この手順は、scrgadm コマンドを使用して、一度に複数のノードでマスターされるリソースとして Sun Cluster HA for Sun Java System HADB を登録して構成します。
データサービスの登録と構成を可能にする追加オプションの詳細は、『Sun Cluster データサービスの計画と管理 (Solaris OS 版)』の「データサービスリソースを管理するためのツール」を参照してください。
この手順を実行するには、構成に関する次の情報が必要になります。
SUNW.hadb である Sun Cluster HA for Sun Java System HADB のリソースタイプの名前
データサービスをマスターできるクラスタノードの名前
次の手順に従って構成を行います。 拡張プロパティの説明は、表 1–2 を参照してください。
クラスタメンバー上でスーパーユーザーになります。
Sun Java System HADB のリソースタイプを登録します。
# scrgadm -a -t SUNW.hadb |
Sun Java System HADB のリソースグループを作成します。
# scrgadm -a -g resource_group \ -y Maximum_primaries=nodes_in_rg \ -y Desired_primaries=nodes_in_rg \ -h nodelist |
作成するリソースグループを指定します。
作成するリソースグループの名前を指定します。
リソースを起動できる最大ノード数を指定します。 Desired_primaries プロパティの値と同じ数を指定する必要があります。
リソースを起動する希望ノード数を指定します。 Maximum_primaries プロパティの値と同じ数を指定する必要があります。
コンマで区切られた Sun Java System HADB を実行するクラスタノードのサブセットを指定します。 このオプションを省略すると、すべてのクラスタノードで Sun Java System HADB が実行されます。 scconf -p | less コマンドを使用して、ノードリスト名を検索します。
自動検出機能付きまたは自動検出機能なしで、Sun Java System HADB リソースを作成します。
自動検出機能が不要な場合は、次のコマンドを実行します。
# scrgadm -a -j resource -g resource_group -t SUNW.hadb \ -x Confdir_list=config_directory_list \ -x HADB_ROOT=install_directory \ -x DB_name=database_name |
作成するデータサービスリソースを指定します。
作成中のリソースの名前に resource を指定します。
リソースを resource_group という名前のリソースグループに追加するように指定します。
事前に定義したリソースタイプ名を指定します。
構成ディレクトリへのパスを指定します。
インストールディレクトリを指定します。
HADB データベースの名前を指定します。
自動検出機能を使用する場合は、次のコマンドを実行します。
# scrgadm -a -j resource -g resource_group -t SUNW.hadb \ -x Confdir_list=config_directory_list \ -x HADB_ROOT=install_directory \ -x DB_name=database_name \ -x Auto_recovery=true \ -x Auto_recovery_command=command \ -x DB_password_file=password_file |
自動検出機能を使用することを指定します。
データベースの検出後に実行するコマンドを指定します。 この拡張プロパティは、Auto_recovery プロパティの値に関わらず任意です。
HADB がデータベースパスワードを読み出すファイルを指定します。 パスワードファイルのフォーマットと内容については、『Sun Java System Application Server 7 管理者ガイド』を参照してください。
自動検出コマンドとデータベースパスワードファイルは両方、各ノードのローカルファイルシステムになければなりません。
# scswitch -Z -g resource_group |
リソースとそのモニターを有効にします。
有効になっているアプリケーションリソースグループの名前を指定します。
リソースグループと HADB リソースがオンラインであることを確認します。
# scstat -g # ps -ef |
Sun Cluster HA for HADB を正しくインストールして構成できたことを確認するために、次のコマンドを実行します。
# hadbm status database_name --nodes |
指定したデータベースを実行中であることが出力されるはずです。
自動検出機能付き SUNW.hadb リソースの作成を次の例で示します。
scrgadm -a -j hadb-rs -g hadb-rg -t SUNW.hadb \ -x Confdir_list=/etc/opt/SUNWhadb/dbdef/hadb \ -x HADB_ROOT=/opt/SUNWappserver7/SUNWhadb/4 \ -x DB_name=hadb \ -x Auto_recovery=true \ -x Auto_recovery_command=/usr/local/etc/create-session-store \ -x DB_password_file=/usr/local/etc/hadb-password-file |
上の例のリソースには、次の特徴があります。
このリソースの名前は hadb-rs です。
このリソースは、hadb-rg という名前のリソースグループのメンバーです。
このリソースは、SUNW.hadb リソース型のインスタンスです。 この例には、このリソース型の登録はありません。
構成ディレクトリの場所は、/etc/opt/SUNWhadb/dbdef/hadb です。
インストールディレクトリの場所は、/opt/SUNWappserver7/SUNWhadb/4 です。
このリソースと関連する HADB データベースインスタンスの名前は、hadb です。
自動検出機能はオンになっています。
自動検出後に実行されるコマンドのフルパスは、/usr/local/etc/create-session-store です。
HADB のパスワードファイルは /usr/local/etc/hadb-password-file です。