この節では、クラスタ管理の準備を整える上で必要な作業について説明します。
Sun Cluster ハードウェア構成は時とともに変化していくので、サイトに固有なハードウェアの特徴は記録しておきます。クラスタを変更または更新したときに、このハードウェアの記録を参照することで、管理時間を節約できます。また、さまざまなクラスタ構成要素間のケーブルや接続部にラベルを付けておくと、管理作業が簡単になります。
また、元のクラスタ構成とその後の変更を記録しておくと、サン以外のサービスプロパイダがクラスタをサービスする時間を節約できます。
管理コンソールと呼ばれる専用の SPARC ワークステーションを使用して動作中のクラスタを管理できます。通常は、Cluster Control Panel (CCP) と、グラフィカルユーザーインターフェース(GUI) ツールを管理コンソールにインストールして実行します。CCP の詳細については、クラスタに遠隔ログインするを参照してください。Sun Management Center および SunPlex Manager の GUI ツールをインストールする方法については、『 Sun Cluster 3.1 10/03 ソフトウェアのインストール』を参照してください。
管理コンソールはクラスタノードではありません。管理コンソールは、パブリックネットワークまたはネットワークベースの端末集配信装置 (コンセントレータ) を通じてクラスタノードに遠隔アクセスするために使用します。
クラスタが Sun Enterprise TM 10000 サーバーで構成されている場合、管理コンソールからシステムサービスプロセッサ (SSP) にログインする必要があります。さらに、netcon(1M) コマンドを使用して接続する必要があります。netcon が Sun Enterprise 10000 ドメインと接続する場合デフォルトは、ネットワークインタフェースを経由する方法を使用します。ネットワークにアクセスできない場合は、-f オプションを使用するか、通常の netcon セッション中に ~* を送信し、netcon を「排他モード」で使用できます。どちらの解決方法でも、ネットワークにアクセスできなくなった場合には、シリアルインタフェースに切り換えることができます。詳細については、netcon(1M) のマニュアルページを参照してください。
Sun Cluster には、専用の管理コンソールは必要ありませんが、専用コンソールを使用すると、次の利点が得られます。
コンソールと管理ツールを同じマシンにまとめることで、クラスタ管理を一元化できます。
システム管理者や保守担当者がすみやかに問題を解決できるようになる可能性があります。
定期的にクラスタのバックアップを行うことは重要です。Sun Cluster は HA 環境を備えており、データのミラー化されたコピーを記憶装置に保存していますが、これが定期的なバックアップの代わりになるとは考えないでください。Sun Cluster は複数の障害に耐えることができますが、ユーザーやプログラムのエラー、あるいは、致命的な障害には対処できません。したがって、データ損失に対する保護のために、バックアップ手順を用意しておいてください。
次の情報もバックアップしてください。
すべてのファイルシステムのパーティション
DBMS データサービスを実行している場合は、すべてのデータベースのデータ
すべてのクラスタディスクのディスクパーティション情報
md.tab ファイル (ボリュームマネージャとして Solstice DiskSuite または Solaris Volume Manager を使用している場合)