Sun Cluster のシステム管理 (Solaris OS 版)

Procedureプライベートホスト名を変更する

インストール完了後、クラスタノードのプライベートホスト名を変更するには、次のようにします。

デフォルトのプライベートホスト名は、クラスタの初期インストール時に割り当てられます。デフォルトのプライベートホスト名の形式は、clusternode nodeid -priv です (clusternode3-priv など)。clusternode3-priv . プライベートホスト名を変更するのは、すでにその名前がドメイン内で使用されている場合だけにしてください。


注意 – 注意 –

新しいプライベートホスト名には IP アドレスを割り当てないでください。クラスタソフトウェアが IP アドレスを割り当てます。


手順
  1. クラスタ内のすべてのノード上で、プライベートホスト名をキャッシュする可能性があるデータサービスリソースやアプリケーションをすべて無効にします。


    # scswitch -n -j resource1, resource2
    

    無効にするアプリケーションには次のようなものがあります。

    • HA-DNS と HA-NFS サービス (構成している場合)

    • プライベートホスト名を使用するようにカスタマイズしているアプリケーション

    • クライアントがプライベートインターコネクト経由で使用しているアプリケーション

    scswitch コマンドを使用する方法については、scswitch(1M) のマニュアルページと、『Sun Cluster データサービスの計画と管理 (Solaris OS 版)』を参照してください。

  2. クラスタ内の各ノード上で、Network Time Protocol (NTP) デーモンを停止します。

    • Solaris 8 または Solaris 9 を使用している場合は、xntpd コマンドを使用して NTP デーモンを停止してください。NTP デーモンの詳細については、xntpd (1M) のマニュアルページを参照してください。


      # /etc/init.d/xntpd.cluster stop
      
    • Solaris 10 を使用している場合は、svcadm コマンドを使用して NTP デーモンを停止してください。NTP デーモンの詳細については、svcadm(1M) のマニュアルページを参照してください。


      # svcadm disable ntp
      
  3. scsetup(1M) ユーティリティーを実行して、適切なノードのプライベートホスト名を変更します。

    この手順は、クラスタ内の 1 つのノードから行うだけでかまいません。


    注 –

    新しいプライベートホスト名を選択するときには、その名前がクラスタノード内で一意であることを確認してください。


  4. 「メインメニュー」から 6 (プライベートホスト名) を選択します。

  5. 「プライベートホスト名メニュー」から 1「プライベートホスト名を変更」を選択します。

    表示される質問に答えます。ここでは、プライベートホスト名を変更するノードの名前 (clusternode<nodeid>-priv) と新しいプライベートホスト名を問い合わせられます。

  6. ネームサービスキャッシュをフラッシュします。

    この手順は、クラスタ内の各ノード上で行います。この作業によって、クラスタアプリケーションとデータサービスが古いプライベートホスト名にアクセスすることを防ぎます。


    # nscd -i hosts
    
  7. 各ノードで ntp.conf.cluster ファイルを編集し、プライベートホスト名を新しいものに変更します。

    編集するツールは任意のものを使用できます。

    この手順をインストール時に行う場合は、構成するノードの名前を削除する必要があります。デフォルトのテンプレートには 16 のノードが事前構成されています。通常 ntp.conf.cluster ファイルは各クラスタノード上で同じです。

  8. すべてのクラスタノードから新しいプライベートホスト名に ping を実行して応答を確認します。

  9. NTP デーモンを再起動します。

    この手順は、クラスタ内の各ノード上で行います。

    • Solaris 8 または Solaris 9 を使用している場合は、xntpd コマンドを使用して NTP デーモンを再起動してください。


      # /etc/init.d/xntpd.cluster start
      
    • Solaris 10 を使用している場合は、svcadm コマンドを使用して NTP デーモンを再起動してください。


      # svcadm enable ntp
      
  10. 手順 1 で無効にしたデータサービスリソースとその他のアプリケーションをすべて有効にします。


    # scswitch -e -j resource1, resource2
    

    scswitch コマンドを使用する方法については、scswitch のマニュアルページと『Sun Cluster データサービスの計画と管理 (Solaris OS 版)』を参照してください。


例 7–8 プライベートホスト名の変更

次に、ノード phys-schost-2 上のプライベートホスト名 clusternode2-privclusternode4-priv に変更する例を示します。


[必要に応じてすべてのアプリケーションとデータサービスを無効化する]
phys-schost-1# /etc/init.d/xntpd stop
phys-schost-1# scconf -p | grep ノード
 ...
クラスタノード:                  phys-schost-1 phys-schost-2 phys-
 schost-3
 クラスタノード名:                                 phys-schost-1
  ノードのプライベートホスト名:                     clusternode1-priv
 クラスタノード名:                                 phys-schost-2
  ノードのプライベートホスト名:                     clusternode2-priv
 クラスタノード名:                                 phys-schost-3
  ノードのプライベートホスト名:                     clusternode3-priv
 ...
phys-schost-1# scsetup
phys-schost-1# nscd -i hosts
phys-schost-1# vi /etc/inet/ntp.conf
 ...
 peer clusternode1-priv
 peer clusternode4-priv
 peer clusternode3-priv
phys-schost-1# ping clusternode4-priv
phys-schost-1# /etc/init.d/xntpd start
[手順の初めで無効化したすべてのアプリケーションとデータサービスを有効化する]