Sun Cluster データサービス開発ガイド (Solaris OS 版)

デフォルトのプロパティ値

RGM は、システム管理者によって明示的に設定されなかったためリソースの CCR (クラスタ構成リポジトリ) に格納されていないデフォルトのプロパティなど、すべてのリソースを格納します。RGM は、CCR からリソースが読み込まれるとき、欠落したリソースプロパティのデフォルト値をそのリソースタイプから取得します。リソースタイプにデフォルト値が定義されていない場合は、システム定義のデフォルト値を使用します。アップグレードされたリソースタイプは、この方法により、新しいプロパティや既存のプロパティの新しいデフォルト値を定義することができます。

リソースプロパティが変更された場合、RGM は編集コマンドで指定されたプロパティを CCR に格納します。

リソースタイプのアップグレードされたバージョンが、デフォルトのプロパティの新しいデフォルト値を宣言する場合、新しいデフォルト値は既存のリソースから継承されます。この手続きは、プロパティが作成時または無効化されている場合だけ「Tunable」と宣言されている場合でも変わりません。新しいデフォルトのアプリケーションで、StopPostnet_stopFini などのメソッドが失敗する場合、リソースタイプの実装者は、アップグレード時のリソースの状態を適切に制限する必要があります。具体的には、Type_version プロパティの Tunable 属性を制限します。

新しいリソースタイプのバージョンの Validate メソッドでは、既存のプロパティ属性が適切であるかどうかを検査できます。既存のプロパティ属性が適切でない場合、システム管理者は、Type_version プロパティを編集するコマンドを使って、新しいリソースタイプのバージョンにリソースをアップグレードできるように、プロパティの属性値を変更できます。


注 –

Sun Cluster 3.0 で作成されたリソースは、新しいバージョンに移行しても、リソースタイプからデフォルトのプロパティ属性を継承しません。これは、これらのリソースのデフォルトのプロパティ値が CCR に格納されているからです。