Sun Cluster データサービス開発ガイド (Solaris OS 版)

RTR ファイルの拡張プロパティ

次に、RTR ファイルの最後の例として、拡張プロパティを示します。

# 拡張プロパティ

# クラスタ管理者は、このプロパティの値として、アプリケーションによって
# 使用される構成ファイルが格納されているディレクトリのパスを指定する。
# このアプリケーション (DNS) は、PXFS 上の DNS 構成ファイルのパス(通常
# named.conf) のパスを指定する。
{
   PROPERTY = Confdir;
   EXTENSION;
   STRING;
   TUNABLE = AT_CREATION;
   DESCRIPTION = ”The Configuration Directory Path”;
}

# 検証の失敗が宣言されるまでのタイムアウト値(秒)。
{
        PROPERTY = Probe_timeout;
        EXTENSION;
        INT;
        DEFAULT = 120;
        TUNABLE = ANYTIME;
        DESCRIPTION = ”Time out value for the probe (seconds)”;
}

サンプルの RTR ファイルは 2 つの拡張プロパティ、ConfdirProbe_timeout を定義します。 Confdir は、DNS 構成ディレクトリへのパスを指定します。 このディレクトリには、DNS が正常に動作するために必要な in.named ファイルが格納されています。 サンプルのデータサービスの StartValidate メソッドはこのプロパティを使用し、DNS を起動する前に、構成ディレクトリと in.named ファイルがアクセス可能であるかどうかを確認します。

データサービスが構成されるとき、Validate メソッドは、新しいディレクトリがアクセス可能であるかどうかを確認します。

サンプルのデータサービスの PROBE メソッドは、Sun Cluster コールバックメソッドではなく、ユーザー定義メソッドです。 したがって、Sun Cluster は この Probe_timeout プロパティを提供しません。 開発者はこの拡張プロパティを RTR ファイルに定義し、クラスタ管理者が Probe_timeout の値を構成できるようにする必要があります。