Sun Cluster 3.1 10/03 データサービス開発ガイド

リソースグループプロパティ

以下の表に、Sun Cluster によって定義されるリソースタイププロパティを示します。プロパティ値は、次のように分類されます (「カテゴリ」列)。

「更新の可否」列は、初期設定後に、そのプロパティが更新可能かどうかを示してい ます。

表 A–3 リソースグループプロパティ

プロパティ名 

説明 

更新の可否 

概要 

Auto_start_on_new_cluster (ブール値)

このプロパティを使用すると、新しいクラスタを形成するとき、Resource Group の自動起動を無効にすることができます。 

 

デフォルトは TRUE です。TRUE の場合、クラスタが再起動するとき、Resource Group Manager はリソースグループを自動的に起動して、Desired_primaries を有効にしようと試みます。FALSE に設定されている場合、クラスタのすべてのノードが同時に再起動したとき、Resource Group Manager はリソースグループを自動的に起動しません。

可 

任意 

Desired_ primaries (整数)

グループが同時にオンラインになることができるノードの数。 

デフォルトは 1 です。RG_mode プロパティが Failover の場合、このプロパティの値を 1 より大きく設定することはできません。RG_mode プロパティが Scalable の場合は、1 より大きな値を設定できます。

可 

任意 

Failback (ブール値)

クラスタメンバーシップが変更されたとき、グループがオンラインになるノードセットを再計算するかどうかを指定するブール値。再計算により、RGM は優先度の低いノードをオフラインにし、優先度の高いノードをオンラインにすることができます。 

デフォルトは、False です。

可 

任意 

Global_ resources_ used (文字配列)

クラスタファイルシステムがこのリソースグループ内のリソースによって使用されるかどうかを指定します。管理者はアスタリスク (*) か空文字列 (“”) を指定できます。すべてのグローバルリソースを指定するときはアスタリスク、グローバルリソースを一切指定しない場合は空文字列を指定します。 

デフォルトでは、すべての広域リソースです。 

可 

任意 

Implicit_network_dependencies (ブール値)

True の場合に、グループ内のネットワークアドレスリソースに対し、非ネットワークアドレスリソースの暗黙の強い依存性を RGM が強制することを指定するブール値。ネットワークアドレスリソースには、論理ホスト名と共有アドレスリソース型があります。

スケーラブルリソースグループの場合、ネットワークアドレスリソースを含んでいないため、このプロパティは効果がありません。 

デフォルトは、True です。

可 

任意 

Maximum_ primaries (整数)

グループが同時にオンラインになることのできるノードの最大数。 

デフォルトは 1 です。RG_mode プロパティが Failover の場合、このプロパティの値を 1 より大きく設定することはできません。RG_mode プロパティが Scalable の場合は、1 より大きな値を設定できます。

可 

任意 

Nodelist (文字配列)

優先順位に従ってグループをオンラインにできるクラスタノードのリスト。これらのノードは、リソースグループの潜在的主ノードまたはマスターです。 

デフォルトは、すべてのクラスタノードのリストになります。 

可 

任意 

Pathprefix (文字列)

グループ内のリソースが書き込めるクラスタファイルシステムにあるディレクトリは、重要な管理ファイルを書き込めます。一部のリソースの必須プロパティです。各リソースグループの Pathprefix は、一意にする必要があります。

デフォルトは空の文字列です。 

可 

任意 

Pingpong_ interval (整数)

再構成が生じた場合、あるいは scha_control -O GIVEOVER コマンドまたは SCHA_GIVEOVER 引数が指定された scha_control() 関数の実行結果として、どのノードでリソースグループをオンラインにするかを判断するときに RGM が使用する負以外の整数値 (秒)。

再構成において、リソースの Start または Prenet_start メソッドがゼロ以外の値で終了、またはタイムアウトによって終了したことが原因で、Pingpong_interval で指定した秒数内に、リソースグループをオンラインにするのを 2 回以上失敗した場合、RGM はそのノードはリソースグループのホストとして不適切だと判断し、別のマスターを探します。

リソースの scha_control コマンドまたは scha_control() 関数の呼び出しの場合、特定のノード上で Pingpong_interval 秒以内にリソースグループがオフラインにならないと、このノードはリソースグループのホストとして不適切と判断され、別のノードから scha_control() が呼び出されます。

デフォルト値は、3,600 秒 (1 時間) です。 

可 

任意 

Resource_ list (文字配列)

グループに含まれるリソースのリスト。管理者はこのプロパティを直接設定しません。このプロパティは、管理者がリソースグループにリソースを追加したり、リソースを削除したときに、RGM によって更新されます。 

デフォルトは、空のリストです。 

不可 

照会のみ 

RG_ description (文字列)

リソースグループの簡単な説明。 

デフォルトは空の文字列です。 

可 

任意 

RG_mode (列挙)

リソースグループがフェイルオーバーグループかスケーラブルグループかを指定します。このプロパティの値が Failover の場合、RGM はグループの Maximum_primaries プロパティを 1 に設定し、そのリソースグループをマスターするのを単一のノードに制限します。

このプロパティの値が Scalable の場合、RGM は Maximum_primaries プロパティが 1 より大きい値を持つことを許可し、複数のノードで同時にそのグループをマスターできるようにします。Failover プロパティの値が True のリソースを、RG_mode の値が Scalable のリソースグループに追加することはできません。

Maximum_primaries に 1 が設定されている場合のデフォルトは、Failover です。Maximum_primaries に 2 以上が設定されている場合のデフォルトは、Scalable です。

不可 

任意 

RG_name (文字列型)

リソースグループの名前。この名前は、クラスタ内で一意のものでなければなりません。 

不可 

必須 

RG_project_name (文字列)

リソースグループに関連付けられた Solaris プロジェクト名。このプロパティは、CPU の共有、クラスタデータサービスのリソースプールといった Solaris のリソース管理機能に適用できます。RGM は、リソースグループをオンラインにするとき、Resource_project_name プロパティセットを持たないリソースに対して、このプロジェクトで関連付けられたプロセスを起動します。プロジェクトデータベース内に存在するプロジェクト名を指定する必要があります。また、root ユーザーは、このプロジェクトのメンバーとして構成されている必要があります。

このプロパティは Solaris 9 以降でサポートされます。 


注 –

このプロパティへの変更を有効にするには、リソースを再起動する必要があります。


任意の時点 (Anytime) 

必須 

各クラスタノードの RG_state (列挙)

RGM によって OnlineOfflinePending_onlinePending_offlinePending_online_blockedError_stop_failed、または Online_faulted に設定され、各クラスタノード上のグループの状態を示します。

このプロパティは、ユーザーは構成できません。しかし、scswitch(1M) を呼び出すことによって (あるいは同等の scsetup(1M) か SunPlex Manager コマンドを使用して) このプロパティを間接的に設定することは可能です。

不可 

照会のみ