Sun Cluster Data Service for Sun Java System Application Server ガイド (Solaris OS 版)

マルチマスター構成の概要

同時に複数のノード上でマスターされるように、Sun Cluster HA for Sun Java System Application Server を設定することもできます。 マルチマスター構成では、フロントエンドの Web 層を使用してアプリケーションサーバーに要求を振り分けることによって、スケーラビリティが得られます。 アプリケーションサーバーが提供するパススループラグインをフロントエンドの Web 層とともに使用して、稼働している Sun Java System Application Server インスタンスの 1 つに要求を転送する必要があります。

論理ホスト名で待ち受けるクラスタ上で動作するように、高可用性 Sun Java System Web Server を構成します。 Web 層がアプリケーションサーバーと同じクラスタで動作する場合は、クラスタのプライベート IP アドレスに要求が渡されるように、プラグインを構成する必要があります。 Sun Java System Web Server インスタンスが別のクラスタで動作するように構成することもできます。 Web 層が別個のクラスタで動作している場合は、Sun Java System Application Server リソースを実行できるクラスタメンバーの物理ホスト名に要求が渡されるように、プラグインを構成します。 物理ホスト名の一例は phys-schost-1 です。

複数のノードでマスターされる Sun Cluster HA for Sun Java System Application Server 構成の場合、プライベートインタコネクトを使用して、Sun Java System Web Server と Sun Java System Application Server 間でトラフィックを転送できます。


注 –

同時に複数のノードでマスターされるデータサービスとして Sun Cluster HA for Sun Java System Application Server を構成する場合、Sun Java System Web Server をインストールして構成する必要があります。 すべてのクラスタノードで同じ Sun Java System Web Server 構成を使用する必要があります。


Sun Java System Application Server の複数のインスタンス間では、負荷を分散できます。 負荷を分散できるようにするには、Sun Java System Application Server のプラグインを Sun Java System Web Server 構成に読み込みます。 Sun Java System Application Server のフロントエンドとして使用する場合、フェイルオーバーリソースまたはスケーラブルリソースとして Sun Java System Web Server を構成できます。

Sun Java System Application Server インスタンスは、HTTP リスナーが Sun Java System Application Server のデフォルトであるすべてのインタフェース (0.0.0.0) で待ち受けることができるように、構成されます。


注 –

複数のノードでマスターされるデータサービスの場合、 IIOP リスナーの可用性は高くなりません。


次の図に、同時に 2 ノードでリソースをマスターする Sun Java System Application Server の構成を示します。

図 1–2 マルチノード上でデータサービスをマスターする 2 ノードクラスタ

イラスト: この図については、前の本文中で説明しています。