この章では、Sun Cluster ノードに Sun Cluster Support for Oracle Parallel Server/Real Application Clusters をインストールする手順について説明します。この章の内容は次のとおりです。
次の表に、インストール作業の概要を示し、さらに作業を実行するための詳細な手順の参照個所を示しています。
表 1–1 作業マップ: Sun Cluster Support for Oracle Parallel Server/Real Application Clusters のインストール
作業 |
参照個所 |
---|---|
インストール前に考慮すべき事項と特殊な要件 | |
(オプション) ボリューム管理ソフトウェアのインストール |
Sun Cluster Support for Oracle Parallel Server/Real Application Clusters でのストレージ管理ソフトウェアのインストール |
データサービスパッケージのインストール |
Sun Cluster Support for Oracle Parallel Server/Real Application Clusters パッケージのインストール |
UNIX Distributed Lock Manager のインストール | |
(必要な場合) Oracle Parallel Server/Real Application Clusters データベース用の共有ディスクグループの作成 |
Oracle Parallel Server/Real Application Clusters データベース用の VxVM 共有ディスクグループの作成 |
Oracle Parallel Server/Real Application Clusters は、2 つ以上のノードで同時に実行できるスケーラブルなアプリケーションです。 Sun Cluster Support for Oracle Parallel Server/Real Application Clusters をインストールする前に、以下に説明する点を考慮してください。
Sun Cluster Support for Oracle Parallel Server/Real Application Clusters は、特殊な特徴をもつ Sun Cluster 高可用性データサービスです。 一連のパッケージから構成されるこのデータサービスをインストールすると、Oracle Parallel Server/Real Application Clusters を Sun Cluster ノードで実行できます。このデータサービスにより、Sun Cluster コマンドを使ってSun Cluster Support for Oracle Parallel Server/Real Application Clusters を管理できます。
Oracle Parallel Server/Real Application Clusters ソフトウェアですでにこの機能を提供しているため、このデータサービスは自動フェイルオーバーまたは障害監視の機能を提供しません。Oracle Parallel Server/Real Application Clusters ソフトウェアは、Sun Cluster Resource Group Manager (RGM) で登録または管理されません。
Sun Cluster の共有ディスクアーキテクチャを使用するように Oracle Parallel Server/Real Application Clusters を設定できます。 この構成では、データベースに同時にアクセスする Oracle Parallel Server/Real Application Clusters の複数のインスタンス間で、単一のデータベースを共有します。クラスタノード間の共有リソースに対するアクセスは、UNIX Distributed Lock Manager (Oracle UDLM) によって制御されます。
インストールを始める前に、以下に説明するハードウェアとソフトウェアの要件に注意してください。
Sun Cluster Support for Oracle Parallel Server/Real Application Clusters をインストールするためには、クラスタに最初のクラスタフレームワークがすでにインストールされ、クラスタが動作している必要があります。クラスタソフトウェアの初期インストールについて詳しくは、『Sun Cluster 3.1 10/03 ソフトウェアのインストール』を参照してください。
クラスタ機能を備えた VERITAS Volume Manager (VxVM)
ハードウェア RAID(redundant array of independent disks)サポート
クラスタファイルシステム
クラスタファイルシステムを使用する場合、次のどちらのボリュームマネージャを使用するかを決めてください。
Solaris Volume Manager
クラスタ機能のない VxVM
ソフトウェアを使用するために必要なライセンスを取得して、インストールしているかを確認します。ライセンスのインストールが不正であったり不完全であったりすると、ノードが異常終了する可能性があります。
たとえば、クラスタ機能を備えた VxVM を使用している場合、以下のコマンドのうちの 1 つを実行して、 Volume Manager クラスタ機能のライセンスをインストールしてあることを確認してください。
Sun Enterprise Services の購入先に、 Sun Cluster Support for Oracle Parallel Server/Real Application Clusters で現在サポートされているトポロジー、クラスタインターコネクト、ストレージ管理スキーマ、およびハードウェア構成について確認します。
Solaris オペレーティング環境、Sun Cluster、Oracle、および使用するボリュームマネージャ用の適用できるソフトウェアパッチをインストールしてあることを確認します。 Sun Cluster Support for Oracle Parallel Server/Real Application Clusters パッチをインストールする必要がある場合は、データサービスをインストールしたあとでこれらのパッチを加えてください。
アプリケーションバイナリファイルおよびアプリケーション構成ファイルは、次のいずれかの場所にインストールできます。
各クラスタノードのローカルディスク。アプリケーションバイナリファイルとアプリケーション構成ファイルを個別のクラスタノード上に置くと、後でデータサービスをシャットダウンせずにアプリケーションをアップグレードできます。
この場合の短所は、アプリケーションバイナリファイルとアプリケーション構成ファイルの複数のコピーを維持し、管理しなければならない点です。
クラスタファイルシステム。アプリケーションバイナリファイルとアプリケーション構成ファイルをクラスタファイルシステム上に置く場合、維持管理するコピーは 1 つだけです。 しかし、アプリケーションをアップグレードするには、クラスタ全体でデータサービスを停止する必要があります。アップグレードする場合に多少の停止時間が生じても構わない場合は、アプリケーションのバイナリファイルとアプリケーション構成ファイルの 1 つのコピーをクラスタファイルシステム上に置きます。
Oracle Parallel Server/Real Application Clusters に関連するすべての以下のクラスタファイルシステムに格納できます。
アプリケーションバイナリファイル
コントロールファイル
データファイル
ログファイル
構成ファイル
redo ログの書込み中の入力/出力 (I/O) パフォーマンスは、redo ログ用のデバイス グループの場所によって影響されます。 パフォーマンスを最適にするために、redo ログ用のプライマリのデバイスグループは、 Oracle Parallel Server/Real Application Clusters データベースインスタンスと同じノード上に置くようにしてください。 このデバイスグループには、データベースインスタンスのオンライン redo ログと保存済み redo ログを保持するクラスタファイルシステムが含まれています。
クラスタファイルシステムの作成方法については、『Sun Cluster 3.1 10/03 ソフトウェアのインストール 』の計画の章を参照してください。
この節では、Sun Cluster Support for Oracle Parallel Server/Real Application Clusters 固有の要件を示します。
Oracle UDLM および Oracle リレーショナルデータベースにどのアーキテクチャを使用するかを決める前に、以下の点に注意してください。
両方の Oracle コンポーネントのアーキテクチャが一致する必要があります。たとえばOracle UDLM に 64 ビットアーキテクチャを使用する場合は、RDBMS にも 64 ビットアーキテクチャを使用する必要があります。
Oracle コンポーネントに 32 ビットアーキテクチャを使用する場合は、それらのコンポーネントが配置されたノードを 32 ビットモードまたは 64 ビットモードのどちらででもブートできます。しかし、Oracle コンポーネントに 64 ビットアーキテクチャを使用する場合は、それらのコンポーネントが配置されたノードを 64 ビットモードでブートする必要があります。
すべてのノードをブートするときは、同じアーキテクチャを使用する必要があります。たとえば、32 ビットアーキテクチャを使用するように 1 つのノードをブートする場合は、全ノードとも 32 ビットを使用するようにブートする必要があります。
次に、データサービスログファイルの場所を示します。
現在のログ: /var/cluster/ucmm/ucmm_reconf.log
以前のログ: /var/cluster/ucmm/ucmm_reconf.log.0 (0, 1,...) – この場所は、Oracle UDLM パッケージによって異なります。
Oracle UDLMログ:/var/cluster/ucmm/dlm_ nodename/logs – この場所に Oracle のログファイルを見つけることができない場合は、Oracle のサポートにお問い合わせください。
Oracle UDLM コアファイル:/var/cluster/ucmm/dlm_ nodename/cores – この場所に Oracle のログファイルを見つけることができない場合は、Oracle のサポートにお問い合わせください。
Oracle Parallel Server/Real Application Clusters 環境では、複数の Oracle インスタンスが協力して同じ共有データベースへのアクセスを提供します。 Oracle クライアントは、任意のインスタンスを使用してデータベースにアクセスできます。したがって、1 つまたは複数のインスタンスで障害が発生しても、クライアントは残りのインスタンスに接続することによって、引き続きデータベースにアクセスできます。
1 つのノードで障害が発生する場合は、ノードをメンテナンスモードでブートし、問題を解決してください。 問題を修正した後、ノードをリブートします。詳しくは、『Sun Cluster 3.1 10/03 のシステム管理』を参照してください。
このデータサービスをインストールする場合、ノードをリブートする前に、Oracle RDBMS ソフトウェアのインストールと Oracle データベースの作成の前のすべての手順を完了してください。これらをすべて実行しないと、ノードはパニックを引き起こします。ノードがパニックを起こした場合は、メンテナンスモードでブートして問題を解決する必要があります。問題を修正した後、ノードをリブートする必要があります。 完了しなければならない手順は、表 2–1 にリストされています。
Oracle Parallel Server/Real Application Clusters のインスタンスを実行するクラスタノードが失敗する場合、クライアントアプリケーションが実行しようとした操作をタイムアウトさせてから、その操作を別のインスタンスでもう一度実行する必要があるかもしれません。 TCP/IP ネットワークのタイムアウトが頻繁に起きる場合、クライアントアプリケーションで障害を検出するのに長時間かかることがあります。通常、クライアントアプリケーションでこの種の障害を検出するのに必要な時間は、3 分から 9 分です。
このような場合、クライアントアプリケーションは、Sun Cluster LogicalHostname リソースを使って、Sun Cluster 上で動作する Oracle Parallel Server/Real Application Clusters データベースに接続できます。 LogicalHostname リソースを Oracle Parallel Server/Real Application Clusters が動作するノード上でマスターされた別のリソースグループで設定できます。 ノードが失敗した場合、LogicalHostname リソースが Oracle Parallel Server/Real Application Clusters を実行する別の動作中のノードで処理を継続します。 LogicalHostname リソースのフェイルオーバーにより、新しい接続を Oracle Parallel Server/Real Application Clusters の他のインスタンスにつなげることができます。
LogicalHostname リソースをこの目的で使用する前に、既存のユーザー接続への LogicalHostname リソースのフェイルオーバーまたはフェイルバックの影響を考慮してください。
Oracle Parallel Fail Safe/Real Application Clusters Guard オプションのインストール、管理および操作については、Oracle のドキュメントを参照してください。 この製品オプションを Sun Cluster 3.1 で使用する場合は、 Sun Cluster 3.1 をインストールする前に、以下で説明する点に注意してください。
Oracle Parallel Fail Safe/Real Application Clusters Guard オプションを Sun Cluster 3.1 で使用する場合、クラスタで使用するホスト名に以下の制限が適用されます。
ホスト名に特殊文字を含めることはできません。
Sun Cluster 3.1 をインストールしたあとでは、ホスト名を変更することはできません。
これらの制限およびその他の要件について詳しくは、Oracle のドキュメントを参照してください。
Sun Cluster 3.1 で Oracle Parallel Fail Safe/Real Application Clusters Guard オプションを使用する場合、以下の操作の実行に Sun Cluster コマンドを使用しないでください。
Oracle Parallel Fail Safe/Real Application Clusters Guard がインストールするリソースの状態の操作。 Sun Cluster コマンドをこの目的で使用すると、障害が起きる可能性があります。
Oracle Parallel Fail Safe/Real Application Clusters Guard がインストールするリソースの状態のクエリ。 出力される状態は実際の状態を示さない可能性があります。Oracle Parallel Fail Safe/Real Application Clusters Guard の状態を確認するには、Oracle が提供するコマンドを使用してください。
Sun Cluster Support for Oracle Parallel Server/Real Application Clusters ディスクの場合、以下の構成を使用してください。
クラスタ機能を備えた VxVM
ハードウェア RAID サポート
クラスタファイルシステム
Sun Cluster Support for Oracle Parallel Server/Real Application Clusters でVxVM ソフトウェアを使用するには、以下のタスクを実行します。
(省略可能) クラスタ機能を備えた VxVM を使用している場合は、VxVM の基本ライセンスの他に Volume Manager クラスタ機能のライセンスを取得します。
VxVM のライセンス要件については、 VxVM のマニュアルを参照してください
Volume Managerクラスタ機能のライセンスを正しくインストールすることに失敗すると、Oracle Parallel Server/Real Application Clusters サポートをインストールするときにパニックが起きる可能性があります。 Oracle Parallel Server/Real Application Clusters パッケージをインストールする前に、vxlicense -pまたはvxlicrepコマンドを実行して、Volume Manager クラスタ機能の有効なライセンスがインストールされていることを確認してください。
VxVM ソフトウェアをクラスタノード上にインストールして設定します。
詳しくは『Sun Cluster 3.1 10/03 ソフトウェアのインストール』の「「VERITAS Volume Manager のインストールと構成 」および VxVM のマニュアルを参照してください。
Sun Cluster Support for Oracle Parallel Server/Real Application Clusters パッケージのインストールに進んで、Sun Cluster Support for Oracle Parallel Server/Real Application Clusters ソフトウェアパッケージをインストールします。
ハードウェア RAID サポートを備えた Sun Cluster Support for Oracle Parallel Server/Real Application Clusters を使用できます。
たとえば、ハードウェア RAID サポートを備えた Sun StorEdgeTM A3500/A3500FC ディスクアレイを VxVM ソフトウェアなしで使用できます。 この組み合わせを使うには、ディスクアレイの論理ユニット番号 (LUN) の先頭に raw デバイス ID (/dev/did/rdsk*) を使用します。 ハードウェア RAID を備えた Sun StorEdge A3500/A3500FC ディスクアレイを使用するクラスタ上に Oracle Parallel Server/Real Application Clusters 用の raw デバイスを設定するには、次の手順が必要です。
ディスクアレイ上に LUN を作成します。
LUN の作成方法については、Sun Cluster のハードウェアマニュアルを参照してください。
LUN を作成したなら、format(1M) コマンドを実行して、ディスクアレイの LUN を必要な数のスライスにパーティション分割します。
次の例は、コマンドの実行結果を示します。
# format 0. c0t2d0 <SUN18G cyl 7506 alt 2 hd 19 sec 248> /sbus@3,0/SUNW,fas@3,8800000/sd@2,0 1. c0t3d0 <SUN18G cyl 7506 alt 2 hd 19 sec 248> /sbus@3,0/SUNW,fas@3,8800000/sd@3,0 2. c1t5d0 <Symbios-StorEDGEA3000-0301 cyl 21541 alt 2 hd 64 sec 64> /pseudo/rdnexus@1/rdriver@5,0 3. c1t5d1 <Symbios-StorEDGEA3000-0301 cyl 21541 alt 2 hd 64 sec 64> /pseudo/rdnexus@1/rdriver@5,1 4. c2t5d0 <Symbios-StorEDGEA3000-0301 cyl 21541 alt 2 hd 64 sec 64> /pseudo/rdnexus@2/rdriver@5,0 5. c2t5d1 <Symbios-StorEDGEA3000-0301 cyl 21541 alt 2 hd 64 sec 64> /pseudo/rdnexus@2/rdriver@5,1 6. c3t4d2 <Symbios-StorEDGEA3000-0301 cyl 21541 alt 2 hd 64 sec 64> /pseudo/rdnexus@3/rdriver@4,2 |
ディスクパーティション情報が失われるのを防ぐために、raw ディスクに使用するディスクスライスのシリンダ 0 でパーティションを開始しないでください。 ディスクのシリンダ 0 にはディスクパーティションテーブルが格納されます。
scdidadm(1M) コマンドを実行して、 手順 1 で作成した LUN に対応する raw デバイス ID (DID) を見つけます。
次の例は、 scdidadm -L コマンドの出力の例を示しています。
# scdidadm -L 1 phys-schost-1:/dev/rdsk/c0t2d0 /dev/did/rdsk/d1 1 phys-schost-2:/dev/rdsk/c0t2d0 /dev/did/rdsk/d1 2 phys-schost-1:/dev/rdsk/c0t3d0 /dev/did/rdsk/d2 2 phys-schost-2:/dev/rdsk/c0t3d0 /dev/did/rdsk/d2 3 phys-schost-2:/dev/rdsk/c4t4d0 /dev/did/rdsk/d3 3 phys-schost-1:/dev/rdsk/c1t5d0 /dev/did/rdsk/d3 4 phys-schost-2:/dev/rdsk/c3t5d0 /dev/did/rdsk/d4 4 phys-schost-1:/dev/rdsk/c2t5d0 /dev/did/rdsk/d4 5 phys-schost-2:/dev/rdsk/c4t4d1 /dev/did/rdsk/d5 5 phys-schost-1:/dev/rdsk/c1t5d1 /dev/did/rdsk/d5 6 phys-schost-2:/dev/rdsk/c3t5d1 /dev/did/rdsk/d6 6 phys-schost-1:/dev/rdsk/c2t5d1 /dev/did/rdsk/d6 |
scdidadm(1M) の出力が示す DID を使用して、raw デバイスを設定します。
たとえば、scdidadm の出力によって、ディスクアレイの LUN に対応する raw DID が d4 であることがわかったとします。この場合には、/dev/did/rdsk/d4sNraw デバイスを使用します。ここで、N はスライス番号です。
Sun Cluster Support for Oracle Parallel Server/Real Application Clusters パッケージのインストールに進んで、Sun Cluster Support for Oracle Parallel Server/Real Application Clusters ソフトウェアパッケージをインストールします。
クラスタファイルシステムを作成して、マウントします。
クラスタファイルシステムの作成とマウントの方法については、『Sun Cluster 3.1 10/03 ソフトウェアのインストール』の「クラスタの構成」を参照してください。
/etc/vfstab ファイルにマウントポイントのエントリを追加する場合は、さまざまな タイプの Oracle ファイル用の UFS ファイルシステム固有のオプションを設定します。
次の表を参照してください。
ファイルタイプ |
オプション |
---|---|
global 、logging、forcedirectio |
|
global、logging |
Sun Cluster Support for Oracle Parallel Server/Real Application Clusters パッケージのインストール に進んで、Sun Cluster Support for Oracle Parallel Server/Real Application Clusters ソフトウェアパッケージをインストールします。
Sun Cluster の初期インストール中に Sun Cluster Support for Oracle Parallel Server/Real Application Clusters をインストールしなかった場合、この手順を実行して、パッケージをインストールします。 Sun Cluster Support for Oracle Parallel Server/Real Application Clusters を実行できるすべてのクラスタノードで、この手順を実行してください。この手順を実行するには、Sun Cluster 3.1 10/03 CD-ROM が必要です。
以下のインストールツールの 1 つを使って、Sun Cluster Support for Oracle Parallel Server/Real Application Clusters パッケージをインストールします。
Web Start プログラム
pkgadd ユーティリティ
インストール前に準備作業を行う必要があるため、scinstall(1M) ユーティリティーはデータサービスパッケージの自動インストールをサポートしていません。
コマンド行インタフェース (CLI) またはグラフィカルユーザーインタフェース (GUI) を使って、 Web Start プログラムをインストールできます。 CLI と GUI の命令のシーケンスは似ています。 Web Start プログラムについて詳しくは、installer(1M) のマニュアルページを参照してください。
Sun Cluster Support for Oracle Parallel Server/Real Application Clusters パッケージをインストールするクラスタノード上でスーパーユーザーになります。
(省略可能) Web Start プログラムを GUI で実行する場合は、DISPLAY
環境変数が設定されていることを確認してください。
CD-ROM ドライブに Sun Cluster 3.1 10/03 CD-ROM を挿入します。
ボリューム管理デーモン vold(1M) が実行されており、CD-ROM デバイスを管理するように構成されている場合は、CD-ROM は自動的に /cdrom/suncluster_3_1_u1 ディレクトリにマウントされます。
CD-ROM のルートディレクトリに移動します。
このディレクトリに Web Start プログラムがあります。
# cd /cdrom/suncluster_3_1_u1 |
Web Start プログラムを開始します。
# ./installer |
インストールの種類の選択を求めるプロンプトが表示されたら、「カスタム」を選択します。
プロンプトが表示されたら、インストールする Sun Cluster サポートのコンポーネントを選択します。
インストールするコンポーネントは、使用しているストレージ管理スキーマによって異なります。
クラスタ機能を備えた VxVM をインストールしている場合は、「Sun Cluster Oracle OPS/RAC Veritas VxVM Support」を選択します。
ハードウェア RAID サポートを使用する場合は、「 Sun Cluster Oracle OPS/RAC Hardware RAID Support」を選択します。
クラスタファイルシステムを使用している場合は、「Sun Cluster Oracle OPS/RAC Base Support」を選択します。
他のコンポーネントが選択されていないことを確認します。
画面の指示に従って、Sun Cluster Support for Oracle Parallel Server/Real Application Clusters パッケージをノードにインストールします。
インストールが終了すると、Web Start プログラムによって、インストールの概要が表示されます。この概要によって、Web Start プログラムがインストール中に作成したログを参照できます。これらのログは、/var/sadm/install/logs ディレクトリにあります。
Web Start プログラムを終了します。
CD-ROM ドライブから Sun Cluster 3.1 10/03 CD-ROM を取り出します。
Oracle UDLM のインストール に進んで Oracle UDLM をインストールします。
CD-ROM ドライブに Sun Cluster 3.1 10/03 CD-ROM を挿入します。
スーパーユーザーになります。
現在の作業ディレクトリを使用しているバージョンの Solaris オペレーティング環境のパッケージを含むディレクトリに変更します。
Solaris 8 を使用している場合は、次のコマンドを実行します。
# cd /cdrom/suncluster_3_1_u1/SunCluster_3.1/Sol_8/Packages |
Solaris 9 を使用している場合は、次のコマンドを実行します。
# cd /cdrom/suncluster_3_1_u1/SunCluster_3.1/Sol_9/Packages |
Sun Cluster Support for Oracle Parallel Server/Real Application Clusters を実行できる各クラスタノードで、必要なソフトウェアパッケージの内容を CD-ROM からノードに移します。
必要なソフトウェアパッケージは、使用しているストレージ管理スキーマによって異なります。
ノードをリブートする前に、Oracle UDLM ソフトウェアを正しくインストールして設定してあることを確認してください。 詳細については、Oracle UDLM のインストールを参照してください。さらに、ボリュームマネージャパッケージのインストールも正しく行われているか確認してください。VxVM を使用する予定がある場合は、ソフトウェアを正しくインストールしてあることを確認し、また、VxVM クラスタ機能用のライセンスが有効であることを確認してください。 正しく構成されていないと、ノードでパニックが発生します。
Oracle UDLM のインストールに進んで Oracle UDLM をインストールします。
Oracle UDLM のインストールには、以下の作業があります。
ノードの準備
IOracle UDLM ソフトウェアのインストール
Oracle UDLM ソフトウェアが正しく動作するためには、すべてのクラスタノードに十分な共有メモリーが必要です。インストール手順については、Oracle Parallel Server/Real Application Clusters の CD-ROM を参照してください。Sun Cluster ノードを準備するため、次の作業が終了しているかを確認してください。
Oracle ユーザーアカウントとデータベース管理グループが正しく設定されているか。
Oracle UDLM の共有メモリー要件をサポートするようにシステムが構成されているか。
次の手順は、各クラスタノードでスーパーユーザーで実行してください。
各ノード上で、/etc/group ファイルにデータベース管理者グループ用のエントリを作成し、このグループに潜在的なユーザーを追加します。
通常、このグループの名前は、dba です。 root および oracle が dba グループのメンバーであることを確認し、必要に応じて他のデータベース管理者 (DBA) ユーザーのエントリを追加します。 グループ ID が Sun Cluster Support for Oracle Parallel Server/Real Application Clusters を実行するすべてのノードで同じであるかを確認します。たとえば、次のエントリを /etc/group ファイルに追加します。
dba:*:520:root,oracle |
ネットワークネームサービス内に、ネットワーク情報サービス (NIS) や NIS+ などのネームサービスのエントリを作成して、データサービスのクライアントに情報を提供できます。また、ローカルの /etc ファイルにエントリを作成し、ネットワークネームサービスに依存しないようにできます。
各ノード上で、/etc/passwd ファイルに Oracle ユーザー ID 用のエントリ (グループおよびパスワード) を作成し、pwconv( 1M) コマンドを実行して、 /etc/shadow ファイルにエントリを作成します。
通常、Oracle ユーザー ID は、oracle です。たとえば、次のエントリを /etc/passwd ファイルに追加します。
# useradd -u 120 -g dba -d /oracle-home oracle |
ユーザー ID が Sun Cluster Support for Oracle Parallel Server/Real Application Clusters を実行するすべてのノードで同じであるかを確認します。
Oracle Parallel Server/Real Application Clusters 用のクラスタ環境を設定したあと、Oracle UDLM ソフトウェアをインストールするへ移動して各クラスタノードに Oracle UDLM ソフトウェアをインストールします。
Oracle UDLM ソフトウェアは、各ノードのローカルディスクにインストールする必要があります。
Oracle UDLM ソフトウェアをインストールする前に、データベース管理者グループと Oracle ユーザー ID のエントリが作成済みであるかを確認してください。詳しくは、Sun Cluster ノードを準備するを参照してください。
クラスタノード上にインストールするクラスタノード上でスーパーユーザーになります。
Oracle UDLM ソフトウェアをインストールします。
インストール手順については、Oracle Parallel Server/Real Application Clusters のインストールマニュアルを参照してください。
Oracle UDLM パッケージをインストールした時にエラーメッセージが発生していないかを確認してください。パッケージのインストールでエラーが発生した場合は、Oracle UDLM ソフトウェアをインストールする前に問題を解決してください。
/etc/system ファイルを共有メモリの設定情報で更新します。
これらのパラメータは、クラスタで利用可能なリソースにもとづいて構成する必要があります。適切な値を決定してください。ただし、Oracle UDLM がその構成要件に従って、共有メモリセグメントを作成できることを確認してください。
次に、/etc/system ファイルで構成するエントリの例を示します。
*SHARED MEMORY/ORACLE set shmsys:shminfo_shmmax=268435456 set semsys:seminfo_semmap=1024 set semsys:seminfo_semmni=2048 set semsys:seminfo_semmns=2048 set semsys:seminfo_semmsl=2048 set semsys:seminfo_semmnu=2048 set semsys:seminfo_semume=200 set shmsys:shminfo_shmmin=200 set shmsys:shminfo_shmmni=200 set shmsys:shminfo_shmseg=200 |
Oracle UDLM ソフトウェアがインストールされている各ノードをシャットダウンして、リブートします。
リブートする前に、Oracle UDLM ソフトウェアを正しくインストールして設定してあることを確認してください。 さらに、ボリュームマネージャパッケージのインストールも正しく行われているか確認してください。VxVM を使用する場合は、ソフトウェアが正しくインストールされていること、また、VxVM クラスタ機能用のライセンスが有効であることを確認してください。 正しく構成されていないと、ノードでパニックが発生します。
詳しい手順については、『Sun Cluster 3.1 10/03 のシステム管理』の「1 つのクラスタノードの停止と起動」を参照してください。
Oracle UDLM ソフトウェアを各クラスタノードにインストールしたあと、次の手順は使用するストレージ管理スキーマによって異なります。
クラスタファイルシステムなしで、VxVM を使用している場合は、Oracle Parallel Server/Real Application Clusters データベース用の VxVM 共有ディスクグループの作成 に進んで、Oracle Parallel Server/Real Application Clusters データベース用の共有ディスクグループを作成します。
それ以外の場合は、Sun Cluster Support for Oracle Parallel Server/Real Application Clusters の登録および設定に進んで、Sun Cluster Support for Oracle Parallel Server/Real Application Clusters を登録し、設定します。
この作業は、クラスタファイルシステムのない VxVM を使用している場合にだけ実行してください。
VxVM をクラスタファイルシステムなしで使用している場合、VxVM には、Oracle Parallel Server/Real Application Clusters データベースで使用するための共有ディスクグループが必要です。
Oracle Parallel Server/Real Application Clusters データベース用の VxVM 共有ディスクグループを作成する前に、以下の点に注意してください。
共有ディスクグループを使用するのは、raw データファイルだけなので、このディスクグループ内にファイルシステムを作成しないでください。
共有ディスクグループに追加するディスクは、すべてのクラスタノードに直接接続する必要があります。
VxVM ライセンスが現在有効な状態であるかを確認します。ライセンスの期限が切れている場合は、ノードにパニックが起こります。
VxVM 共有ディスクグループ作成用に提供されている VERITAS コマンドを使用します。
VxVM 共有ディスクグループについては、VxVM のマニュアルを参照してください。
Oracle Parallel Server/Real Application Clusters データベース用の共有ディスクグループを作成したら、Sun Cluster Support for Oracle Parallel Server/Real Application Clusters の登録および設定に進んで Sun Cluster Support for Oracle Parallel Server/Real Application Clusters を登録し、設定してください。