Sun Cluster 3.1 Data Service for Oracle ガイド

カスタムアクションファイルのフォーマット

カスタムアクションファイルは、プレーンテキストファイルです。このファイルに、Sun Cluster HA for Oracle サーバー障害モニターのカスタム動作を定義したエントリを 1 つ以上登録します。エントリごとに、個々の DBMS エラー、個々のタイムアウトエラー、または複数の記録対象警告に対応するカスタム動作を定義します。カスタムアクションファイルに指定できるエントリの最大数は 1024 です。


注 –

カスタムアクションファイルの各エントリを使用して、エラーの事前設定アクションを変更するか、アクションが事前設定されていないエラーに対してアクションを指定します。カスタムアクションファイルには、変更する事前設定アクションまたはアクションが事前設定されていないエラーに対応するエントリだけを指定します。変更不要なアクションに対応するエントリは作成 しないでください。


カスタムアクションファイルのエントリは、セミコロンで区切ったキーワードと値のペアです。1 つのエントリを中括弧で囲みます。

カスタムアクションファイルのエントリの書式は、次のとおりです。

{
[ERROR_TYPE=DBMS_ERROR|SCAN_LOG|TIMEOUT_ERROR;]
ERROR=error-spec; 
[ACTION=SWITCH|RESTART|STOP|NONE;]
[CONNECTION_STATE=co|di|on|*;]
[NEW_STATE=co|di|on|*;]
[MESSAGE="message-string"]
}

キーワードと値のペアの間とエントリの間で空白を使用してファイルをフォーマットできます。

カスタムアクションファイルのキーワードの意味と指定できる値は、次のとおりです。

ERROR_TYPE

サーバー障害モニターが検出したエラーのタイプ。 このキーワードに対して指定できる値は、次のとおりです。

DBMS_ERROR

DBMS エラーであることを指定します。

SCAN_LOG

エラーが警告ログファイルに記録される警告であることを指定します。

TIMEOUT_ERROR

タイムアウトであることを指定します。

ERROR_TYPE キーワードは省略可能です。このキーワードを省略した場合は、DBMS エラーとみなされます。

ERROR

エラーを特定します。データ型と error-spec の意味は、次の表に示すように、ERROR_TYPE キーワードの値によって決まります。

ERROR_TYPE

データ型 

意味 

DBMS_ERROR

Integer

Oracle が生成する DBMS エラーのエラー番号 

SCAN_LOG

引用符で囲まれた正規表現 

Oracle が Oracle 警告ログファイルに記録するエラーメッセージの文字列 

TIMEOUT_ERROR

Integer

サーバー障害モニターを最後に起動または再起動して以来、検証のタイムアウトが連続して発生した回数 

ERROR キーワードは、指定する必要があります。このキーワードを省略した場合、カスタムアクションファイルのエントリは無視されます。

ACTION

エラーに対してサーバー障害モニターが実行するアクションを指定します。このキーワードに対して指定できる値は、次のとおりです。

NONE

サーバー障害モニターはエラーを無視します。

STOP

サーバー障害モニターは停止します。

RESTART

サーバー障害モニターは、SUNW.oracle_server リソースの Restart_type 拡張プロパティの値によって指定されたエンティティを停止して再起動します。

SWITCH

サーバー障害モニターは、データベースサーバーリソースグループを別のノードに切り替えます。

ACTION キーワードは省略可能です。このキーワードを省略した場合、サーバー障害モニターはエラーを無視します。

CONNECTION_STATE

エラー検出時の、データベースとサーバー障害モニター間の接続状態を指定します。エントリが適用されるのは、エラー検出時に接続が指定した状態になっていた場合だけです。このキーワードに対して指定できる値は、次のとおりです。

*

接続の状態に関係なく、常にエントリが適用されます。

co

エントリは、サーバー障害モニターがデータベース接続を試行中の場合に限り、適用されます。

on

エントリは、サーバー障害モニターがオンラインの場合に限り、適用されます。データベースに接続している場合、サーバー障害モニターはオンラインです。

di

エントリは、サーバー障害モニターがデータベースから切り離されている場合に限り、適用されます。

CONNECTION_STATE キーワードは省略可能です。このキーワードを省略した場合は、接続の状態に関係なく、常にエントリが適用されます。

NEW_STATE

エラーの検出後、データベースとサーバー障害モニター間で維持する必要がある接続状態を指定します。このキーワードに対して指定できる値は、次のとおりです。

*

接続の状態を現状維持する必要があることを指定します。

co

サーバー障害モニターはデータベースを切断し、ただちにデータベースに再接続する必要があります。

di

サーバー障害モニターはデータベースを切り離す必要があります。サーバー障害モニターは、次回、データベースを検証するときに再接続します。

NEW_STATE キーワードは省略可能です。このキーワードを省略した場合、データベースの接続状態はエラー検出後も変化しません。

MESSAGE

エラーが検出されたときに、リソースのログファイルに出力する追加のメッセージを指定します。メッセージは二重引用符で囲む必要があります。このメッセージは、エラーに対して定義された標準メッセージに追加されます。

MESSAGE キーワードは省略可能です。このキーワードを省略すると、エラーが検出された場合でも、追加のメッセージはリソースのログファイルに出力されません。