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Sun Cluster データサービス開発ガイド (Solaris OS 版)

付録  A 標準プロパティ

この付録では、標準リソースタイプ、リソースグループ、リソースプロパティについて説明します。また、システム定義プロパティの変更および拡張プロパティの作成に使用するリソースプロパティ属性についても説明します。

この付録は、次の節で構成されています。

リソースタイププロパティ

以下に、Sun Cluster によって定義されるリソースタイププロパティを示します。プロパティ値は、「カテゴリ」で次のように分類されます。

リソースタイププロパティを管理ユーティリティで更新することはできません。ただし、RTR ファイル内に宣言できない Installed_nodes と RT_system は除きます。これらのプロパティは、管理者が設定する必要があります。

以下にプロパティ名とその説明を示します。

API_version (整数型)

このリソースタイプの実装が使用するリソース管理 API のバージョン。

Sun Cluster の各バージョンによってサポートされる最新の API_version は次のとおりです。

3.1 以前

2

3.1 10/03

3

3.1 4/04

4

3.1 9/04

5

RTR ファイルで API_version に 2 より大きい値を宣言すると、そのリソースタイプは、その値より古いバージョンをサポートする Sun Cluster にはインストールされません。たとえば、あるリソースタイプに API_version=5 を宣言すると、このリソースタイプは、3.1 9/04 より前にリリースされた Sun Cluster のバージョンにはインストールされません。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

2

調整:

No

Boot (文字列型)

任意のコールバックメソッド。RGM がノード上で呼び出すプログラムのパスを指定します。このプログラムは、このリソース型が管理対象になっているとき、クラスタの結合または再結合を行います。このメソッドは、このタイプのリソースに対して、Init メソッドと同様の初期化アクションを行う必要があります。

カテゴリ:

条件付き / 明示

デフォルト:

なし

調整:

No

Failover (ブール型)

TRUE の場合、複数のノード上で同時にオンラインにできるグループ内にこの型のリソースを構成することはできません。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

FALSE

調整:

No

Fini (文字列型)

任意のコールバックメソッド。この型のリソースを RGM 管理の対象外にするとき RGM によって呼び出されるプログラムのパスです。

カテゴリ:

条件付き / 明示

デフォルト:

なし

調整:

No

Init (文字列型)

任意のコールバックメソッド。この型のリソースを RGM 管理対象にするとき RGM によって呼び出されるプログラムのパスです。

カテゴリ:

条件付き / 明示

デフォルト:

なし

調整:

No

Init_nodes (列挙型)

指定できる値は、RG_primaries (リソースをマスターできるノードのみ) または RT_installed_nodes (このリソース型がインストールされる全てのノード) のいずれかです。RGM が Init、Fini、 Boot、Validate メソッドをコールするノードを示します。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

RG_primaries

調整:

No

Installed_nodes (文字配列型)

リソースタイプの実行が許可されるクラスタノード名のリスト。このプロパティは RGM によって自動的に作成されます。クラスタ管理者は値を設定できます。RTR ファイル内には宣言できません。

カテゴリ:

クラスタ管理者による構成が可能です。

デフォルト:

すべてのクラスタノード

調整:

Yes

Is_logical_hostname (ブール型)

TRUEは、このリソース型が、フェイルオーバーインターネットプロトコル (IP) アドレスを管理するLogicalHostname リソース型のいずれかのバージョンであることを示します。

カテゴリ:

照会のみ

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

No

Is_shared_address (ブール型)

TRUE は、このリソース型が、 フェイルオーバーインターネットプロトコル (IP) アドレスを管理する共有アドレスリソース型のいずれかのバージョンであることを示します。

カテゴリ:

照会のみ

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

No

Monitor_check (文字列型)

任意のコールバックメソッド。障害モニターの要求によってこのリソース型のフェイルオーバーを実行する前に、RGM によって呼び出されるプログラムのパスです。

カテゴリ:

条件付き / 明示

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

No

Monitor_start (文字列型)

任意のコールバックメソッド。この型のリソースの障害モニターを起動するために RGM によって呼び出されるプログラムのパスです。

カテゴリ:

条件付き / 明示

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

No

Monitor_stop (文字列型)

Monitor_start が設定されている場合の、必須のコールバックメソッド。この型のリソースの障害モニターを停止するために RGM によって呼び出されるプログラムのパスです。

カテゴリ:

条件付き / 明示

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

No

Pkglist (文字配列型)

リソース型のインストールに含まれている任意のパッケージリストです。

カテゴリ:

条件付き / 明示

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

No

Postnet_stop (文字列型)

任意のコールバックメソッド。この型のリソースが、あるネットワークアドレスリソースに依存している場合、そのネットワークアドレスリソースの Stop メソッドの呼び出し後に RGM によって呼び出されるプログラムのパスです。ネットワークインタフェースが構成され、停止状態にされた場合、このメソッドは Stop アクションを行う必要があります。

カテゴリ:

条件付き / 明示

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

No

Prenet_start (文字列型)

任意のコールバックメソッド。この型のリソースがネットワークアドレスリソースに依存している場合、このネットワークアドレスリソースの Start メソッドの呼び出し前に RGM によって呼び出されるプログラムのパスです。ネットワークインタフェースが構成される前に必要な Start アクションを行う必要があります。

カテゴリ:

条件付き / 明示

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

No

Resource_type (文字列型)

リソースタイプの名前。現在登録されているリソースタイプ名を表示するには、次のコマンドを使用します。

scrgadm -p

Sun Cluster 3.1 以降のリリースでは、リソースタイプ名にバージョンが含まれます (必須)。

vendor_id.resource_type:version

リソース型の名前は、 RTR ファイル内に指定された 3 つのプロパティ Vendor_id、Resource_type 、RT_version で構成されます。 scrgadm コマンドがピリオド (.) とコロン (:) をプロパティの間に挿入します。リソースタイプ名の最後の部分、RT_version には、RT_version プロパティと同じ値が入ります。重複を防ぐため、Vendor_id には、リソースタイプの作成元の会社のストックシンボルを使用することをお勧めします。Sun Cluster 3.1 以前に登録されたリソースタイプ名では、引き続き次の構文を使用します。

vendor_id.resource_type

カテゴリ:

必須

デフォルト:

空の文字列

調整:

No

RT_basedir (文字列型)

コールバックメソッドの相対パスのを補完するディレクトリパスです。このパスは、リソースタイプパッケージのインストール場所に設定します。このパスには、スラッシュ (/) で開始する完全なパスを指定する必要があります。すべてのメソッドパス名が絶対パスの場合は、指定しなくてもかまいません。

カテゴリ:

必須 (絶対パスでないメソッドパスがある場合)

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

No

RT_description (文字列型)

リソース型の簡単な説明です。

カテゴリ:

条件付き

デフォルト:

空の文字列

調整:

No

RT_system (ブール型)

あるリソースタイプに対してこのプロパティが TRUE に設定されている場合、このリソースタイプに対して許されている scrgadm(1M) の操作は制限されます。RT_system の値が TRUE に設定されているリソースタイプをシステムリソースタイプといいます。RT_system の現在の値が何であれ、このプロパティ自体の編集は制限されていません。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

FALSE

調整:

Yes

RT_version (文字列型)

Sun Cluster 3.1 以降では、このリソースタイプの実装の必須バージョン文字列。RT_version は、完全なリソースタイプ名の末尾の部分です。RT_version プロパティの設定は、Sun Cluster 3.0 では任意でしたが、Sun Cluster 3.1 以降のリリースでは必須です。

カテゴリ:

(任意) 明示または必須

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

No

Single_instance (ブール型)

TRUE は、この型のリソースがクラスタ内に 1 つだけ存在できることを示します。RGM は、同時に 1 つのこのリソースタイプだけに、クラスタ全体に渡っての実行を許可します。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

FALSE

調整:

No

Start (文字列型)

コールバックメソッド。この型のリソースを起動するために RGM によって呼び出されるプログラムのパスです。

カテゴリ:

RTR ファイルで Prenet_start メソッドが宣言されていないかぎり必須

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

No

Stop (文字列型)

コールバックメソッド。この型のリソースを停止するために RGM によって呼び出されるプログラムのパスです。

カテゴリ:

RTR ファイルで Postnet_stop メソッドが宣言されていないかぎり必須

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

No

Update (文字列型)

任意のコールバックメソッド。この型の実行中のリソースのプロパティが変更されたとき RGM によって呼び出されるプログラムのパスです。

カテゴリ:

条件付き / 明示

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

No

Validate (文字列型)

任意のコールバックメソッド。この型のリソースのプロパティ値を検査するために呼び出されるプログラムのパスです。

カテゴリ:

条件付き / 明示

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

No

Vendor_ID (文字列型)

Resource_type を参照してください。

カテゴリ:

条件付き

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

No

リソースのプロパティ

この節では、Sun Cluster によって定義されているリソースプロパティについて説明します。プロパティ値は、「カテゴリ」で次のように分類されます。

Tunable 属性では、リソースプロパティを更新できるかどうかや、いつ更新できるかを指定します。

NONE または FALSE

しない 

TRUE または ANYTIME

任意の時点 (Anytime) 

AT_CREATION

リソースをクラスタに追加するとき 

WHEN_DISABLED

リソースが無効なとき 

以下にプロパティ名とその説明を示します。

Affinity_timeout (整数型)

リソース内のサービスのクライアント IP アドレスからの接続は、この時間 (秒数) 内に同じサーバーノードに送信されます。

このプロパティは、Load_balancing_policy が Lb_sticky または Lb_sticky_wild の場合にかぎり有効です。さらに、Weak_affinity を FALSE (デフォルト値) に設定されている必要があります。

このプロパティは、スケーラブルサービス専用です。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

ANYTIME

Cheap_probe_interval (整数型)

リソースの即時障害検証の呼び出しの間隔 (秒数)。このプロパティは RGM によって作成されます。RTR ファイルに宣言されている場合にかぎり、管理者は使用を許可されます。

RTR ファイル内でデフォルト値が指定されている場合、このプロパティは任意です。リソース型ファイル内に Tunable 属性が指定されていない場合、このプロパティの Tunable 値は WHEN_DISABLED になります。

このプロパティが RTR ファイルに宣言され、かつ Default 属性が指定されていない場合、このプロパティは必須です。

カテゴリ:

条件付き

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

WHEN_DISABLED

拡張プロパティ

そのリソースのタイプの RTR ファイルで宣言される拡張プロパティ。リソースタイプの実装によって、これらのプロパティを定義します。拡張プロパティに設定可能な各属性については、「リソースプロパティの属性」を参照してください。

カテゴリ:

条件付き

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

特定のプロパティに依存

Failover_mode (列挙型)

NONE、SOFT、HARD は、起動メソッド ( Prenet_start または Start) が失敗した場合、フェイルオーバー動作だけに影響を与えます。リソースがいったん正常に起動すると、NONE、 SOFT 、HARD は、その後にリソースモニターが scha_control(1HA) や scha_control(3HA) を使って行うリソース再起動やギブオーバー動作に対して何の影響も及ぼしません。NONE (デフォルト) は、メソッドの失敗時に RGM がリソース状態を設定し、ユーザーの介入を待つことを意味します。SOFT は、Start メソッドが失敗した場合、RGM がリソースのグループを別のノードに再配置することを意味します。Stop または Monitor_stop メソッドが失敗した場合、RGM は、リソースを Stop_failed 状態に、リソースグループを Error_stop_failed 状態にそれぞれ設定します。そして、ユーザーの介入を待ちます。Stop または Monitor_stop が失敗した場合の NONE と SOFT は同じ意味です。HARD は、Start メソッドが失敗した場合、RGM がグループを再配置することを意味します。Stop または Monitor_stop メソッドが失敗した場合、RGM はクラスターノードを放棄することによってリソースを停止します。HARD、NONE、SOFT は、Start または Prenet_start メソッドが失敗した場合、フェイルオーバー動作に影響を与えます。

NONE、SOFT、HARD とは異なり、RESTART_ONLY と LOG_ONLY は、すべてのフェイルオーバー動作に影響を与えます。フェイルオーバー動作には、モニター起動 (scha_control) によるリソースやリソースグループの再起動や、リソースモニター (scha_control) によって開始されるギブオーバーなどがあります。 RESTART_ONLY は、モニターが scha_control を使ってリソースを再起動することはできますが、その後に scha_control を使ってリソースグループの再起動やギブオーバーをしようとすると失敗することを意味します。RGM では、Retry_interval の間に Retry_count 回数だけ再起動を試行できます。試行回数が Retry_count を超えると、それ以後、リソース再起動は許可されません。Failover_mode に LOG_ONLY を設定すると、リソース再起動は許可されません。Failover_mode に LOG_ONLY を設定するのは、 Failover_mode に RESTART_ONLY を設定し、Retry_count にゼロを設定するのと同じことです。起動メソッドが失敗した場合、RESTART_ONLY と LOG_ONLY は NONE と同じことです。つまり、フェイルオーバーは起こりません。リソースは Start_failed 状態になります。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

ANYTIME

Load_balancing_policy (文字列型)

使用する負荷均衡ポリシーを定義する文字列。このプロパティは、スケーラブルサービス専用です。RTR ファイルに Scalable プロパティが宣言されている場合、RGM は自動的にこのプロパティを作成します。Load_balancing_policy には次の値を設定できます。

Lb_weighted (デフォルト)。Load_balancing_weights プロパティで設定されているウエイトに従って、さまざまなノードに負荷が分散されます。

Lb_sticky。スケーラブルサービスの指定のクライアント (クライアントの IP アドレスで識別される) は、常に同じクラスタノードに送信されます。

Lb_sticky_wild。ワイルドスティッキーサービスの IP アドレスに接続する Lb_sticky_wild で指定されたクライアントの IP アドレスは、IP アドレスが到着するポート番号とは無関係に、常に同じクラスタノードに送られます。

カテゴリ:

条件付き/任意

デフォルト:

Lb_weighted

調整:

AT_CREATION

Load_balancing_weights (文字配列型)

このプロパティは、スケーラブルサービス専用です。RTR ファイルに Scalable プロパティが宣言されている場合、RGM は自動的にこのプロパティを作成します。形式は、「weight@node,weight@node」になります。ここで、weight は、指定したノード (node) に対する負荷分散の相対的な割り当てを示す整数になります。ノードに分散される負荷の割合は、すべてのウエイトの合計でこのノードのウエイトを割った値になります。たとえば、1@1,3@2 は、ノード 1 が負荷の 1/4 を受け取り、ノード 2 が 3/4 を受け取ることを指定します。空の文字列 (“”) は、負荷を均一に分散することを意味します (デフォルト)。明示的にウエイトを割り当てられていないノードのウエイトは、デフォルトで 1 になります。

Tunable 属性がリソースタイプファイルに指定されていない場合は、プロパティの Tunable 値は ANYTIME (任意の時点) になります。このプロパティを変更すると、新しい接続時にのみ分散が変更されます。

カテゴリ:

条件付き/任意

デフォルト:

空の文字列 (“”)

調整:

ANYTIME

method_timeout (この「タイプ」のコールバックメソッドごとの) (整数型)

RGM がメソッドの呼び出しに失敗したと判断するまでの時間 (秒)。

カテゴリ:

条件付き/任意

デフォルト:

RTR ファイルにメソッド自体が宣言されている場合は 3600 (1 時間)

調整:

ANYTIME

Monitored_switch (列挙型)

クラスタ管理者が管理ユーティリィティを使用してモニターを有効または無効にすると、RGM によって Enabled または Disabled に設定されます。Disabled に設定されると、再び有効に設定されるまで、モニターは Start メソッドを呼び出しません。リソースが、モニターのコールバックメソッドを持っていない場合は、このプロパティは存在しません。

カテゴリ:

照会のみ

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

しない

Network_resources_used (文字配列型)

リソースが使用する論理ホスト名または共有アドレスネットワークリソースのリスト。スケーラブルサービスの場合、このプロパティは別のリソースグループに存在する共有アドレスリソースを参照する必要があります。フェイルオーバーサービスの場合、このプロパティは同じリソースグループに存在する論理ホスト名または共有アドレスを参照します。RTR ファイルに Scalable プロパティが宣言されている場合、RGM は自動的にこのプロパティを作成します。Scalable が RTR ファイルで宣言されていない場合、Network_resources_used は RTR ファイルで明示的に宣言されていない限り使用できません。

Tunable 属性がリソースタイプファイルに指定されていない場合は、プロパティの Tunable 値は、 AT_CREATION (作成時) になります。

注 –

CRNP を使用する場合のこのプロパティの設定方法については、SUNW.Event(5) のマニュアルページを参照してください。

カテゴリ:

条件付き/必須

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

AT_CREATION

Num_resource_restarts (クラスタノードごとの) (整数型)

このプロパティは RGM によって設定されるため、ユーザーが直接設定することはできません。RGM は、scha_control、Resource_restart、または Resource_is_restarted 呼び出しが、過去 n 秒間にこのノードでこのリソースに対して行われた回数をこのプロパティに設定します。n は、リソースの Retry_interval プロパティの値です。リソース再起動カウンタは、このリソースによって scha_control ギブオーバーが実行されるたびに、その成否とは関係なく RGM によってゼロにリセットされます。

リソース型が Retry_interval プロパティを宣言していない場合、この型のリソースに Num_resource_restarts プロパティを使用できません。

カテゴリ:

照会のみ

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

No

Num_rg_restarts on each cluster node (整数型)

このプロパティは RGM によって設定されるため、ユーザーが直接設定することはできません。RGM は、scha_control Restart 呼び出しが、過去 n 秒間にこのノードでこのリソースによって、そのリソースを包含するリソースグループに対して行われた回数をこのプロパティに設定します。n はこのリソースの Retry_interval プロパティの値です。リソース型が Retry_interval プロパティを宣言していない場合、この型のリソースに Num_resource_restarts プロパティを使用できません。

カテゴリ:

説明を参照

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

No

On_off_switch (列挙型)

クラスタ管理者が管理ユーティリィティを使用してリソースを有効または無効にすると、RGM によって Enabled または Disabled に設定されます。無効に設定されたリソースはオフラインにされます。再び有効にされるまでコールバックが呼び出されることはありません。

カテゴリ:

照会のみ

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

しない

Port_list (文字配列型)

サーバーが待機するポートの番号リストです。ポート番号には、スラッシュ (/) と、そのポートで使用されるプロトコルが付加されます (たとえば、Port_list=80/tcp や Port_list=80/tcp6,40/udp6 など)。プロトコルには、次のものを指定できます。

  • tcp (TCP IPv4)

  • tcp6 (TCP IPv6)

  • udp (UDP IPv4)

  • udp6 (UDP IPv6)

Scalable プロパティが RTR ファイルで宣言されている場合、RGM は自動的に Port_list を作成します。それ以外の場合、このプロパティは RTR ファイルで明示的に宣言されていないかぎり使用できません。

Apache 用にこのプロパティを設定する方法は、『Sun Cluster Data Service for Apache ガイド (Solaris OS 版)』を参照してください。

カテゴリ:

条件付き/必須

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

AT_CREATION

R_description (文字列)

リソースの簡単な説明。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

空の文字列

調整:

ANYTIME

Resource_dependencies (文字配列型)

このリソースが強く依存している、同じグループまたは異なるグループに属するリソースのリスト。このリソースを起動するためには、リストのすべてのリソースがオンラインになっていなければなりません。このリソースと、リストのリソースの 1 つが同時に起動されると、RGM は、リストのリソースが始動してからこのリソースを起動します。このリソースの Resource_dependencies リストにあるリソースが始動しない場合は、このリソースもオフラインのままです。リストのリソースが始動しない原因は、リストのリソースのリソースグループがオフラインであるか、リストのリソースが Start_failed 状態にあるためである可能性があります。このリソースが、異なるリソースグループの始動しないリソースに依存していることが原因でオフラインのままになっている場合、このリソースのグループは Pending_online_blocked 状態になります。

このリソースが、リストのリソースと同時にオフラインにされる場合は、このリソースが停止されてから、リストのほかのリソースが停止されます。ただし、このリソースがオンラインのままであったり、停止に失敗した場合でも、異なるリソースグループに属するリストのリソースは停止されます。このリソースが先に無効にならなければ、リスト内のリソースは無効にできません。

同じリソースグループ内では、デフォルトとして、アプリケーションリソースがネットワークアドレスリソースに対して暗黙的に強いリソース依存性を持っています。詳細は、「リソースグループのプロパティ」のImplicit_network_dependencies を参照してください。

同じリソースグループ内では、依存性の順序に従って Prenet_start メソッドが Start メソッドより先に実行されます。同様に Postnet_stop メソッドは Stop メソッドより後に実行されます。異なるリソースグループ内では、依存されるリソースが Prenet_start と Start を終了してから、依存するリソースが Prenet_start を実行します。同様に、依存するリソースが Stop と Postnet_stop を終了してから、依存されるリソースが Stop を実行します。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

空のリスト

調整:

ANYTIME

Resource_dependencies_restart (文字配列型)

このリソースが再起動に関して依存している、同じグループまたは異なるグループに属するリソースのリスト。

このプロパティの機能は、次の点を除き Resource_dependencies と同じです。つまり、このプロパティでは、再起動依存リストのリソースが再起動されると、このリソースも再起動されます。このリソースの再起動は、リストのリソースがオンラインに復帰した後で行われます。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

空のリスト

調整:

ANYTIME

Resource_dependencies_weak (文字配列型)

このリソースによる依存性が低い、同じグループまたは異なるグループに属するリソースのリスト。低い依存性によってメソッドの呼び出し順序が決まります。RGM は、リストのリソースの Start メソッドを呼び出してからこのリソースの Start メソッドを呼び出します。さらに、RGM は、このリソースの Stop メソッドを呼び出してからリストのリソースの Stop メソッドを呼び出します。リスト内のリソースが始動に失敗したりオフラインのままであっても、リソースは起動されます。

このリソースと、Resource_dependencies_weak リストのリソースが同時に起動されると、RGM は、リストのリソースが始動してからこのリソースを起動します。リストのリソースが始動しない場合でも (たとえば、リストのリソースのリソースグループがオフラインのままであったり、リストのリソースが Start_failed 状態である場合でも)、このリソースは起動されます。このリソースのリソースグループは、このリソースの Resource_dependencies_weak リストのリソースが始動する間、一時的に Pending_online_blocked 状態になることがあります。リストのすべてのリソースが始動するか始動に失敗すると、このリソースが起動され、そのグループが再び Pending_online 状態になります。

このリソースが、リストのリソースと同時にオフラインにされる場合は、このリソースが停止されてから、リストのほかのリソースが停止されます。このリソースがオンラインのままであったり、停止に失敗した場合でも、リストのリソースは停止されます。リストのリソースを無効にするためには、このリソースをまず無効にする必要があります。

同じリソースグループ内では、依存性の順序に従って Prenet_start メソッドが Start メソッドより先に実行されます。同様に Postnet_stop メソッドは Stop メソッドより後に実行されます。異なるリソースグループ (複数) 内では、依存されるリソースが Prenet_start と Start を終了してから、依存するリソースが Prenet_start を実行します。同様に、依存するリソースが Stop と Postnet_stop を終了してから、依存されるリソースが Stop を実行します。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

空のリスト

調整:

ANYTIME

Resource_name (文字列)

リソースインスタンスの名前です。この名前はクラスタ構成内で一意にする必要があります。リソースが作成されたあとで変更はできません。

カテゴリ:

必須

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

しない

Resource_project_name (文字列 )

リソースに関連付けられた Solaris プロジェクト名。このプロパティは、CPU の共有、クラスタデータサービスのリソースプールといった Solaris のリソース管理機能に適用できます。RGM は、リソースをオンラインにすると、このプロジェクト名を持つ関連プロセスを起動します。このプロパティが指定されていない場合、プロジェクト名は、リソースが属しているリソースグループの RG_project_name プロパティから取得されます。rg_properties(5) を参照してください。どちらのプロパティも指定されなかった場合、RGM は事前定義済みのプロジェクト名 default を使用します。プロジェクトデータベース内に存在するプロジェクト名を指定する必要があります。また、root ユーザーは、このプロジェクトのメンバーとして構成されている必要があります。このプロパティは、Solaris 9 以降のバージョンでサポートされます。

注 –

このプロパティへの変更を有効にするためには、リソースを起動し直す必要があります。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

Null

調整:

ANYTIME

Resource_state (各クラスタノードの) (列挙型)

RGM が判断した各クラスタノード上のリソースの状態。この状態には、Online、 Offline、 Start_failed、Stop_failed、Monitor_failed、Online_not_monitored、 Starting、Stopping があります。

ユーザーはこのプロパティを構成できません。

カテゴリ:

照会のみ

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

しない

Retry_count (整数型)

起動に失敗したリソースをモニターが再起動する回数です。このプロパティは RGM によって作成されます。RTR ファイルに宣言されている場合にかぎり、管理者は使用を許可されます。デフォルト値が RTR ファイルに指定されている場合、Retry_count の指定は任意です。

リソース型ファイル内に Tunable 属性が指定されていない場合、このプロパティの Tunable 値は WHEN_DISABLED になります。

このプロパティが RTR ファイルに宣言され、かつ Default 属性が指定されていない場合、このプロパティは必須です。

カテゴリ:

条件付き

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

WHEN_DISABLED

Retry_interval (整数型)

失敗したリソースを再起動するまでの秒数。リソースモニターは、このプロパティと Retry_count を組み合わせて使用します。このプロパティは RGM によって作成されます。RTR ファイルに宣言されている場合にかぎり、管理者は使用を許可されます。デフォルト値が RTR ファイルに指定されている場合、Retry_interval の指定は任意です。

リソース型ファイル内に Tunable 属性が指定されていない場合、このプロパティの Tunable 値は WHEN_DISABLED になります。

このプロパティが RTR ファイルに宣言され、かつ Default 属性が指定されていない場合、このプロパティは必須です。

カテゴリ:

条件付き

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

WHEN_DISABLED

Scalable (ブール型)

リソースがスケーラブルであるかどうか、つまり、リソースが Sun Cluster のネットワーキング負荷分散機能を使用するかどうかを表します。

このプロパティが RTR ファイルで宣言されている場合は、そのタイプのリソースに対して、RGM は、次のスケーラブルサービスプロパティを自動的に作成します。 Affinity_timeout、Load_balancing_policy、Load_balancing_weights、Network_resources_used、 Port_list、UDP_affinity、Weak_affinity 。これらのプロパティは、RTR ファイル内で明示的に宣言されない限り、デフォルト値を持ちます。RTR ファイルに Scalable が宣言されている場合、このプロパティのデフォルトは TRUE です。

RTR ファイルにこのプロパティが宣言されている場合、AT_CREATION 以外の Tunable 属性の割り当ては許可されません。

RTR ファイルにこのプロパティが宣言されていない場合、このリソースはスケーラブルではないため、このプロパティを調整することはできません。RGM は、スケーラビブルサービスプロパティをいっさい設定しません。ただし、RTR ファイルに明示的に Network_resources_used および Port_list プロパティを宣言できます。これらのプロパティは、スケーラブルサービスだけでなく、非スケーラブルサービスでも有用です。

このリソースプロパティと Failover リソースタイププロパティの組み合わせ、およびその説明は次の通りです。

このリソースプロパティと Failover リソースタイププロパティを併用する場合には、r_properties(5) のマニュアルページを参照してください。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

AT_CREATION

Status (各クラスタノードの) (列挙型)

リソースモニターが scha_resource_setstatus(1HA) か scha_resource_setstatus(3HA) を使って設定します。指定可能な値は、 OK、degraded、faulted、unknown、および offline です。リソースがオンラインまたはオフラインにされると、RGM は Status 値を自動的に設定します。ただし、Status 値がリソースのモニターやメソッドによって設定される場合を除きます。

カテゴリ:

照会のみ

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

しない

Status_msg (各クラスタノードの) (文字列型)

リソースモニターによって、Status プロパティと同時に設定されます。リソースがオンラインまたはオフラインにされると、RGM は自動的にこのプロパティを空文字列でリセットします。ただし、このプロパティがリソースのメソッドによって設定される場合を除きます。

カテゴリ:

照会のみ

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

しない

Thorough_probe_interval (整数型)

高オーバーヘッドのリソース障害検証の呼び出し間隔 (秒)。このプロパティは RGM によって作成されます。RTR ファイルに宣言されている場合にかぎり、管理者は使用を許可されます。デフォルト値が RTR ファイルに指定されている場合、Thorough_probe_interval の指定は任意です。

リソース型ファイル内に Tunable 属性が指定されていない場合、このプロパティの Tunable 値は WHEN_DISABLED になります。

RTR ファイルのプロパティ宣言内に Default 属性が指定されていない場合、このプロパティは必須です。

カテゴリ:

条件付き

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

WHEN_DISABLED

Type (文字列型)

このリソースがインスタントであるリソースタイプ。

カテゴリ:

必須

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

しない

Type_version (文字列型)

現在このリソースに関連付けられているリソース型のバージョンを指定します。このプロパティは RTR ファイル内に宣言できません。したがって、RGM によって自動的に作成されます。このプロパティの値は、リソースタイプの RT_version プロパティと等しくなります。リソースの作成時、Type_version プロパティはリソースタイプ名の接尾辞として表示されるだけで、明示的には指定されません。リソースを編集する際に Type_version を新しい値に変更できます。

このプロパティの調整については、次の情報から判断されます。

  • 現在のリソースタイプのバージョン

  • RTR ファイル内の #$upgrade_from ディレクティブ

カテゴリ:

説明を参照

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

説明を参照

UDP_affinity (ブール型)

true の場合、指定のクライアントからの UDP トラフィックはすべて現在クライアントの TCP トラフィックを処理しているサーバーノードに送信されます。

このプロパティは、Load_balancing_policy が Lb_sticky または Lb_sticky_wild の場合にかぎり有効です。さらに、Weak_affinity を FALSE (デフォルト値) に設定されている必要があります。

このプロパティは、スケーラブルサービス専用です。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

WHEN_DISABLED

Weak_affinity (ブール型)

true の場合、弱い形式のクライアントアフィニティが有効になります。弱い形式のクライアントアフィニティが有効になっている場合、特定のクライアントからの接続は、次の場合を除き、同じサーバーノードに送信されます。

  • 障害モニターの再起動や、リソースのフェイルオーバーまたはスイッチオーバー、障害後のノードとクラスタの再結合などが行われたことに対応してサーバーリスナーが起動する。

  • 管理アクションによってスケーラブルリソースの Load_balancing_weights が変更される。

弱いアフィニティはメモリーの消費とプロセッササイクルの点で、デフォルトの形式よりもオーバーヘッドを低く抑えられます。

このプロパティは、Load_balancing_policy が Lb_sticky または Lb_sticky_wild の場合にかぎり有効です。

このプロパティは、スケーラブルサービス専用です。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

WHEN_DISABLED

リソースグループのプロパティ

以下に、Sun Cluster によって定義されるリソースグループプロパティを示します。プロパティ値は、「カテゴリ」で次のように分類されます。

各説明では、初期設定後に、そのプロパティが更新可能 (Yes) か更新不可能 (No) かを示します。

以下にプロパティ名とその説明を示します。

Auto_start_on_new_cluster (ブール型)

このプロパティを使用すると、新しいクラスタを形成するとき、リソースグループの自動起動を無効にすることができます。

TRUE の場合、クラスタが再起動するとき、Resource Group Manager はリソースグループを自動的に起動して、Desired_primaries を有効にしようと試みます。FALSE に設定されている場合、クラスタのすべてのノードが同時に再起動したとき、Resource Group Manager はリソースグループを自動的に起動しません。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

TRUE

調整:

Yes

Desired_primaries (整数型)

グループが同時にオンラインになることができるノードの数。

RG_mode プロパティが Failover の場合、このプロパティの値を 1 より大きく設定することはできません。RG_mode プロパティが Scalable の場合は、1 より大きな値を設定できます。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

1

調整:

Yes

Failback (ブール型)

クラスタのメンバーシップが変更されたとき、グループがオンラインになっているノードセットを再計算するかどうかを示すブール値です。再計算により、RGM は優先度の低いノードをオフラインにし、優先度の高いノードをオンラインにすることができます。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

FALSE

調整:

Yes

Global_resources_used (文字配列型)

クラスタファイルシステムがこのリソースグループ内のリソースによって使用されるかどうかを指定します。管理者はアスタリスク (*) か空文字列 (“”) を指定できます。すべてのグローバルリソースを指定するときはアスタリスク、グローバルリソースを一切指定しない場合は空文字列を指定します。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

すべてのグローバルリソース

調整:

Yes

Implicit_network_dependencies (ブール型)

TRUE の場合、 RGM は、グループ内のネットワークアドレスリソースで非ネットワークアドレスリソースに対する強い依存を強制します。ネットワークアドレスリソースには、論理ホスト名と共有アドレスリソース型があります。

スケーラブルリソースグループの場合、ネットワークアドレスリソースを含んでいないため、このプロパティは効果がありません。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

TRUE

調整:

Yes

Maximum_primaries (整数型)

グループを同時にオンラインにできるノードの最大数です。

RG_mode プロパティが Failover の場合、このプロパティの値を 1 より大きく設定することはできません。RG_mode プロパティが Scalable の場合は、1 より大きな値を設定できます。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

1

調整:

Yes

Nodelist (文字配列型)

優先順位に従ってグループをオンラインにできるクラスタノードのリスト。これらのノードは、リソースグループの潜在的主ノードまたはマスターです。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

すべてのクラスタノードのリスト

調整:

Yes

Pathprefix (文字配列型)

リソースグループ内のリソースが重要な管理ファイルを書き込むことができるクラスタファイルシステム内のディレクトリ。一部のリソースの必須プロパティです。Pathprefix の値はリソースグループごとに固有の値を指定します。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

空の文字列

調整:

Yes

Pingpong_interval (整数型)

負数ではない整数値 (秒)。RGM は、この値を使って、リソースグループをどこでオンラインにするかを決めます。このプロパティが必要になることがある条件には、次のものがあります。

  • 再構成が行われる場合

  • scha_control -O GIVEOVER コマンドが実行されるか、scha_control() 関数が SCHA_GIVEOVER 引数で実行される場合。

再構成が行われる場合、リソースグループが特定のノードで Pingpong_interval 秒内に 2 回以上オンラインにならないことがあると、そのノードは、このリソースグループのホストとしての資格がないものと見なされ、RGM は別のマスターを探します。リソースグループがオンラインにならない理由は、リソースの Start または Prenet_start メソッドが非ゼロで終わったか、タイムアウトになったためです。

リソースの scha_control コマンドまたは関数の呼び出しによって、 Pingpong_interval で指定した秒数内に特定のノード上でリソースグループがオフラインになった場合、別のノードから生じる後続の scha_control() 呼び出しの結果、そのノードはリソースグループのホストとして不適切だと判断されます。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

3600 (1 時間)

調整:

Yes

Resource_list (文字配列型 )

グループに含まれるリソースのリスト。管理者はこのプロパティを直接設定しません。このプロパティは、管理者がリソースグループにリソースを追加したり、リソースを削除したときに、RGM によって更新されます。

カテゴリ:

照会のみ

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

No

RG_affinities (文字列型)

RGM は、リソースグループを、別のあるリソースグループの現行マスターであるノードに求める (ポジティブアフィニティ) か、リソースグループを、あるリソースグループの現行マスターではないノードに求めようとします (ネガティブアフィニティ)。

RG_affinities には次の文字列を設定できます。

  • ++ (強いポジティブアフィニティ)

  • + (弱いポジティブアフィニティ)

  • - (弱いネガティブアフィニティ)

  • -- (強いネガティブアフィニティ)

  • +++ (フェイルオーバーの権限を委譲された強いポジティブアフィニティ)

たとえば、RG_affinities=+RG2,--RG3 は、このリソースグループが RG2 に対して弱いポジティブアフィニティを、RG3 に対して強いネガティブアフィニティをもつことを表しています。

RG_affinities の使い方については、『Sun Cluster データサービスの計画と管理 (Solaris OS 版)』の「データサービスリソースの管理」を参照してください。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

空の文字列

調整:

Yes

RG_dependencies (文字配列型 )

リソースグループのリスト (任意)。このリストは、同じノードでほかのグループをどのような順序でオンラインまたはオフラインにしたいかを表しています。すべての強い RG_affinities (ポジティブおよびネガティブ) と RG_dependencies の関係図式の中に循環が含まれていてはなりません。

たとえば、リソースグループ RG1 の RG_dependencies リストにリソースグループ RG2 が含まれているとします。つまり、RG1 には RG2 に対するリソースグループの依存性があるものとします。次の各項は、このリソースグループの依存性がどのような結果をもたらすかを説明したものです。

  • ノードがクラスタに結合されると、そのノードでは、RG2 のすべてのリソースに対する Boot メソッドが終わってから、 RG1 のリソースに対する Boot メソッドが実行されます。

  • RG1 と RG2 が共に同じノードで同時に Pending_online 状態にある場合は、RG2 のすべてのリソースに対する起動メソッド (Prenet_start または Start) が終了してから、RG1 のリソースに対する起動メソッドが実行されます。

  • RG1 と RG2 が共に同じノードで同時に Pending_offline 状態にある場合は、RG2 のすべてのリソースに対する停止メソッド (Stop または Postnet_stop) が終了してから、RG1 のリソースに対する停止メソッドが実行されます。

  • RG1 または RG2 の主ノードをスイッチする場合、それによって RG1 がいずれかのノードでオンラインに、RG2 がすべてのノードでオフラインになる場合は、このスイッチは失敗します。詳細は、scswitch(1M) と scsetup(1M) のマニュアルページを参照してください。

  • RG2 に対する Desired_primaries がゼロに設定されている場合は、RG1 に対する Desired_primaries プロパティをゼロより大きい値に設定することはできません。

  • RG2 に対する Auto_start_on_new_cluster が FALSE に設定されている場合は、RG1 に対する Auto_start_on_new_cluster プロパティを TRUE に設定することはできません。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

空のリスト

調整:

Yes

RG_description (文字列型)

リソースグループの簡単な説明。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

空の文字列

調整:

Yes

RG_is_frozen (ブール型)

あるリソースグループが依存している大域デバイスをスイッチオーバーするかどうかを表します。このプロパティが TRUE に設定されている場合、大域デバイスはスイッチオーバーされます。このプロパティが FALSE に設定されている場合、大域デバイスはスイッチオーバーされません。リソースグループが大域デバイスに依存するかどうかは、Global_resources_used プロパティの設定によります。

RG_is_frozen プロパティをユーザーが直接設定することはありません。RG_is_frozen プロパティは、大域デバイスのステータスが変わったときに、RGM によって更新されます。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

No

RG_mode (列挙型)

リソースグループがフェイルオーバーグループかスケーラブルグループかを指定します。値が Failover の場合、RGM はグループの Maximum_primaries プロパティの値を 1 に設定し、リソースグループのマスターを単一のノードに制限します。

このプロパティの値が Scalable の場合、RGM は Maximum_primaries プロパティに 1 より大きい値を設定することを許可します。その結果、グループを複数のノードで同時にマスターできます。Failover プロパティの値が TRUE のリソースを、RG_mode の値が Scalable のリソースグループに追加することはできません。

Maximum_primaries が 1 の場合、デフォルトは Failover です。Maximum_primaries が 1 より大きい場合、デフォルトは Scalable です。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

Maximum_primaries の値によります。

調整:

No

RG_name (文字列型)

リソースグループの名前。この名前は、クラスタ内で一意である必要があります。

カテゴリ:

必須

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

No

RG_project_name (文字列型)

リソースグループに関連付けられた Solaris プロジェクト名。このプロパティは、CPU の共有、クラスタデータサービスのリソースプールといった Solaris のリソース管理機能に適用できます。RGM は、リソースグループをオンラインにするとき、Resource_project_name プロパティセットを持たないリソースに対して、このプロジェクトで関連付けられたプロセスを起動します。プロジェクトデータベース内に存在するプロジェクト名を指定する必要があります。また、root ユーザーは、このプロジェクトのメンバーとして構成されている必要があります。

このプロパティは、Solaris 9 以降のバージョンでサポートされます。

注 –

このプロパティへの変更を有効にするためには、リソースを起動し直す必要があります。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

文字列 “default”

調整:

ANYTIME

各クラスタノード上の RG_state (列挙型)

RGM によって Unmanaged、Online、Offline、Pending_online、Pending_offline、 Pending_online_blocked 、 Error_stop_failed、Online_faulted、または Pending_online_blocked に設定されます。これは、そのグループが各クラスタノードでどのような状態にあるかを表します。

ユーザーはこのプロパティを構成できません。ただし、scswitch(1M) を呼び出すか、これと同等の scsetup(1M) または SunPlex Manager コマンドを使用すれば、このプロパティをユーザーが間接的に設定することができます。

カテゴリ:

照会のみ

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

No

RG_system (ブール型)

リソースグループの RG_system プロパティの値が TRUE の場合、そのリソースグループとそのリソースグループ内のリソースに関する特定の操作が制限されます。この制限は、重要なリソースグループやリソースを間違って変更または削除してしまうことを防ぐためにあります。このプロパティによって影響を受けるのは、scrgadm(1M) と scswitch(1M) コマンドだけです。scha_control(1HA) と scha_control(3HA) の操作には影響を与えません。

リソースグループ (またはリソースグループ内のリソース) の制限操作を実行する前には、まず、リソースグループの RG_system プロパティをFALSE に設定する必要があります。クラスタサービスをサポートするリソースグループ (または、リソースグループ内のリソース) を変更または削除するときには注意してください。

RG_system の値が TRUE に設定されているリソースグループをシステムリソースグループといいます。RG_system の現在の値が何であれ、このプロパティ自体の編集は制限されていません。制限については、rg_properties(5) のマニュアルページを参照してください。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

FALSE

調整:

Yes

リソースプロパティの属性

次の情報は、システム定義のプロパティの変更または拡張プロパティの作成に使用できるリソースプロパティ属性を示したものです。

注意 – 注意 –

boolean、enum、int タイプのデフォルト値に、Null または空の文字列 ("") は指定できません。

以下にプロパティ名とその説明を示します。

Array_maxsize

stringarray タイプの場合、設定できる配列要素の最大数。

Array_minsize

stringarray タイプの場合、設定できる配列要素の最小数。

Default

プロパティのデフォルト値を示します。

Description

プロパティを簡潔に記述した注記 (文字列)。RTR ファイル内でシステム定義プロパティに対する Description 属性を設定することはできません。

Enumlist

enum タイプの場合、プロパティに設定できる文字列値のセット。

Extension

リソースタイプの実装によって定義された拡張プロパティが RTR ファイルのエントリで宣言されていることを示します。拡張プロパティが使用されていない場合、そのエントリはシステム定義プロパティです。

Max

int タイプの場合、プロパティに設定できる最大値。

Maxlength

string および stringarray タイプの場合、設定できる文字列の最大。

Min

int タイプの場合、プロパティに設定できる最小値。

Minlength

string および stringarray タイプの場合、設定できる文字列の最小長。

Property

リソースプロパティの名前。

Tunable

クラスタ管理者がリソースのプロパティ値をいつ設定できるかを示します。管理者にプロパティの設定を許可しない場合は、NONE または FALSE に設定します。管理者にプロパティの調整を許可する属性値は、次のとおりです。TRUE または ANYTIME (任意の時点)、AT_CREATION (リソースの作成時のみ)、WHEN_DISABLED (リソースがオフラインのとき)。「監視をいつ無効にするか」や「いつオフラインにするか」など、ほかの調整条件を設定する場合は、この属性に ANYTIME を設定し、Validate メソッドを使ってリソースの状態を検証します。

デフォルトは、個々の標準的なリソースプロパティによって異なります (次節を参照)。拡張プロパティの調整に関するデフォルト設定は、RTR ファイルに別の指定がある場合を除き、TRUE ( ANYTIME) です。

プロパティのタイプ

指定可能な型は、string、boolean、int、enum、stringarray です。RTR ファイル内で、システム定義プロパティの型の属性を設定することはできません。タイプは、RTR ファイルのエントリに登録できる、指定可能なプロパティ値とタイプ固有の属性を決定します。enum タイプは、文字列値のセットです。