェアは 15M バイト未満です。特にクラスタ内に多数の共有ディスクがある場合は、最適な結果が得られるよう、ブロック型特殊デバイスと、Solstice DiskSuite/Solaris Volume Manager または VxVM ソフトウェアで使用される文字型特殊デバイスの両方を作成するための、十分な領域と i ノード容量を構成しておく必要があります。したがって、一般的にルート (/) ファイルシステムに割り当てる容量に、最低でも 100M バイトを追加します。
/var – Sun Cluster ソフトウェアは、インストール時には /var ファイルシステム領域をわずかしか占有しません。ただし、ログファイル用に十分な領域を別途用意しておく必要があります。また、クラスタ化されたノードでは、標準的なスタンドアロンサーバーよりも、ログに記録されるメッセージが増えることがあります。したがって、/var ファイルシステムには最低でも 100M バイトの余裕を設けてください。
/usr – Sun Cluster ソフトウェアは、/usr ファイルシステムの領域を 25M バイト未満占有します。Solstice DiskSuite/Solaris Volume Manager および VxVM ソフトウェアが必要とする領域は、それぞれ 15M バイト未満です。
/opt – Sun Cluster フレームワークソフトウェアは、/opt ファイルシステムの領域を 2M バイト未満使用します。ただし、各 Sun Cluster データサービスで 1M から 5M バイトが使用されることがあります。Solstice DiskSuite/Solaris Volume Manager ソフトウェアは /opt ファイルシステムの領域をまったく使用しません。VxVM ソフトウェアは、そのパッケージとツールをすべてインストールした場合、40M バイト以上を使用することがあります。また、ほとんどのデータベースおよびアプリケーションソフトウェアは、/opt ファイルシステムにインストールされます。Sun Management Center ソフトウェアを使用してクラスタを監視する場合、Sun Management Center エージェントと Sun Cluster モジュールパッケージをサポートするために、ノードごとに 25M バイトの追加の空間が必要です。
Solaris と Sun Cluster ソフトウェアを合わせて、少なくとも750M バイトのスワップ空間あを割り当てる必要があります。最適な結果を得るには、Solaris オペレーティング環境に必要とされるスワップに少なくとも 512M バイトを Sun Cluster ソフトウェア用に追加します。さらに、スワップを必要とするサードパーティ製のアプリケーションをノード上にインストールする場合には、追加のスワップ空間を割り当てます。スワップの要件については、各アプリケーションのマニュアルを参照してください。
Sun Cluster ソフトウェアでは、広域デバイスの管理に使用するローカルディスクのいずれかに、特殊なファイルシステムを別途用意しておく必要があります。このファイルシステムは、後にクラスタファイルシステムとしてマウントされるため、独立したものにしてください。このファイルシステムには、scinstall(1M) コマンドで認識されるデフォルトの名前 /globaldevices を付けます。ファイルシステムの名前は、scinstall コマンドによって後で /global/.devices/node@nodeid (nodeid は、クラスタメンバーになったときにノードに割り当てられる数) に変更され、元の /globaldevices マウントポイントは削除されます。特にクラスタ内に多数のディスクがある場合は、/globaldevices ファイルシステムに、ブロック型の特殊デバイスと文字型の特殊デバイスの両方を作成するための十分な領域と i ノードの容量が必要です。ほとんどのクラスタ構成には、512M バイトのファイルシステムサイズで十分です。
Solstice DiskSuite/Solaris Volume Manager ソフトウェアを使用する場合、状態データベースの複製の作成に使用できるように、ルートディスク上にスライスを別途用意しておく必要があります。つまり、各ローカルディスク上に、複製のためのスライスを別に用意します。ただし 1 つのノードにローカルディスクが 1 つしかない場合は、Solstice DiskSuite/Solaris Volume Manager ソフトウェアが正しく動作するように、同じスライス内に 3 つの状態データベースの複製を作成する必要が生じることがあります。詳細については、Solstice DiskSuite/Solaris Volume Manager のマニュアルを参照してください。
VxVM を使用しており、ルートディスクをカプセル化する予定の場合は、VxVM が使用する 2 つの未使用スライスのほかに、ディスクの始点または終点に若干の割り当てられていない空き領域が必要になります。ルートディスクのカプセル化については、VxVM のマニュアルを参照してください。
表 1–2 に、750M バイト未満の物理メモリーを持つクラスタノードのパーティション分割案を示します。この案では、Solaris オペレーティング環境の「エンドユーザーシステムサポート」ソフトウェアグループ、Sun Cluster ソフトウェア、および Sun Cluster HA for NFS データサービスをインストールします。ディスク上の最後のスライスであるスライス 7 には、ボリューム管理ソフトウェア用に若干の量を割り当てます。
この配置は、Solstice DiskSuite/Solaris Volume Manager ソフトウェアまたは VxVM の使用を意図したものです。Solstice DiskSuite/Solaris Volume Manager ソフトウェアを使用する場合は、状態データーベースの複製用にスライス 7 を使用します。VxVM を使用する場合は、後で割り当てを 0 にすることで、スライス 7 を開放できます。この配置によって 必要な 2 つの空きスライス 4 と 7 が確保され、ディスクの終端に未使用領域が確保されます。
表 1–2 ファイルシステム割り当ての例
スライス |
内容 |
割り当て (M バイト) |
説明 |
---|---|---|---|
0 |
/ |
6.75GB |
スライス 1 から 7 にディスク容量を割り当てた後の、残りの空き容量。Solaris オペレーティング環境ソフトウェア、Sun Cluster ソフトウェア、データサービスソフトウェア、ボリューム管理ソフトウェア、Sun Management Center エージェントおよび Sun Cluster モジュールエージェントパッケージ、ルートファイルシステム、データーベースおよびアプリケーションソフトウェアに使用します。 |
1 |
スワップ |
1GB |
512M バイト - Solaris オペレーティング環境ソフトウェア用 512M バイト - Sun Cluster ソフトウェア用 |
2 |
オーバーラップ |
8.43GB |
ディスク全体 |
3 |
/globaldevices |
512MB |
このスライスは、Sun Cluster ソフトウェアによって後で別のマウントポイントに割り当てられ、クラスタファイルシステムとしてマウントします。 |
4 |
未使用 |
– |
VxVM でルートディスクをカプセル化するための空きスライスとして確保します。 |
5 |
未使用 |
– |
- |
6 |
未使用 |
– |
- |
7 |
ボリューム管理ソフトウェア |
20MB |
Solstice DiskSuite/Solaris Volume Manager ソフトウェアにより状態データベースの複製用に使用するか、VxVM によりスライス解放後のインストールに使用します。 |