この章では、Sun Cluster サーバーで Sun Cluster HA for NetBackup を設定して管理する手順について説明します。
この章の内容は次のとおりです。
Web Start プログラムを使用して Sun Cluster HA for NetBackup パッケージをインストールする
scinstall ユーティリティーを使用して Sun Cluster HA for NetBackup パッケージをインストールする
作業 |
参照箇所 |
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インストール要件とサポートされる構成の確認 |
Sun Cluster HA for NetBackup の概要
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VERITAS NetBackup のインストール | |
データサービスパッケージのインストール | |
Sun Cluster HA for NetBackup の登録と構成 | |
Sun Cluster HA for NetBackup 拡張プロパティ | |
障害モニターの情報の表示 | |
(省略可能) クラスタ上での非 HA VERITAS NetBackup クライアントの構成 |
NetBackup マスターサーバーは、一元的な管理・スケジューリングサーバーとしての役割を果たします。各クラスタは、NetBackup マスターサーバーを 1 台しか持てません。
マスターサーバーは、パブリックネットワークへの接続を介してメディアサーバーと通信を行います。一般に、非クラスタシステムにおいては、マスターサーバーを稼動させるノードはバックアップの作成と保存に使用されるデバイスに接続されます。しかし、Sun Cluster 環境では、バックアップデバイスをマスターサーバーではなくメディアサーバーに接続する必要があります。バックアップデバイスやメディアサーバーをクラスタ内に含めることはできません。
NetBackup メディアサーバーは、バックアップを実行するマシンです。ユーザーは、ローカルネットワーク上に複数のメディアサーバーを配置し、それらのメディアサーバー間で作業負荷を分散できます。
NetBackup クライアントは、クラスタの内部または外部に存在するノード上で稼動するプロセスです。クライアントは、マスターサーバーとメディアサーバーにバックアップされるようにマシンからデータを転送します。
NetBackup には、バックアップデバイスと対話式で処理を行うデーモンから構成される NetBackup メディアマネージャも含まれます。Sun Cluster は、これらのデーモンを制御しません。
Sun Cluster HA for NetBackup は、NetBackup マスターサーバーだけを高可用対応にします。VERITAS NetBackup コンポーネント、エージェント、アドオン、およびこれらのコンポーネントを使用する機能は高可用対応ではありません。たとえば、データベースのオンライン (ホット) バックアップとウォームバックアップは高可用対応ではありません。これは、データベースバックアップエージェントが Sun Cluster フレームワークの制御下にないためです。
VERITAS NetBackup と Sun Cluster HA for NetBackup をインストールする場合は、次の点に注意してください。図 1–1 は、構成の制限を示しています。
VERITAS NetBackup は、シングルインスタンスのデータサービスです。このため、1 つのクラスタについて複数の VERITAS NetBackup インスタンスを実行することはできません。
NetBackup マスターサーバーは、クラスタ内に設置する必要があります。
NetBackup クライアントは、クラスタの内部または外部に存在できます。
NetBackup メディアサーバーおよびそれらのバックアップデバイス (テープライブラリ、光学式読み取り装置など) は、どのクラスタにも含めることができません。
NetBackup マスターサーバーに関連付けられた共有ディスクは、次第に累積する NetBackup の管理ファイルとログを保持できるだけ十分に大きなものでなければなりません。管理ファイルとログのサイズは、ユーザーの構成に必要なバックアップ作業の量によって異なります。
次の図は、Sun Cluster HA for NetBackup のサポート構成を示しています。
NetBackup マスターサーバーはクラスタ内に含める必要があります。バックアップデバイスは、メディアサーバーにしか接続できません。バックアップデバイスとメディアサーバーは、クラスタ内に含めることはできません。
NetBackup コンポーネント間の通信は、パブリックネットワークへの接続を介してしか発生しません。フェイルオーバーまたはスイッチオーバーが発生すると、クラスタに制御されているコンポーネントはそれらのバックアップノードにフェイルオーバーまたはスイッチオーバーします。
Sun Cluster 3.1, のインストールと構成が終了したあと、以下の説明と VERITAS マニュアルを参照して、VERITAS NetBackup のインストールと構成を行なってください。
この作業例では、nb-master という名前は NetBackup をマスターするクライアントノードを指し、 slave-1 はメディアサーバーを指します。
この手順を実行するには、次の情報を確認しておく必要があります。
データサービスをマスターできるクラスタノードの一覧。
クライアントがデータサービスにアクセスするために使用するネットワークリソース。通常、この IP アドレスはクラスタをインストールするときに設定します。ネットワークリソースの詳細は、『Sun Cluster 3.1 の概念』を参照してください。
すべてのノードで、Sun Cluster が動作していることを確認します。
ネットワークとアプリケーションのリソースを格納するためのフェイルオーバーリソースグループを作成します。
必要に応じて、-h オプションを指定し、データサービスを実行できる一群のノードを選択することもできます。
# scrgadm -a -g resource-group [-h nodelist] |
リソースグループの名前を指定します。
潜在マスターを識別する物理ノード名または ID をコンマで区切ったリストで指定します (省略可能)。フェイルオーバー時は、この順序で主ノードが決まります。クラスタのすべてのノードがマスターになり得るのであれば、-h オプションを指定する必要はありません。
ネームサービスデータベースにすべてのネットワークリソースが追加されたか確認します。
Sun Cluster のインストール時に、この確認を行なっておく必要があります。
ネームサービスの検索における問題を回避するために、すべてのネットワークリソースがサーバーとクライアントの /etc/inet/hosts ファイルに存在することを確認します。
論理ホストのリソースをリソースグループに追加します。
# scrgadm -a -L -g resource-group -l logical-hostname |
フェイルオーバーリソースグループを有効にして、そのリソースグループをオンラインにします。
# scswitch -Z -g resource-group |
リソースグループの名前を指定します。
リソースグループを管理状態に移行し、リソースグループをオンラインにします。
論理ホストリソースをマスターするノードにログオンします。
インストールスクリプトを実行して、VERITAS NetBackup パッケージを VERITAS 製品の CD-ROM から /usr/openv ディレクトリにインストールします。
phys-schost-1# ./install |
メニューが表示されたら、Option 1 (NetBackup) を選択します。
このオプションは、サーバーに Media Manager と NetBackup ソフトウェアの両方をインストールします。
インストールスクリプト内のプロンプトに従って作業を進めます。
このインストールスクリプトは、エントリを /etc/services と /etc/inetd.conf ファイルに追加します。
phys-schost-1# ./install ... Would you like to use "phys-schost-1.somedomain.com" as the configured name of the NetBackup server? (y/n) [y] n ... Enter the name of the NetBackup server: nb-master ... Is nb-master the master server? (y/n) [y] y ... Enter the fully qualified name of a media (slave) server (q to quit)? slave-1 |
NetBackup リソースをバックアップノードに切り替えます。
手順 6 から手順 10 までの手順を繰り返して、NetBackup リソースを実行するすべてのノードに NetBackup バイナリをインストールします。
NetBackup の有効化とクラスタ上での実行を参照して、NetBackup を有効にしてクラスタ上で実行します。
この節では、NetBackup を有効にしてクラスタ上で実行するための手順について説明します。
この作業例では、nb-master という名前は NetBackup をマスターするクライアントノードを指し、 slave-1 はメディアサーバーを指します。
Sun Cluster HA for NetBackup がインストールされた各クラスタノードから、/etc/rc2.d/S77netbackup と /etc/rc0.d/K77netbackup ファイルを削除します。
これらのファイルを削除すると、NetBackup はブート時に起動しなくなります。
1 つのノードで、/usr/openv/netbackup/bp.conf ファイルを変更して以下の情報を指定してください。
SERVER = logical-hostname-resource
バックアップサーバーに対するすべての要求が主ノードから発生します。サーバー名は、論理ホスト名リソースに相当します。
CLIENT_NAME = logical-hostname-resource
Sun Cluster HA for NetBackup を実行するクラスタでは、CLIENT_NAME は nb-master に相当します。
このクライアント名を使用して、Sun Cluster HA for NetBackup を実行するクラスタのファイルをバックアップします。
REQUIRED_INTERFACE = logical-hostname-resource
このエントリは、NetBackup アプリケーションが使用する論理インタフェースを示します。
変更後のファイルの例を示します。
SERVER = nb-master SERVER = slave-1 CLIENT_NAME = nb-master REQUIRED_INTERFACE = nb-master |
1 つのノードから、NetBackup 構成ファイルをマルチホストディスクに配置します。
このファイルを、NetBackup が使用するフェイルオーバーディスクデバイスグループに含まれるディスクに配置してください。
フェイルオーバーディスクデバイスグループの主ノードから、次のコマンドを実行します。この例では、フェイルオーバーディスクデバイスグループは global です。
# mkdir /global/netbackup # mv /usr/openv/netbackup/bp.conf /global/netbackup # mv /usr/openv/netbackup/db /global/netbackup # mv /usr/openv/volmgr/database /global/netbackup # ln -s /global/netbackup/bp.conf /usr/openv/netbackup/bp.conf # ln -s /global/netbackup/db /usr/openv/netbackup/db # ln -s /global/netbackup/database /usr/openv/volmgr/database |
ディレクトリ /usr/openv/db/var とファイル /usr/openv/volmgr/vm.conf がそのノードに存在する場合、それらのディレクトリおよびファイルは、フェイルオーバーディスクデバイスグループに含まれるディスクに移動します。
/usr/openv/volmgr/vm.conf ファイルを移動およびリンクする前に、NetBackup マスターサーバーを構成する必要があります。
# mv /usr/openv/db/var /global/netbackup/nbdb # mv /usr/openv/volmgr/vm.conf /global/netbackup # ln -s /global/netbackup/nbdb /usr/openv/db/var # ln -s /global/netbackup/vm.conf /usr/openv/volmgr/vm.conf |
特定のディスクデバイスグループの主ノードを確認するには、コマンド scstat -D を実行してください。
NetBackup リソースを実行するその他すべてのノードから、次のコマンドを実行します。
# rm -rf /usr/openv/netbackup/bp.conf # rm -rf /usr/openv/netbackup/db # rm -rf /usr/openv/volmgr/database # ln -s /global/netbackup/bp.conf /usr/openv/netbackup/bp.conf # ln -s /global/netbackup/db /usr/openv/netbackup/db # ln -s /global/netbackup/database /usr/openv/volmgr/database |
NetBackup リソースを実行するその他すべてのノードで、ディレクトリ/usr/openv/db/var とファイル /usr/openv/volmgr/vm.conf がそのノードに存在する場合、次のコマンドを実行してください。
# rm -rf /usr/openv/db/var # rm -rf /usr/openv/volmgr/vm.conf # ln -s /global/netbackup/nbdb /usr/openv/db/var # ln -s /global/netbackup/vm.conf /usr/openv/volmgr/vm.conf |
/usr/openv/volmgr/vm.conf ファイルを削除およびリンクする前に、NetBackup マスターサーバーを構成する必要があります。
NetBackup のインストールと構成の確認を参照して、NetBackup のインストールと構成を確認します。
ここでは、NetBackup のインストールと構成を確認する手順について説明します。
次の手順で、NetBackup のインストールと構成を確認します。データサービスをまだインストールしていないため、この手順ではアプリケーションの可用性が高いかどうかを確認することはできません。
NetBackup アプリケーションを手動で起動します。
NetBackup アプリケーションがエラーもなく起動したかどうかを確認します。
起動した場合は、この手順を終了します。
起動しなかった場合は、NetBackup のインストールと構成をもう一度行う必要があります。
Sun Cluster HA for NetBackup パッケージのインストールを参照して、Sun Cluster HA for NetBackup を登録し、このデータサービス用にクラスタを構成します。
Sun Cluster の初期インストール時に Sun Cluster HA for NetBackup パッケージをインストールしなかった場合は、この手順を実行してパッケージをインストールしてください。次の手順は、Sun Cluster HA for NetBackup パッケージをインストールする各クラスタノードで実行します。この手順の実行には、Sun Cluster Agents CD-ROM が必要です。
同時に複数のデータサービスをインストールする場合は、『Sun Cluster 3.1 10/03 ソフトウェアのインストール』の「ソフトウェアのインストール」の手順を実行してください。
次のいずれかのインストールツールを使用して、Sun Cluster HA for NetBackup パッケージをインストールします。
Web Start プログラム
scinstall ユーティリティー
Web Start プログラムは、Sun Cluster 3.1 データサービス 10/03 以前のリリースでは利用できません。
Web Start プログラムは、コマンド行インタフェース (CLI) またはグラフィカルユーザーインタフェース (GUI) を使用して実行できます。 CLI と GUI では、指示の内容と順序がほぼ同じです。Web Start プログラムの詳細については、installer(1M) のマニュアルページを参照してください。
Sun Cluster HA for NetBackup パッケージをインストールするクラスタノードで、スーパーユーザーになります。
(省略可能) GUI を使用して Web Start プログラムを実行する予定の場合は、DISPLAY
環境変数が設定されていることを確認してください。
Sun Cluster Agents CD-ROM を CD-ROM ドライブに挿入します。
ボリューム管理デーモンの vold(1M) が実行中で、CD-ROM デバイスを管理するように構成されている場合、デーモンによって自動的に CD-ROM が /cdrom/scdataservices_3_1_vb ディレクトリにマウントされます。
CD-ROM の Sun Cluster HA for NetBackup コンポーネントディレクトリに移動します。
Sun Cluster HA for NetBackup データサービス用の Web Start プログラムは、このディレクトリにあります。
# cd /cdrom/scdataservices_3_1_vb/\ components/SunCluster_HA_NetBackup_3.1 |
Web Start プログラムを起動します。
# ./installer |
画面上の指示に従って、Sun Cluster HA for NetBackup パッケージをノードにインストールします。
インストールを終了すると、Web Start プログラムはインストールの要約を表示します。この要約から、インストール時に Web Start プログラムによって作成されたログを表示できます。これらの記録は、/var/sadm/install/logs ディレクトリにあります。
Web Start プログラムを終了します。
Sun Cluster Agents CD-ROM を CD-ROM ドライブから取り出します。
Sun Cluster HA for NetBackup の登録と構成を参照して、Sun Cluster HA for NetBackup を登録し、このデータサービス用にクラスタを構成します。
Sun Cluster Agents CD-ROM を CD-ROM ドライブに挿入します。
オプションは指定せずに、scinstall ユーティリティーを実行します。
scinstall ユーティリティーが対話型モードで起動します。
メニューオプション「新しいデータサービスのサポートをこのクラスタノードに追加」を選択します。
scinstall ユーティリティーにより、ほかの情報を入力するためのプロンプトが表示されます。
Sun Cluster Agents CD-ROM のパスを指定します。
ユーティリティーはこの CD をデータサービス CD-ROM として示します。
インストールするデータサービスを指定します。
選択したデータサービスが scinstall ユーティリティーによって示され、この選択内容の確認が求められます。
scinstall ユーティリティーを終了します。
ドライブから CD を取り出します。
Sun Cluster HA for NetBackup の登録と構成を参照して、Sun Cluster HA for NetBackup を登録し、このデータサービス用にクラスタを構成します。
この節で説明する手順を使用して、Sun Cluster HA for NetBackup をフェイルオーバーデータサービスとして登録し、構成します。
データサービスを構成するには、アプリケーションのためにリソースグループとリソースを作成する必要があります。リソースおよびリソースグループの詳細については、『Sun Cluster 3.1 データサービスのインストールと構成』および『Sun Cluster 3.1 の概念』を参照してください。
この手順では、scrgadm(1M) コマンドを使って Sun Cluster HA for NetBackup の登録と構成を行う方法を説明します。
その他のオプションでもデータサービスは登録および構成できます。これらのオプションについては、『Sun Cluster 3.1 データサービスの計画と管理』の「データサービスリソース管理用ツール」を参照してください。
この手順は、1 つのクラスタメンバーで実行してください。
クラスタメンバー上でスーパーユーザーになります。
scrgadm コマンドを実行して、データサービスのリソースタイプを登録します。
リソースタイプとして SUNW.netbackup_master を登録してください。
# scrgadm -a -t SUNW.netbackup_master |
当該データサービス用にあらかじめ定義されているリソースタイプを指定します。
リソースグループ内に NetBackup リソースを作成します。
# scrgadm -a -j resource -g resource-group -t SUNW.netbackup_master |
netbackup プロセスがすべてのノードで停止されていることを確認します。
scswitch(1M) コマンドを実行して次の作業を行います。
リソースと障害の監視を有効にします。
リソースグループを管理状態にします。
リソースグループをオンラインにします。
# scswitch -Z -g resource-group |
リソースグループを管理状態に移行し、リソースグループをオンラインにします。
次の例では、Sun Cluster HA for NetBackup を 2 ノードクラスタに登録する方法を示します。
クラスタ情報 ノード名: phys-schost-1、phys-schost-2 リソースタイプ: SUNW.netbackup_master 論理ホスト名リソース: nb-master リソースグループ: NB-RG (フェイルオーバーリソースグループ) Netbackup リソース: test-scnb (NetBackup リソースタイプを登録する) # scrgadm -a -t SUNW.netbackup_master (フェイルオーバーリソースグループを追加して、すべてのリソースを含める) # scrgadm -a -g NB-RG -h phys-schost-1,phys-schost-2 (ネットワークリソースをリソースグループに追加する) # scrgadm -a -L -g NB-RG -l nb-master (NetBackup リソースをリソースグループに追加する) # scrgadm -a -j test-scnb -g NB-RG -t SUNW.netbackup_master (リソースグループをオンラインにする) # scswitch -Z -g NB-RG |
この節では、Sun Cluster HA for NetBackup 拡張プロパティについて説明します。通常、拡張プロパティは、リソースを作成するときにコマンド行から scrgadm -x parameter = value を実行して構成します。すべての Sun Cluster プロパティの詳細については、『Sun Cluster 3.1 データサービスの計画と管理』の「標準プロパティ」を参照してください。
表 1–2 は、NetBackup リソースのために設定できる拡張プロパティを示したものです。拡張プロパティの中には動的に変更できるものもありますが、それ以外の拡張プロパティは、リソースを作成するときにしか更新できません。次の表の「調整」欄は、各プロパティを更新できるタイミングを示しています。
表 1–2 Sun Cluster HA for NetBackup 拡張プロパティ
名前/データタイプ |
説明 |
---|---|
Start_command (文字列) |
NetBackup アプリケーションを起動するコマンド。
初期値: /opt/SUNWscnb/master/bin/ start.netbackup 範囲: なし 調整: 不可 (None) |
Stop_command (文字列) |
NetBackup アプリケーションを停止するコマンド。
初期値: /opt/SUNWscnb/master/bin/ stop.netbackup 範囲: なし 調整: 不可 (None) |
Monitor_retry_count (整数) |
障害モニターに許可される Process Monitor Facility (PMF) 再起動の回数。
デフォルト:4 範囲:最小 = 1 調整: 任意の時点 (Anytime) |
Monitor_retry_interval (整数) |
障害モニターが再起動を試みる間隔 (分)。
初期値: 2 範囲: 最小 = 2 調整: 任意の時点 (Anytime) |
Probe_timeout (文字列) |
プロセスを確実に検証するために障害モニターが待機する時間を計算するのに使用される時間 (秒)。 起動時に、NetBackup の START メソッドはデーモンの数に Probe_timeout の値を掛けてデーモンが起動すべき時間を計算します。Probe_timeout の値がデフォルト値に設定されており、デーモンが 1 つしかない場合、START メソッドは 60 秒待った後、監視を開始します。
デフォルト:60 範囲:最小 = 1 調整: 任意の時点 (Anytime) |
インストールした NetBackup のバージョンにより、NetBackup アプリケーションの起動スクリプトは、次のいずれかのデーモンの組み合わせを起動します。
vmd、bprd、および bpdbm
vmd、bprd、 bpdbm、bpjobd、および nbdbd
Sun Cluster HA for NetBackup は、これら 2 組のデーモンのいずれかと動作します。Sun Cluster HA for NetBackup 障害モニターは、これら 2 組のプロセスのいずれかを監視します。START メソッドが動作している間、障害モニターはこれらのデーモンがオンラインになるのを待機し、その後アプリケーションの監視を開始します。Probe_timeout 拡張プロパティは、障害モニターが待機する時間を指定します。
デーモンがオンラインになったあとで、障害モニターは kill (pid, 0) を使用してデーモンが動作しているかどうかを確認します。デーモンがどれも動作していない場合、障害モニターはすべての検証機能が正常に動作するまで次のアクションを順に開始します。
現在のノードでリソースを再起動します。
現在のノードでリソースグループを再起動します。
リソースグループのノードリストに存在する次のノードにリソースグループをフェイルオーバーします。
プロセス ID (PID) はすべて、一時ファイル /var/run/.netbackup_master に保存されます。
必要に応じ、Sun Cluster HA for NetBackup を実行しない NetBackup クライアントをクラスタ上で構成できます。このためには、次の方法を使用してください。
各ノードを個別の NetBackup クライアントとして構成する – 任意のノードを使用してクラスタファイルシステム上のファイルをバックアップできます。特定のノードの NetBackup クライアント名を使用することにより、そのノードにローカルなファイルをバックアップできます。
1 つの論理ホスト名リソースを NetBackup クライアントとして構成する – クラスタ上の複数の論理ホスト名リソースを NetBackup クライアントとして構成することはできません。また、論理ホスト名リソースを NetBackup クライアントとして構成した場合は、その論理ホスト名の主ノードとなり得るノードを NetBackup クライアントとして構成することもできません。
1 つの論理ホスト名リソースを NetBackup クライアントとして構成するには、次の作業を行なってください。
次に示すように、論理ホスト名リソースの主ノードになり得るすべてのノードでファイル /usr/openv/netbackup/bp.conf を変更し、CLIENT_NAME が logical-hostname-resource と同じになるようにします。
CLIENT_NAME = logical-hostname-resource |
論理ホスト名リソースの主ノードになり得るすべてのノードで、/usr/openv/netbackup/bp.conf ファイルに次のエントリを追加します。
REQUIRED_INTERFACE = logical-hostname-resource |
REQUIRED_INTERFACE がすでに存在する場合は、logical‐hostname‐resource と等しくなるようにエントリを変更してください。
たとえば、論理ホスト名リソースの名前が schost-1 の場合、変更後のファイルには次のエントリが含まれます。
SERVER = nb-master SERVER = slave-1 CLIENT_NAME = schost-1 REQUIRED_INTERFACE = schost-1 |