システム管理者は、既存のリソースタイプの新しいバージョンをインストールおよび登録できなければなりません。これは、リソースを削除したり作成し直したりすることなく、複数のバージョンのリソースタイプを登録したり、既存のリソースを新しいバージョンのリソースタイプに移行したりする必要があるからです。リソース開発者は、リソースタイプのアップグレードや移行の要件を把握しておく必要があります。
アップグレードを念頭に置いたリソースタイプの開発を「アップグレード対応」と呼びます。
新しいバージョンのリソースタイプは、次の点で前のバージョンとは異なっている可能性があります。
リソースタイププロパティの属性
標準プロパティ、拡張プロパティを含む宣言済みリソースプロパティ
リソースプロパティの属性 (default、min、max、arraymin、arraymax) または tunable 属性
宣言済みメソッド
メソッドやモニターの実装
リソースタイプ開発者は、既存のリソースを新しいバージョンへ移行するタイミングを次の Tunable 属性のオプションによって特定します。制約の小さいものから順に、次のようなオプションがあります。
いつでもよい (ANYTIME)
リソースが監視されていないとき (WHEN_UNMONITORED )
リソースがオフラインのとき (WHEN_OFFLINE)
リソースが無効のとき (WHEN_DISABLED)
リソースグループが管理されていないとき (WHEN_UNMANAGED )
作成時 (AT_CREATION)
この章では、アップグレード手順の記述で常に scrgadm コマンドを使用します。これは、管理者が scrgadm コマンドしか使用できないということではありません。GUI、scsetup コマンドなども使用できます。