Sun Cluster ソフトウェアのインストール (Solaris OS 版)

フェイルオーバーとスイッチオーバーの処理例

この節では、スイッチオーバーをどのように開始するかと、アプリケーションがどのように二次クラスタに転送されるかを説明します。スイッチオーバーまたはフェイルオーバーの後、DNS エントリを更新し、アプリケーションが二次ボリュームに対して読み書きできるように構成します。

スイッチオーバーを呼び出す
  1. 主クラスタをロギングモードにします。


    nodeA# /usr/opt/SUNWesm/sbin/sndradm -n -l lhost-reprg-prim \
    /dev/vx/rdsk/devicegroup/vol01 \
    /dev/vx/rdsk/devicegroup/vol04 lhost-reprg-sec \
    /dev/vx/rdsk/devicegroup/vol01 \
    /dev/vx/rdsk/devicegroup/vol04 ip sync
    

    ディスクのデータボリュームに書き込みが行われると、同じディスクのビットマップファイルが更新されます。複製は行われません。

  2. 主クラスタと二次クラスタがロギングモードで、自動同期がオフであることを確認します。

    1. nodeA で次のコマンドを実行します。


      nodeA# /usr/opt/SUNWesm/sbin/sndradm -P
      

      次のように出力されるはずです。


      /dev/vx/rdsk/devicegroup/vol01 ->
      lhost-reprg-sec:/dev/vx/rdsk/devicegroup/vol01
      autosync:off, max q writes:4194304,max q fbas:16384,mode:sync,ctag:
      devicegroup, state: logging
    2. nodeC で次のコマンドを実行します。


      nodeC# /usr/opt/SUNWesm/sbin/sndradm -P
      

      次のように出力されるはずです。


      /dev/vx/rdsk/devicegroup/vol01 <-
      lhost-reprg-prim:/dev/vx/rdsk/devicegroup/vol01
      autosync:off, max q writes:4194304,max q fbas:16384,mode:sync,ctag:
      devicegroup, state: logging

    nodeAnodeC の状態は logging で、非同期のアクティブ状態は off でなければなりません。

  3. 二次クラスタで主クラスタからのテイクオーバーの準備ができていることを確認します。


    nodeC# /usr/sbin/fsck -y /dev/vx/rdsk/devicegroup/vol01
    
  4. 二次クラスタにスイッチオーバーします。


    nodeC# scswitch -Z -g nfs-rg
    nodeC# scswitch -Z -g nfs-rg -h nodeC
    
DNS エントリを更新する

DNS がクライアントをクラスタにどのようにマッピングするかについては、図 6–6 を参照してください。

  1. nsupdate コマンドを開始します。

    詳細は、nsupdate(1M) のマニュアルページを参照してください。

  2. 主クラスタのアプリケーションリソースグループのクライアントマシンと 論理ホスト名間の現在の DNS マッピングを削除します。


    > update delete client-machine A
    > update delete IPaddress1.in-addr.arpa TTL PTR client machine
    
    client-machine

    クライアントのフルネームです。たとえば、mymachine.mycompany.com のようになります。

    IPaddress1

    IP アドレスが論理ホスト名 lhost-nfsrg-prim であることを逆順で確認します。

    TTL

    秒単位の有効時間です。一般的な値は 3600 になります。

  3. 二次クラスタのアプリケーションリソースグループのクライアントマシンと 論理ホスト名間に新しい DNS マッピングを作成します。


    > update add client-machine TTL A IPaddress2
    > update add IPaddress3.in-addr.arpa TTL PTR client-machine
    
    IPaddress2

    IP アドレスが論理ホスト名 lhost-nfsrg-sec であることを正順で確認します。

    IPaddress3

    IP アドレスが論理ホスト名 lhost-nfsrg-sec であることを逆順で確認します。

二次ボリュームを読み書きするようにアプリケーションを構成する
  1. NFS ファイルシステムのマウントポイントディレクトリにマウントするように二次ボリュームを構成します。


    client-machine# mount -o rw lhost-nfsrg-sec:/global/mountpoint /xxx
    

    マウントポイントは、「主クラスタのファイルシステムを NFS アプリケーション向けに構成する」手順 1 で作成されています。

  2. 二次クラスタがマウントポイントへの書き込みアクセスを持っていることを確認します。


    client-machine# touch /xxx/data.1
    client-machine# umount /xxx