Sun Cluster 3.1 Data Service for Apache ガイド

Sun Cluster HA for Apache 拡張プロパティの構成

Apache サーバーリソースの作成時に必要な拡張プロパティは、Bin_dir プロパティだけです。このプロパティの値は、apachect1 スクリプトを含むディレクトリです。

通常、拡張プロパティは、Apache サーバーリソースを作成するときに、コマンド行から scrgadm -xparameter=value を実行して構成します。『 Sun Cluster 3.1 データサービスの計画と管理』の「データサービスリソースの管理」で説明されている手順を使用して、これらのプロパティをあとで構成することもできます。

すべての Sun Cluster プロパティの詳細については、『Sun Cluster 3.1 データサービスの計画と管理』の「標準プロパティ」を参照してください。

拡張プロパティの中には動的に変更できるものもありますが、それ以外の拡張プロパティは、Apache サーバーリソースを作成するときにしか更新できません。次の表は、Apache サーバー用に構成できる拡張プロパティの説明です。「調整可能」エントリは、いつプロパティを更新できるかを示します。

表 1–2 Sun Cluster HA for Apache 拡張プロパティ

名前/データタイプ 

説明 

Bin_dir (文字列)

Apache バイナリ (特に apachect1) のパス。Sun Cluster HA for Apache にはこの拡張プロパティが必要です。

初期値: なし

範囲: なし

調整: 作成時 (At_ creation)

Monitor_retry_count (整数)

障害モニターの再起動を制御するとともに、 Monitor_retry_ interval プロパティで指定された時間の範囲内に、プロセスモニター機能 (PMF) が障害モニターを何回再起動するかを示します。このプロパティは、障害モニターの再起動について制御するのであって、リソースの再起動を制御するわけではありません。リソースの再起動は、システム定義プロパティの Retry_interval および Retry_count によって制御されます。

初期値: 4

範囲: 0 – 2, 147, 483, 641

–1 は、再試行の数が無限であることを示します。 

調整:作成時 (At_ creation)

 

Monitor_retry_interval (整数)

障害モニターの失敗がカウントされる期間 (分)。この期間内に、障害モニターの失敗の数が、拡張プロパティ Monitor_retry_ count で指定した値を超えた場合、PMF は障害モニターを再起動しません。

初期値: 2

範囲: 0 – 2, 147, 483, 641

–1 は、再試行の間隔が無限であることを示します。 

調整: 作成時 (At_ creation)

 

Probe_ timeout (整数)

Apache インスタンスの検証に障害モニターが使用するタイムアウト値 (秒)。 

初期値: 90

範囲: 0 – 2, 147, 483, 641

調整: 作成時 (At_ creation)

 

Monitor_Uri_List (文字列)

1 つの URI または URI のリスト。障害モニターはこれを使用して、 Sun Cluster HA for Apache Web Server に配備されているアプリケーションを検証します。 Sun Cluster HA for Apache Web Server に配備されているアプリケーションによってサービスされる 1 つ以上の URI にプロパティを設定することで、配備されているアプリケーションを検証します。 リリース 3.1 10/03 で導入されました。 

初期値: Null

調整: 任意の時点 (Anytime)

任意 URI の監視

Web サーバーの障害モニターで、Web サーバーが提供するアプリケーション (URI) の任意リストを検証する場合は、Monitor_uri_list 拡張プロパティを設定する必要があります。この拡張プロパティによって、拡張された検証機能が提供されます。また、使用している Web サーバーのほかにサービスを階層状にする場合に、このプロパティは有用です。Monitor_uri_list 拡張プロパティは、セキュア Sun Cluster HA for Apache インスタンスではサポートされません。Monitor_uri_list 拡張プロパティを設定しない場合、障害モニターは標準の検証を実行します。詳細については、Sun Cluster HA for Apache 障害モニターを参照してください。次の例は、Sun Cluster HA for Apache インスタンスを構成に追加する場合の Monitor_uri_list 拡張プロパティの設定方法を示しています。

例— スケーラブル Sun Cluster HA for Apache インスタンスのための Monitor_uri_list の設定


(デフォルトの負荷分散で非セキュア Apache インスタンスを追加する)

# scrgadm -a -j apache-insecure-1 -g resource-group-1 \
-t SUNW.apache -y Network_resources_used=schost-1, ... \
-y Scalable=True -y Port_list=8000/tcp -x Bin_dir=/opt/apache/bin \
-x Monitor_Uri_list=http://schost-1:8000/servlet/monitor

例 — フェイルオーバー Sun Cluster HA for Apache インスタンスのための Monitor_uri_list の設定


(非セキュア Apache アプリケーションリソースのインスタンスを追加する)

# scrgadm -a -j apache-insecure-1 -g resource-group-1 \
-t SUNW.apache -y Network_resources_used=schost-1 \
-y Scalable=False -y Port_list=80/tcp \
-x Bin_dir=/opt/apache/bin \ 
-x Monitor_Uri_list=http://schost-1:80/servlet/monitor