この章では、Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise をインストールして構成するための手順について説明します。
この章では、次の手順について説明します。
「BroadVision One-To-One Enterprise ソフトウェア、データベース、および HTTP サーバーインストールを構成して確認する」
「Web Start プログラムを使用して Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise パッケージをインストールする」
「scinstall ユーティリティーを使用して Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise パッケージをインストールする」
「Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise を登録して構成する」
「Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise のインストールと構成を確認する」
「Command Center を BroadVision One-To-One Enterprise サーバーに接続する」
「代替構成: BroadVision One-To-One Enterprise、データベース、および HTTP サーバーのインストールを構成して確認する」
「代替構成: Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise パッケージをインストールする」
「代替構成: Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise を登録して構成する」
「代替構成: Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise のインストールを確認する」
Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise バックエンドサーバーは、フェイルオーバーデータサービスとして構成します。Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise Interaction Managers は、スケーラブルデータサービスとして構成します。データサービス、リソースグループ、リソース、およびその他の関連トピックについての一般的な情報は、『Sun Cluster データサービスの計画と管理 (Solaris OS 版)』の「Sun Cluster データサービスの計画」および『Sun Cluster 3.1 の概念』を参照してください。
この節を読んで、Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise がどのように BroadVision One-To-One Enterprise の高可用性を実現するかを理解してください。
フェイルオーバーサービスやスケーラブルサービスの概念については、『Sun Cluster の概念 (Solaris OS 版)』を参照してください。
Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise は、障害監視機能および自動フェイルオーバー機能を BroadVision One-To-One Enterprise サーバーに提供します。このデータサービスは、障害監視機能と自動フェイルオーバー機能を使用して、BroadVision One-To-One Enterprise サイトにおける単一点障害を防ぎます。
表 1–1 BroadVision One-To-One Enterprise サイトコンポーネントの保護
BroadVision One-To-One Enterprise サイトコンポーネント |
コンポーネントを保護するデータサービス |
---|---|
BroadVision One-To-One Enterprise データベース |
Sun Cluster HA for Oracle または Sun Cluster HA for Sybase ASE |
BroadVision One-To-One Enterprise Interaction Managers |
Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise (スケーラブル構成) |
BroadVision One-To-One Enterprise バックエンドサーバー |
Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise (フェイルオーバー構成) |
HTTP サーバー |
Sun Cluster HA for Sun Java System Web Server または Sun Cluster HA for Apache |
表 1–2 に、Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise のインストールと構成において行う作業を示します。指定された順番どおりに、各作業を行ってください。
表 1–2 Task Map: Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise のインストールと構成
この節には、Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise のインストールと構成の計画に必要な情報が記載されています。
これらの制限事項を守らないと、データサービスの構成がサポートされない場合があります。
ここに示す制限事項を考慮して、Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise のインストールと構成の計画を行なってください。ここでは、Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise にのみ適用されるソフトウェアとハードウェア構成の制限事項を示します。
すべてのデータサービスに適用される制約事項については、『Sun Cluster ご使用にあたって (Solaris OS版)』を参照してください。
お使いのリリースの Sun Cluster に適合するバージョンの BroadVision One-To-One Enterprise ソフトウェアを使用してください。
次の要件を満たさないと、データサービスの構成がサポートされない場合があります。
ここに示す要件を考慮して、Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise のインストールと構成の計画を行ってください。これらの要件は、Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise にのみ適用されます。Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise のインストールと構成を始める前に、次の要件を満たしておく必要があります。
すべてのデータサービスに適用される要件については、『Sun Cluster 3.1 データサービスのインストールと構成』の「データサービス固有の要件の識別』を参照してください。
BroadVision One-To-One Enterprise ソフトウェアをクラスタファイルシステムにインストールする。
すべてのクラスタノードで同一の BroadVision ユーザーを作成する。
BroadVision が提供する必須パッチをすべてインストールして、BroadVision One-To-One Enterprise ソフトウェアが Sun Cluster 環境で実行できるようにする。
「データサービスの標準構成」に示すように、$BV1TO1_VAR/etc/bv1to1.conf 構成ファイル内の Interaction Manager、バックエンドサーバー、およびルートホストを設定する。
BroadVision One-To-One Enterprise サーバーを起動する前に、データベースを起動する。
Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise のインストールと構成を計画する場合は、この節の標準構成を使用してください。Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise は、この節で説明する標準の構成をサポートします。Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise は、追加構成もサポートできる場合があります。ただし、Enterprise Services の担当者に連絡し、他の構成に関する情報を得る必要があります。
「BroadVision One-To-One Enterprise ソフトウェアのための複数のリソースグループを持つクラスタ」
「代替構成: BroadVision One-To-One Enterprise のバックエンドとルートホストサーバー向けに 1 つのリソースグループを持つクラスタ」
サポートされているすべての構成について、「Sun Cluster HA for DBMS と HTTP サーバーの構成」 に従って HA (高可用性) データベースと HTTP サーバーを設定してください。
Sun Cluster HA for DBMS と HTTP サーバーは次のように構成します。
論理ホスト名を使用するように Sun Cluster HA for Oracle または Sun Cluster HA for Sybase ASE を構成する。
論理ホスト名 (フェイルオーバー構成の場合) または共有アドレス (スケーラブル構成の場合) を使用するように Sun Cluster HA for Sun Java System Web Server または Sun Cluster HA for Apache を構成する。
BroadVision One-To-One Enterprise ルートホスト、バックエンド、Interaction Manager のプロセスは次のように構成します。
1 つのリソースグループ内の 1 つの論理ホスト名を使用するようにルートホストリソースを構成する。
複数のリソースグループ内の残りの論理ホスト名を使用するようにバックエンドリソースを構成する。
次に示す場所の 1 つで Interaction Manager リソースを構成する。
すべてのクラスタノード
すべてのクラスタプライベートホスト名。クラスタインターコネクトとプライベートホスト名の詳細は、『Sun Cluster ソフトウェアのインストール (Solaris OS 版)』を参照してください。
図 1–1 に、これらのガイドラインに従った構成例を示します。
すべてのクラスタノード上またはすべてのクラスタプライベートホスト名上で、Interaction Manager リソースを構成してください。すべてのクラスタプライベートホスト名上で Interaction Manager を構成する場合は、同じクラスタ上で HTTP サーバーを設定してください。すべてのクラスタノード上で Interaction Manager を構成する場合は、クラスタ以外の場所に HTTP サーバーを設定できます。
Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise バックエンドサーバーは、各バックエンドリソースに要求される管理の柔軟性と精度に応じ、1 つのリソースグループだけを使用するように構成することができます。代替構成を設定するには、BroadVision One-To-One Enterprise ルートホスト、バックエンド、および Interaction Manager プロセスを次のように構成します。
ルートホストおよびすべてのバックエンドリソースが同じフェイルオーバーリソースグループ内の n 個の論理ホスト名を使用するように構成する。
次に示す場所の 1 つで Interaction Manager リソースを構成する。
すべてのクラスタノード
すべてのクラスタプライベートホスト名。クラスタインターコネクトとプライベートホスト名の詳細は、『Sun Cluster ソフトウェアのインストール (Solaris OS 版)』を参照してください。
図 1–2 に示されているこの構成には、別の手順が必要となります。詳細については、「代替構成」を参照してください。
すべてのクラスタノード上またはすべてのクラスタプライベートホスト名上で、Interaction Manager リソースを構成してください。すべてのクラスタプライベートホスト名上で Interaction Manager を構成する場合は、同じクラスタ上で HTTP サーバーを設定してください。すべてのクラスタノード上で Interaction Manager を構成する場合は、クラスタ以外の場所に HTTP サーバーを設定できます。
Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise のインストールと構成を計画する場合は、この節の情報を利用してください。この節で説明する情報は、Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise のインストールと構成において、その決定事項が与える影響を考える上で役立ちます。
BroadVision ユーザーのホームディレクトリ – すべてのクラスタノードに同一の BroadVision ユーザー (bvuser) を作成してください。BroadVision ユーザーのホームディレクトリは、クラスタファイルシステム上に配置してください。すべてのクラスタノード上のすべての BroadVision ユーザーを同じホームディレクトリに配置してください。
BroadVision One-To-One Enterprise ソフトウェア – BroadVision One-To-One Enterprise ソフトウェアをクラスタファイルシステムにインストールすることで、クラスタ内のすべてのノードが同一の BroadVision One-To-One Enterprise バイナリと構成ファイルにアクセスできるようにします。
Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise のインストールと構成を計画する場合は、この節の質問を利用してください。『Sun Cluster データサービスの計画と管理 (Solaris OS 版)』の「構成ワークシート」にあるデータサービスワークシートに、質問の答えを記入してください。これらの質問についての情報は、「構成上の考慮事項」を参照してください。
フェイルオーバーデータサービス、スケーラブルデータサービスのどちらで Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise を使用するか。
Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise をスケーラブルサービスとして実行する場合、どのノードがスケーラブルサービスをホストするか。
ネットワークアドレスとアプリケーションリソースにどのリソースグループを使用しますか。また、それらの間にはどのような依存関係がありますか。
データサービスにアクセスするクライアントのための、論理ホスト名 (フェイルオーバーサービスの場合) または共有アドレス (スケーラブルサービスの場合) はなにか。
システム構成ファイルはどこに置きますか。
BroadVision One-To-One Enterprise バイナリをクラスタファイルシステムではなくローカルファイルシステムに配置する場合の利点と欠点については、 『Sun Cluster Data Service for BroadVision One-To-One Enterprise ガイド (Solaris OS 版)』の「Determining the Location of the Application Binaries」(3 ページ) を参照してください。
この節では、ノードとディスクの準備に必要な手順について説明します。
次の手順で、Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise のインストールと構成を準備します。
デフォルトで orbix デーモンは、 IT_DAEMON_SERVER_BASE および IT_DAEMON_SERVER_RANGE プロパティが指定する利用可能なポート番号を選びます。これらのプロパティは、デーモンが起動するサーバーが使用します。はじめてサーバーへの接続を試みる際に、クライアントは orbix デーモンにポート番号を要求します。続いて、orbix デーモンが指定したポートに接続します。クライアントが orbix デーモンにポート番号を要求したあとで、まだクライアントがポートに接続する前にフェイルオーバーが発生すると、クライアントは不正なサーバーに接続する可能性があります。
この手順では、サーバーとポートの衝突を防ぐための 2 つの方法について説明します。
どちらの方法を使用するかを選択します。
orbix デーモンが個々のノードに割り当てるポートが重複しないように各ホストの IT_LOCAL_SERVER_BASE プロパティを構成します。たとえば、BroadVision One-To-One Enterprise サーバーと Interaction Manager をクラスタノード A、B、および C で実行する場合、bv1to1.conf ファイルのエントリは次のように設定します。
export ... IT_DAEMON_SERVER_RANGE = “200”; ... site bv { ... node A { export IT_LOCAL_SERVER_BASE = “1300”; ... } node B { export IT_LOCAL_SERVER_BASE = “1500”; # 1300 + 200 ... } node C { export IT_LOCAL_SERVER_BASE = “1700”; # 1500 + 200 ... } ... } |
bv1to1.conf ファイル内の各プロセスエントリに iiop_port パラメータを追加し、サーバーポートエントリの衝突が発生していないことを確認します。iiop_port は文書化されていない BroadVision One-To-One Enterprise サーバーのパラメータであり、どのポートをサーバーが使用すべきかを指定するものです。たとえば、次のプロセスエントリは、cntdb サーバーがポート 1305 を使用するように定義しています。
process cntdb { parameter iiop_port = “1305”; } |
C++ CORBA サーバーは、iiop_port パラメータをサポートします。Java サーバーの場合、BroadVision One-To-One Enterprise 6.0AB 以降のバージョンにアップグレードする必要があります。
この節では、BroadVision One-To-One Enterprise ソフトウェア、データベースソフトウェア、および HTTP ソフトウェアをインストールして構成するための手順について説明します。
Sun Cluster HA for Oracle をインストールする場合は『Sun Cluster Data Service for Oracle ガイド (Solaris OS 版)』、Sun Cluster HA for Sybase ASE をインストールする場合は『Sun Cluster Data Service for Sybase ASE ガイド (Solaris OS 版)』を参照してください。
Sun Java System Web Server を HTTP サーバーとしてお使いの場合は、『Sun Cluster Data Service for Sun Java System Web Server ガイド (Solaris OS 版)』の説明に従って、Sun Cluster HA for Sun Java System Web Server を構成します。Apache Web Server が HTTP サーバーの場合は、『Sun Cluster Data Service for Apache ガイド (Solaris OS 版)』の説明に従って Sun Cluster HA for Apache を構成します。
次の手順で BroadVision One-To-One Enterprise ソフトウェアのインストールと構成を行い、Sun Cluster 環境で実行される BroadVision One-To-One Enterprise ソフトウェアの有効化方法を構成します。
「Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise のインストールと構成の計画」および 「構成上の考慮事項」に示されているガイドラインに従ってください。
『BroadVision One-To-One Enterprise Installation and Administration Guide』の手順に従って、BroadVision One-To-One Enterprise ソフトウェアをクラスタファイルシステムにインストールします。
BroadVision One-To-One Enterprise ソフトウェアのインストールは、任意のクラスタノードからクラスタファイルシステムに 1 度だけ行います。
$BV1TO1_VAR/etc/bv1to1.conf ファイルを構成します。
表 1–3は、$BV1TO1_VAR/etc/bv1to1.conf ファイルによる BroadVision One-To-One Enterprise コンポーネントの構成例を示しています。詳細については、「データサービスの標準構成」と、『 BroadVision One-To-One Enterprise Installation and Administration Guide』の説明を参照してください。
表 1–3 $BV1TO1_VAR/etc/bv1to1.conf ファイルの構成
すべてのクラスタプライベートホスト名上で Interaction Manager を構成する場合は、同じクラスタ上で HTTP サーバーを設定してください。すべてのクラスタノード上で Interaction Manager を構成する場合は、クラスタ以外の場所に HTTP サーバーを設定できます。
クラスタは、BroadVision One-To-One Enterprise バックエンドサーバーが任意のクラスタノードからデータベースにアクセスできるように構成してください。
フェイルオーバーリソースグループは、各バックエンドリソースに要求される管理の柔軟性と精度に応じ、次に示す方法のどちらかで設定できます。
複数の論理ホスト名を使用するために複数のフェイルオーバーリソースグループを設定する。この方法を使用する場合は、「Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise のインストールと構成を確認する」に進みます。
n 個の論理ホスト名を使用し、すべてのバックエンドリソースとルートホストリソースを含めるために 1 つのフェイルオーバーリソースグループを設定する。このオプションを使用する場合は、「代替構成」に進み、この節の説明に従って、インストールを完成させます。
詳細については、「データサービスの標準構成」を参照してください。
次の手順で、フェイルオーバー構成でバックエンドホストとルートホストを実行できるノードすべてで、バックエンドプロセスの開始と停止をテストします。また、この手順を使用してクラスタ内で構成した BroadVision One-To-One Enterprise Interaction Managers もテストします。
フェイルオーバーリソースグループは、各バックエンドリソースに要求される管理の柔軟性と精度に応じ、次に示す方法のどちらかで設定できます。
複数の論理ホスト名を使用するために複数のフェイルオーバーリソースグループを設定する。この方法を使用する場合は、手順 1に進みます。
n 個の論理ホスト名を使用し、すべてのバックエンドリソースとルートホストリソースを含めるために 1 つのフェイルオーバーリソースグループを設定する。このオプションを使用する場合は、「代替構成」に進み、この節の説明に従って、インストールを完成させます。
詳細については、「データサービスの標準構成」を参照してください。
BroadVision One-To-One Enterprise ルートホストリソースを含めるには、そのルートホストの論理ホスト名を使用するフェイルオーバーリソースグループを作成します。
# scrgadm -a -g root-host-resource-group [-h nodelist] |
ルートホストの論理ホスト名を使用し、さらに BroadVision ルートホストリソースを含むリソースグループの名前を指定します。ルートホストリソースグループの名前は任意に選択できますが、クラスタ内のリソースグループとして一意のものでなければなりません。
潜在マスターを識別する物理ノード名または ID をコンマで区切ったリストで指定します (省略可能)。この順序で、Resource Group Manager (RGM) は、フェイルオーバー時の主ノードを決定します。
ルートホストプロセスとバックエンドプロセスのためのフェイルオーバーリソースグループを作成します。
n 個の論理ホスト名上に構成されているバックエンドプロセスのために、scrgadm(1M) コマンドを実行して n 個のフェイルオーバーリソースグループを構成します。
# scrgadm -a -g back-end-resource-group-1 [-h nodelist] # scrgadm -a -g back-end-resource-group-2 [-h nodelist] # scrgadm -a -g back-end-resource-group-3 [-h nodelist] ... # scrgadm -a -g back-end-resource-group-n [-h nodelist] |
バックエンド論理ホスト名とリソースを含むリソースグループの名前を指定します。バックエンドリソースグループの名前は任意に選択できますが、クラスタ内のリソースグループとして一意のものでなければなりません。
使用するすべての論理ホスト名がネームサービスデータベースに追加されているかどうかを確認します。
さらに、使用するすべての論理ホスト名を各クラスタノードの /etc/inet/hosts ファイルに追加します。これで、ネームサービスが停止してもノードはそれらのローカルホストファイルで名前とアドレスのマッピングを確認できます。
scrgadm コマンドを実行し、作成された各リソースグループが使用できる論理ホスト名を追加します。
# scrgadm -a -L -g root-host-resource-group -l root-host-logical-hostname-1 [-n netiflist] # scrgadm -a -L -g back-end-resource-group-1 -l back-end-logical-hostname-1 [-n netiflist] # scrgadm -a -L -g back-end-resource-group-2 -l back-end-logical-hostname-2 [-n netiflist] ... # scrgadm -a -L -g back-end-resource-group-n -l back-end-logical-hostname-n [-n netiflist] |
ルートホストリソースグループが使用する論理ホスト名 (フェイルオーバー IP アドレス) を指定します。
各バックエンドリソースグループが使用する論理ホスト名を指定します。
各ノード上の IP ネットワークマルチパス グループをコンマで区切って指定します (省略可能)。 netiflist の各要素は、netif@node の形式で指定する必要があります。netif は IP ネットワークマルチパス グループ名 (sc_ipmp0 など) として指定できます。ノードは、sc_ipmp0@1、sc_ipmp@phys-schost-1 などのノード名またはノード IDで特定できます。
現バージョンの Sun Cluster では、netif にアダプタ名を使用できません。
Interaction Manager 用のスケーラブルリソースグループを作成します。
# scrgadm -a -g im-resource-group -y Maximum_primaries=m -y Desired_primaries=n |
Interaction Manager が含まれるスケーラブルリソースグループの名前を指定します。どのような名前でもかまいませんが、クラスタ内のリソースグループごとに一意である必要があります。
このリソースグループに許可するアクティブ主ノードの最大数を指定します。このプロパティに値を指定しない場合は、デフォルトの 1 になります。
このリソースグループに許可するアクティブ主ノードの希望数を指定します。このプロパティに値を指定しない場合は、デフォルトの 1 になります。
1 つのクラスタノードから scswitch(1M) コマンドを実行してフェイルオーバーリソースグループを管理された状態に変更し、それらのグループをオンラインにします。
# scswitch -Z -g root-host-resource-group # scswitch -Z -g back-end-resource-group-1 # scswitch -Z -g back-end-resource-group-2 ... # scswitch -Z -g back-end-resource-group-n |
スケーラブルリソースグループにはまだリソースが含まれないため、スケーラブルリソースグループをオンラインにする必要はありません。論理ホスト名リソースを使用できないと BroadVision One-To-One Enterprise バックエンドプロセスは開始できないため、フェイルオーバーリソースグループはオンラインにする必要があります。
データベースがアクセス可能であることを確認します。
詳細は、データベースのマニュアルを参照してください。
任意のクラスタノードから BroadVision One-To-One Enterprise バックエンドサーバーがデータベースにアクセスできるようにデータベースが構成されているかを確認します。
詳細は、データベースのマニュアルを参照してください。
ルートホストリソースグループを管理するクラスタノードに BroadVision ユーザーとしてログインします。
『BroadVision One-To-One Enterprise Installation and Administration Guide』の手順に従って、以下の BroadVision コマンドを実行します。
BV_LOCAL_HOST 環境変数を root-host-logical-hostname として設定します。
使用しているシェルに応じて、bv1to1.conf.sh ファイルまたは bv1to1.conf.csh ファイルを有効にします。
ルートホストで bvconf bootstrap コマンドを実行して、BroadVision One-To-One Enterprise のインストールを開始します。
bvconf コマンドはスーパーユーザーとして実行しないでください。
% bvconf bootstrap -r root-host-logical-hostname |
BV_LOCAL_HOST 環境変数を back-end-logical-hostname または im-hostname として設定します。
使用しているシェルに応じて、bv1to1.conf.sh ファイルまたは bv1to1.conf.csh ファイルを有効にします。
/etc/opt/BVSNsmgr ディレクトリが存在すること、およびこのディレクトリに書き込み権および実行権があることを確認します。
各バックエンドホストおよび Interaction Manager ホストに対してbvconf execute コマンドを実行して、BroadVision One-To-One Enterprise プロセスを構成して起動します。
% bvconf execute -local -var shared -r root-host-logical-hostname |
BroadVision コマンド bvconf gateway を実行して、HTTP ゲートウェイアプリケーションのゲートウェイ構成ファイルを生成します。
このコマンドは、ファイルを生成してそれらを $BV1TO1_VAR/etc/appName.cfg ファイルに書き込みます。
% bvconf gateway -A appName |
$BV1TO1_VAR/etc/bv1to1.conf 構成ファイルで定義されているゲートウェイアプリケーション名を指定します。詳細については、『BroadVision One-To-One Enterprise Installation and Administration Guide』を参照してください。
HTTP インスタンスを実行する各クラスタノードで、/etc/opt/BVSNsmgr ディレクトリにゲートウェイアプリケーション構成ファイルをコピーします。
.cfg. 拡張子の付いたゲートウェイアプリケーション構成ファイルをコピーしてください。
詳細については、『BroadVision One-To-One Enterprise Installation and Administration Guide』を参照してください。
HTTP サーバーを構成して起動します。
詳細は、HTTP サーバーのマニュアルを参照してください。HTTP サーバー構成の詳細は、『BroadVision One-To-One Enterprise Installation and Administration Guide』を参照してください。
BroadVision クライアントから BroadVision サイトに接続し、インストールを確認します。
BroadVision One-To-One Enterprise ソフトウェアが正常に動作していれば、次の操作を行なって Interaction Manager、バックエンドプロセス、およびルートホストプロセスを停止します。
scswitch コマンドを実行して、リソースグループをほかのクラスタノード (node2 など) に切り替えます。
# scswitch -z -g root-host-resource-group -h node2 # scswitch -z -g back-end-resource-group-1 -h node2 # scswitch -z -g back-end-resource-group-2 -h node2 ... # scswitch -z -g back-end-resource-group-n -h node2 |
node2 上で、BroadVision One-To-One Enterprise ソフトウェアを再スタートします。
BroadVision クライアントからクラスタに接続して、BroadVision One-To-One Enterprise ソフトウェアが正常に機能していることを確認します。
手順 15 から手順 18 までの手順を、BroadVision One-To-One Enterprise リソースグループのすべての潜在主ノードで繰り返します。
BroadVision One-To-One Enterprise ソフトウェア、データベース、および HTTP サーバーのインストールを確認したなら、「Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise パッケージのインストール」に進みます。
Sun Cluster の初回のインストール時に BroadVision One-To-One Enterprise パッケージをインストールしなかった場合は、この手順でパッケージをインストールしてください。この手順は、BroadVision One-To-One Enterprise パッケージをインストールする各クラスタノード上で個別に実行します。この手順の実行には、Sun Java Enterprise System Accessory CD Volume 3 が必要です。
複数のデータサービスを同時にインストールする場合は、『Sun Cluster ソフトウェアのインストール (Solaris OS 版)』の「ソフトウェアのインストール」に記載されている手順を実行してください。
次のいずれかのインストールツールを使用して、BroadVision One-To-One Enterprise パッケージをインストールします。
Web Start プログラム
scinstall ユーティリティー
Web Start プログラムは、Sun Cluster 3.1 Data Services 10/03 より前のリリースでは使用できません。
Web Start プログラムは、コマンド行インタフェース (CLI) またはグラフィカルユーザーインタフェース (GUI) を使用して実行できます。CLI と GUI での作業の内容と手順はほとんど同じです。Web Start プログラムの詳細は、installer(1M) のマニュアルページを参照してください。
BroadVision One-To-One Enterprise パッケージをインストールするクラスタノード上で、スーパーユーザーになります。
(省略可能) Web Start プログラムを GUI で実行する場合は、必ず DISPLAY
環境変数を設定します。
CD-ROM ドライブに Sun Java Enterprise System Accessory CD Volume 3 を挿入します。
ボリューム管理デーモン vold(1M) が実行されており、CD-ROM デバイスを管理するように構成されている場合は、デーモンによって CD-ROM が自動的に /cdrom/cdrom0 ディレクトリにマウントされます。
CD-ROM の BroadVision One-To-One Enterprise コンポーネントディレクトリに切り替えます。
BroadVision One-To-One Enterprise データサービスの Web Start プログラムは、このディレクトリに入っています。
# cd /cdrom/cdrom0/\ components/SunCluster_HA_BV_3.1 |
Web Start プログラムを起動します。
# ./installer |
プロンプトが表示されたなら、インストールの種類を選択します。
表示される手順に従って、ノードに BroadVision One-To-One Enterprise パッケージをインストールします。
インストールが終了すると、Web Start プログラムのインストールサマリが出力されます。このサマリーを使用して、インストール時に Web Start によって作成されたログを確認できます。これらのログは、/var/sadm/install/logs ディレクトリにあります。
Web Start プログラムを終了します。
CD-ROM ドライブから Sun Java Enterprise System Accessory CD Volume 3 を取り出します。
Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise パッケージのインストールが終わったなら、「Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise を登録して構成する」に進みます。
CD-ROM ドライブに Sun Java Enterprise System Accessory CD Volume 3 を挿入します。
オプションは指定せずに、scinstall ユーティリティーを実行します。
scinstall ユーティリティーが対話型モードで起動します。
メニューオプション「新しいデータサービスのサポートをこのクラスタノードに追加」を選択します。
scinstall ユーティリティーにより、ほかの情報を入力するためのプロンプトが表示されます。
Sun Java Enterprise System Accessory CD Volume 3 のパスを指定します。
ユーティリティーはこの CD をデータサービス CD-ROM として示します。
インストールするデータサービスを指定します。
選択したデータサービスが scinstall ユーティリティによって示され、選択を確定するように求められます。
scinstall ユーティリティーを終了します。
ドライブから CD を取り出します。
Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise パッケージのインストールが終わったなら、「Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise を登録して構成する」に進みます。
この節では、Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise の構成手順について説明します。
リソースを作成するには、表 1–4の拡張プロパティを使用します。リソースを作成するときに、コマンド行の scrgadm -x parameter=value を使用して、拡張プロパティを構成します。リソースが作成済みの場合は、『Sun Cluster データサービスの計画と管理 (Solaris OS 版)』の「データサービスリソースの管理」に記載されている手順で、拡張プロパティを構成します。拡張プロパティの中には動的に変更できるものがあります。それ以外の拡張プロパティは、リソースを作成するか無効にするときにしか更新できません。そのプロパティをいつ変更できるかについては、説明欄の「調整 : 」を参照してください。すべての Sun Cluster プロパティの詳細については、『Sun Cluster データサービスの計画と管理 (Solaris OS 版)』の「標準プロパティ」を参照してください。
表 1–4 Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise 拡張プロパティ
プロパティの種類 |
プロパティ名 |
説明 |
---|---|---|
BroadVision One-To-One Enterprise 構成 |
BVUSER |
BroadVision ユーザーの UNIX ID。bvuser を、希望するユーザー名に変更してください。 初期値: なし 調整:作成時 |
BV1TO1_VAR |
bvuser として設定される環境変数。 初期値: なし 調整:作成時 |
|
プローブ |
Monitor_retry_interval |
Resource Group Manager (RGM) が障害モニターの失敗を数える期間 (単位: 分)障害モニターは、拡張プロパティ Monitor_retry_count で指定されている回数を超えて失敗することがあります。Monitor_retry_interval が指定する期間内に失敗回数が Monitor_retry_count の値を超える場合には、Process Monitor Facility (PMF) は障害モニターを再起動しません。 初期値:2 調整: 任意の時点 |
Monitor_retry_count |
障害モニターに対して Sun Cluster ソフトウェアが許可する PMF 再起動の回数。 初期値: 4 調整: 任意の時点 |
|
Probe_timeout |
検証のタイムアウト値 (秒)。 デフォルト:180 調整: 任意の時点 |
|
デーモン |
START_ORB_SERVERS |
ブール型。デフォルトでは、このデータサービスはリソース内の orbix デーモンとすべての BroadVision デーモンを起動します。orbix デーモンは、必要に応じて orbix サーバーを起動します。データサービスが orbix サーバーを起動するようにしたい場合は、このプロパティを TRUE に設定してください。 デフォルト:FALSE 調整: 任意の時点 |
次の手順で Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise の構成と登録を行ないます。
Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise を起動する前に、データベースがアクセス可能であることを確認してください。
ルートホスト、バックエンド、および Interaction Manager サーバーと、すべての BroadVision One-To-One Enterprise サーバーを停止します。
この手順は、BroadVision One-To-One Enterprise インストールをテストした後に実行してください。
ps(1) コマンドを実行して、すべてのクラスタノードで BroadVision One-To-One Enterprise プロセスと orbix デーモン (orbixd) がすべて停止していることを確認します。
1 つのクラスタノードのスーパーユーザーになります。
scrgadm コマンドを実行し、Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise のリソースタイプを登録します。
# scrgadm -a -t SUNW.bv |
データサービスのリソースタイプを追加します。
当該データサービス用にあらかじめ定義されているリソースタイプを指定します。
scrgadm コマンドを実行し、ルートホストリソース、バックエンドリソース、および Interaction Manager リソースを作成します。
「BroadVision One-To-One Enterprise ソフトウェア、データベース、および HTTP サーバーインストールを構成して確認する」の手順 2で作成したフェイルオーバーリソースグループ内に、ルートホストリソースとバックエンドリソースを作成します。
bvuser と BV1TO1_VAR は、すべてのリソースで同じでなければなりません。
# scrgadm -a -j root-host-resource -g root-host-resource-group -t SUNW.bv -x BVUSER=bvuser -x BV1TO1_VAR=path-to-bv1to1_var-directory # scrgadm -a -j back-end-resource-1 -g back-end-resource-group-1 -t SUNW.bv -x BVUSER=bvuser -x BV1TO1_VAR=path-to-bv1to1_var-directory # scrgadm -a -j back-end-resource-2 -g back-end-resource-group-2 -t SUNW.bv -x BVUSER=bvuser -x BV1TO1_VAR=path-to-bv1to1_var-directory ... # scrgadm -a -j back-end-resource-n -g back-end-resource-group-n -t SUNW.bv -x BVUSER=bvuser -x BV1TO1_VAR=path-to-bv1to1_var-directory |
ルートホストリソースの名前を指定します。
BroadVision ユーザー名を指定します。
$BV1TO1_VAR ディレクトリのパスを指定します。
バックエンドリソースの名前を指定します。
スケーラブルリソースグループ内に Interaction Manager リソースを作成します。
bvuser と BV1TO1_VAR は、すべてのリソースで同じでなければなりません。
# scrgadm -a -j im-resource -g im-resource-group -t SUNW.bv -x BVUSER=bvuser / -x BV1TO1_VAR=path-to-bv1to1_var-directory |
Interaction Manager リソースの名前を指定します。
scswitch コマンドを実行し、BroadVision One-To-One Enterprise リソースを含めたリソースグループを有効にしてオンラインの状態にします。
# scswitch -Z -g root-host-resource-group # scswitch -Z -g back-end-resource-group-1 # scswitch -Z -g back-end-resource-group-2 ... # scswitch -Z -g back-end-resource-group-n # scswitch -Z -g im-resource-group |
次の手順で、Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise を正しくインストール、構成できたことを確認します。
Web ブラウザから、BroadVision One-To-One Enterprise ソフトウェアで構成したアプリケーションにログインします。
ルートホストリソースグループを管理するノードにログインします。
BroadVision ユーザーになります。
ルートホストプロセスを停止します。
BV_LOCAL_HOST 環境変数を root-host-logical-hostname として設定します。
使用しているシェルに応じて、bv1to1.conf.sh ファイルまたは bv1to1.conf.csh ファイルを有効にします。
次の BroadVision コマンドを実行します。
# bvconf shutdown -local |
Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise 障害モニターがルートホストを再起動します。
BroadVision One-To-One Enterprise に対する Web ブラウザ接続が、まだ有効であることを確認してください。
scswitch コマンドを実行し、ルートホストリソースグループをほかのクラスタノード (node2 など) に切り替えます。
# scswitch -z -g root-host-resource-group -h node2 |
BroadVision One-To-One Enterprise に対する Web ブラウザ接続が、まだ有効であることを確認してください。
以上で、Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise のインストールと構成は終わりです。補足情報として以下の節を参照してください。
「例 – Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise のインストール、構成、および管理」
「Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise 拡張プロパティ」
「Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise 障害モニターの動作」
次の手順で、Command Center をクラスタ上に構成された BroadVision One-To-One Enterprise サーバーに接続します。この手順では、Command Center を BroadVision One-To-One Enterprise サーバーに接続する 2 つの方法を説明します。
どちらの方法を使用するかを選択します。
Dynamic Control Center (DCC) が IIOP ではなく POOP を使用するように変更します。このためには、My Computer/HKEY_CURRENT_USER/Software/BroadVision/Dynamic Control Center/4.2/Options/Use IIOP Windows レジストリエントリの値を 0 に設定します。
orbix デーモンを実行するすべてのクラスタノードおよび論理ホスト名の IP アドレスを含むように IT_LOCAL_ADDR_LIST プロパティを設定します。
この例では、次のサンプル IP アドレスを使用して bv1to1.conf ファイルに追加します。
10.10.102.225
10.10.102.226
10.10.102.222
10.10.102.223
これらのサンプル IP アドレスを使って、次の行を bv1to1.conf ファイルのグローバル export セクションの下で、IT_DAEMON_PORT プロパティの前に追加します。
IT_LOCAL_ADDR_LIST = “127.0.0.1” + “10.10.102.222” + “10.10.102.223” + “10.10.102.225” + “10.10.102.226” ; |
DCC はフェイルオーバーから回復できません。詳細については、BroadVision One-To-One Enterprise サポートに問い合わせてください。
「例 1 – インストールと構成」と 「例 2 – 管理コマンド」は、Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise のインストール、構成、および管理の方法について示しています。次の表は、クラスタと BroadVision One-To-One Enterprise 構成の情報を一覧で示しています。この情報は、両方の例に適用されます。
表 1–5 例 – クラスタの情報
ノード名 |
phys-schost-1 、phys-schost-2 |
論理ホスト名 |
schost-1、schost-2 |
リソースグループ |
root-host-resource-group (ルートホストリソースの場合)、 back-end-resource-group (バックエンドリソースの場合)、 im-resource-group (Interaction Manager リソースの場合) |
リソース |
root-host-resource (BroadVision ルートホストリソース), back-end-resource (BroadVision バックエンドリソース)、im-resource (BroadVision Interaction Manager リソース) |
表 1–6 例 – BroadVision 構成の情報
BV ユーザー |
BVUSER (すべてのクラスタノードで使用) |
BV1TO1_VAR ディレクトリ |
/global/broadvision/bvuser/bv1to1_var |
ルートホスト |
schost-1 |
バックエンドホスト |
schost-2 |
Interaction Manager 1 |
phys-schost-1 |
Interaction Manager 2 |
phys-schost-2 |
この例は、データサービスのインストールと構成の方法を示しています。
(BroadVision リソースタイプを登録する) phys-schost-1:> scrgadm -a -t SUNW.bv (バックエンドプロセスとルートホストプロセス用にフェイルオーバーリソースグループを作成する) phys-schost-1:> scrgadm -a -g root-host-resource-group phys-schost-1:> scrgadm -a -g back-end-resource-group (Interaction Manager プロセス用にスケーラブルリソースグループを作成する) phys-schost-1:> scrgadm -a -g im-resource-group -y Maximum_primaries=2 / -y Desired_primaries=2 (論理ホスト名をフェイルオーバーリソースグループに追加する) phys-schost-1:> scrgadm -a -L -g root-host-resource-group -l schost-1 phys-schost-1:> scrgadm -a -L -g back-end-resource-group -l schost-2 (ルートホストリソース、バンクエンドリソース、Interaction Manager リソースを作成する) phys-schost-1:> scrgadm -a -j root-host-resource -g root-host-resource-group / -t SUNW.bv -x BVUSER=bvuser -x BV1TO1_VAR=/global/broadvision/bvuser/bt1to1_var phys-schost-1:> scrgadm -a -j back-end-resource -g back-end-resource-group / -t SUNW.bv -x BVUSER=bvuser -x BV1TO1_VAR=/global/broadvision/bvuser/bt1to1_var phys-schost-1:> scrgadm -a -j im-resource -g im-resource-group -t SUNW.bv / -x BVUSER=bvuser -x BV1TO1_VAR=/global/broadvision/bvuser/bt1to1_var (すべてのリソースグループをオンラインにする) phys-schost-1:> scswitch -Z -g root-host-resource-group phys-schost-1:> scswitch -Z -g back-end-resource-group phys-schost-1:> scswitch -Z -g im-resource-group |
この例は、管理者に便利な一般的な管理コマンドを示しています。
(リソースグループの状態を調べる) phys-schost-1:> scstat -g (注: BroadVision Interaction Manager 1、ルートホスト、バックエンドのすべての プロセスは phys-schost-1 上で実行される。Interaction Manager 2 プロセスは phys-schost-2 で実行されなければならない) (フェイルオーバーをテストする。ルートホストリソースグループ と バックエンドリソースグループを別のノードに切り替える) phys-schost-1:> scswitch -z -g root-host-resource-group -h phys-schost-2 phys-schost-1:> scswitch -z -g back-end-resource-group -h phys-schost-2 (注: BroadVision ルートホストとバックエンドのすべてのプロセスが phys-schost-2 上で実行されている) (最大および希望のプライマリ数は 2 に設定されているため、Interaction Manager は、2 ノードクラスタで実行される。phys-schost-2 で実行される Iteraction Manager 2 を停止する ) phys-schost-1:> scswitch -z -g im-resource-group -h phys-schost-1 (すべてのリソースグループを停止する) phys-schost-1:> scswitch -F -g root-host-resource-group phys-schost-1:> scswitch -F -g back-end-resource-group phys-schost-1:> scswitch -F -g im-resource-group (すべてのBroadVision リソースとリソースグループを削除して無効にする) phys-schost-1:> scswitch -n -j root-host-resource phys-schost-1:> scswitch -n -j back-end-resource phys-schost-1:> scswitch -n -j im-resource phys-schost-1:> scswitch -n -j schost-1 phys-schost-1:> scswitch -n -j schost-2 phys-schost-1:> scrgadm -r -j root-host-resource phys-schost-1:> scrgadm -r -j back-end-resource phys-schost-1:> scrgadm -r -j im-resource phys-schost-1:> scrgadm -r -j schost-1 phys-schost-1:> scrgadm -r -j schost-2 phys-schost-1:> scrgadm -r -j root-host-resource-group phys-schost-1:> scrgadm -r -j back-end-resource-group phys-schost-1:> scrgadm -r -j im-resource-group (リソースタイプを削除する) phys-schost-1:> scrgadm -r -t SUNW.bv |
各バックエンドリソースに求められる管理の柔軟性と精度に応じて、1 つのフェイルオーバーリソースグループだけが n 個の論理ホスト名を使用し、すべてのバックエンドリソースとホストリソースを含むように設定できます。
この代替構成の説明は、「代替構成: BroadVision One-To-One Enterprise のバックエンドとルートホストサーバー向けに 1 つのリソースグループを持つクラスタ」を参照してください。
この代替構成を設定するには、以下の作業を行なってください。
「代替構成: BroadVision One-To-One Enterprise、データベース、および HTTP サーバーのインストールを構成して確認する」
「代替構成: Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise パッケージをインストールする」
「代替構成: Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise を登録して構成する」
「代替構成: Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise のインストールを確認する」
これらの作業では、2 つのリソースグループを設定します。一方のフェイルオーバーリソースグループは、ルートホストリソースとバックエンドリソースを含みます。もう一方のスケーラブルリソースグループは、Interaction Manager リソースを含みます。この代替構成作業では、ルートホストリソースとバックエンドリソースを含むフェイルオーバーリソースグループは failover-resource-group と示されます。
次の手順では、バックエンドホストとルートホストがフェイルオーバー構成で動作できるすべてのノード上で、バックエンドプロセスの開始と停止をテストします。また、この手順を使用してクラスタ内で構成した BroadVision One-To-One Enterprise Interaction Managers もテストします。
フェイルオーバーリソースグループを作成して、BroadVision One-To-One Enterprise バックエンドリソースとルートホストリソースを含めます。
# scrgadm -a -g failover-resource-group [-h nodelist] |
バックエンドホストとルートホストの論理ホスト名およびリソースを含むリソースグループの名前を指定します。フェイルオーバーリソースグループの名前は任意に選択できますが、クラスタ内のリソースグループとして一意のものでなければなりません。
潜在マスターを識別する物理ノード名または ID をコンマで区切ったリストで指定します (省略可能)。この順序で、Resource Group Manager (RGM) は、フェイルオーバー時の主ノードを決定します。
使用するすべての論理ホスト名がネームサービスデータベースに追加されているかどうかを確認します。
さらに、使用するすべての論理ホスト名を各クラスタノードの /etc/inet/hosts ファイルに追加します。これで、ネームサービスが停止してもノードはそれらのローカルホストファイルで名前とアドレスのマッピングを確認できます。
scrgadm(1M) コマンドを実行し、フェイルオーバーリソースグループが使用する論理ホスト名を追加します。
# scrgadm -a -L -g failover-resource-group -l root-host-logical-hostname-1 [-n netiflist] # scrgadm -a -L -g failover-resource-group -l back-end-logical-hostname-1 [-n netiflist] # scrgadm -a -L -g failover-resource-group -l back-end-logical-hostname-2 [-n netiflist] ... # scrgadm -a -L -g failover-resource-group -l back-end-logical-hostname-n [-n netiflist] |
ルートホストリソースが使用する論理ホスト名を指定します。
各バックエンドリソースが使用する論理ホスト名を指定します。
各ノード上の IP ネットワークマルチパス グループをコンマで区切って指定します (省略可能)。netiflist は、リソースグループのノードリストにあるすべてのノードを包含していなければなりません。このオプションを指定しないと、scrgadm コマンドが、nodelist のノードごとに、ホスト名リストに指定されているネットワークアダプタをサブネットから見つけようとします。
Interaction Manager 用のスケーラブルリソースグループを作成します。
# scrgadm -a -g im-resource-group -y Maximum_primaries=n -y Desired_primaries=n |
Interaction Manager が含まれるスケーラブルリソースグループの名前を指定します。どのような名前でもかまいませんが、クラスタ内のリソースグループごとに一意である必要があります。
このリソースグループに許可するアクティブ主ノードの最大数を指定します。このプロパティに値を指定しない場合は、デフォルトの 1 になります。
このリソースグループに許可するアクティブ主ノードの希望数を指定します。このプロパティに値を指定しない場合は、デフォルトの 1 になります。
1 つのクラスタノードから scswitch(1M) コマンドを実行してフェイルオーバーリソースグループを管理された状態に変更し、このグループをオンラインにします。
# scswitch -Z -g failover-resource-group |
スケーラブルリソースグループにはまだリソースが含まれないため、スケーラブルリソースグループをオンラインにする必要はありません。論理ホスト名リソースを使用できないと BroadVision One-To-One Enterprise バックエンドプロセスは開始できないため、フェイルオーバーリソースグループはオンラインにする必要があります。
データベースがアクセス可能であることを確認します。
詳細は、データベースのマニュアルを参照してください。
任意のクラスタノードから BroadVision One-To-One Enterprise バックエンドサーバーがデータベースにアクセスできるようにデータベースが構成されているかを確認します。
詳細は、データベースのマニュアルを参照してください。
フェイルオーバーリソースグループを管理するクラスタノードに、BroadVision ユーザーとしてログインします。
『BroadVision One-To-One Enterprise Installation and Administration Guide』の手順に従って、以下の BroadVision コマンドを実行します。
BV_LOCAL_HOST 環境変数を root-host-logical-hostname として設定します。
使用しているシェルに応じて、bv1to1.conf.sh ファイルまたは bv1to1.conf.csh ファイルを有効にします。
ルートホストで bvconf bootstrap コマンドを実行して、BroadVision One-To-One Enterprise のインストールを開始します。
bvconf コマンドはスーパーユーザーとして実行しないでください。
% bvconf bootstrap -r root-host-logical-hostname |
BV_LOCAL_HOST 環境変数を back-end-logical-hostname または im-hostname として設定します。
使用しているシェルに応じて、bv1to1.conf.sh ファイルまたは bv1to1.conf.csh ファイルを有効にします。
各バックエンドホストおよび Interaction Manager ホストに対してbvconf execute コマンドを実行し、BroadVision One-To-One Enterprise インストールを構成して開始します。
% bvconf execute -local -var shared -r root-host-logical-hostname |
BroadVision コマンド bvconf gateway を実行して、HTTP ゲートウェイアプリケーションのゲートウェイ構成ファイルを生成します。
このコマンドは、ファイルを生成してそれらを $BV1TO1_VAR/etc/appName.cfg ファイルに書き込みます。
% bvconf gateway -A appName |
$BV1TO1_VAR/etc/bv1to1.conf 構成ファイルで定義されているゲートウェイアプリケーション名を指定します。詳細については、『BroadVision One-To-One Enterprise Installation and Administration Guide』を参照してください。
HTTP インスタンスを実行する各クラスタノードで、/etc/opt/BVSNsmgr ディレクトリにゲートウェイアプリケーション構成ファイルをコピーします。
.cfg. 拡張子の付いたゲートウェイアプリケーション構成ファイルをコピーしてください。
詳細については、『BroadVision One-To-One Enterprise Installation and Administration Guide』を参照してください。
HTTP サーバーを構成して起動します。
詳細は、HTTP サーバーのマニュアルを参照してください。HTTP サーバー構成の詳細は、『BroadVision One-To-One Enterprise Installation and Administration Guide』を参照してください。
BroadVision クライアントから BroadVision サイトに接続し、インストールを確認します。
BroadVision One-To-One Enterprise ソフトウェアが正常に動作していれば、次の操作を行なって Interaction Manager、バックエンドプロセス、およびルートホストプロセスを停止します。
scswitch コマンドを実行し、フェイルオーバーリソースグループをほかのクラスタノード (node2 など) に切り替えます。
# scswitch -z -g failover-resource-group -h node2 |
BroadVision One-To-One Enterprise ソフトウェアを再スタートします。
BroadVision クライアントからクラスタに接続して、BroadVision One-To-One Enterprise ソフトウェアが正常に機能していることを確認します。
手順 15 から手順 18 までの手順を、BroadVision One-To-One Enterprise リソースグループのすべての潜在主ノードで繰り返します。
次の手順で、Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise パッケージをインストールします。この作業には、Sun Java Enterprise System Accessory CD Volume 3 が必要です。この手順は、Sun Cluster の初期インストール時にデータサービス パッケージをインストールしていない場合を想定しています。Sun Cluster の初期インストール時に Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise パッケージをインストールしている場合は、「代替構成: Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise を登録して構成する」へ進み、Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise のインストールと構成を行います。それ以外の場合は、次の手順で、Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise パッケージをインストールします。Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise を実行できるすべてのノードで、この作業を行なう必要があります。
CD-ROM ドライブに Sun Java Enterprise System Accessory CD Volume 3 を挿入します。
オプションは指定せずに、scinstall ユーティリティーを実行します。
scinstall ユーティリティーが対話型モードで起動します。
メニューオプション「新しいデータサービスのサポートをこのクラスタノードに追加」を選択します。
scinstall ユーティリティーにより、ほかの情報を入力するためのプロンプトが表示されます。
Sun Java Enterprise System Accessory CD Volume 3 のパスを指定します。
ユーティリティーはこの CD をデータサービス CD-ROM として示します。
インストールするデータサービスを指定します。
選択したデータサービスが scinstall ユーティリティによって示され、選択を確定するように求められます。
scinstall ユーティリティーを終了します。
ドライブから CD を取り出します。
Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise の登録と構成を行うには、次の手順を実行してください。
Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise を起動する前に、データベースがアクセス可能であることを確認してください。
ルートホスト、バックエンド、および Interaction Manager サーバーと、すべての BroadVision One-To-One Enterprise サーバーを停止します。
この手順は、BroadVision One-To-One Enterprise インストールをテストした後に実行してください。
ps(1) コマンドを実行して、すべてのクラスタノードで BroadVision One-To-One Enterprise プロセスと orbix デーモン (orbixd) がすべて停止していることを確認します。
1 つのクラスタノードのスーパーユーザーになります。
scrgadm コマンドを実行し、Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise のリソースタイプを登録します。
# scrgadm -a -t SUNW.bv |
データサービスのリソースタイプを追加します。
当該データサービス用にあらかじめ定義されているリソースタイプ名を指定します。
scrgadm コマンドを実行し、ルートホストリソース、バックエンドリソース、および Interaction Manager リソースを作成します。
リソースごとに Network_resources_used プロパティを設定し、適切な論理ホスト名を指定します。
1 つのリソースグループ内に 2 つ以上のバックエンドリソースを作成してある場合、Network_resources_used プロパティを設定しなければ検証メソッドが失敗します。
# scrgadm -a -j root-host-resource -g failover-resource-group -t SUNW.bv -y Network_resources_used=root-host-logical-hostname -x BVUSER=bvuser -x BV1TO1_VAR=path-to-bv1to1_var-directory # scrgadm -a -j back-end-resource-1 -g failover-resource-group -t SUNW.bv -y Network_resources_used=back-end-logical-hostname-1 -x BVUSER=bvuser -x BV1TO1_VAR=path-to-bv1to1_var-directory ... # scrgadm -a -j back-end-resource-n -g failover-resource-group -t SUNW.bv -y Network_resources_used=back-end-logical-hostname-n -x BVUSER=bvuser -x BV1TO1_VAR=path-to-bv1to1_var-directory |
ルートホストリソースの名前を指定します。
BroadVision ユーザー名を指定します。
$BV1TO1_VAR ディレクトリのパスを指定します。
バックエンドリソースの名前を指定します。
フェイルオーバーリソースグループの Network_resource_used プロパティに定義されていた論理ホスト名はすべて作成されている必要があります (「代替構成: BroadVision One-To-One Enterprise、データベース、および HTTP サーバーのインストールを構成して確認する」の手順 3 を参照)。
「代替構成: BroadVision One-To-One Enterprise、データベース、および HTTP サーバーのインストールを構成して確認する」の手順 4で作成したスケーラブルリソースグループ内に Interaction Manager リソースを作成します。
# scrgadm -a -j im-resource -g im-resource-group -t SUNW.bv -x BVUSER=bvuser -x BV1TO1_VAR=path-to-bv1to1_var-directory |
Interaction Manager リソースの名前を指定します。
scswitch コマンドを実行し、BroadVision One-To-One Enterprise バックエンドリソースとルートホストリソースを含むようになったリソースグループを有効にします。
# scswitch -Z -g failover-resource-group # scswitch -Z -g im-resource-group |
Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise のインストールを確認する手順は次のとおりです。
Web ブラウザから、BroadVision One-To-One Enterprise ソフトウェアで構成したアプリケーションにログインします。
フェイルオーバーリソースグループを管理しているノードにログインします。
BroadVision ユーザーになります。
ルートホストプロセスを停止します。
BV_LOCAL_HOST 環境変数を root-host-logical-hostname として設定します。
使用しているシェルに応じて、bv1to1.conf.sh ファイルまたは bv1to1.conf.csh ファイルを有効にします。
次の BroadVision コマンドを実行します。
# bvconf shutdown -local |
Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise 障害モニターがルートホストを再起動します。
BroadVision One-To-One Enterprise に対する Web ブラウザ接続が、まだ有効であることを確認してください。
scswitch コマンドを実行し、フェイルオーバーリソースグループをほかのクラスタノード (node2 など) に切り替えます。
# scswitch -z -g failover-resource-group -h node2 |
BroadVision One-To-One Enterprise に対する Web ブラウザ接続が、まだ有効であることを確認してください。
Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise 障害モニターは、BroadVision One-To-One Enterprise バックエンドと Interaction Manager プロセスの健全性をチェックします。BroadVision One-To-One Enterprise プロセスの健全性は、BroadVision One-To-One Enterprise リソースの障害履歴に影響し、それによって障害モニターのアクションが取られます。各 BroadVision One-To-One Enterprise リソースについては、障害モニターは再起動、フェイルオーバーなどのアクションを起こしません。
Interaction Manager リソースについては、次の 2 つの状況が同時に発生している場合にだけフェイルオーバーが発生します。
主ノードの候補数が主ノードの最大数より少ない。
いずれかのノードが使用不可能である。
フェイルオーバーのあとで次の 2 つの状況が同時に発生していると、障害モニターはどのクラスタノードでもリソースを再起動しません。
Interaction Manager リソースグループの主ノードの最大数と候補数が同じである。
Retry_count プロパティに指定されている回数だけ、障害モニターが Interaction Manager リソースの再起動を行なった。
各 BroadVision One-To-One Enterprise リソース (ルートホスト、バックエンドホスト、および Interaction Manager ホスト) の障害モニターは、以下のプロセスを監視します。
すべての BroadVision One-To-One Enterprise リソースに共通する orbix デーモン (orbixd ) – 検証機能は、ps(1) コマンドを使用して orbixd が機能していることを確認します。orbixd が機能していない場合、検証機能は障害が復旧したと見なし、Resource Group Manager (RGM) が orbix デーモンを再起動します。
orbix デーモンは、チェックポイント機能と共に起動されます。このため、orbixd の直前のインスタンスによって起動された BroadVision One-To-One Enterprise サーバーは新しい orbixd インスタンスを使用して動作を継続します。
リソースで構成した BroadVision One-To-One Enterprise デーモン – orbixd が健全な場合、検証機能は BroadVision コマンドの bvconf ps を使用して、BroadVision One-To-One Enterprise デーモンが機能していることを確認します。BroadVision One-To-One Enterprise デーモンが機能していない場合、RGM はそのリソースを再起動します。これにより、構成されているすべてのデーモンが再起動されます。
この節では、Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise で予測される動作について説明します。
One-To-One データベースにエラーが発生し、バックエンドホストがフェイルオーバーする – データベースにエラーが発生し、データベースがオンラインに戻る前にバックエンドホストがフェイルオーバーすると、BroadVision One-To-One Enterprise リソースはどのクラスタノードでもオンラインに戻りません。データベースが正常に再起動された場合、BroadVision One-To-One Enterprise リソースを再び起動します。
起動順リストに含まれているホストがオフラインになっている – BroadVision One-To-One Enterprise リソースは、決まった順序で起動されなければなりません。この順序は、BroadVision コマンド bvconf bootstrap で示されます。次に示す状況が同時に発生している場合、リソースグループ内のホスト名に構成されている BroadVision One-To-One Enterprise プロセスは起動しません。
起動順リスト内のリソースの中にオフラインのものがある。
起動順リスト内のオフラインになっているリソースの後にリストされている BroadVision One-To-One Enterprise リソースを起動した。
これらの状況が同時に発生すると、リソースグループはオンラインになりますがプロセスは起動しません。検証機能は、起動順リスト内のリソースグループがオンラインになるのを待ったあとでこのリソースの BroadVision One-To-One Enterprise プロセスを開始します。
BroadVision リソースグループと Oracle リソースグループが同時にフェイルオーバーする – Oracle を使用しているときに、BroadVision One-To-One Enterprise バックエンドリソースグループと Oracle リソースグループが同時にフェイルオーバーした場合、一部の BroadVision デーモンは再起動に失敗します。このような再起動の失敗は、Oracle データベースが再起動している間に発生します。BroadVision One-To-One Enterprise リソースは、再起動に失敗したデーモンが起動されるまで再起動を試みます。